リブロースは聞いたことあるけど、『リブアイ』ってなに?

ていうか、ステーキって言ったらサーロインじゃない?



ステーキ


サーロインステーキ……

は、たしかに響きだけですでにおいしいんですが、リブロースだっておいしいんですよ。


そしてリブアイ。

お肉好き、ステーキ好きの方なら知っているかと思います。


でもあまり聞かない名前ですよね。


どこ肉?


……と思った方も多いのでは……?


それはあまりにもリブアイがかわいそう。


── ということで、


『リブアイ VS リブロース ステーキNo.1に輝くのはどっち?』


について、サーロインと比べてどうなのかなども含め、2つのお肉の違いを紹介いたします。


お腹が減っている人は気をつけてくださいね。


それではさっそくみていきましょう。



リブロースってどんなお肉?


ロースと呼ばれる部位のうちのひとつです。


    ■ ロース


    “牛の肩(首の一部を含む)から腰にかけての部位”


    のこと


    日本では、肩から腰の順に、


  • 肩ロース

  • リブロース

  • サーロイン


  • の3つに分かれています


    ロース

    ※ ↑ あくまで位置関係のイメージです


また、ロースには、


    “焼いたりあぶったり蒸したり、とにかく火を通すことでおいしくなるお肉のこと = ロースト

    →『ロースト』がなまって『ロース』と呼ばれるようになった“


の意味、というか思いも込められているそうですよ。


で、リブロースの『リブ』というのは、


    “肋骨(ろっこつ / アバラの部分)”


のことなので、


“牛のアバラ部分に位置する、火を通すとおいしくなるお肉”


これが『リブロース』です。



どうして火を通すとおいしくなるの?


それはお肉に含まれている脂分が熱によって溶けだし、おいしい肉汁になってお口の中で(いい意味で)暴れまわるから。


脂の甘みがジュワーっと口いっぱいに広がります。


つまり『ロース(火を通すとおいしくなるお肉)』と呼ばれる3つの部位には、おいしいと感じられるくらいの適度な脂肪分が含まれているんですね。

サーロインだけ『○○ロース』じゃないのはなぜ?


サーロインステーキ


サーロインの『ロイン(Loin)』はアメリカでの『ロース』を表す言葉なんです。


お肉を販売するときの切り分け方は国によって違ってくるので、日本の『ロース』とまったく同じ部分を指すわけではないんですが、


    “ロイン = 腰のお肉”


の意味になります。


で、謎の『サー』ですよね。


もともとは『上・前』の意味を持つ『sur』。

これがのちに『sir(サー)』に変化したもの、といわれています。


なので、サーロインを訳す(?)と、


    “腰(Loin / ロイン)の上(sur / その後sirに変化)

     = sirloin / サーロイン 

     = 腰の上に位置するお肉”


また、


“サーロインステーキのあまりのおいしさに『sir / サー(敬称)』の称号がイギリス王室から与えられた”


という説もあり。


後づけの説かもしれないですが、そうだったとしてもおかしくないほどサーロインステーキはおいしいです。


“じゃ、やっぱりステーキにはサーロインってことでよくない?”


うん……
サーロインもいい。


だけど、リブロースもあなどってはいけないのですよ。

コヤツも非常においしいのです。



おいしい(牛)お肉について


いきなりですが、ここも一応押さえておきましょう。

牛肉のおいしさは、

  • 肉質のキメの細やかさ
  • 柔らかさ
  • サシの入り具合(霜降り)

などによってだいぶ左右されてきます。



きめ細かさ


よく動かす筋肉はキメが『粗く』なります。

動かさない筋肉ほどキメ細やかに。


筋肉、けっこうポイントです。


また、

  • カラダの中心部分のお肉ほどキメが細かくやわらかい
  • プラス脂身が少ない

こんな特徴もあり。

サーロインでもリブロースでも肩ロースでも、中心から遠くなるほど脂身は増えていきます。

サシの入り具合


霜降り牛


この筋肉に関係してくるのが『サシ』です。


筋肉の間に入りこんでいる脂肪がサシと呼ばれるものなんですね。

このサシが細かいものほど上質のお肉とされます。


きめ細やかさ同様、筋肉が発達しすぎると、サシが入りにくくなる。


    “よく動かす筋肉 = キメが粗い + サシが入りにくい”


こんな感じ。


そして、

  • 背中側のお肉にはサシが入りやすい(3つのロースはみんな背中側のお肉です)

  • 筋肉がつきにくい部位ほど入りやすい(上記のものを逆に言っただけですが)

これも特徴です。



柔らかさ


サシは筋肉の間に入りこんでいる『脂肪』なので、熱が入ると柔らかくなります。

脂が溶けるから。


でも、お肉(タンパク質)って、加熱すると硬くなりますよね。


このバランスがおいしいお肉の決め手にもなってきます。


この3つの関係をうっすらとで結構ですので、覚えておいていただけるうれしいです。



サーロインとリブロースの違い・筋肉編


ステーキといったらサーロイン、ということで、比較してみていきますね。


  • サーロイン: 腰の上のお肉

  • リブロース: 肋骨(アバラ)部分のお肉


どちらも四つ足で移動する牛にとって、あまり動かさない筋肉にあたります。


    “あまり動かさない = 筋肉がつきにくい = 赤身もやわらかい = サシも入りやすい”


サーロインもリブロースも、赤身と脂身がいい感じに共存しています。


ただ、腰の部分(サーロイン)に比べると、アバラ部分(リブ)の筋肉は比較的よく動かす部位になるんですね。

だから、ちょっと違う。


それぞれの肉質など特徴をみていきましょう。

サーロインの特徴


サーロインステーキ


  • 運動量が少ないので赤身も柔らかい

  • 肉質もきめ細かく、サシも入りやすい

  • 肉のうま味と脂の甘みなどを強く感じることができる

  • 赤身の『ザ・肉』といった味わいと、脂身の甘さ、ジューシーさをどちらも味わえるのがサーロイン

  • → 日本ではステーキといえばサーロインが定番かつ、絶対王者的存在

    → が!


  • リブロースに比べると脂身が少ない

  • 硬さもある程度ある

  • ➡ 柔らかさより『肉』としての強い味わいを噛(か)みしめたいならサーロイン


リブロースの特徴


リブロース


  • サーロインよりも部位的にサシが入りやすいため、もっとも牛肉の中で脂肪分を多く含む部位のひとつでもある

  • → が!


  • アバラは腰に比べ、よく動かす筋肉になるので、赤身と脂身のバランスがよくなる

  • サーロインより柔らかい

  • ➡ 脂身は多いが、『動かさない部位の中では比較的動かす部分』というのが赤身と脂身の絶妙なバランスを生む


日本ではしゃぶしゃぶやすき焼きに(薄切りにされた)リブロースが登場する率が多いのですが、ステーキ用のお肉としてもなかなか~かなり優秀なんです。



リブアイはどこ?


リブロースの中心部分にいます。


『ロース』も3つに分かれていましたが、リブロースも3つに分解されます。


    ① かぶり(リブかぶり / リブキャップ とも)
    ② マキ(リブマキ)
    ③ リブアイ(リブロース芯)


ロース・サーロインについては、いったん終了。

続いてリブロースの3つの部分についてみていきますね。

かぶり(リブかぶり / リブキャップ)について


リブロースの芯『リブアイ』にかぶさるように覆(おお)っているのが『かぶり』。


リブロースの中で一番背中側に位置している部位で、脂身が多いのが特徴です。

(※ サシが細かく入っているため、ちょっと脂っこい)


サシも多くて、濃厚でコッテリとした味わい。

なんですが、筋(すじ)もあるため、見た目からは想像がつかないくらいの歯ごたえがあります。

(※ 人によっては噛み切れないと感じることも)


脂身の甘さとお肉らしい噛みごたえも楽しめるユニークな食感を持つ部位ですが、人によって好き嫌いが分かれるかも。


焼肉屋さんなどでは『特上ロース』として提供されたりもしています。



マキ(リブマキ)について


リブアイを半分巻き込むように位置しているのが『マキ』。

マキついてるから『マキ』です。

かぶりはリブアイにかぶってるから『かぶり』。


リブロースの中でも一番柔らかい部位になります。


肉のうま味も感じられ、とろける食感ながら、味的にはやや大味(リブアイに比べると)。


サシが多いので、噛めば噛むほどジューシーな肉汁がお口の中に広がります。


お肉の繊維部分も含んでいる部位のため、とろけるプラス噛みごたえもあり。

(マキもやわらかいのですが、リブロースに比べると噛んだときに“ザクッ”とした食感・歯ごたえを感じるかと思います)


    ※ 肉の繊維: 筋肉を構成するために長く伸びている筋のこと(筋繊維)/ 長くて硬くて丈夫


希少部位なので、単体でお目にかかる機会は少ないですが、こちらも焼肉屋さんで『特上カルビ』『特上ロース』などさまざまに名前を変えて提供されていることも。


マキもお肉としてのうま味より脂のうま味や甘みが強い部位です。


別名は『フカヒレ』。

リブアイ(リブロース芯)について


リブアイ


リブの『目(アイ)』ですね。


リブロースの中心にある芯。

そう思って見ると、目のような感じにも見えなくもないです。


やわらかく、キメも細やかな肉質。

  • ちょっと脂身も筋も多めの『かぶり』

  • とろける食感だけど、繊維質が食感に微妙に影響を与え、ついでに少し大味ぎみの『マキ』

の、2つがさっぱりと取り払われた状態のお肉が『リブアイ』です。


リブロースはサーロインに比べ、サシが入りやすく、脂身も多い部位ですが、それは『かぶり』『マキ』を含んだものでのお話。


ここでさっき書いた部分をもう一度。


  • カラダの中心部分のお肉ほどキメが細かくやわらかい

  • プラス脂身が少ない

  • ※ サーロインでもリブロースでも中心から遠くなるほど脂身が増えていきます


リブアイは、リブロースの中心部分なので、リブロースの中でも、


“もっともお肉のきめが細かく、やわらかい + 脂身も少ない”


つまり、最高級部位、とされています。

※ サシは多めに入っていますが、見た目ほど脂っこくなく、お肉のうま味も十分に味わうことができます。


実際、ステーキ大国アメリカでは、

  • 普段使い: サーロインステーキ
  • 特別な日 / ごほうびお肉: リブアイステーキ

になっています。



リブアイとリブロースの違い


これは1行で書けます。


    “リブロースとはリブアイほか3つの部分を含む部位”

    “リブアイはリブロースの一部”


    ➡ リブロースにリブアイは含まれるが、リブアイにリブロースは含まれない


3行……ですが、違いというか関係ですね。



お値段のお話


では、またサーロインの登場です。


サーロインと『リブロース』はどちらがお高いのか?


“リブロースもお肉として魅力的なのはなんとなくわかったけど、実のところ、やっぱりサーロインのほうが高いんでしょ?

知名度も高いし?“



はい。その通りです。


日本ではダンゼン『サーロイン』。

人気もサーロインのほうが上です。


というか、先ほども書きましたが、リブロースといったら、即ステーキっていう発想になかなかなりませんよね。


すき焼きのときに出てくる、あのテンションの上がる霜降り肉がリブロースの定番の位置。

またはテンションの上がるしゃぶしゃぶ用のお肉。


あまり火を通しすぎずに、さっと湯がいてお口に運び、ジーシーな肉汁を楽しむ系の料理によく使われているイメージがあります。


ではでは、リブアイとサーロインでは?


事情が変わってくるのですよ。



アメリカ産の牛肉と和牛の違い


その前にアメリカ産の牛肉と、和牛での切り分け方の違いを少し。

ここ、ちょっとややこしいので……こちらも一応押さえておいていただけると助かります。


アメリカ産の牛肉の場合、


“リブアイロール”


というものが存在します。


これは、


    “リブアイロール = リブロース - かぶり”


リブアイを含む、といったカット法。


かぶりをとっているので食べやすくなってはいるんですが、純粋な『リブアイ』とはちょっと違う。


なので、金額的にもそこまで高くなりません。


サーロインのほうが高い。


では和牛では?


“和牛にはリブアイロールが存在しません”


カット方法が変わってくるため、


    “リブアイ = リブロース - かぶり - マキ”


和牛の場合は、もろもろカット。

かなりちっちゃくなってます。

リブアイVSサーロイン(お値段対決)


リブアイステーキ


どちらもステーキにした場合で考えてみますね。


お肉は余分な脂を落としたり、筋や軟骨などをとってきれいにしてから商品として売られます。


サーロインはそのまま(キレイにした後)売ることができますが、リブアイ、すでに相当小さくなってますよね。


リブアイステーキとして提供するためのムダが異常に多いんです。


だから高い。

サーロインなんて目じゃないほど高くなります。


通常日本では、『リブアイ・かぶり・マキ』の3つを合わせたものが『リブロース』として売られています。


そして、通販やレストラン(高級)などではばら売りというのもヘンですが、部位ごとに提供されることも。

そしてその値段はサーロインよりも高い。


    “リブアイ > サーロイン > リブアイロール / リブロース”


お値段対決はリブアイの圧勝。



ステーキに向いている柔らかい牛肉はリブアイ? リブロース?


リブロースとリブアイだったら、金額的にもおいしさ、柔らかさ、赤身と脂身のバランス、すべてにおいてステーキに向いているのは、ご想像通り、


”リブアイ“


好みにもよりますが、一度食べたら忘れられないお肉になると思います。


機会があれば、ぜひ、ご賞味くださいませ。


ちなみにですが、リブロースの脂身の多さは『○○(← 国名)産』によっても変わってきます。


“コッテリは苦手……”

“ヘルシーなのが一番”

“お肉は霜降り(サシ)が命!”



などなど、おいしいと感じられる『○○産牛』をチョイスしてあげると、ますます牛肉への愛が深まるかと思います。

  • アメリカ産: 一番脂身の量が少ない(ヘルシー)
  • オーストラリア産: やや多め
  • 和牛: 霜降り牛といえば和牛、もっとも豊富

お好きなタイプをぜひ♪



終わりに……


どうしても日本では『ステーキといったらサーロイン』のイメージが強いんですよね。


でも、リブアイステーキ、やわらかくて本気でおいしいんですよ。

リブロースのステーキもおいしい。

いや、サーロインもおいしいです。


お肉ならなんでもおいしいと感じてしまうあまり高度ではない舌を持つ私ですが、さすがにリブアイには『別格』さを感じましたよ。

思わずうなった、です。


カットのしかたや部位の呼び名などは国によって変わってきます。

そこがちょっと紛らわしいところでもあるんですが、


“リブロース、見直した!”

“リブアイ、食べてみたい……”



などなど、少しでも『リブアイとリブロースの違い』についてスッキリしていただけていたらうれしいです。


そして、ぜひぜひ、ホントにぜひ一度、リブアイ、機会があったら食べてみてくださいね。

お財布は軽くなるかと思いますが、心は間違いなくリッチになれます(断言)。


おすすめです☆彡



ではでは。
最後までおつき合いいただきありがとうございました。


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