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「毎度! はい、300万円のお返しね! 気をつけて帰れよ!」

「ありがと、オジちゃん!」

「オジちゃんじゃないだろ、お兄さんだろ、ガハハ!」


……さて、この「オジちゃん」は「叔父ちゃん」?「伯父ちゃん」?

叔父


どちらも不正解です!


「叔父・伯父」は共に自分の両親の兄弟を指す言葉です。親族間で使われる言葉ですね。

ですので、上の駄菓子屋さんの店主かと思われる「オジちゃん」はどちらにも当てはまりません。

どうしても漢字を当てたいのなら「小父ちゃん」、もしくは申告通り「お兄さん」ですね。


では、この「両親の兄弟」を指す「叔父・伯父」、


兄弟ならどっちを使ってもいいの? 「兄」か「弟」かで、違いがある?

使い分けられているのはどうして? 意味や由来を知れば、違う漢字で書かれる理由もわかる?

「おばさんの旦那さん」とかだったらどうなるの?



いっぺんにたくさん聞かれてしまいましたが、大丈夫です。


「叔父・伯父」の違いや意味、使い分け等解説いたします。


実際呼ぶときにはどちらも「おじ」となってしまいますが、「『叔』のおじさん」か「『伯』のおじさん」か、脳内変換しながらその「おじ」を見上げてみると「なるほど、確かに『叔父』さんだわ」などと納得できるかもしれません。


皆さんのスッキリに、少しでも役立てていただけたら幸いです!


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2つの「おじさん」違いは何?


先ほども書きましたが、皆さんのご両親のご兄弟を指す「叔父」と「伯父」。
  • お兄さんなら「伯父」
  • 弟さんなら「叔父」
となります。


また、ご両親のごきょうだいが男性ではなく女性の場合、つまりお姉さんか妹さんのご姉妹の場合ですね、その場合はご姉妹に当たる「おばさん」の旦那様にこちらの「叔父」「伯父」を当てはめることとなります。
  • 伯母さんの夫なら「伯父」
  • 叔母さんの夫には「叔父」
です。


このように違いは「兄か弟か?」「姉か妹、どちらの配偶者か?」なのですが、では、その理由は?

2つの「おじ」、その意味・由来などを辿りながら、続いて使い分けのポイントなどを見ていってみましょう!

伯父とは? 由来は? 意味は?


「伯父」と「叔父」。この違いは中国の「儒教」という教えから来たものです。


かつての中国では大家族が多く、この「儒教」の教えに従い、上下関係がしっかりしていました。

そこから由来するもので、本名以外に、
  • 兄弟の中で最年長(長男)の者は「伯」
  • 2番目(次男 )を「仲」
  • 3番目(三男 )なら「叔」
  • 4番目(または末っ子)のことは「季」
の文字の入った名前(字 = あざな)をつける習慣があったのですね(絶対につけなければいけないというものではありません)。

字(あざな)とは、男子が元服すると、本人の好みや目上の人からの「君はこんな感じ」といったその本人のいいところや特徴からつけられる、もう一つの名前のようなもののことです。


ご両親のご兄弟のうち、お兄さんを指す「伯父」

上記に当てはめますと「最年長」=「伯」=兄(少なくとも自分より年下の訳はない)となります。

ですので、ご両親のお兄さんには最年長者であることを示す「伯」の文字の入った「伯父」となるわけです。


また「伯」には、「伯爵」などに使われる「旧華族制度の御等爵の位を表す」や、ズバリ「父、母の年上の兄弟」などの他に、
  • 頭に立つもの
  • 一芸に秀でたもの
の意味もあります。

イメージとしては「何となく偉い人」な感じです!

叔父とは? 意味や由来も知りたい!


ではあなたのお父さん(もしくはお母さん)が4人兄弟の末っ子だった場合はどうなるのか?


お父さんのご兄弟のうち、長男の「おじさん」だけを「伯父」と呼び、次男、三男の「おじさん」に関しては「仲父さん」「叔父さん」? そしてお父さんは「季父さん」?


そうはなりません。「仲父さん」「季父さん」……聞いたことがありません、読めません!


三男のおじさんは、ちょうど「叔」の文字が当てはまることだし、と「叔父さん」でいきたいところですが、やっぱり「伯父さん」なのですね。頑なです。

そしてお父さんは、どのご兄弟のお子さんからも「叔父さん」です。


何となくお気づきかとも思いますが「伯父か叔父か?」には、由来となった中国からの風習をちょっとズレ、ご両親より「年上か年下か?」のみが判断基準とされています。

年下なら「叔父」、次男でも三男でもご両親より年上の「おじさん」なら自動的に「伯父」になるわけです。


「伯仲叔李(はくちゅうしゅくき)」から来た言葉「伯仲(はくちゅう)」という言葉があります。

「伯仲」とは、長男を「伯」、次男を「仲」としたころから転じて「力が接近していて優劣のつけがたいこと」を表す言葉です。


そして「叔」、長男次男(伯仲)、きわめてよく似た力を持った2人に次ぐ三番目、というわけですね。


さて「叔」の辞書的な意味としては、上記の三男を表す意味の他、
  • 両親の弟
  • 妻から見て夫の弟
……そのままです。


「叔父」が「叔父」である所以に「伯」の「頭に立つ」などのような「なるほどポイント」がありません。

「叔父なんだから叔父」と言われると「なら仲父でも別にいいんじゃないの?」と思ってみたくなるものです。


でも大丈夫!


なぜ「年下の兄弟 = 叔父」になったか、それにはちゃんと「叔」のもともと持っている意味(原義)が答えを出してくれているのです。


「叔」の左部分は「蔓を巻いた豆」の形を表しており、右側部分には「手」の意味があります。

つまり「叔」の文字には2つ合わせて「手を添えて豆などの小さなものを拾う」の原義があるのです。

それが後に「若い」「年少者」など「小さいもの」を表すようになります。


小さいもの、伯でも仲でもなく「小さな『叔』」。


長男次男のように接近した力を持つ「兄貴分」ではなく「小さな『叔』= 弟分」。だから両親の弟である「おじさん」は「叔父さん」。なるほどぉ。ほほぅ、なるほどです!

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「伯父」と「叔父」、 詳しい違いや使い分け♪


♦【心に残る話】おじの不思議な体験


「伯父」と「叔父」2つの違いが何となく掴めてきましたでしょうか?


ではもう一度、まとめを兼ねて具体的に「伯父」か「叔父」か? を見ていってみたいと思います。

年賀状に一言添えよう。母さんの弟だからえっと……


「弟」さんなので「お母さん」より小さい(若い)もの =「叔」→ 叔父さんですね。

⇒「あけおめ~! 叔父さん元気? オレ、どこか変わったと思わない? 頭がちょっと良くなったんだけど気づかなかった? だって去年まで「おじさん」ってひらがなで書いてたじゃん!」

おばさん(お父さんの姉 = 伯母)の旦那さんて、お父さん(弟)より年下なの?!


すごい! ある意味うらやましいです!
年齢だけ見れば「若い」のですが、立場は「父の姉の夫」。「伯父か叔父か?」の基準となるのはあくまでご自分のご両親とそのご兄弟(ご姉妹)の関係「兄か弟(姉か妹)か」です。「姉」の夫、ということで彼の年齢は考慮に入れず「伯」→ 伯父さんと呼びます。

見た目も年齢的にも絶対「いとこ同士」なんだけど「おじさん」って呼ばれるとちょっと傷つく……


あなたのかなり年上のご兄弟のお子さんから見たあなたの立場ですね。俗にいう「サザエさんち現象」ですか。
でもタラちゃんは露骨に「おじさん」とは呼んでいません。いい子です。「できれば○○兄ちゃん、って呼んで」などと持ちかけてみましょう。

離婚したお袋。親父も2倍、その「おじさん」たちも倍になったんだけど……


変わったのは人数だけです。お母さんお父さん、または義父さんの「兄か弟か」での呼び分けには変わりはありません。


法則が分かれば「特例」等ない分、使い分けは案外簡単そうですね。


最後にポイントを挙げておきます。繰り返しになり恐縮ですが、あまり難しいことではありませんので、ここでしっかり覚えてしまいましょう!

伯父・叔父ポイント!


意味ポイント

  • 伯父の「伯」
      → 頭・統率者を意味する / 一芸に秀でる などの意味も / 兄弟の序列で最年長(伯仲叔李) / 父・母の年上の兄弟

  • 叔父の「叔」
      → 父・母の年下の兄弟 / 兄弟の序列で三番目(伯仲叔李)/ 原義に「豆を拾う」の意味あり ⇒ 後に「小さなもの・若い・年少者」を指す言葉となる

使い分けに役立つポイント

  • 両親の「兄」か「弟」か
  • 姉が妹であった場合、その配偶者もそれに準じる
  • 基準となるのはとにかく「ご両親」と「ご兄弟(ご姉妹)」との関係

ここは気にしないポイント

  • (ご両親のご姉妹の配偶者の場合)実際にご両親より年上か年下かは考えに入れなくてよし
  • 離婚してもそれぞれのとの「伯父か叔父か」関係は変わらず

もう一回、伯仲叔李

かつての大家族時代の中国からの風習で、
  • 最年長を: 伯
  • 2番目は: 仲
  • 3番目なら: 叔
  • 末っ子には: 李

  •   →それぞれの文字の入った字(= あざな / 本名とは違うその人の人となりなどを表すもう一つの名前)がつけられたことに由来する言葉。

      →力などが接近していて優劣のつけがたい様子を示す「伯仲」や、兄弟または両親の兄弟= 叔父と伯父をあらわす「叔伯(しゅくはく)/ 伯叔(はくしゅく)」などの言葉もあります。


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終わりに……


基準は「ご両親」です。兄なら「伯父」、弟なら「叔父」ですね。


私はなぜか「お兄さんは『はくおじさん』」という覚え方をしていましたが、今考えるとどうしてそれで覚えられたのかが謎です。


ですがどんな覚え方(語呂合わせ)をしても、一度覚えてしまえば案外忘れないものですね!


また日常的に漢字に変換して使う言葉ではなく話し言葉として使われることの多い「伯父と叔父」、いざという時にしか使わない知識ですが、いざという時に使えないと困ります……


いかがでしたでしょう。


「伯父さん」もしくは「叔父さん」の顔が思い浮かびましたでしょうか?「 やっぱり『叔父さん』って顔してた!」 などクスクスしていただけたらちょっとうれしいです!


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