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これは……確かに「どちらも偉い」で正解なのですが、間違えてしまうと、何かと今後の会社での毎日が気まずくなってしまうような……

役員


「執行役員」と「取締役」の違いについて解説いたします。


もしかしたら、いつか任されるかもしれないこちらの2つの役職。今のうちにこの2つについて知っておき、明るい将来に備えておきましょう!


「会社の偉い人」についての疑問解消に、少しでも役立てていただけましたら幸いです!


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「執行役員」と「取締役」はココが違う!


一般的な株式会社には「株主」がいて「経営者」がいて「従業員」がいます。


「出資担当」「経営担当」「業務担当」といった役割分担ですね。


そして「執行役員」と「取締役」の一番の違いも、この分担している役割の部分。


「取締役」は「経営担当サイド」、「執行役員」は「業務担当サイド」にいるのです。


会社では「会社法」という法律により様々なことが定められています。

その会社法上「取締役」は「役員」、「執行役員」は「従業員」とされ、そのことにより「経営」か「業務」かの担当分野以外にもいろいろな権限の違いが出てくるのです。


まずは上記の大きな違いを押さえておいていただき、続いてそれぞれの役割や権限などについて見ていってみましょう!

「取締役」とは?


まず初めに会社での「役職(敬称)」についてですが、これには「法律で定められた役職」「社内外での呼び名としての役職」「法人税法で定められた役職」の3種類があります。


「社内外での呼び名としての役職」が、一番身近かと思います。「部長」や「主任」などのことです。


では「法律で定められた役職」とは何か、と言いますと、ズバリこの「取締役」などのことを指しています。


株式会社を設立する際には、法務局で登記を行う必要があります。

その時に届け出る「商業登記簿」に会社を代表する責任者の名前を記載しますが、その責任者の役職名が「代表取締役」です。「取締役」の中の代表者ですね。


株式会社には最低でも一人は「取締役」を置くことが先ほどの「会社法」により定められています。

取締役が一人しかいない会社であれば、登記の際に記載するのはその「取締役」の名前となり、複数いる場合にはその中の一人が代表となるわけです。


このように「取締役」は「会社法」「商業登記法」による、法的な役職名となります。


一方の「部長」や「課長」などの敬称は「社内外での呼び名」。法律で「部長という役職を必ず置くこと」などと定められてはいません。


つまり、法的な規定はなく、よって法的な権限も持ちません。


会社法上定められた役職を持つ「取締役」や「監査役」「会計参与」などといった役職名を持つ人たちだけが「役員」と呼ばれます。


さてその「取締役」など役員の仕事は「会社の経営」。


毎日の業務をこなすのではなく、その業務の方針などを決めています。

会社の運営、経営に専念した仕事内容ですね。

社内の重要事項を決定し、業務執行についての監督も行います。


また「取締役」は「従業員」ではなく「役員」なので委任関係となり「委任契約」という形を取ります。


もともと従業員だった人が取締役に任命された場合には、一旦会社を退職し、今までの「雇用契約」を解消する必要があります。何だか不安な気分になりますが、大丈夫。その後、改めて会社と結ぶのが「委任契約」です。

ここで大きな線引きがなされるわけですね。もう実務はいいから、これからは会社運営のためにしっかり働いてくれよ、といった感じです。気合も入ります。


また最近では取引関係などのない、第三者的な会社から「取締役」を「取締役会のメンバー」として迎える会社も増えてきました。

ちょっとびっくりですが、その会社に長く勤めている人にはなかなか言えないような意見でもしっかり指摘してくれたり、また新しい考えなどを取り入れることができる、といったメリットは大きいのですね。


「取締役」とは、会社の重要事項、方針などを決定する権限を持ち、会社経営に携わる法的な既定に基づく役職、となります。

「執行役員」とは?


♦上司の執行役員就任祝い1


続いての「執行役員」。

先ほど書きましたように「取締役」が「役員」であったのに対し「会社法・商業登記法」上では「執行役員」は「従業員」。

登記簿に名前を記載する必要もありませんし「会社経営」への参加もありません。


「執行役員」という敬称は「社内外での呼び名」として与えられるものです。

経営サイドが決定した方針や重要事項に従い、実際の業務をこなす「従業員」たちのリーダー的存在ですね。取締役会から与えられた執行権限で、会社の業務の執行に専念します。


「取締役」ではないけれど「役員待遇」の幹部従業員が任命されることがほとんど。優秀な社員さんなのですね。


また会社との契約も「従業員」ですので、普通の「雇用契約」。


通常「執行役員」に任命されたからといって、一旦会社を退職して新たに再契約、などといったことはありません(会社により「委任契約」が取られることもあるため、一概には言えませんが)。


法的な役職ではありませんが、立場上「取締役よりは下だが、部長クラスよりは上」といった位置の役職となります。


「執行役員」とは「社内外に向けた敬称」ではありますが、業務の現場の責任者であり、その執行の権限を与えられた(取締役会から)、経営には関わらない従業員のトップ、といった役割なのです。


さて、先ほど挙げました役職(敬称)についての3種類。


上記のものの他に「法人税法で定められた役職」というものがありました。

ここでは「会社法」での「役員」以外でも「役員」とされる場合があります。

「役員」の範囲が「会社法」に比べ広くとられているのですね。


「従業員」への「給与(従業員給与)」に当たるものが「役員」では「役員報酬」です。

「役員報酬」は定期同額給与となり、賞与などを支給した場合等、会社の「損金」として扱ってもらえないこともあります。

「役員」は会社の経営に携わっているため、会社の利益と個人の利益が、通常の従業員に比べ密接な関係になることも多く、不正を防ぐ理由からも「役員」と「従業員」では給与形態も変える必要があるのです。


そして「会社の経営に携わっている」とされる範囲が「法人税法」では「主要な取引先との案件、金融機関、または採用人事などの決定権を持つ」など、実務的に経営に関わること全般に及びます。そして「法人税法」においての「役員」は、それらに当てはまる人すべて、となるのです。


いわゆる「みなし役員」と呼ばれるものです。


さてさて「執行役員」ですが、稀にこの境界線に引っかかることがあります。

本来なら「法人税法」においても「執行役員」は「役員」ではないのですが、会社経営の意思決定に参加しているなど、上記の「みなし役員」のボーダーライン上に立ってしまうと、税務上は「役員」扱い、つまり「みなし役員」となってしまうのです。


みなし役員でも、支給された賞与などは「役員」と同じく「損金として扱われない(損金不算入)」とされてしまうため、会社側の支払う法人税は高くなります。

会社にとっては痛いことですね。税理士さんに相談するなど、経営サイドも「執行役員」が「役員」とみなされないよう、注意が必要なのです。

どうして「執行役員」が必要なの?


日本の企業で初めて「執行役員」を置いたのは、あの有名な「ソニー」。1997年6月のことです。


かつての日本企業には「取締役」職の人数も多く、現在の「執行役員」的な役割も兼ねていました。

多すぎる取締役がワイワイと会社の方針を決めている状態ですね。もの凄く効率が悪そうです。


かのソニーも、当時38名いた取締役を7名にまで減らしています。


その結果どうなるか?


「経営担当サイド」の意思決定の迅速化につながるのです。


少数精鋭の「経営集団」といった感じでしょうか、「経営」を「業務」と切り離したことで、もう、経営のことだけ考えられる、といった状態へと変わったわけです(ソニーの場合では「取締役」も「執行役員」を兼ねていましたが)。


しかし、このままでは今度は「業務」がちょっと心配……ということで置かれたのが「執行役員」。

今まで「取締役」だった人が、各担当業務の(業務)執行権を持ち、分担してその業務を執り行うことに専念、ということになったのです(ソニーの場合)。


つまり「執行役員」とは、従業員により近い立場にいながら、現場の先頭に立ち指揮を執る権限も持った人たち。


「経営側」の意思決定のスピードもアップしますが、同じように「業務サイド」もその決定を受け、その実行の効率も上がることになるのです。

このようにして、大きな企業が中心となり、現在では徐々に「執行役員制度」を導入するところが増えてきました。
また「取締役」の代わりに「執行役員」を増やすことはコストダウンにも繋がります。


最初の方に書きましたが、一般の株式会社には「株主」がいます。出資者ですね。

「取締役」を選任するのは「株主総会」。いわば「株主の代理」的な部分はどうしても否めないのです。

そこで「執行役員」。

株主から切り離し、つまり、会社経営の立場からではない、純粋に「会社の業務に責任を持つ」立場、というのは非常に重要となってくるわけです。


それぞれ「経営」「業務」に専念する職を置くことは、「経営側」「業務を行う側」どちらにとってもメリットとなっているのです。

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「執行役員」と「取締役」はこんなに違う!!


「会社法」の規定役員である「取締役」と、規定のない社内外での敬称である「執行役員」。


どっちが偉い? と言われれば、やはりどちらも偉いのですが、どちらが上の職? なら「取締役」となりますね。


さてさて、どちらも偉くて役職的には「取締役」の勝利となるこの2つ。

ではここで、もう一度色々な違い、それぞれの権限等、まとめていってみましょう!

法的な違いは?


    ◎会社法・商業登記法
  • 取締役: 役員
  • 執行役員: 従業員

  • ◎法人税法
  • 取締役: 役員
  • 執行役員:「従業員」の場合と「役員」の場合あり
  • → 会社経営への参加が認められた場合には税務上「役員」とされることもあります(みなし役員)。

主な役割は?


  • 取締役: 会社の経営に携わる
    → 会社の重要事項や方針の決定権を持ちます。

  • 執行役員: 現場のトップとして会社の業務を執り行う
    → 決定された重要事項、または方針に従い、それらを実行する権限を「取締役会」より付与されています(通常、会社の経営への参加はありません)。

契約形態は?


  • 取締役: 委任契約
    → 会社とは委任関係にあります。

  • 執行役員: 雇用契約(会社により「委任契約」となる場合も)
    → 会社との関係は雇用関係です。

2つを兼ねることもある?


兼任することもあります。その場合「取締役執行役員」または「業務担当取締役」などと呼ばれます。

権限の違いは?


  • 取締役: 対外的な契約や金融機関などとの決定権あり
  • 執行役員: 取締役会から与えられた「執行権限」あり。通常、対外的な契約や金融機関などとの決定権などはなし

2つの関係は?


  • 「株主総会」により選任されるのが: 取締役
    →「株主総会」で会社の大きな方針を決め、それを具体的なものとするのが「取締役会」

  • その「取締役会」が選任するのが: 執行役員
    →「取締役会」の意思決定に従い、先頭に立ち実際の仕事を指揮する立場が「執行役員」

社外から招くこともあるって本当?


  • 取締役: 本当です!!
    → 新しい意見、社内の人間には言いにくい指摘などの新しい風が吹きます。

  • 執行役員: ないです!!
    →「執行役員」は「従業員」なので、社内の人間が選任されます。

「執行役員制度」はどうして必要?


    導入している会社は、

  • 「取締役会」の形式化を改善するため。
  • 「経営」と「業務」を分離し、それぞれに専念することによる効率アップを目指す。
  • 実際「取締役」を減らし、代わりに「執行役員」を置くとコストダウンにも繋がる。

  • などのメリットがあるからです。

どっちが偉いの?


どちらも「偉い人」です。

ですが役職的に上の位置にいるのは「取締役」の方となります。

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終わりに……


法的にも「役員」である「取締役」。「役員」の文字がついていても法的には「役員ではない」執行役員。


それぞれに権限や立場等、違いはありますが「執行役員」は「役員」でないおかげで、経営の立場からではなく、現場に立ち、業務執行のみに専念することができ、また逆に「取締役」は会社経営に関わる方針や重要事項の決定に力を入れることができるのですね。


なるほど。効率的です!


いかがでしたでしょう。

「とりあえずすごく上の役職の人たち」だった「取締役」「執行役員」。具体的なイメージが、ほんの少しでもプラスされているようなら嬉しいのですが……


どちらの役職の方も、また、現場で働くすべての方も、皆さま、いつも本当にお疲れさまです!!


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