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「意思」「意思」「石」「医師」……「意向」「以降」「行こう」……

考える


これは思いのほか、楽勝かもしれません。
言葉を作っている漢字で、大体の意味がつかめます!!



「意思」「意志」「意向」。どれも「考えや気持ち」に関する言葉です。


中でも特に「意思」と「意志」は読み方も一緒。ちょっとだけ迷ってしまいますね。

そして「意向」はそれほど頻繁に登場しない言葉。


これらの意味や違い、そしてその「考えていること」に対する「強さ」について解説いたします。


同じ音、または似通った音を持つ日本語は案外多いのです。

ですが、複数のパターンで表記されるということは、それなりの違いがあるということ。

違い部分を押さえてしまえば、なんてことはありません!!


皆さまのスッキリのお役に立てれば幸いです。


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「意思・意志・意向」の違いはココ!


「漢字」とは「表意文字」。一つひとつが意味を持ち、それを形にした文字です。

象形文字などもそうですね。形を見れば何となく伝えたいと思っていることがわかります。


さて「意思・意志・意向」ですが、「意」の部分は一緒。その後に続く「思・志・向」が3つの文字を分けています。

意味の違いも、まさにそこ。

それぞれに
「思う」「志す(こころざす)」「向かう」のです。


では何がそうするのか。


「意」がそのようにするのですね。

「意」とは「心・心の動き・考え・気持ち」また「物事の内容・わけ」などの意味を持つ言葉です。

つまり簡単にいいますと、

  • 意思: 心に思うこと
  • 意志: 志(こころざし)に従って何かを成し遂げようとする積極的な心の働き
  • 意向: 心の向かうところ。物事への対処についての考えや意思

ちゃんとそれぞれの「思・志・向」が意味にも入っています。


でも、それじゃ、すごく大まかにしか違いがわかんない……


おぉ!……シンクロ……同感です……


ではまずは「意思」と「意志」。
まったく同じ発音の2つから、その違い等、少し詳しく見ていってみましょう。

「意思」と「意志」、強いのはどっち?


「思うこと」と「成し遂げようとすること」。ここからもわかります通り「意思」に比べ、気合は「意志」の方が入っていますね。

「志」とは「心に決めた目標に向けて進もうとする気持ち。またはその目標」のことを指す言葉です。

「心に決めた」のです。もう絶対にこうしたい(もしくは絶対にそれだけはしたくない)、と強く思わなければ目標到達までのモチベーションは保てません。

そんな気持ちを表わしているのが「意志」です。

「意志が固い」などとも言いますね。そうしたい、と思う気持ちが強い、ということです。

つまり「意志」とは、前向きで積極的な心の状態。強い意欲がありますよ、といった意味を込めて使われる言葉です


「意志」かっこいい……!


が、人は何もかもに強い「意志」を持って行動しているわけではありません。

自分の考えていることなどを伝え合うことで会話は成り立ち、またコミュニケーションを持つことができるわけですが、その際にいちいち強い意志は必要ありません。

    「今日何食べたい?」
    「うーん、和食がいいかなぁ」
    「じゃ、おそばにしようか」
    「いいね。てんぷらそばにしない?」

強い意志でなくていいのです。

普通に自分の考え(気持ち)を伝えるだけで十分。というより、そうでないと平和な会話は成り立ちません。

    「今日は絶対にドリアが食べたい」
    「いや、今日は何がなんでも煮魚って決めてるから」
    「私のこの強いドリアへの思い、わからないの?」
    「おれの煮魚愛を受け入れてくれよ」
    (……何かが割れる音)

別々に食べればいいのに……


このようなおかしな感じになってしまうのですね。まぁ、あまりこのようなことは起こりませんが。

ですが、「意志」とはそれくらい積極的で強い、その何かを成し遂げるんだ、という心の状態を表わしたもの。

つまりそれは個人的な意欲に対してのものとなります。


さて、前者の平和なランチ時の会話、あれがいわゆる「意思の疎通」というもの。

「意思」の方ですね。

これで十分。相手に気持ちは伝わります。


「意思」とは積極的である必要はありません

単に思っていること、考えていることが「意思」です。

ですので尊重するのは相手の「意思」。汲むのも「意思」です。相手の考えを大事にする、といった意味ですね。その考えが消極的なものであろうと、前向きなものでなかろうとも「相手が考えていること」を丸ごと大事にするのです


また個人の、ではなく公的なものや団体の意見などに使われるのもこちらの「意思」です。

団体などの場合、どれくらいの強さを持った考えなのか思いなのか、を正確にはかり知ることはできないからです。


法律用語でも「意思」。

「殺意の有無」とはつまり「殺人の意思の有無」ということになります。

積極的にそう思ったのか、ではなく、その行為がどういう結果をもたらすのか、それを理解したうえで犯した犯罪なのか、を問う意味で使われるのがこの場合の「意思」です。

そして「殺人の意志」……怖すぎです。


一方の「意志」は心理学や哲学などで多く使われる言葉。

単なる考えや思いではなく、強い気持ちに重点が置かれるからですね


つまり、

    ◎意思とは: 単なる(通常の)考えや思い
  • 公的、団体の意見などにも
  • 法律用語
  • →「意思の疎通」「意思表示」 などと使われます

    ◎意志とは: 積極的で前向きな強い意欲を伴った考えや思い
  • これにより目標等に向かう。個人的な意欲に対して
  • 心理学、哲学の分野で多く使われる
  • →「意志堅固(志がしっかりしていること。意志が固いの意味)」「意志を貫く」 など

となります。

「意向」とは?


「心の向かうところ」を意味する「意向」。


……と言われても、イマイチわかりません。というより、実は曖昧すぎてサッパリわかりません。


なるほど、確かに。心の向かうところが何なの? な感じですね。


ではよく聞く「上層部の意向を受け」「何とかこちらの意向も汲んでいただけないでしょうか」などをわかりやすく言い換えてみましょう。


    「上層部の『どうしたいのか(どうするつもりか)、という考え』を受け」
    「何とかこちらの『思うところ、意図なども』察していただけないでしょうか」

このようなことを言っているのですね。


つまり「意向」とは「何をしたいと思っているのか」「どうしたいか(どうするつもりか)」といった考えのことを指しています。

ですので「意向」の前には、そう考えている誰か、を表わす言葉が入ります。

それが前者では「上層部」、後者では「こちら(私ども)」です。


どちらかといいますと「自分ではない」相手に対して使われる言葉ですが、自分サイドに使っても間違いではありません。

また「意向に沿わせていただきます」ではダメ。「意向」は敬語ではありません。「ご意向」として使ってください。


似たような「所存」という言葉がありますが、自分の考えをいう場合には「~の所存です」の方がしっくりきます(「~と思う所存」もダメです。「所存」がすでに「思う」の意味で使われているので「思う」が重なり、誤用)。


さて、「意思・意志」はどちらも「何かに対する考え」を表わす言葉として使われますが、「意向」に加わるのは、それらをどのように具体化していくか、対処していくか、についてのさらなる考えです。


上層部の「意向」の具体的な内容がわからなければ、それを受けたところで何もできません。

こちらの「意向」を汲んでくれ、といくらお願いしても、その中身に具体性がなければ「だからそれは何なんだね、君」となります。


つまり「意向」とは相手側・自分側、また目上・目下にかかわらず「こうしたいと思っている」といった「意思(または意志)」よりも具体的な考えや思惑のことを指して使われる言葉です。


相手に対して自分の考えなどを言う場合に使われるへりくだった言い方には「所存」があります(または目上の人の考えを聞くときには「ご所存」として)。


「心の向かうところ」というのは「意思(意志)が具体化された判断により向かうところ」のような意味なのですね。

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「意思・意志・意向」の関係と違い♪


♦Sword of the Far East 「自由意思」


「思う」「志す」「向かう」。

なるほど。ニュアンス的にはそんな感じです。漢字って結構すごいですね。だからといってわかりやすいわけでは決してありませんが……


さてさて、ではここでもう一度おさらいです。

「意思・意志・意向」の違い、その意味や思い入れの強さなどについてまとまていきましょう。

とりあえず「意味」を!


  • 意思: 心に思うこと、気持ち、考え
  • 意志: 志に従い物事を成し遂げようとする、積極的で前向きな心の状態
  • 意向: 心の向かうところ、物事にどう対処していくかの考えや志向

強いのは何?


ぶっちぎりで「意志」です。

  • 意思: 単に思っていること、考えていること
    → 普段の会話などではこちら。

  • 意志: 何がなんでも成し遂げたい(もしくは回避したい)ことに対する、積極的で前向きな思い
    → 絶対に受かりたい試験などにはこちらの気持ちを持って臨んでください。

  • 意向: 考えていること、思っていることを具体化するための「こうしたい・こうやってクリアしよう」といった一歩進んだ具体的な考え
    → 相手の「意向」は必ずしも「積極的・前向き」ではないかもしれません。ですが、「意思」同様、察したり添ったりすることが大切。ご自分のことに関しましても「こうしようと思っているんだ」と相手に伝わるよう、具体的な内容を提示してください。それが「意向」です。相手側の場合と同様、それは前向きなものでなくても構いません。

皆さん、一番大事だと思っているのは何?


……あ、重点の置かれている「意味」の部分ですね。了解です。

  • 意思: 自分・相手のものに対する、大事にすべき(されるべき)「思い」「気持ち」です!
  • 意志: 前向きで積極的な、その思いの強さです。何事かを成し遂げるためのモチベーションを高め、保持し、それにより何らかの行動を起こします!
  • 意向: そのことにどのように対処していくかなど、なにかを成す際の具体的な判断を伴う考えであることです!

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終わりに……


なにかを成し遂げるための強い「意志」。コミュニケーションには欠かせない「意思」。何事かを、どうしたいのか、どう思っているかを指していう「意向」


なるほど。使い分けられています。


「橋」と「端」などよりはわかりにくい、細かな違いですが、まったく同じ読みの「意思」と「意志」も、1度覚えてしまえば、その後はなんなく使いこなせそうな気がしてきました。


でも日本語って……面倒くさっ(チッ)……


舌を打ってはダメですって! 日本語も頑張っています。ないとしゃべれません……


さてさて、いかがでしたでしょう。

紛らわしい3つの「考えや気持ち」に関する言葉へのモヤモヤは、少し薄れてきましたでしょうか。

皆さまのスッキリのお役に、多少なりとも立てていましたら嬉しいです!


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