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えっと「チャーシュー」がラーメンに入ってるやつで「焼き豚」はおつまみ? で「煮豚」は丼にする時に使うやつ?

ラーメン


……不思議です。もう何だかそれでいいような気になってしまいました。


さて「チャーシュー・焼き豚・煮豚」の3つ、実はある意味「同じもの」だということをご存知でしたか?


そう、問題は「ある意味」です。


焼いたり煮たりカタカナだったり、と違った表記で表されているのに、どうして同じものなの?

「ある意味同じ」ってことは全く同じ、ってわけじゃないんでしょ?



そうなのです。この3つ、本当に紛らわしいのです。


「チャーシュー・焼き豚・煮豚」の違い、見分け方等、説明いたします。


「チャーシュー麵、大盛りで!あ、煮豚のチャーシューの方ね!」などと、ラーメン通というより「ラーメン用語通」を目指すお手伝いができましたら幸いです!


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「チャーシュー・焼き豚・煮豚」の違いと3つの関係


「チャーシュー」とはもともと中国語の「串焼肉」の「叉焼肉(チャーシューロウ)」を意味する言葉です。

豚肉のブロックに下味をつけしばらく寝かせ、その後タレを塗り、串に刺して窯やオーブンで焼く料理のことですね。

この時点で「叉焼(中国の)=チャーシュー」。


ここから、ややこしくなってきます。


作り方では日本での「焼き豚」が、中国での「叉焼」に当たります。同じように、豚肉のブロックに味をつけて焼いたものです。


つまり「叉焼 = チャーシュー = 焼き豚」ですね。


しかし、日本人はここで新たな発見をしてしまいます。


……豚肉のブロックに下味をつけてから、醬油や香味野菜と一緒に煮て作った方が味もしみるし、保存もきく、しかも柔らかくて口当たりの良さが焼いたものよりずっといい!


つまり「煮豚」です。

柔らかく口当たりのいい「煮豚人気」は高まり、今まで「叉焼 = チャーシュー = 焼き豚」をラーメンに入れるなどして使っていたお店も軒並み「煮豚」をその代わりにするようになるのです。


「叉焼 = チャーシュー = 焼き豚 = 煮豚」の完成です。

現在、ラーメン屋さんの大半はこちらの「煮豚」を「チャーシュー」として使っています。


ご家庭で「自家製チャーシュー」を作る場合も、煮て作ることが多いのではないでしょうか?


ですが食卓に出す際には「今日のチャーシュー(もしくは焼き豚)は手作りよー!」となります。

「今日は煮豚よー」というより「チャーシューよー!」と言われた方が、なぜだかテンションも上がります。


そんないい加減なことでいいの? という気もしますが、これが現在の「チャーシュー・焼き豚・煮豚関係」なのです。

「チャーシュー」とは?「焼き豚」とはどう違う?


全く紛らわしいことをしてくれました。でも、できればおいしくいただきたい……ジレンマです!


さて「チャーシュー」、やはり一番に思い浮かぶのは「チャーシュー麺」(断定)!


先ほども書きましたが、ラーメン屋さんなどで「チャーシュー麺」を注文すると、ほとんどの場合出てくるのは「煮豚ラーメン」です。おいしいです。

中国で「チャーシュー」といえば「叉焼」、つまり「焼き豚」ですが、日本の場合「チャーシュー」といえば「煮豚」なのですね。


では「焼き豚」はどこへ行ったのか?


日本で「焼き豚」にお目にかかるのは、もう幻レベルとなってしまっているの?


いえいえ、ちゃんとスーパーなどでも売っています。


「チャーシュー」として「煮豚」を使っていることが多いのは、あくまでラーメン屋さん。


プロが選んで「敢えてここは煮豚で」としているので、お客さんウケやラーメンに合うのは「煮豚」の方なのかもしれませんが「焼き豚」という食べ物自体がなくなってしまったわけではないのです。


お正月の「ハム」の代わりに「焼き豚」を買って「あれ? チャーシューってこんな味だったっけ?」などといったご経験はありませんか?

「ラーメン屋さんでお馴染みのチャーシュー」に比べると、少し甘めに感じられるかもしれません。「甘めのハムの味」、などと言われることもあります。


もしくは作ってしまいましょう。

  • まずは豚肉の塊を用意(お好みでどの部位を使っても構いませんが、一般的には「肩ロース」か「三枚肉(バラ肉)」です)
  • タコ糸等で縛り、味がしみ込みやすいよう、フォークなどでプスプスと穴を開ける
  • 醤油や調理酒(あれば紹興酒)、味醂や砂糖、蜂蜜などと一緒に、お肉の臭みをとるため、ニンニクや長ねぎなどの香味野菜、八角(中国の香辛料・星のような形をしたもの。そこそこの値段ですがスーパーなどでも普通に売っています。あると味がプロっぽくなります。なくてもそれなりに美味しくできますので大丈夫)などを混ぜ、そこに先ほどの豚肉の塊をin
  • 2~4日(!!)冷蔵庫で寝かせる(2~4日は長いので、その間は何か他の面白いことでもしていてください。ここで焦って短縮してしまうと、がっかりな味になってしまいますので我慢です!)
  • しっかり寝かせた後、いよいよタレを煮込む(豚肉は取り出しておいてください)
  • 豚肉を漬け込んでおいたタレをコトコトと煮詰める。少しトロミがついてきたら(アクがかなり出ますので、丁寧に取り除いてください)、タレの完成!
  • 180℃の余熱を入れたオーブンで焼き具合を見ながら、1時間ほど焼く(15分おきくらいに先ほど完成したタレをつけ、お肉の向きも変えながらでお願いします)
  • 竹串でもフォークでもいいので、お肉をちょっと刺し、透明な肉汁が出れば出来上がり!

  •   →いい感じの焦げ目ができた「焼き豚」、おいしそうです!

……結構時間が掛かりますね。


タレを均等に塗ることで、味のバラつきは防げます。

また、漬け込んで寝かせておく行程を省き、焼きながらせっせとタレを塗り続ける方法もあります。

時間は短縮できますが、こちらは結構な手間が掛かります……

ですが市販の甘めの「焼き豚」が好みではない、という方は、ぜひ挑戦してみてくださいね!

「焼き豚」とは?「煮豚」との関係は?


本来のチャーシュー「叉焼」に一番近い「焼き豚」。


しかし、ここでまた面倒くさい使い分けもあるようで、最近では、

    焼いたチャーシュー(つまり「焼き豚」) → 「チャーシュー」
  • ラーメン屋さんのチャーシュー(つまり「煮豚」) → 「焼き豚」

と区別するようなこともあるとか。


こうなってくると「純粋な焼き豚」は「チャーシュー」、ラーメン屋さんの「チャーシュー麺」は「焼き豚麺」ということになります。ですが、そんなメニューはほとんど見たことがありません。……もう「チャーシュー」の錯綜が止まりません。


ですので「焼き豚」といったら「焼いた豚肉のチャーシュー」、「煮豚」は「煮たチャーシュー」のこと、ということで話を進めていきましょう。


「焼き豚」こそがラーメントッピング界の王様的な存在、と思っていましたが、実はラーメン屋さんの「チャーシュー」は「煮豚」。そして「ラーメン屋さんのチャーシュー」が一番私たちにとって身近であったため、市販の「焼き豚」の味のイメージに違和感が出てきてしまった、ということのようですね(ついでですがおつまみ系の「ねぎチャーシュー」も「煮豚」です)。


要するに「焼き豚」は調理過程で焼き、「煮豚」は煮ることで味をしみ込ませた料理なわけです。


焼けばどうしても水分が飛ぶため(タレをつけながら焼いても)若干のパサパサ感が出てしまいます。

煮ればそこはクリアできますね。むしろしっとりとした出来上がりとなり、柔らかく口当たりも良くなります。

プロ(ラーメン屋さん)が「煮豚」を選ぶのにも納得です。


また、先ほどの「焼き豚の作り方」に比べ、「煮豚の作り方」がものすごく楽なのも「ご家庭のチャーシュー」として煮豚が定着をみせる要因かもしれません。

以下、簡単に作り方の流れを書かせていただきますが、興味のない方は、どうぞ飛ばしてしまってください。

♦チャーシューの作り方!【プロ顔負け!】豚ロース編


  • 豚肉の塊を用意(ロースや三枚肉/バラ肉ならジューシーに、もも肉ですとしっとりとした出来上がりになります。脂身の違いですね)
  • 肉に穴を開け、タコ糸で縛る(ここまでは焼き豚と一緒)
  • フライパンで転がし、ほどよく焼き色をつける(ここはなくてもOK。出来上がりに焼目がつかないだけです)
  • 鍋に水、酒(日本酒でも調理酒でも)、香味野菜と一緒にお肉も入れ30分ほど茹でる
  • そこに調味料(醤油、砂糖、味醂、あれば八角も)を入れ、コトコト煮込む(2時間くらい。たまに様子を見る程度で大丈夫です)
  • 火を止め、1日ほど放置(この間に味がしみ、馴染んでいきます)で完成!
    (また、茹でた豚肉を煮込まず、そのままタレに漬け込み放置するだけの方法もあります。漬け込んで半日〜1日で味がしみ込み出来上がりです。こちらの方法で作られる方の方が多いかもしれませんね)

……「焼き豚」の手間暇の掛かりようが永遠かと思えるほど、こちらは簡単ですね。

しかも味は濃いめ、均等にしみるとあっては「ご家庭人気」にも納得です。

「煮豚」とは?「チャーシュー」との違いはコレ!


もう、これは「呼び方」ですね。

本来の中国の「チャーシュー」は「煮豚」ではありません。


ですので中国では日本式の「煮たチャーシュー」のことは「日式叉焼」として区別しています。

つまり「日本式のチャーシュー」は「煮豚」なのです。本場中国が言っています。

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「チャーシュー・焼豚・煮豚」の違いと、切れない関係はこちら♪


なぜこのような混沌が起きているのか?


もうひとえに「ラーメン屋さんのチャーシュー麺がおいしいから」なのでしょう(たぶん)。


「焼き豚」はちゃんと存在しているのに「チャーシュー麺のチャーシュー」の味と、中国語での「叉焼 = チャーシュー」の「焼」の文字からのイメージに完全にやられています。


ではここで、もう一度「本来の焼き豚・煮豚」とはどのようなものなのか、どの部分で「チャーシュー」と混同されるようになったのか等をまとめてみたいと思います。

どんな料理?

  • 焼き豚: 豚肉の肩(ロース)肉・三枚肉などのブロックをタレに漬け込み、その後窯やオーブンで「焼く」豚肉料理の一種
  • 煮豚: 豚肉の肩(ロース)肉・ 三枚肉・もも肉などのブロックを水煮にして(茹でて)から、調味液に漬け込む、または甘辛い調味液で「煮込ん」だ豚肉料理の一種

どっちが「チャーシュー」?

  • 叉焼なら → 「焼き豚」が正解
  • チャーシュー(しかもラーメンの具として)なら → ほぼ「煮豚」のこと

名称はどうやって分けられてる?

  • 市販の物の多く: 「焼き豚」と書かれているのは、甘めのハムのような味で、焼いた豚肉 / 「チャーシュー」表記の物の中身はほとんど「煮豚」
  • ラーメン屋さんでは: 「チャーシュー」といえば「煮豚」
  • ご家庭では: 「チャーシュー」といったら大抵「煮豚」(主婦の方は他の家事等でも忙しいので、比較的簡単なのに柔らかく口当たりもいい「煮豚」の方が人気です) / 「焼き豚」が作られていないわけではないようです。ただ作る時間も手間も覚悟も「煮豚」に比べると必要なので、作られている比率では負け
  • 何かさっきものすごく紛らわしいこと言ってませんでしたっけ?: 言いました……
      →「炙り焼きをしたもの」が「チャーシュー」 / 「煮豚」のことを「焼き豚」(という区別の仕方もあるようです。何となくわかる気もする呼び分けですが、ここまでくると、他にも地域の差やご家庭の習慣なども出てきてしまいそうです)

日本で一番定着している呼び分けは?

  • チャーシュー → ラーメンのトッピング
  • 焼き豚 → いわゆる「チャーシュー」 
  • 煮豚 → あえてこの呼び名で表されることはほとんどありません。似たような「角煮」という料理がありますが、それはしっかり「角煮」と呼び分けられます。実際には上記の2つは「煮豚」であることがほとんどなのですが。

  ➡ なかなかそう呼んでもらえない「煮豚」もかわいそうですが、「これなんか違う!」と言われてしまう市販の「焼き豚」もちょっと不憫です……

見た目で見分けることってできる?


微妙な差異となりますが「焦げ目」です。


「煮豚」を作る際にも、初めに焼き色をつけることがあります。けれど、煮ている(もしくは漬け込んでいる)段階で、ある程度なくなるというかふやけた感じになります。

「焼き豚」の焼いた焦げ目とは全く違うのですが、手の込んだ調理方法では「煮豚」の仕上げに焼き色をつける場合もあるため、見た目より食感の「柔らかさ」などの口当たりでの方が違いが感じられるかと思います。

この違いってそんなに大事?


大事ではないですよ! 「これおいしい!」と思ったものが「焼き豚」でも「煮豚」でもおいしさには変わりはありません。


ただ「このおいしいお肉は一体何?」と疑問に思った場合、何かの役には立つかもしれません。


ご自分で作ってみようとした時、このカオスのカラクリを知らないままですと、永久に柔らかいチャーシューを再現できないかも……

「これ、煮てあるヤツじゃん!」と頭にくることもなく「こんな流れで、はい煮豚ね」とおいしいチャーシューを全力で味わえるかも……


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終わりに……


いかがでしたでしょう。


漢字で書くから「焼く」「煮る」の文字に惑わされるのかもしれませんね。

「煮豚」は「焼き豚」に比べれば簡単にできるとはいえ、決して短時間で作れるものではありません。

ラーメン屋さんもご家庭で作るのも「お疲れ様です!」です!!

手間のかかった分、おいしく食べてもらえると、作った方のテンションも上がります。

次回ラーメン屋さんに行く時には「煮豚ラーメン、大盛りで!」ではなく、あくまで「チャーシュー麺」を大盛りでどうぞ!!


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