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「えーっ! 飲み会あさってなの~~! いや、姉貴の引っ越し手伝う約束しててさ。まぁ、パートみたいなもんだよ」


……ものすごく違和感を感じてしまいます。気持ちがモヤモヤします!そこは「バイト」と言ってください!!

レストラン

さて、この「アルバイト・パート・フリーター」。上の青年の一言が「なんか違う」というのはわかるのですが、「何がどうして違うの?」と聞かれると、ついつい笑って誤魔化したくなります。


何の違いで使い分けられてるの?

フリーターたちも働いてる! 有給休暇はもらえるはずだ(もしくは、そうであってほしい)!

「今月これ以上稼いだらまずい!」って言ってる人がいたんだけど、何がまずいの?

うちのお父さんは会社員です。アルバイトですか? パートですか?……会社員でいいと思います)



などなど……


「アルバイト」「パート」「フリーター」、違いのモヤモヤをご解決いたします!


お給料や有給休暇についても、案外知らないことは多いもの。こちらもさらっとご解説いたしますので、よろしければご参考になさってみてください。


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「アルバイト」「パート」「フリーター」、何が違う?


まずは法律上の違い。


使い分けの規則は、実はないのです


この3つはどれも「パートタイム労働者」と定義され「パートタイム」=「フルタイムで働かない」、つまり「一般の社員よりも短時間の勤務をする人」のことを指した言葉です。


求人募集などで「アルバイト募集」「パート募集」「集まれ、フリーター!」などと書かれているのは、採用する企業やそれぞれの職場側が、働き方や募集する年齢層の違いにより使い分けているため。応募する方も、何となく「あ、主婦の方対象かも」などと想像することができます。


法律的な規則はない、とはいうものの、世間一般に浸透しているイメージは、

  • アルバイト: 学生さん(本業は学業)
  • パート: 主婦の方中心(本業は主婦業)
  • フリーター: 学生でも主婦でもなく、バイトで生計を立てている人(本業がバイト)

こんな感じではないでしょうか?


採用する側も、求人広告等に書かれた「アルバイト・パート・フリーター」を、そのように捉え、敢えて使い分けているわけなのですね。

「アルバイト」とは? 「パート」との違いはここ!


「法律上は一緒だから」と言われても、冒頭の青年のセリフ、やっぱり絶対に違和感があることは譲れません!


語源を見てみましょう。


「アルバイト」は「仕事 / 業績 / 労働」などを意味するドイツ語です。

この言葉を、明治時代の旧制高等学校の学生が「家庭教師」など内職を指す隠語として使い始めます。

それが徐々に「内職」「副業」の意味となっていき、戦後ついに一般化、今に至る。

なるほど、イメージの「学生さん」というのも案外正しかったわけですね。


では一方の「パート」は、といいますと、英語の「パート・タイム・ジョブ」からきた言葉。

その言葉の通り「(正社員より)短い時間の労働者」を意味しています。

別に主婦の方限定ではなかったのですね。


……じゃあ、あの「冒頭青年」、間違ってなかったの?

間違いではないのですが、本来の「アルバイト」は、「副業を持つ者」を指す言葉。「正社員ではない人」を指す言葉ではないのですね。それに加え、明治時代の学生さんのエピソードです。単なる「短時間の労働者」ではなく、明治時代の学生から派生した感のある言葉でもあるのです。

後ほどもう少し詳しく説明いたしますが、このことからだけでも、彼が学生であるのならぜひ「アルバイト」と言ってほしいのです。


……ん? でも学生ではなかったら?

もしかして、ここで「フリーター」の登場か?


当たりです!


では続いて「フリーター」について、その特徴等を見ていってみることにしましょう。

「フリーター」とは? 「アルバイト」「パート」とはここが違う!


和製の造語「フリーランス・アルバイター」


「フリーランス」、何となくかっこいいですね。中世ヨーロッパで、自由契約によってさまざまな諸侯に雇われていた騎士や傭兵のことです。主君なんて持たない主義ですね。

現在では転じて「誰とも長期契約を持たない」作家や芸術家などがこう呼ばれています。


つまり「フリーランス・アルバイター」である「フリーター」は「誰とも長期契約を結ばず」「正社員・正職員としての就業形態ではない働き方で生計を立てている人」となります。

ですが「アルバイト」も「パート」も、そこは同じ。


では、どこで呼び名が変わるのか?


平成15年の「労働経済白書」では「15~34歳の学生や主婦を除いたアルバイト・パートをしている人、またはその職を希望している無職の人」をフリーターと呼ぶ、と定義づけています。


ここですね!


アルバイト・パートをしている人たちの中で、学生でも主婦でもない15~34歳、といった条件に合う人たちが「フリーター」と呼ばれています。


「冒頭青年」が学生ではなく「フリーター」であったとしても、そこは「バイト」でお願いします!

(※上記の定義からいきますと「無職」の人も条件に当てはまりますがここでの比較は「アルバイト・パート」とのものなので、以後「フリーター = 働いているフリーター」として書かせていただきます)

「パート」を名乗る条件はある?


「アルバイト」が本業あり、「フリーター」が本業がアルバイトだとすると、「パート」は?


「(正社員より)短い時間の労働者」であることは間違いありませんが、主婦の方の本業を「主婦業」とするのなら「アルバイト」を名乗ったところで、問題はありません。


ですがここでも雇用側のイメージから、

  • アルバイト: 短期雇用
  • パート: 短期「間」雇用

のニュアンスを持った呼び分けがされています。

1日だけの仕事などは「アルバイト」。なぜならそれは「短期」の雇用であり「期間」と呼べるほどの日数等、持続時間を持たない仕事だからです。


結論から申しますと「名乗る条件」らしきものはありません。

「そう呼ばれない条件」があるだけです(しかも法律的にではなく、あくまで募集の際など雇用側からの使い分けです)。


  • 「本業」を持たない人は「パート」とは呼ばれません。
  • 「本業」が学生の人は「アルバイト」と呼ばれます。
  • 「本業」が主婦の人のみ、雇用側も安心して「パート」と呼べるのです。
  • しかし、主婦でなく学生でもない妙齢の女性は、大抵「パート」さんと呼ばれています。

つまり「私、主婦じゃないですからパートじゃないです!」などと角を立ててまで、そこまで厳密に使い分けるものではないのですね。


世間の何となくのイメージ通りが、雇用側の何となくの呼び分けのポイントでもあるのです。

「アルバイト・パート・フリーター」、有給休暇はもらえる?


法律上「パートタイム労働者」と定義されている「アルバイト・パート・フリーター」ですが、一般社員との違いは「勤務時間が短い」という就業形態で働いている、というところだけ。労働基準法も適用されるれっきとした「労働者」です。


ですので当然「有給休暇」ももらえます!

ただし、勤務日数・時間が少ないため(正社員と比べると)、与えられる有給の日数も1~7日と少なめになり、それぞれの勤務日数に即した日数が付与されることとなります。


条件としては「6か月以上勤務していること」。そして、そのうちの8割以上の出勤です。この時点で有給が発生します。

このシステムは正社員の方も同じ。有給休暇の有効期限も同じく、発生から2年間です。

ですので、正社員の方とほぼ同じ日数で週5、週6で働いているのであれば正社員と同じ「10日間」が付与されるのですが、それ以下の勤務日数の方の場合は、

  • 週4(勤務日数:169~216日となり)→ 半年目 7日 / 1年半後 8日 / 2年半後 9日 / 3年半後 10日 / 4年半後 12日 / 5年半後 13日 / 6年半後 15日 ……と続いていきます。
  • (以下、半年目~6年半後までを列記します)

  • 週3(121~168日)→ 5 / 6 / 6 / 8 / 9 / 10 / 11

  • 週2(73~120日)→ 3 / 4 / 4 / 5 / 6 / 6 / 6 / 7

  • 週1(48~72日)→ 1 / 2 / 2 / 2 / 3 / 3 / 3

付与される日数に違いが出てきます。勤務日数に応じて付与されるものなので、正社員のように一律にはなりません。


有給休暇中の給料は、その直前の3か月間の給料総額(交通費や時間外手当等も含みます)をその3か月の総日数で割った金額となります。

例えば三か月間の給料の総額が35万円、その三か月の総日数が30日だった場合「350,000÷30」となり、3,888円が有給休暇の1日当たりに支払われる給料となります。単純計算ですね。


じゃあ、働けるだけ働いた方が絶対お得じゃん!


………………


ところが、そうとも言い切れない問題もあるのです。

給料が多くなると損をする?! 立ちはだかる2つの壁!


「103万の壁」と「130万の壁」です。


何の壁なのかといいますと「税金の壁」と「社会保険の壁」。


つまり前者「103万円」を超える年収となると所得税の問題から、配偶者や親の「税金の扶養」から外れ、後者では、国民保険や会社の健康保険への加入が義務づけられることとなり、同じく「社会保険の扶養」から外れてしまうのです。

配偶者や親の所得税が増えたり、また、給料から健康保険や年金分が天引きされることになるわけですね。

このため「103・130」のラインを超えないよう、調整しながら働いているパートの方などは割と多いようです。

「夏休みのバイト」や「日払いの単発」などではあまり考えなくてもいいことだと思いますが、「パート」「フリーター」の方々には、気に留めておいていただきたい数字です。


雇用主の方もこのラインは必ず知っていますので、相談しながらうまく調整してみてくださいね。「ケチくさい!」などとは間違っても言われないはずなので大丈夫です。

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「アルバイト」「パート」「フリーター」の違いをまとめてみましょう!


♦正社員だから安泰?中年フリーターが仕事を取るかも?


さて、法律上では使い分けの分類はないこの3つの「パートタイム労働者」。

けれど世間のイメージ、雇用側の呼び分けなどには、一応の基準のようなものがあるのですね。

まずは、そのイメージ、ニュアンスの違いからの使い分けられ方を見てみましょう

世間のイメージ


    ◎アルバイト
  • 短期雇用、または臨時雇い
  • 学生中心。

    ◎パート
  • 短期間雇用、または短時間労働者
  • 主婦中心

    ◎フリーター
  • 学生ではない若年層が正社員よりも少ない日数や時間を働く
  • これが本業だ

(勤務時間が一般社員とは違った就業形態をとっている「派遣・契約社員」も実は「パートタイム労働者」の一種です)

雇用側からのイメージ


    ◎アルバイト
  • 「学生の仕事」という意味でよく使われる
  • 勤務日や時間帯が授業によって左右されやすい
  • ・学校卒業と同時にバイトも卒業
  • 社会人としての経験は少ない(もしくは、なし)
  • 試験や就活、イベントがあるから、などで休む

    ◎パート
  • 主婦層が多い
  • 家庭の事情に合わせた勤務日・時間となるため、平日昼などの短期間希望の場合が多い
  • 「アルバイト」より長く働いてくれそうだ
  • 以前社会人として働いていた人が多い
  • 扶養・控除内で働きたい人が多い(先ほどの「103・130」問題のことです!)
  • 子どもの病気には勝てない

    ◎フリーター
  • 時間・日にちの融通が利く(企業からのニーズは一番高い)
  • 学生に比べると長期間勤務が望めそうだ
  • 急な休みなどは、他にやりたいことや目指すものがあった場合、そのこと絡みのことがほとんどだ

なるほどですね。どちらのイメージもすごくわかります。

案外知られていないこと


◎有給休暇はもらえます!

→ 先ほど書いたばかりですが、特に長く働いている(6か月以上)場合には、確かめてみてください。なかなか言い出しづらいかもしれませんが、これは「労働者」としての当然の権利なのです。

◎103万・130万のラインには気をつけて!

→ もしも「130の壁」を超えてしまった場合、実質的な収入を下げないようにするには、
  • アルバイト: 140万円以上の収入
  • パート(※主婦でパートをされている方): 175万円以上
  • フリーター: 140万円以上
△さらに「主婦でパートの方」は141万円を超えてしまうと、それまで適用された「配偶者特別控除」までもが外されてしまいます。「夫の控除額ゼロ」となり、旦那様の所得税がさらに増えることとなってしまいますので、色々とご検討なさってみてください。

要するに、結論は?


法律上では違いはなし、世間のイメージや雇用側の使い分けにおいては結構な違いあり。


働く上で重要となってくるのは、

雇用側の使い分けルール > 世間のイメージ > 法律

何を名乗っても捕まりませんが、間違った使い方は周りの皆さんのモヤモヤのもとになります。

世間・雇用主は強し、です。


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終わりに……


いかがでしたでしょう。


あなたが学生さんであれば「アルバイト」、主婦の方であれば「パート」、学生でも主婦でも正社員でもなければ「フリーター」のようです。


就職難が続いています。

実際雇用側からすれば、何かとコストのかかる「正社員」よりも都合がいいのも事実。

有給休暇や損をしない給料額など、要求はきっちり出し、ご自分の時間や夢もおろそかにせず、毎日の仕事が少しでも楽しいものでありますよう、こんなところからではありますが応援しております。


皆さまのどこかがちょっとでもスッキリしていたら幸いです!


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