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トランス脂肪酸って何だっけ? あ、プラスチックのことだよね?

海外だとマーガリン食べると捕まるんでしょ?

バターは安全だからたくさん食べても健康的な食べ物なんだよね?


バター

…… …… …… !!!

誰に聞いたんですか!!
もしかして、それ教えてくれた人に何か嫌われるようなことしてませんか!?



いきなり衝撃的な質問を浴びてしまいましたが、トランス脂肪酸、確かにほんの少し前、ずいぶんと騒がれていた時期がありました。


私たちの体は、食べたものからしか作られていきません。

どちらも「アブラ」なので、ダイエットの敵! 的なイメージ大ですが、「アブラ」も私たちの体にとっては、本当に大切なエネルギー源の一つです。

でも、できれば体にいいものだけ食べたい……

はい……その通り……


「バター」と「マーガリン」の違い、また先ほども出てきましたが「トランス脂肪酸」について、解説いたします。

健康やカロリーなどにも配慮しつつ、毎日の「おいしい!」のお手伝いができましたら幸いです!!


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「バター」と「マーガリン」は何が違う?


お菓子作りや調理には「バター」、トーストに塗るなら「マーガリン」などと分けて使われている方も多いかと思います。

サンドイッチを作る時などですと「バター」の固さでパンに穴が……といった悲劇が起こることもあります。その点「マーガリン」の柔らかさなら安心。

サッパリとした軽い口当たりなので、他の食材の味もジャマしません。なかなか優秀ですね。


さて、この「マーガリン」。かの昔には「人造バター」とも呼ばれ、「バターに似せて」作られた「バターの代用品」として誕生しました。


ですが「似てる」と「同じ」では、やはり何かと違いがあり……まずは主原料が違ってきます。


「バター」に使われているのは「牛乳」。

簡単に言うと、牛乳の乳脂肪を取り出して固めたものが「バター」です。


一方の「マーガリン」には「コーン油・大豆油・菜種油・パーム油」などが使われています。

それをちょっと簡単には言えないくらいの、いくつかの工程を経て固めたものが「マーガリン」です。


主原料からもわかるように「牛乳」からできている「バター」は「動物性脂肪」、「植物性油脂」を主原料とする「マーガリン」は「植物性脂肪」となります。
何となく「植物性」の方が「動物性」のものよりヘルシー感がありますね。


また「マーガリン」には「カロリーハーフ」のものなども市販されており、金額的にも安い、とあってはバターの代わりに、と思うのも当然のような気がしてきます。

では、なぜ「バター」には「カロリーハーフ」などがないのか?

「バター」と名乗れるのは「乳成分80.0%以上、水分17.0%以下」と法律で決められているからなのです。

また「大腸菌群が陰性」であることもクリアしなければいけません。


そういうことなら「カロリーをハーフ」にできる「マーガリン」にはこのような決まりはないのか、と言いますと、実はあるのです。

マーガリンとは「油脂が80%以上含まれるもの」です。

ですので「カロリーハーフ」などの製品は「マーガリン」ではなく「ファットスプレット」と呼ばれるマーガリンの一種となり「油脂80%未満」のものを指します。このため油分を少なくしカロリーをオフにすることもできるのですね。

現在市販されているものの主流はこのタイプ。誰もが聞いたことのある「ネオソフト」や「コーンソフト」「ラーマ」なども「ファットスプレット」です。

  • バター: 主原料「牛乳」の「動物性脂肪」
    → 乳成分80.0%以上、水分17.0%以下で、大腸菌群のテストをクリアしたもの

  • マーガリン: 主原料「植物性油脂」なので「植物性脂肪」
    → 油脂含有量80.0%以上のもの(植物なので大腸菌は関係ありません) / 中でも「油脂含有量」が80%未満で「ファットスプレット」と呼ばれる「マーガリン」の一種が現在の主流

ここが大きな違いとなります。

とりあえず、こちらを押さえておいていただき、では続いて「バター」「マーガリン」、それぞれについて少し見ていってみましょう!

「バター」とは?


♦【自由研究】バターをあたためてみよう!


「バター」の作り方はいたってシンプル。

先程も書きました通り、牛乳や生乳からクリームを分離し、撹拌させて乳脂肪を固めたものが「バター」です。

動物性脂肪なので、冷えると固まる、という特徴があります。

このシンプルさが理由なのかは不明ですが、なんと紀元前3500年のメソポタミアの石板にバター作りらしき様子が描かれていたり、紀元前2000年のインドではすでにバターが作られていた、との記録があったりと、昔にも程があるほど昔からある食べ物なのです(食用とされたのは紀元前60年頃から。でも紀元前)。


ですのでオール自然界、といった安心できる食べ物であることは確か。

ですが「動物性脂肪はコレステロールが凄そう」といったご指摘もまた確かなのです。


バターの弱点はやはり「コレステロール」。

動物性脂肪は摂りすぎると「コレステロール値の上昇」はもちろん、それに伴い「肥満」「動脈硬化」などの原因ともなります。悪玉コレステロールが増えてしまうのですね。


摂取量の目安は「1日にスプーン大さじ1.5~2杯」。

バターだけの摂取量ではなく、1日の「動物性脂肪」のもの全部の摂取量です。何だかこう言われるとドキドキしてきてしまいますが、大丈夫。


摂りすぎた次の日は、なるべく野菜を中心にした食事にする、などで取り返せます。

毎日摂りすぎなければ問題ありません。が気にしていないとついつい……となってしまいますのでご注意くださいね。


また「乳脂肪」にはビタミンA(カロテン)が多いことも特徴の一つです。皮膚や粘膜の保護には必要不可欠な栄養素です。

緑黄色野菜にはβカロテンを含むものが多くありますので、バター炒めなど作ると肌も丈夫に、美容にもいい美味しいおかずになります(でも……美味しくても食べすぎはダメです)。

「マーガリン」とは?


マーガリンの誕生は1869年、フランス。

海外遠征に行こうとしたあのナポレオンが、庶民にまで行き渡らないバター不足の現状を嘆き、代用となる安価な食品を開発する募集をかけた、その優勝者の作品が「マーガリン」の始まりです。


その時の「マーガリン」は「牛脂に牛乳を加えて固める」といったタイプ。「植物性」の部分はゼロでした。

その後、技術の発達に伴い「植物油の固形化」が可能になり、現在のマーガリンタイプが誕生していくわけです。

「人造バター」から「マーガリン」への昇進ですね。

さて、サラダオイルを見てもわかる通り「植物性油」は常温では液体です。


ではどうすればマーガリンのように「植物性油の固形化」となるのか?



「植物性油」に水素を添加することで、常温でも溶けにくくなるのです。


マーガリンの原材料を見てみますと、油脂の他に、

「食塩・粉乳・乳化剤・香料・着色料」

などと書かれているものがほとんど。「バター」の風味を出すのは大変そうですね。


ですがこのままでは液体のまま。そこで「水素添加」です。

「マーガリン」とは、原料の植物性油脂(液体)を「水素添加」により固体状に硬化させ、さらにそこに乳成分やビタミンA、乳化剤などを添加し混ぜ合わせて作られる加工食品なのです。


さて、この「水素添加」。色々な意味でポイントとなってきます。

液体の油から固体の脂を作る際のポイントともなりますが、この時一緒に生まれてしまうのが「トランス脂肪酸」。
「マーガリン、怖い」と言われるポイントともなるのです。

★「トランス脂肪酸」って何?


「食べるプラスチック」や「プラスチック食品」などと言われ、一時期結構話題になった「マーガリン」。


「バターより健康的だなんて大ウソだ! っていうより毒じゃないか! これでいいのか、日本!!」といった感じでしたね。

その原因となったのが、マーガリンを作る過程で作られてしまう「トランス脂肪酸」。

海外では含有量の表示を義務付けたり、規制措置を実施するなど、様々な対策が取られています。


なぜここまで「トランス脂肪酸」を嫌うのか、といいますと、ひと言で言えば体に良くないからなのですが、具体的には、

  • 悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす
  • 心臓病リスクを上げる
  • 突然死、糖尿病、高血圧、動脈硬化、メタボリック化のリスクアップ
  • 喘息やアトピー性皮膚炎の原因や、認知症との相関関係も
  • 本来なら、食品から摂る必要のないもの

などなど。聞くだけでも恐ろしいことになっています。

海外では「トランス脂肪酸の摂りすぎ」は「穏やかな自殺」とまで言われているのです。

それは怖い……


100gあたりの「バター」「マーガリン」の「トランス脂肪酸含有量」を比較してみますと、

  • バター: 2g
  • マーガリン: 7g

バターにも入っています!!


ですが、バターの「トランス脂肪酸」は動物の胃の中で作られたもの。

羊や牛、ヤギやラクダなど、食べたものをまた口の中に戻してモグモグと咀嚼するような動物を「反芻動物」と呼びますが、このような動物の胃の中の微生物の働きによっても「トランス脂肪酸」は作られてしまいます。ですので、牛肉や羊肉、そして牛乳や乳製品にも微量ですが含まれているのです。


一方、マーガリンに含まれる「トランス脂肪酸」は、油脂を製造・精製することによって作られる人工的なもの、となります。水素添加や油脂から臭みを取る高温での処理の際に生成されるものです。


そして、同じ「トランス脂肪酸」の中でも「良くない」とされるのは「水素添加」された方。「部分水素添加油脂」と呼ばれるものと言われているのです(ですが、実際にはいくつも種類のある「トランス脂肪酸」の内、どれが健康に悪影響を及ぼすか、という十分なデータはまだ出揃ってはいないようです)。


さてさて、日本はこの「トランス脂肪酸」に対してどのような対策を取っているのか。

健康に悪影響を及ぼす可能性のある食品などについての指標を取りまとめている「農林水産省」が2009年2月に出した結論が「自主的な表示を促す」といったもの。2012年には「国内での規制は不要」とする報告書が出されています。


!! 海外では規制までされてるのに大丈夫なの? 何で!?


……とも思いますが「トランス脂肪酸」の健康への悪影響を示す研究の対象は欧米人。その摂取量も、日本人と比較になるの? と思われるほど多いからなのです。


「トランス脂肪酸」の推奨摂取量は「総エネルギーの1%未満」。

そして「食品安全委員会」の調べによれば、日本人の平均摂取量は、男性で0.30%、女性でも0.33%、となっているのです(2006年)。

ちなみにアメリカでの平均摂取量は2.6%。前年に摂りすぎによる心臓への危険性を市内の飲食店に呼びかけたにも関わらずです(体の大きさや食習慣からの違いもあり、そこは仕方がないことなのかもしれません。アメリカのハンバーガーの大きさ!!)。

全米でトランス脂肪酸の含有量を表示することが義務づけられたのが翌年2006年。義務づけられた理由にはこういった背景があるのですね。


一方、規制のない日本。

「トランス脂肪酸」の危険性が指摘され始めた頃から、大手企業を中心に自主的な対策が取られ始め、2015年にはマーガリンやショートニング(ラード / 豚脂の代用品。マーガリンよりもトランス脂肪酸含有量が多い)の低トランス脂肪酸化が実現しています。日本人てすごいですね。ちょっとだけウルウルきます。さすが!!


ですが、だからといってマーガリンが問題なく安全、というわけではないのです。

なぜなら「トランス脂肪酸」は実際に健康に良くはないものだからです。怖いもの、なるべくなら摂取したくないものであることは確実です。


でも、これはマーガリンの「トランス脂肪酸」に限ったことではないのですね。同じく、コレステロールの多いバターも、腎疾患や高血圧の原因ともなる塩分、肥満を引き起こす要因ともなる砂糖類なども同じです。


要は「カラダに良いものではないから、なるべく控えよう」という心がけが大事なのであり、一切食べないようにする、というのはちょっと現実的ではないかな、と個人的には思ってしまうのですが……

気になるカロリー比較! 健康・美容にいいのはどっち?


ここはサラッと行きましょう!
2つの違いを比較してみます。

  • バター: 75㎉ / 10g
      → 血管を丈夫に保つ働きあり・脳出血などの予防にも / 乳脂肪80%以上なので油脂だが消化がいい / 含まれているビタミンAには皮膚・粘膜の保護には必要不可欠

  • マーガリン: 76㎉ / 10g
      → ビタミンAやK、カルシウムが含まれているため、骨や歯を丈夫にし、成長ホルモンの分泌も促す / 体内では十分な量を作れないが必要な栄養素である「必須アミノ酸」を含む


  •  ➡ 実は「バター」の方がカロリーが若干低め。脂肪の量はほとんど変わりません。それぞれに美容に役立ってくれそうな部分があります。ですが、適量なら、です!! 善玉のコレステロールを減らし、悪玉を増やしてしまうのはどちらも同じです。心疾患や動脈硬化の原因ともなりますので注意です!!(最近はやりの「無塩バター」ですが、カロリー的には通常の「有塩バター」より少し高くなっています)

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【バターとマーガリン】違いのあれこれ♪


どうしても「トランス脂肪酸」の強烈さに目が行ってしまいがちですが、ここでもう一度純粋に「トランス脂肪酸」VS「コレステロール」ではなく、「バター」「マーガリン」の違いについてまとめていってみましょう。

何からできてる?

  • バター:「牛乳」から
      →「動物性脂肪」です。

  • マーガリン:「コーン・大豆・菜種・パーム油」など植物性油脂から
      → 色々工程を踏んでいる「植物性脂肪」の「加工食品」です。

味の違いは?


  • バター: 香り、風味が豊かでコクあり
      → お菓子作りにはおススメです。バターの風味等をいかす料理にぜひお使いください!

  • マーガリン: さっぱりとした味と口当たり
      → 他の食材と合わせる時には、主張しすぎず、まろやかにもしてくれるマーガリンがおススメ。サンドイッチや素材の味をジャマしたくない時にはぜひマーガリンを!

決まりはある?


はい!

  • バター: 乳脂肪分80.0%以上、水分17.0%以下
  • マーガリン: 油脂80.0%以上 / 現在主流の「ファットスプレット」は油脂80%未満

カロリーが低いのは?


微々たる差ですが「バター」

  • バター: 10g = 75㎉
  • マーガリン: 10g = 76㎉

値段が安いのは?


「マーガリン」

  • バター: 一般的なもので200g = 400~500円
  • マーガリン: そのほぼ半値

健康・美容効果は?


  • バター: 血管を丈夫に保つ / 脳出血などの予防 / 皮膚や粘膜の保護 / 美肌
  • マーガリン: 骨や歯を丈夫にする / 成長ホルモンの分泌を促しターンオーバー(シミ対策にもなる肌の代謝)などにも有効

  •  ➡ どちらも「脂質」。体を作ってくれる三大栄養素の一つです。適量なら、問題ないどころか必要不可欠なものです。

でも食べ過ぎるとどうなる?


太ります!!


また、同じ「アブラ」でも「オレイン酸」を豊富に含む「オリーブオイル」にはトランス脂肪酸などの悪玉コレステロールのみ退治してくれる効果があります。バターやマーガリンの代わりにたまには使ってみるのはいかがでしょう。

おススメはオリーブオイルに少量の塩か醤油。少々です! 少しずつ塩など加えていき、ぜひお好みの分量を見つけていってみてくださいね。

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終わりに……


「トランス脂肪酸」の悪影響を知ると「そんなもの、絶対に食べたくない!」と怖くなってしまいます。

ですが、海外に比べ日本がその対策にそれほど重点を置いていないかに見えるのには、先ほど書きましたように摂取量が少ないこと、また、それに対抗し得る「リノール酸」などを含む食品を、比較しても多く摂取しているからなのです。


食べ過ぎると体に悪影響を及ぼす可能性のある食品は他にもあり、海外と国内では食習慣の違いから、その規制等の優先順位が違ってくる、という理由もあります。


ですが「トランス脂肪酸」は体には良い影響は与えません。摂らずに済むのであればそれに越したことはないのです。
塩分も糖分も、他の脂肪分などもまた然り。


ですが「これはいい食材」「これは少々難点あり」「これは、ヤバい」などと知っておけば、選ぶことができ、また選択肢のない状態でも、次に備えることができるのです。


おいしいものは、大抵、何か困ったことを連れてきます。お寿司とか、フライドチキンとか……


でも食べていいのです! 大切なのは、食べた後の自分へのフォローです。

「バター」と「マーガリン」の違いが、皆さまのこれからの「おいしい!」に少しでも繋がれば本当に嬉しいです!!


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