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お母さん、遠足のお弁当にお菓子を詰めるのは反則じゃない?


ハテナ

……反則ですね。


さて、この「お母さん」「お菓子」の「と、「お菓子」と「詰める」の間の「、書けば違いは分かりますが、音だけを聞いていると、両方とも「お」に聞こえたりもします。


また「単語」などの概念のないお子さんなどに「だからここは『を』でしょ!」などと言っても「なんで?」と聞き返され、そう言われれば「なんでだっけ?」となったりもします。うまく説明するのはなかなか難しいものですね。


誰かに聞かれなければ疑問に思うことさえなかった「『お』と『を』関係」。


使い方や発音、誰かに教えるのでなければ、あまりに当たり前すぎて深く考えることもなく使っていた2文字ですが、ちょっとでも疑問に思い始めると、気になって仕方がありません!!


使い方や発音問題等、ご説明いたします。

お子様とご一緒に、ぜひピュアなスッキリをご体験ください!


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「お」と「を」はここが違う!


「王」や「折り返し」「応急処置」などの「お」は別として、「お気持ち」や「お住まい」「お餅」などの場合の「お」と、「~を」として使われる「を」。


「お」は「御」と書き換えても通じるものが多いですね。丁寧に言った言葉に使われることがほとんどです。

別に「気持ち」でも「住まい」でも「餅」でも「お父さん」ではなく「父さん」でもいいのです。


一方の「~を」、こちらは何ならなくても意味が通じることが多いです。

「ぬり絵、する」「弁当、食べる」、若干拙いというかだらしのない感じは受けますが「あぁ、ぬり絵をするんだなぁ」「お弁当を食べるのね」と、言いたいことは分かります。

「お」は言葉の前につけて「丁寧に」、「を」は言葉と言葉の間に入れ、言葉どうしをつなぎ合わせる役目、とりあえずは大まかな違いを知っておいてくださいね。

「お」を使うのはどんな時?


「丁寧に」するために言葉の最初につける文字として思い浮かぶのは「お」の他にも「」があります。

「ご弁当」とは言いませんが「お住まい」なら「ご住所」と言い換えることができます。

「ご」の方が、漢語寄りの言葉につき「お」は、和語よりの言葉につく、という傾向にありますが、どちらにせよ「お・ご」がなくともそれ以降につく単語、言葉の意味は丸々通じることがほとんどです。


小さなお子様に教えてあげる時は「単語」という言葉ではわかりづらいかと思います。まずは「単語」の意味から説明しなければならなくなるかもしれません。それは面倒……


「単語」は簡単なものなら、大抵「絵に描け」ます。


「お父さん」描けます! 「おにぎり(これは握り飯の変形バージョンの言葉)」三角を描けばもうおにぎりです! 「お姫様」女の子なら絵本でお馴染みですね!

「お気持ち」や「お上手」などは絵として描くには難易度が高すぎですが、「『お』のつく言葉は絵に描けるよ」と、初めに描きやすいもので色々な例えをしてあげると、何となく「お」= 丁寧な感じというニュアンスが掴めてくるかと思います。

「洋服」は「お洋服」になりますし、夕飯の「野菜」は「お野菜」です。

こうして繰り返していくうちに「なら『お気持ち』は『気持ち』を丁寧に言ったもの?」などと段々気づいてくれるものです。

普段の生活で、身近なものを使い「お」がつくと「なんか丁寧っぽい」といった感じから、時間はかかるかもしれませんが、自然に、徐々に使い方を覚えていってもらいましょう。


もともと言葉として「お」という音を使っている先ほどの「王」や「応急処置」ではなく、単語の前につく「お」は、「なくても通じる、でも丁寧に表すには欠かせない文字」なのです。

「を」の使い方と発音の関係


♦〔国語・文法(付属語)〕 助動詞・助詞 -オンライン無料塾「ターンナップ」-


続いての「を」、「お」でいいのに……


う~ん。
その方が面倒がないような気もしますが「を」使うのには一応、意味があるのです。


パソコンなどで打つ時には「WO」と入力する「を」の文字、こちらは「助詞」として使われています。

「助詞」とは、それぞれ自立した言葉同士の関係を示したり、文章に一定の意味を持たせるため、つなげ合わせる役割を持つ付属語のことです。

「くっつき言葉」とも呼ばれます。

前の言葉と後の言葉をくっつけて、文章としての意味を持たせるわけです。

例えば、

「おみやげ を もらう」

でしたら「おみやげ」と「もらう」の言葉を「を」でくっつけることにより、一つの文章が出来上がりますね。

「おみやげ」の後は別に「もらう」でなくても、また「もらう」の前は「おみやげ」である必要はない、それぞれは自立した言葉です。その自立した言葉どうしを「を」でつなげば「おみやげをもらう」というひと続きの文章として生まれ変わらせることができるのです。


「おみやげ」は「お」プラス「土産」ですが、「をみやげ」とはなりません。

「おみやげ」というのは「お」をつけ丁寧な表現としただけの一つの単語ですし、「を」は言葉と言葉をつなぐ役割のもので、その前には必ず何らかの単語がなくてはならない文字だからです。

「をみあげ」……前半部分がなくなった、どこかを見上げている感じの文章になってしまいます。


さて、そんな「を」ですが、発音するときは「お」、「0」の「お」と同じ音です。


ならなぜ「お」に統一しないの?


ごもっとも……それにはちょっと長い生い立ちがあったのです。

△かつての日本から現代までの「を」の生い立ち


かつて「を」は「ウォ(WO)」、「お」は「オ(O)」と、そのまま発音されていました。別々の発音だったのですね。


しかしこの「お」と「を」、平安時代後期になると発音は何となく交じり合い始め、区別が曖昧になってきます。


それからしばらく経ち、「お」と「を」は、どちらも「ウォ」で統一することに決定。つまりかつての「を」の方に、ですね。


ところが、中世後期から戦国の時期にかけ、今度は「オ」の方へと統一され直すのです。

馬に乗って戦う、などアクティブな毎日での「ウォ」発音は、舌を噛んでしまいそうで危険だったからでしょうか。理由はわかりませんが、とにかく「お」も「を」も「オ」の発音に統一され、そのまま現在に至っているのです。


つまり「WO / O」の表記通りだった「を・お」の発音は、一度「を」に統一され、その後また「お」に統一し直されたわけです。


ですので、現在の「を」の発音は「お」が正解。


ではなぜ「を」がなくならなかったのか?


それは明治期の仮名遣いの改訂の時、とりあえず一時的に残しておこう、という暫定的な決定があったからなのです。

それがそのまま、今では「助詞」として使う場合には「を」を、それ以外には「お」を、という異なる役割を与えられ、それぞれに使い分けられることとなったのですね。


他にも同じような生い立ちを持つものに「」や「」があります。


また、音だけで言いますと「わいうえお」、これらもいちいち「WA・WI・WU・WE・WO」と発音されていました。

後に、それぞれの母音をなくした発音となりましたが、「助詞として区別するため「を」や「は」や「へ」の文字は残されました。

「は」や「へ」も「を」と同じく「くっつき言葉」として頑張ってくれています。

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「お」と「を」、詳しい違いと使い方


言葉の最初につく「お」、言葉と言葉の間に入る「を」、それぞれの違いと役割が薄っすらとでもおわかりいただけたでしょうか?


では続いて、いくつかの場面ごとに「使われるのはどちらか」など、詳しい違いを見ていってみましょう。

帰りに玉子買ってきて、ってお父さんに言っといて!


「会社の帰りに玉子を買ってきて、とお母さんが言ってたよ」と父にメールを打つ。

お母さまからの指令ですね。
  • 「玉子」を「買ってきて」の『を』 / 「父にメール」を「打つ」の『を』
    →「買ってくる」「打つ」など、その動作の対象や結果を示す役割をしています。

  • 「お母さん」の『お』
    →「母さん」をちょっと丁寧にする言葉。何もつなげていませんし、「お母さん」は「文章」ではなく単語です。単語の頭につくのは『お』の方です。

道半分、工事中……


「道の右側を歩く」

  • 「道の右側」を「歩く」の『を』
    → どこを「歩く」のか、移動性のある動作の、その場所を示しています。

あ! なんだ、UFOかと思ったら風船だった……


「空を見上げる」

考えられない見間違いですが、
  • 「空」を「見上げる」の『を』
    →「見上げる」その方向について示しています。

僕の家は、あそこですよ


「公園を右に曲がって二つ目の信号を左、図書館の前を道なりに、見えてきたコンビニを右手に見ながら進むと接骨院があるので、そこを左に曲がって100mほどのところの赤い屋根の家です」

……たどり着けそうもありません。迎えに来てください。
  • 「公園」を「曲がって」の『を』 / 「図書館の前」を「道なりに」の『を』……その他たくさんの『を』
    →「曲がる」「道なり」などの動作の起点となるもの(「公園」や「図書館の前」)を指しています。

もう1時間半は歩いてるのに……


「もう1時間以上を費やしているのに、赤い屋根が見えてこない」

……やっぱり。
  • 「もう1時間以上」を「費やす」の『を』
    →「費やした」時間、その動作や作用が継続した期間を示しています。

あ、やっと来た! いらっしゃい!


「ずいぶん遅かったね。もしかしてコンビニでビールとおつまみ買ってきたとか?」

買ってません!!!
  • 「遅かったね」の『お』
    →「そかったね」の丁寧な言い方ではなく、この『お』は今までの話と全く関係のない、言葉を構成するただの文字の1つです。

  • 「おつまみ」の『お』
    → こちらは「つまみ」を丁寧にした言い方ですね。「つまみ」の頭に『お』をつけて「おつまみ」です。

➡「くっつけ言葉」である「を」には、このように言葉と言葉をつなげて一連の文章にする役割があります。つなげるための文字ですので、言葉の初めにはつかず、間に入って仲を取り持つわけですね。

「を」のひと文字で、前半の言葉と後半の言葉に、その行動の結果であったり、その動作の期間であったり、色々な関係を持たせることができます。

「お」は、丁寧にしたい文字なので、間に入れても意味がありません。

  • 「お」は言葉の最初につける文字。
  • 「を」は言葉と言葉の間に入り、2つの言葉を関係づけ、一つの文章にするための文字。

です。


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終わりに……


それでも同じく「お」と発音する「お」と「を」。


普段、特に何かを考えながらしゃべっているわけではないので、いざ書くとなると一瞬「どっちだっけ?」となったり、「そのくらいわかるよ!」という方でも「わかんない!」という方に「こういうわけで、こう」と説明するのには苦労したりするものです。

ことピュアなお子様の疑問には適当に答えるわけにもいかず……ご自分がどうやって使い分けを覚えたかの記憶ははるか遠いことだったり……


いかがでしたでしょう。

「お」と「を」、違いや使い分け、発音に関する疑問に、少しはスッキリしていただけたでしょうか?

多少なりとも皆様のお役に立てていたら嬉しく思います!




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