こんな『違い』があったんだ!

【元日と元旦】の違いとは? 年賀状はどうする? 使い分けを紹介

新年


新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくです!

○○年 一月元旦


!! 見事に色々と間違えていただきました! ある意味、助かります!
新年

1年の始まりに送る「年賀状」。


1年の始まりだから「元旦」? あれ? でも1月1日ってカレンダーには「元日」って書いてあるよ?

年の初めから間違えるのは、残りの364日にケチが付きそうでイヤ……縁起悪そう……


「元日」と「元旦」、お正月のおめでたい時期にしか使わない2つ。

違いや使い分け、年賀状にはどっちを使うの? 上の文章の、どこがいけないの? などなど、紹介いたします。

迷ったり間違えたりすることなく1月1日をクリアし、いい1年が過ごせますよう、お役に立てていただければ幸いです!
目次

「元日」と「元旦」は何が違う?

どちらも1月1日を指す言葉。同じように使って、問題ない言葉です。

ですが、本来の意味から、使い分けることの多い言葉でもあります。


「元日」と「元旦」、この2つには「日にち」を示しているか「時間帯」を表しているか、の違いがあるのです。


2つ共に使われている「元」の文字には「はじめ」の意味があります。「1年のはじめ」、ここまでは「元日」「元旦」一緒ですね。


さて続いての「日」と「旦」ですが「日」はそのままその日を、「旦」には「日の出」や「朝」の意味があります。

「旦」を構成している「日」の字と「その下の横線」で、地平線から昇ってくる太陽を表しているのですね。そう言われると、とてつもなくキレイな文字に見えてきます。


つまり、

  • 元日: 1年の最初の日。1月1日。
  • 元旦: 元日(1月1日)の朝。
語源からはこのような意味を持つ言葉となるのです。


1月1日丸々を示す「元日」と、その「朝」の時間帯のみを表している「元旦」といった違いですね。

しかし「元旦の朝」を拡大解釈すれば「1年の朝(はじまり)」ともなるため、実際には「元日」と同義、とされてもいます。

どちらを使っても間違いではないのですね。ですが、上記のような語源をそれぞれに持つ言葉であり、厳密に分ける場合には、その差が表れてくることもあります。

本来の意味、またはその語源も、とりあえず押さえておいてくださいね。

「元日」とは?

お勤めをしている方も学校に通っているお子さんも、何かとワクワクするお正月。

「三が日」「松の内」などと言った言葉を聞いたことがあるかと思います。

簡単に言いますと官公庁や多くの企業もお休みになる「1月1日~3日」が「三が日」。

お正月の門松やお正月飾りなどを飾っておく時期、一般には「1月1日~7日」、関西など一部では「15日」までが「松の内」と呼ばれます。


その初日でもあり、1年の初日でもある「1月1日」が「元日」ですね。


元々は「四大節(紀元節・四方節・天長節・明治節)」の一つ、皇室行事の「四方拝」にちなんで「四方節」と呼ばれていました。

現在のように「国民の祝日」となったのは1948年のこと。「四方節」の一つではなく、年の始まりを祝うための祝日にしよう、と法律で定められたのです。ですので元日には祝いながらダラけてもいいのですね(拡大解釈その2)!

その祝日丸々一日、といった「元日」には時間帯の設定はありません。強いていうなら午前0時~午後11時59分まででしょうか。要するに1月1日の終日です。


「元日」とは「1年の最初の日、1月1日丸々全部」を示す言葉、そして「国民の祝日」を表すのもこちらの「元日」となります。

「元旦」とは?

さて、初日の出を表しているキレイな言葉「元旦」。


本来なら「1月1日(元日)の朝」ですね。


「朝」なのだから「元日」と同じ意味で使うのはちょっと……とも思いますが、先ほども書きましたように「1年の朝」などの解釈から現在では「元日」と同じような使い方で多く用いられる言葉となっています。

辞書などでも「元日の朝」の他「元朝 、元日、1月1日」などとあり、使えるのは「朝限定」ではないようです。

意味は同じ、でも語源は違う、といった感じですね。


では1年で最初に出す「年賀状」、この微妙な部分で「元日」「元旦」を使い分ける必要は出てくるのか?

続いてその「年賀状」について、冒頭の誤りはどこ? も含めまして見ていってみましょう!

年賀状にはどっち?

「元日」「元旦」につきましては前述のとおり、現在ではどちらも同じ意味で使われることが多いため、どちらを使っても問題なし、とされています。


が、やはり多いのは「元旦」。

年賀状は新年のあいさつ。新年のあいさつはなるべく早めに、できれば1月1日の朝、少なくとも午前中までには、というのが礼儀とされるため、その意味を含ませ「1月1日の朝」を示す「元旦」がより多く使われています。

「元日」には「朝」の意味はないからです。

年賀はがきの引き受け開始日は12月15日。25日までに投函すれば通常1月1日に届けられます。郵便局の方たちも「目標、午前中!」と頑張って配達をしてくれます。

実際には午後に届くことになってしまっても、出した側(配達の方も)の意気込みとしては間違いなく元日の午前中狙いです。

「元日」が間違い、というわけではないのですが、このような理由と意気込みから「元旦」は「元日」を大きく上回り使われる言葉となっています。

さて、もう明らかに1月1日には届かない状況の場合、出し忘れや思いもかけない人から届いた年賀状へのお返事、また、年末の忙しさが尋常ではなく25日以降に投函、などの場合です。

お友だちや親しい人への場合なら「元日」「元旦」を使ってもまぁOK。受け取った側もお正月気分が味わえ、細かいことはいいか、となる感じです。あまりかしこまらなくてもいい相手になら「お正月だよ、めでたいよ!」というメッセージ重視でも大丈夫かと思います。


が、正確を期するなら「元日」「元旦」のキーワードはどちらもNGとなります。

理由は「もう1月1日ではないから」ですね。

こういった場合には「謹賀新年」「恭賀新年」などを使うのが無難。「1月1日ではないけれど、お祝いの言葉でもあり、相手を敬う言葉」でもあるからです。


また、最後に記す「○○年元旦」などの代わりとなるのは「○○年新春 / 厳寒」「正月吉日 / 一月吉日」などとなります。

はっきりとした日付は避けるのがベストです。


さてさて「お正月」です。

こちらは「一年の最初の月」、つまり1月の31日までの1月全部が実は「正月」です。

え! じゃあ年賀状も1月中ならいつでもいいの?
……それはダメです。

確かに本来なら「正月」は1月いっぱいを指す言葉なのですが、「年賀状」を送ることができるのは「松の内(1月7日)」まで。ここまでならギリギリ「元日」扱いでセーフです。


が、やはりそれはお友だちなどの親しい人止まりにした方がものすごく無難。

通常は先ほど書きましたように「謹賀新年」などですね。「元日 / 元旦」の代わりに「正月」とするのもOKです。


そしてついに迎えてしまった8日からは、もはや年賀状は完全にアウト。ですが安心してください。8日以降でも「寒中見舞い」として挨拶状を送ることができます。


ただし、余った年賀はがきを使うのはNG。また、新年を祝う言葉を書くのもダメです。


「寒中見舞い」とは寒い時期(寒中)に行うお見舞い。「暑中見舞い」の寒中バージョンです。
これも一応の期間があり、1月8日から2月3日までというのが一般的です。小寒から大寒までを「寒中」と言い「1月5日から2月3日(立春の前日)」というのがその時期に当たるのですが、1月5日ではまだ「年賀状」でも大丈夫な時期のため、8日以降となっているのですね。

関西など一部、1月15日までを「松の内」とする地域では「15日から」。

また、年賀状とは関係なく「季節の挨拶」として送る場合、「15日」ですと年賀状期間との間隔もある程度開いているため、自然でもあります。


さてさて「寒中見舞い」はさておき、冒頭の「誤り部分」です。


「新年あけましておめでとうございます」は「馬から落ちて落馬した」と言っているのと一緒。

同じ意味の言葉を繰り返していることになってしまうため「誤り」となるです。

「新年」は「年が明ける」からなるもの。「新年」で明けて、さらに「明けまして」の重複ですね。

同じく「一月元旦(または元日)」も重複です。「元旦 / 元日」には「1月1日」の意味があるため「一月1月1日」と書いていることになるのですね。

「新年おめでとうございます」や「○○年元旦(元日)」とするのが正解です。

「今年もよろしくです!」に関しては……相手が親しい友だちでないのなら、おめでたくない一年になってしまう予感がします。

「元日」と「元旦」はこう使い分ける!!

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同じように使ってもいいとされる「元日」と「元旦」。

使ってもいいのですが、語源は違う言葉です。

ではここでもう一度、「元日」と「元旦」の違い、使い分ける際のポイント等、おさらいしてみましょう。

本来の意味は?

  • 元日: 一年の最初の日 →「元」には「はじめ」の意味があり「初めの日」、そのままの意味。わかりやすいです。「朝」といった意味は含まれていないため「1月1日全部(終日)」を示す言葉です。
  • 元旦: 日の出や朝、夜明けの意味から「一年の最初の朝」=「元日の朝」 →「元」は同じく「はじめ」を「旦」の文字には「日」と「下の横線」に分け「地平線から昇る太陽」を示しています。

現在使われている意味は?

  • 元日: 一年の初めの日、1月1日のこと / 国民の祝日
  • 元旦: 元日の朝、元朝、元日、1月1日

    ➡「元旦」には「元日の朝」という意味もありますが、そのままズバリ「元日」の意味もあるのですね。「国民の祝日」は同じ1月1日を指す言葉でも「元日」の方となります。

年賀状で使われることが多いのはどっち?

  • 「元旦」です。 → やはり「朝」がポイント。新年のあいさつは1月1日の早い時間(早朝、遅くとも午前中までには)といった気持から「朝」の意味を持つ「元旦」が多く使われます。ですが「元日」でも間違いではありません。

「元日」「元旦」、年賀状に書けるのはいつまで?

  • 本当は「1月1日」に届く分まで。 → ですが親しい人などには2日以降でもOK。リミットは7日(松の内)です。 お世話になった方や目上の方などには2日以降は「謹賀新年」や「恭賀新年」で。また、最後に書く「○○年元旦」などの代わりには「○○年新春」や「初春」、また「正月吉日」「一月吉日」などとし、具体的な日付を書く必要はありません。

あ……気づいたら8日……

  • 「寒中見舞い」でいきましょう。
    → 小寒から大寒(1月5日から2月3日)まではこちらでご挨拶を。一般には「1月8日から2月3日」です。年賀状を送ることのできる時期と被ってしまうからですね。ただし、喪中などで年賀状を送ることができない場合などでは10日頃が理想。年賀状のやり取りが終わった頃に出すのが一般的です。

使い分けのポイントは?

先程から書いておりますように、現在では「元日」「元旦」はほぼ同じ意味として使うことのできる言葉となっています。

ただし間違ってはマズいのは、

  • 国民の祝日を「元旦」と言ってはダメ
  • 「元日の朝」の意味で使う場合には「元旦」でないとダメ
そしてついでの「ダメポイント」は、

  • 「松の内」を過ぎたらもう「お正月扱い」はされないため「元日」「元旦」共に使ってはダメ(というよりも「年賀状」自体ダメです。「寒中見舞い」を書きましょう)
  • 厳密に言えば(本来は)1月1日に届かない年賀状に関しては「元日」「元旦」はダメ
  • 重複する言葉で新年を祝ってはダメ(「新年あけまして」や「一月元旦」など)
となっています。

終わりに……

「あと何回寝たらお正月?」と聞いたことは小さな頃から一度もありませんが、やはり「まだかなぁ」と心待ちにはしていたお正月(のお年玉)。


「元日」と「元旦」に、こんな細かな違いがあったとは!

お正月限定で大活躍する2つの言葉ですが、年の初めこそ「あ、これ知ってるから間違えない、安心安心」などと余裕の表情なんかを浮かべつつ過ごしたいものです。


いかがでしたでしょう。

「元日」「元旦」に関しての皆さまのモヤモヤが、少しでも薄れていたら嬉しいです!

関連記事はこちらになります。

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