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心臓の音を耳元で聞かされているような独特の四つ打ち、どれだけ体に「動くな!」と言い聞かせても絶対ムリ。勝手にリズムを刻んでしまいます!


やっぱりクラブ系っていいよね~!!


……「テクノ」「ハウス」「トランス」は「クラブ系」とはちょっと違うのですよ。



!!!

DJ


でもでも、楽しいんだからいいじゃん! せっかく気持ちよく踊ってたのに!!


はい。いいです。全然いいんです、続けてください。


ですがせっかくなので、ヒップホップやR&Bなどまでをも含んだ「クラブ系」とはちょっと違う「エレクトリック・ダンス・ミュージック」の「テクノ」「ハウス」「トランス」について、静かに解説させていただきます。


実際違いを知ったところで、そのジャンルが前より嫌いになったり好きになったりするものではありませんが、「せっかく気持ちよく踊ってる」時に「これ何てジャンルなの?」と気が散ってしまうことはなくなるかも……しれません。

皆さまの中断なしの楽しい時間に、少しでもお役に立てれば幸いです。


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「テクノ・ハウス・トランス」の違いはココ!


始めに大きな分類をしてしまいましょう。


まずは「テクノ」。

これが分類する上では一番大きな範囲を持つカテゴリとなります。


一般的には「ハウス」「トランス」など含めた、電子機器を主に使った音楽の総称を指すものが「テクノ」なのです。


そして「ハウス」は、歴史的にも「テクノ」より古く、ダンスミュージックに限っていえば、大元となるジャンルです。


大きな範囲を持つ「テクノ」の呼び名はその分メジャーですが、その「テクノ」でさえ「ハウス」の基礎なしには生まれなかったもの。


ダンスミュージックの始まりは「ハウス」なのですね。


そしてその「ハウス」から派生したジャンルのひとつが「トランス」です。


ハウス > テクノ > トランス


といった図式ですね。

これらは「楽曲」としての違いではありませんが、このような背景は上記3つの音楽を知る、もしくは感じるための背景ともなります。

何となくの違いとしてで構いませんので、覚えておいてくださいね。

では続いて、それぞれのジャンルの特徴等、もう少しだけ詳しく掘り下げていってみましょう。

「テクノ」はこんな音楽!「ハウス」「トランス」との違いはココ!


先ほど書きましたように「テクノ」は「ハウス」「トランス」など電子音楽の総称でもありますが、狭義では「躍らせること」を目的とした電子音楽全般、となります。


他のジャンルのように、聞けば「いかにもハウス(トランス)っぽい」というのではなく、「ハウス(トランス)っぽいテクノだね」でほぼ正解なわけです。


リズムや音色にも特別な決まり事はなく、いわゆる「フリーマインド」、なんでもありです。


教授率いるYMOのようなポップなテクノからマニアックなテクノまで、実験精神が求められる、型のない電子音楽となります。

ですので必ずしも「ダンスミュージック」「パーティーミュージック」である必要はない、というのも「テクノ」ならではの特徴です(そういった曲調のものの絶対数は少ないですが)。


ただし「テクノ」は「ハウス」から派生した音楽でもあります。


広い意味では「ハウス」や「トランス」も「テクノ」と呼ばれますが、狭義での「テクノ」はその中でも、

  • BPM(テンポ): 120~150
  • リズム: 4/4(四つ打ちと言われるもの・1小節に4拍あるリズム)
  • 主な使用楽器: シンセサイザー、キーボード、サンプラー、ドラムマシン、シーケンサー

といった特徴の傾向を持ちます。


生まれは80年代のデトロイト。


ハードな音で、鋭く切り込んでくるようなシンセサイザーやサンプリング(サイレン音や映画の音声など、拾ってきた音を曲の間に入れます)が特徴的な音楽です。


低音域は抑えられ、短い小節のリピートが続いていく感じで、「曲」というよりほぼリズム、強く重い音でメリハリがあります。

イヤでも体は動きます。個人的な意見では横揺れではなく縦揺れ。


「テクノ」が影響を受けているのは「ハウス」「エレクトロ」です。

そしてその「ハウス」の元となり影響を与えた音楽は「ディスコ」「エレクトロ」。

元となっている音楽は似ているのですね。


機械的なイメージから「テクノは男性的、ハウスは女性的」などと言われることもあります。


ではその「女性的」とも言われる「ハウス」とはどんな音楽なのか?

続いて「ハウス」をみていってみましょう!

これぞ「ハウス」!「テクノ」でも「トランス」でもない「ハウス」の特徴は?


80年代シカゴの「ウェアハウス」というゲイクラブから生まれた、
という語源を持つ「ハウス」。


DJたちが新しい電子楽器を使い、ひたすらに「踊りやすいハッピーな音楽を!」と作り始めた、ソウルフルな音楽です。


元々白人音楽ではなかったのですが、のちにヨーロッパに渡り白人産のハウスが誕生します。

それはさておき、誕生は「テクノ」と同じ80年代、傾向としては、

  • BPM: 120~130
  • リズム: 4/4
  • 主な使用楽器: サンプラー、シーケンサー、シンセサイザー、ターンテーブル、キーボード

などが挙げられます。

「ターンテーブル」が出てきました!


リズムでもテンポでも「テクノ」との違いがあまり感じられませんが、この「BPM120~130」というあまり早すぎない4/4はダンサーの心拍とかぶります。より気持ちよく踊れるリズムなのですね。


とにかく「ハウス」では、誰もが楽しめる音楽を目指します。

ザッツ・パーティー(ダンス)ミュージック ! です。


そのため「ハウス」にはある程度の決まり事、普遍的な部分が求められることとなります。

リズムには基本四つ打ちを、馴染みやすく直接体にガツンと響く一小節に四分音符、4つのキックや、多くにボーカルが入っていたり、ハーモニー、コード進行、展開なども「気持ちよく、楽しくハッピーに踊れるため」の曲に繋がるのです。

ここもまた主観で言い切ってしまえば、勝手に動かされる体の揺れは「縦ではなく横揺れ」。

スイング感、グルーブ感も「ハウス」の特徴的なものです。


「テクノ」に比べるとあまり知名度のないかのように思われる「ハウス」ですが、テレビからもラジオからも実はよく聞こえてくる音楽。

ノリ良くリミックスされた「ダンス・リミックス」などはほとんどが「ハウス」です。


「テクノ」の「男性的」に対し「女性的」と言われる「ハウス」ですが、「機械的なテクノ、人間的なハウス」とも言えそうですね。


さて、そんな「誰もが楽しく踊れるハウス」から派生した「トランス」。


「トランス? トランス状態のトランス?」


鋭いです! 当たりです!


トランスは大きく2つに分けることができるのですが、一つはその「トランス状態」に密接に関係したもの。では、もう一つの「トランス」とは?

続いて「トランス」に行ってみましょう!

「トランス」はこんな音楽!「テクノ」「ハウス」とは違う「トランス」独自のものは何?


♦【作業用BGM】近未来的なサウンドがカッコいいトランス♪ -cool trance-


「トランス」には2つの流れ「ゴア / サイケデリック」と呼ばれるものと「エピック・ユーロ系」があります。


前者「ゴア / サイケデリック」が本来の意味での「トランス」、トランス状態のトランスに近い音楽、後者「エピック・ユーロ系」は90年代初頭のドイツ発祥の「ジャーマン・トランス」が元となったもので、現在「トランス」といえば多くの場合こちらを指します。


さて、現在の「エピック・ユーロ系」のトランスですが、

  • BPM: 130~150
  • リズム: 4/4
  • 主な使用楽器: シンセサイザー、キーボード、ドラムマシン、シーケンサー、サンプラー

などの傾向を持ちます。


テンポが速いですね! トランスの大きな特徴の一つです。

こちらの揺れは、自分で「どっち揺れ」だかわからなくなってくる感じです(完全に私の感覚で言っています)。


さて、本来の言葉通りの「トランス」にはもう、自我がどこかへ行ってしまってもいいや、と思わせるような恍惚感といった意味合いがあります。意識が普通ではない状態が「トランス状態」ですね。


トランスのうちの一つ「ゴア/ サイケデリック」は、実際にヒッピーやインドのゴア地方での「宗教的恍惚感」と密な関係のある音楽でした。


視覚、聴覚にものすごい「非日常性」を与えられると、人はドラッグなど目じゃないほどにトランス状態に入るようです。それを利用して、神懸かり的な儀式を行ったわけです。

今でこそその流れは多少変わりメジャーなものが多くなりましたが、言葉通りの「トランス」といった感じの音楽です。


もう一つの「トランス」、現在「トランス」といえばこちらを指している「エピック・ユーロ系」ですが、その「恍惚感」や「非日常性」を音楽的な展開や雰囲気で表現しよう、といったものとなっており、細かく刻まれたフレーズが単調にくり返され、音階の高低の差や速いテンポがうねるような旋律と共に圧倒してきます。特に重低音にはグッときます。


シンセサウンドはメロディアスでかなり独特の雰囲気。

催眠状態のような「トランス」ではありませんが、他のことを考えたくなくなる、その音だけを聞いていたくなるような中毒性を帯びる音楽です。

やはり宗教音楽や民族音楽とも似通ったところもあるため「恍惚感を呼び覚まされるような非日常性」に関しては十分にあるジャンルです。

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「テクノ」「ハウス」「トランス」の詳しい違いと見分け方!


何となく「こんな感じ?」というイメージは湧いてきましたでしょうか。


明確に分けるのは難しいのですが、そして「絶対にこう!」といったものはなく、それぞれ聞く側のセンスや捉え方でのジャンル分けこそ正解、とも言えるのですが、一応ここで、その目安的にもう一度これら3つの特徴等、まとめていきたいと思います。


ご自分の中で「なるほど、それならこう見分けよう!」という時のご参考にどうぞ!

歴史の古いのは?


「ハウス」→「ハウス」の影響を受けた「テクノ」→「ハウス」から派生した「トランス」

➡「トランス」は「テクノ」から影響を受けている、という説もあります。確かに「テクノ」っぽい「トランス」や、「ハウス」の流れだなぁ、と思うような「トランス」などどちらもあり、絶対にこっちが正しい! とは決められないかもしれません。とりあえず古い歴史を持つ順の「ハウス > テクノ > トランス」だけは間違いありません(トランスだけ90年代生まれです)

それぞれのジャンルの特徴は?


    ◎テクノ
  • 広義では「ハウス」も「トランス」も「テクノ」
  • 狭義での「テクノ」は「躍らせるための音楽」

  •   → ダンス・パーティーミュージックには拘っていません。ポップなものからマニアックなものまで、色々な音楽が実験的、革命的に誕生しています。

    ◎ハウス
  • ソウルフルでハッピー

  •   → 誰もが楽しめる「ダンス(パーティー)ミュージック」として誕生したのが「ハウス」。ダンスミュージックジャンルの元祖です。

    ◎トランス
  • 流れが2つあり、一つは言葉通りの「トランス」に近い「ゴア / サイケデリック」
  •   → 宗教音楽と密接な関係を持ちます。聴覚、視覚への刺激で「非日常性」がトランス状態に誘います。

  • もう一つの「エピック・ユーロ系」が一般に現在のトランスを指すもの
  •   → 恍惚感を視覚から、というよりも高低差のある音階やうねるような旋律、リズムを単調に刻みくり返す独特のシンセサウンドなどで誘いにきます。

発祥はどこ?


  • テクノ: アメリカミシガン州のデトロイト
  • ハウス: アメリカシカゴのゲイグラブ「ウェアハウス」。性差別をテーマにした音楽が始まり。
  • トランス: 一般的な「トランス」はドイツ。「ジャーマン・トランス」が元。宗教と密接なかかわりを持つ「トランス」では、ピッピーやインドのゴア地方に由来あり。

BPM(テンポ)の違いは?


  • テクノ:(一般的な傾向として)120~150
  •   → 短い小節でのくり返しが特徴的。

        
  • ハウス: 120~130
  •   → あまり早すぎない、ダンサーの心拍のようなテンポ。メロディアスなスイング感がたまりません。

  • トランス: 130~150

  •   → 早いです! 疾走感のある叙情的なメロディーで、やっつけに来る感じ。

ひとことで言ってみて!


  • テクノ: 電子音楽の総称
  •   → 狭義でいけば「躍らせるための音楽なら何でも」

        
  • ハウス: ダンスミュージックジャンルの親玉
  •   → ソウルフルでハッピー

  • トランス: 恍惚感を展開や雰囲気から感じてくれ!
  •   → 非日常性が売り
    (すみません。全部ふたこと以上になってしまいました……)

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終わりに……


色々なダンスミュージックを聞いていると「何となくこんな感じなの、好きだなぁ」といったご自分の好みがわかってくるものです。


それが「テクノ」なのか「ハウス」なのか「トランス」なのか?

気になるところです。


ですが「音楽」のジャンル分けは、実際には「後付け」。

聞く人の感性によっても、その境界線は曖昧になり、そしてそれでいいものなのですが、一応こういう分け方になっています、といった紹介をさせていただきました。


「こういうわけだから、こう」といった線引きが難しいものですが、好きなジャンルは「○○っぽい」くらいに捉え、とにかくいい音楽、好きな音楽を聞きまくってくださいね!


今後も素敵な音楽ライフが送れますように!


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