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実はコレは結構危険を伴う問題。
「賞味期限」「消費期限」に対して違う価値観の人間が2人以上揃うと、かなりの高確率でケンカが勃発します。


それ、さっきオレが捨てたヤツじゃん。使うなって!

何言ってんの? ちょっとぐらい期限過ぎたからって、大丈夫なんだってば! 男が細かいこと言わないの!

細かいとか、そういう問題じゃないだろ! 期限は期限なんだよ!

なにデリケートぶってんのよ!! だいたい、昨日だって、期限切れの、あんた食べてんだからね! ふふんっ! 気づかなかったくせに!


マジか……マジなのか……


ストップ


さてさて、本当のところはどちらの言い分が正しいのでしょう?


そもそも「賞味」と「消費」の期限って…… 何の?


ですね。

「賞味期限」「消費期限」とは、一体何の期限を示したものなのか、また、その定義等含めまして、2つの違いを解説いたします。

皆さまのスッキリと、今後のケンカなど、危険回避のお役にも立てれば幸いです。


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「賞味期限」と「消費期限」はココが違う!


本来の意味での「賞味」とは「食べ物をおいしく味わう」こと。
それに対しての「消費」とは「費やしてなくす、または使いつくす」こと。


これらの言葉を、食品に当てはめて使われているのが「賞味期限」「消費期限」です。


つまり「賞味期限」で問題としているのは「おいしく食べられる」期限。

一方の「消費期限」については「食品の安全性を保証できるのは、この日まで。それまでに使いつくしてください」といった感じですね。


「賞味期限」では「おいしさ」、「消費期限」では「品質の安全性」について、それぞれに保証してくれている期限となっています。


    でも書かれてるのって、どっちか1つじゃない?

    「消費期限」しか書かれてない食べ物って、おいしく食べられる期間がないってこと? えぇ~~! そうなの~~! ショック~~!


いや、あります。激しく捉え方を間違っています……


それではまず、その「おいしさを保証」ではなく「品質の安全」を保証している「消費期限」から見ていってみましょう。

「消費期限」とは?


本当はタイトル通りの順番でいきたかったのに……ブツブツ……


ですが、そう言われれば確かにそんな気にもなってきます。


「おいしく食べられる期間の限度」を書かないのはなぜ?


そんなことを言っている暇がないほど、食品衛生面での安全性に問題の出やすい食品に対して設定されているものだから、なのです。

例えば精肉やお刺身、ケーキやおまんじゅうなどの生菓子、またはお弁当やお惣菜など、そもそも、その日のうちにいただくのが前提となっているような食材・食品ですね。


目安としては大体、引っ張っても5日以内に食べ切るべき物には、こちらの「消費期限」が設けられています。


4日前のケーキあるけど、明日、朝ご飯の代わりに食べない?


……食べないですよ。


「消費期限内」であれば「腐敗、変敗(色や味が変わってしまうこと)、その他の品質の劣化で安全性が損なわれることはないですよ」ということ。

各メーカー独自の調査と実験により設定を任せられている年月日については、その食品の劣化状況を、温度や湿度などの条件を変化させながら時間ごとに調べることで決定されています。

一般には、菌の繁殖等を調べる「微生物試験」、濁りや粘り、色や酸化について調べる「理化学試験」、また、実際に食べてみた食感や味、においなどを評価する「官能検査」等が用いられています。


スーパーなどで売られるお弁当やお惣菜などには年月日の他に「時間」まで記載されているものもありますが、そうすることが「望ましい」とはされているものの、義務ではなく、あくまでも定められているのは「年月日」まで。


えっと……「定めてる」って、誰が?


表示に関する法規については少し前まで、タイトルにもある「食品衛生法」、また「JAS法」や「健康増進法」により規定がなされていましたが、平成27年4月に施行された「食品表示法」により、義務表示の部分を統一。また「JAS法」は同時に正式名称を「農林水産物資の規格及び品質表示の適正化に関する法律」から「農林物資の規格化等に関する法律」に変更となりました。


さてさて、その統一された定義は以下の通りです。

    ◎「消費期限」の定義

  • 定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他その品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう


ここで注意が必要なのは、この期限が、

  • 開封前のもの
  • 決められた方法で保存してあるもの

について、という部分です。

つまり、上記2つの条件が破られた(「開封後の状態」「冷蔵庫で保存、って書いてあるのに常温保存」など)場合には、期限がさらに早まります。

例えば「○○年1月1日」が「消費期限」であっても、「12月28日」に開封した時点で「○○年1月1日までは大丈夫」とは言えない状態になる、ということ。未開封の状態であれば、ギリギリ「1月1日」に開封、その日のうちに食べればセーフ、ですね。

「消費期限」の記載されている食品については、開封したら、なるべく早めに食べるべし、が鉄則なのです。


なのですが……

その「消費期限」の設定に関して、メーカーサイドも、ぴったりの日時で表記しているわけではなく、ある程度の余裕を持たせた設定にはなっています。

ただし「消費期限切れ」の食品を食べて体調不良になった場合、その責任を取るのは「自分」。メーカー側の責任とはなりません。

また、仮に「期限内」であったとしても「既に開封していたもの」「記載されている保存方法以外での保管」の場合でも、メーカー側は責任を問われません。


もったいないから食べちゃおう! きっと大丈夫!


…… それで大丈夫なことが多いのも事実(期限からそれほど、というかほとんど経っていない場合)なのですが、見た目や臭い等、しっかり確認が必要です。

期限設定のためにとられているテストには「菌の増殖」についてのものも含まれています。「消費期限」とは「安全に食べられること」を保証できる期限です。そこを考えた上での自己責任でお願いします。


「消費期限」に関しては、過ぎてしまったら潔く諦める、というのが、おススメな対処なのです。

「賞味期限」とは?


「おいしく食べられる期限」を保証してくれている「賞味期限」。


じゃあ、これが切れてもおいしくなくなるだけ?


なわけはありません。


こちらも「消費期限」と同じ方法で、その期限が設定されていますが、やはりその日が来たら、ピタリとおいしくなくなるわけではなく、各メーカーにおける試験では、記載の年月日のおよそ1.5倍までは何とか大丈夫、といった結果となっていることが多いようです。

ですが、この1.5倍、というのは、あくまで調べるための環境下(保存環境が良い)でのものとなるため、ご家庭での保管とは異なります。

ご家庭での上限は1.1~1.2倍程度が目安となっています。


では、なぜこのように「消費」と「賞味」では期限や扱いに違いが出てくるのか?


これは「食品の特性」による違いによって分けられたものだから、なのです。


「消費」や「賞味」といった「期限表示」とは、その食品が一定の品質を有していると認められる期限を示す日付、年月日のこと。


食品により、痛み(劣化)の早いものと遅いものがあるため、長期保存のできないもの、製造日から遅くとも5日以内には食べ切って欲しいものには「消費期限」が設けられ、それ以上保存が可能なものには「賞味」といった言葉での期限が設定されているのです。


加工食品に関しましては「消費」「賞味」どちらかでの期限表示が義務付けられています。

「賞味期限」での表示の対象となる食品は、レトルト食品や缶詰、スナック菓子、調味料、清涼飲料水などの「比較的品質が劣化しにくいもの」。


そのため、その期限が製造年月日より「3か月未満」か「3か月以上」かにより、2つの表示方法が取られています。

「3か月未満」の食品には「年月日」を。「3か月以上」には「年月」のみでOK。


ですが、そのままでは食べることも飲むことも、使うこともできないので、間違いなく開封。この時点からは「賞味期限」に関わらず、早めに食べ切る必要が出てくるわけです。


また、加工食品でない野菜や果物等、生鮮食品には記載義務はありませんが、卵には「賞味期限」が表示されています。

サルモネラ菌の増殖が起こらない期限、となり「この期限までなら生のまま食べられますよ」ということ。

加工品ではない卵に「賞味期限」が設けられているのは、生で食べることも多い食品で、かつ、期限を過ぎると、菌の増殖が懸念されるためです。ですので卵の賞味期限は一定でなく、季節によっても変化してくることとなります。

期限オーバー(大幅にではなく)の卵でも、臭いや見た目(黄身が崩れているなど)に問題がない場合、生のままでも食べられることはありますが「やっぱり気になる……」の際には加熱調理をおススメします。

ただし、すでに殻にヒビが入ってしまっているものはNG。細菌の繁殖が考えられるため、危険性が増します。


「賞味期限」とはどちらかというと「目安」として捉えるもの。しかも「賞味(食べ物をおいしく味わうこと)」の、です。


ある程度余裕を持たせた期限での設定とされているため「ちょっと過ぎただけでポイ」というのは、かなりもったいない行為なのです。

最終的にはご自分の目や鼻での判断で、できるだけ食品を無駄にしないことも大事です。


ですが「消費期限」と同じく、条件は「未開封」であることと「正しい保存方法での保管」。


生食での卵や乳製品など「賞味期限」であっても守ってほしい食品は別として、実際にはこの条件であれば、期限を過ぎても、かなり問題なく食べられる食品は多いのです。

ただし、ここも「自己責任」ですね。

メーカーさんはちゃんと表示してくれています。何の責任も問えないのです。

そして時間が経てばたつほど、上記の条件でも「おいしさ」レベルは保証できない状態になっていきます。

そんな「賞味期限」の定義は以下の通り。

    ◎「賞味期限」の定義

  • 定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする


定義でもちゃんと言っていますね。「あるもの」とされているのです。でも、何かあった場合には自己責任なのです……


ちなみに「賞味期限」対象の食品の保存方法にある「常温で」とは、15~25度のこと。

また、保存方法の書いていない食品は「常温」で「直射日光が当たらず、湿気の少ない場所」での保存でお願いします。


さらには塩や砂糖等には加工食品であるにもかかわらず、「消費」「賞味」どちらの期限も設定されていません。品質の劣化が、あまり考えられないもののためですね。

また、アイスクリームなど、ー18度以下で冷凍保存されるものにも表示はなし。あまりの低温で微生物も繁殖しにくいため、品質劣化がごく少ない、とされるからです。


加工食品には本来義務づけられた「消費」「賞味」どちらかでの期限表示。加工食品でこれらの表示のないものは、ほとんど劣化することなく、長期保存のできる食品となっています。

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「賞味期限」と「消費期限」の違いアレコレ♪


♦食品衛生の3原則


さてさて、冒頭の2人。
優勢になってきたのは「期限なんて気にしない!」派の女性。

ですが、その「気にしない期限」が「賞味」なのか「消費」なのかにより、ジャッジにも変化が出てきそうです。
とりあえず、2人ともお腹、丈夫なんですね。そこだけは確かなようです。

ではここで、もう一度2つの期限表示を振り返りつつ、違いをまとめていってみましょう。

何の期限を表示してる?


  • 賞味期限: おいしく食べられる期限
  • 消費期限: 安全に食べられる期限

  •  ➡ 加工品には従来は「製造年月日」が表示されていました。また「賞味期限」と同様の意味で「品質保持期限」という言葉も使われていましたが、2003年の法改正により「品質保持期限」は「賞味期限」として統一。加工技術の進化、変化により、製造年月日から消費期限を判断するのが難しくなったため(発酵食品など)、期限が概ね5日以内のものには「消費期限」を、それ以上の保持期間のものには「賞味期限」を表示することに。

その表示方法は?


    ◎賞味期限
  • 保持期間が「3か月以内」のもの: 年月日 
  • 「3か月以上数年以内」のもの: 年月まで

  • ◎消費期限
  • 年月日

  • △「数年以上」の保持が可能なもの: 表示も省略可能

     ➡ これらの期限を設定するのは食品の製造者や輸入者(「製造年月日」を併記する場合もあり)

具体的にはどんな食品が対象?


  • 賞味期限: 比較的長持ちする加工食品
     → 缶詰、スナック菓子、レトルト食品、インスタントラーメン、清涼飲料水 など5日以上の長期保存が可能なもの(加工食品でない「卵」にも「賞味期限」が表示されていますが、これは「生」で食べる場合の期限となっています)

  • 消費期限: 傷みやすい食品
     → お弁当、お惣菜、生菓子、精肉 など製造日を含め、概ね5日以内がその期限となるもの

条件は?


  • 開封していない状態であること
  • 表示されている保存方法に従った保管をしていること

  •  ➡ どちらの期限表示も、上記のことが大前提となるため、たとえ期限内であっても、これらが守られていないものに関してはメーカー側の責任は問われません。

期限を過ぎたら、もう食べない方がいい?


  • 賞味期限: こちらはあくまで「目安」。期限を過ぎたからといって、すぐに食べられなくなることはありません(前述の条件が守られているものに限る)

     → メーカー側の検査でも、設定されている期限の1.1~1.2倍くらいまでの期間延長でも問題ない、という結果が出た上での表示期限となっています。が、そこも自己判断。万が一賞味期限切れの食品で体調不良等起こした場合でも、メーカー側の責任にはなりません。大幅にではなく、多少程度なら期限切れのものでも、見た目、臭い等で、最終判断とするのが無駄をなくす意味でもいいことなのですが、どうしても期限切れであることが気になる場合には加熱調理がおススメです。

  • 消費期限: できれば食べないのがベスト

     → こちらも「賞味期限」同様、期限表示には多少の余裕を持たせてあります。その期限を境にピタリと食べられなくなる、ということは考えにくい、とはいえ、一応守った方が安心です。もともと「今日、これ食べよ♪」のような感じで買うものに多い(ケーキとかステーキ用のお肉とか)かと思いますので、おいしく味わうためにも、期限通りにいただきましょう!

最後に2つの「定義」をもう一度!


  • 賞味期限
     → 定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする

  • 消費期限
    → 定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう

これでホントに最後! あの2人が揉めてたのは結局どっちの期限でだった?


「賞味期限」でした!!


セーフだったのですね。

ですが、彼女がこの2つの違いを知った上で「賞味期限だから」使ったのか、完全な「気にしない派! だから」使ったのか、は気になるところですね。

「消費期限切れ」にも同じノリでいくと、ケンカ以上に危険な目に会いそうです……

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終わりに……


なるほど。「期限切れ = 即廃棄」ではなかったのですね。


「今日、これ安いからたくさん買っとこう!」は確かにお得なのですが、こうして次々と期限オーバーのまま戸棚に眠る食品が増える……には注意です。


また未開封であることと、決められた保存方法で保管、は絶対に厳守です!!


いかがでしたでしょう。

おいしいものはおいしい状態で食べるのが一番。
作っている人たちも、それを望み、それにより表示されている「賞味・消費期限」です。

無駄のないおいしい毎日が過ごせますよう、皆さまのスッキリのお役にも立てていましたら嬉しいです!!


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