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「食料」と「食糧」……「しょくりょう」と「しょくりょう」?

あ、「食料」の昔風の書き方が「食糧」とか?

食べ物


そうではないのですが、そのイメージは一部当たりかもしれません。あくまでイメージ、しかも一部ですが……


どちらも同じ読み、「人が食べるもの」といった共通の意味も持つ「食料」「食糧」。

ですが、漢字にはよくある「同じ意味・同じ読みなのに2つの表記文字あり」というタイプではなく、ちゃんと使い方の分けられている2つの言葉です。

意味にそれぞれ、ちょっと違いがあるのですね。


ポイントは「人が食べるもの」と聞いて、何を思い浮かべるか。


「オレの体は、スナック菓子でできている」の人もいれば「食べ物といったら『肉』!!」の人も、また「そりゃ、ごはんに味噌汁に納豆でしょ」という人もいるかと思います。


さてそれらは「食料」なのか「食糧」なのか?


「食料」と「食糧」の使い分け、また「自給率」はどの程度あるのか、そもそも何の自給率なのか、どちらの文字が使われているか等含めまして違いを解説いたします。


生きていく上でなくては困ってしまう「食べ物」。

皆さまのモヤモヤ解消のお手伝いとなれましたら幸いです。


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「食料」と「食糧」の違いはココ!


普段「食料品コーナー」などでもお馴染みなのは「食料」の文字の方。

「食糧」は「日々の糧(かて)」「兵糧(ひょうろう)攻め(時代劇などにもたまに出てきます)」のように「食」の文字と切り離された形で目(耳)にすることの方が多いかもしれません。

「日々の糧」とは、「生きていくための支えとなるもの」、または「そのための食べ物」といった意味の言葉。

「兵糧攻め」は、敵がものを食べられないようにして降参させる攻め方のこと。つまり「兵糧」とは「将兵の食べ物」のことです。


「日々の糧」も「兵糧」もなくなっては大ごとです。

その日1日お菓子抜き、どころの騒ぎではありません。この状態が長引けば、命にもかかわってくるもの、それが「糧」であり「兵糧」であり、そして「食糧」なのです。


つまり「食糧」とは「人の食べるもの」の中でも「主食」となるものを指しています。

お米や麦、豆などといった主食物になりうる穀物を表わす時に使われる言葉です。


また「糧」には「蓄えておく食べ物」「携帯できる食べ物」の意味もあります。

震災に備え備蓄しておく食べ物なども「食糧」の方ですね。


そして一方の「食料」。

こちらはもっと広い範囲で使われている言葉です。
主食物のことを「食料」としても間違いではありませんが「食糧」と対で使われる場合には「主食物以外の食べ物」といった使い分けをされています。

ですのでお肉や果物や野菜などは「食料」となるわけです(お菓子など製品化されているものは「食品」)。


これが「食料」と「食糧」の大まかな違い。


「主食物」か「それ以外」かですね。


まずはこちらを押さえておいていただき、では続いてそれぞれの「食料」「食糧」について、少し詳しく見ていってみましょう。

「食料」とは?「自給率」との関係は?


タイトルにもあります「自給率」。

私たちの食べているもののすべては「日本国内でつくられたもの」か「外国から輸入されたもの」かのどちらか。

そしてこのすべての食べ物のうち、国内でつくられたものの割合が「食料自給率」です。「食料」の方の文字が使われています。

主食物だけでなく、その他魚・肉・野菜・果物などなども含めての国産が占める割合ですね。


要するに「今日のご飯何にする?」と聞かれて「え、ご飯なんだからお米じゃないの?」にはならないのと同じです。

主食だけでなく、おかずも含めて「今日のご飯」。

「食料」も同じようなこと。


「主食のお米(など)」に関しての国産で賄(まかな)える割合だけではなく、それ以外の食べ物もすべて含んだ、その自給できている率ですね。


さて、その「食料自給率」ですが、もの凄く低いです。

先進国の中でも最低ランク。


これには私たちの食生活の変化が関係している、と考えられています。

昔から主食として日本人を支えてきたお米などから、パンや麺類が多く食べられるようになり、また、野菜中心のおかずから肉食へと変化。

卵や油脂類の摂取量も増えています。


お米の自給率は高いのですが、それ以外の小麦やトウモロコシ、大豆などの穀物は、日本ではあまり生産できず、ほとんどが外国からの輸入に頼ることになります。

また、肉食傾向の増加では、今度は家畜の飼料が賄えずそこも輸入で、ということに。


国産の畜産物であっても、その餌などが輸入もののため、その分を引いたものが「国産」とされるのですね。

どう考えても、自分の家の鶏が生んだ卵でも、その餌を輸入していたら、その卵の何割かは「自分の家」産とはいえない、のようになってしまうわけです。


油脂の原料も日本では少ししか作れません。ここも輸入に頼ることになります。


このようにして昭和40年度には73%あった自給率も、徐々に減っていき、現在に至るまで、ずっとその減少傾向は続いています。現在大体40%前後。


これは結構、困ったことなのです。


もし輸入が何かの事情でストップしてしまうことになったら……?


現代における「兵糧攻め」となってしまうのですね(別に攻められているわけではありませんが)。

では、どうすればいいか。

食の西洋化がここまで進むまでは、そこそこ自給率の良かったことを考えれば、日本食中心にしていけばいいということなのですね。

国産のものを多く食べるようにすればその生産量も上がり、自然と輸入に頼る率が減り、結果自給率が増える、といった仕組みです。

急に変えるのは大変ですが、努めて意識することは大事かもしれません。


朝、トーストを食べ、お昼にパスタ、夜はハンバーグ、では国産のものがほとんど消費されません。

ちなみにパンやパスタの原材料にもなる「小麦」の平成27年の自給率は15%


パンやパスタも美味しいので食べたいですが、たった15%しか国産のものがなく、ほか85%を輸入に頼っているのか、と思うと……

よし、明日はお米食べるか……

ついつい炊飯器をセット……、単純な自分ナイス。自給率UPにちょびっとずつ貢献です。

「食糧」とは?「自給率」は?


さて「主食物」を主に表わす「食糧」。

実はひと昔前まで「『しょくりょう』サミット」や「『しょくりょう』自給率」などにも「食糧」の文字の方が使われていました。

それほど、かつての日本は「食事」といえば「何はさておき『お米』(もしくは麦など)」のような「主食」感バリバリのイメージだったのです(新聞表記などでは2008、9年あたりが移行期のようです)。


また、戦後の食べ物の不足も深刻なものでした。

そしてその深刻なまでに不足していたのは、果物やお肉といった、どちらかといえば贅沢なものではなく、本気で生きていくのに必要なもの、つまり「主食」だったのですね。


ですので、それを指し「食糧難」「戦後の食糧不足」「食糧問題」、そこからの「食糧自給率」とされていたわけです。


現在でも他国に支援するものに関しては「『食糧』支援」とされます。

何を支援するのか、なのですね。

嗜好品などを送っているわけではないのです。

生きるための食べ物。ですので「食糧」です


さてさて、では「食糧自給率」とはもはや過去のものなのか?


過去のもの、といいますか、過去の表記なのですが「主食物の国産の割合」といった意味では「穀物自給率」というものが現在でも算出されています。

「食料自給率」の中の一つの項目です。

米・麦・豆、さらには家畜用の飼料穀物などの自給率を指しています


お米はほぼほぼ100%に近い数値なのですが、いかんせん他の穀類の自給率が低すぎです。

4大穀類といわれる、米以外の「小麦・トウモロコシ・大豆」はほとんどが輸入。

ですがこれらは家畜の飼料にもなるのです。

魚や肉類、野菜などでもそうですが、結局、餌・飼料なのです。


困りました……


自給率が最低ランク、というのは、なんだかちょっと、悲しいですね。

どれだけ豊かな生活を送っているように見えても、実は他人(輸入国)の掌で踊っているだけ感がついて回ります。


自給率め!!……難題ですね……

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「食料」と「食糧」の違いアレコレ


さてさて、自給率についてはいったん休憩です。

「食料」と「食糧」の違いと使い分けについて、ここでもう一度おさらいです。

まとめていってみましょう。

2つに共通している意味は?


  • 人が食べるためのもの。またそのために用いられるもの

それぞれの意味の違いは?


  • 食料: 魚肉類・野菜や果物なども含む、食べ物全般。中でも特に主食となるもの以外で食用にするもの。
  • 食糧: 米・麦・豆など、主に主食物。蓄えておける食べ物にもこちら。

よく使われているのは?


  • 「食料」の方です:「食糧」と対で使う場合には「主食物以外」を表わす語となりますが、一般的には広い意味で「食べ物全般」の意味にも使われるため(「ごはん を食べる= ごはんとおかずを食べる」のようなものです)。

  • 食糧: かつてはこちらの方が多く使われていました。「主食物以外」が少ない時代だったためです。食用とするもの全般に対しても「食糧」で表わすのが一般的でした。

  • → 主食物以外の割合も算出するため「自給率」にも「食料」の文字が使われています。

「食料自給率」について


では「自給率」です。

「食料」「食糧」の問題とは少し外れてしまいますので、興味のない方はサラッとスルーしてしまってください。

その算出の仕方が、なかなかユニークなのでご紹介です。

※品目別自給率


「国内で生産された量」÷「国内で消費される量」がこちら。

個々の品目ごとに、単純に重量で計算されます。

これと同じ方法で計算されるのが先ほどの「穀物自給率」です。

「穀物は食糧の基本」ということで、重要視されています。

※総合食料自給率


これには、

  • カロリーベース総合食料自給率: 各品目の重量を熱量に換算して(単位を一定のものに揃えて)計算
  • 生産額ベース総合食料自給率: こちらは重量を金額に換算して計算

の2種類の算出法があり、通常、単に「食料自給率」と呼ぶ場合には「カロリーベース」の方のことを指しています。


「熱量」とはつまり「カロリー」。

1人に1日分として供給しているカロリーのうち、国産のものがどの程度の割合を占めているのか、こちらもカロリーに換算して数値を出していきます。


カロリーを気にするのはダイエット中の人たちだけではないのですね。

農林水産省も、かなり気にしています。


「日本食品標準成分表(2015)」に基づき、それぞれの品目の重量をカロリーとして足していき、その総計から、1人1日当たりに供給できる国産のみでのカロリー(熱量)を計算。


例えば平成27年のものですが、1人1日当たりに供給している熱量は「2417kcal」、それに対して国産で賄える熱量は「954kcal」ですので自給率は「39%」となるのですね。


カロリーですので、高い食べ物もあれば野菜など、それこそダイエットの味方のように低いものもあります。

また、食べ残しなど、食品の廃棄量が増えれば、自給率の低下にもつながってきます。

さらには輸入量によって左右されるものでもある(1人1日当たりの供給量は輸入・国産含めたものだから)ため、この計算法で出された数値って本当に正しいの? という指摘もあるそう。


例えば輸入が制限されたりストップされれば、自動的に国産のものしか流通しないことになり、そのもの自体は確実に少なくなっているのに「自給率」だけはアップ……


うーん、確かに。


確かに、なのですがとりあえずもう一つの「生産額ベース」です。


こちらは「熱量」の代わりに重量を金額に換算し、同様に足していき、国内で消費された額のうち、国産の生産額の占めている割合を算出。


当然「カロリーベース」のものとは率が変わり、27年ではこちらは「66%」。


自給率が低いのは事実なのでしょうが、輸入に一切頼らない、というのも現実的でない気もします。

国内生産や自給率を上げることもそれなりに大切なのかもしれません。

ですが、安全で誰もが買えるような食品があり、飢えている人のいない状況、というのが一番大事なことなのかもしれません。

……なんとなくそんな気がしてきました……

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終わりに……


「食料」と「食糧」の話から「食料自給率」の抱えている問題まで、ずいぶんと飛んでしまいました……


冒頭で言われているように「食糧」は「食料」の昔風の書き方、というわけではありませんが、食生活の変化により「主食」以外の食べ物が占める割合も増え、また「主食」に対する私たちの意識も変化してきました。

それにより、昔から「食用のもの全般」にも使われてきた「食糧」ではカバーしきれなくなり、より広い範囲を守れる「食料」の文字へと変化、といった感じですね。


毎日お世話になっている「食べ物」。

自給率にこだわりすぎるのもどうかと思います(完全に個人的には、です)。

が、日本食は実際ヘルシーですし、ジャンクフードや油をたくさん使った食べ物より、身体にもよさそうですね。

そして旬のものは美味しい。


できればこれからもいろんな意味で日々の糧には困らず生きていきたい……


さてさて、いかがでしたでしょう。

「食料」「食糧」へのどっちがどっち!? のモヤモヤは少しでも解消しましたでしょうか。

「ちょっとスッキリした!」と思っていただけていればうれしいです!!


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