カテゴリー
言葉の違い

「プロデューサー」「ディレクター」「マネージャー」の違い|意味や役職、給料多くて偉いのは?

プロデューサーとかディレクターって、映画とか作るときの偉い人たちのことじゃないの?

で、マネージャーって……芸能人のお世話係的な人じゃなかったでしたっけ?



プロデューサー


テレビ業界などをイメージすると、マネージャーさんだけ、ちょっと別物な気がしちゃいますよね。


でも会社などの組織で、なにかのプロジェクトを成功させるために重要な役割を果たしているのもマネージャーさんと呼ばれる人たちなんですよ。


ただ、実は「プロデューサー・ディレクター・マネージャー」という呼び名は、会社や職種などによってかなりバラバラ。

この役職にはこの名称を、というはっきりした決まりはないんです。


なので、ある会社での「プロデューサー」さんの仕事を、違う会社では「マネージャー」と呼ばれている人が受けもってたりすることも。


……でも、大丈夫。

ちゃんと『一般的な』違いはあります。

そこを押さえていきましょう。



── ということで(あくまで一般的には、になりますが)、


「『プロデューサー・ディレクター・マネージャー』ってどんなことをしてる人たち?
この中で一番偉いのは?(ついでにお給料が多い役職も知りたいのですが……)」



について、言葉の意味なども含めご紹介です。


それではスッキリ目指してみていきましょう。


プロデューサー・ディレクター・マネージャーの関係と役割の違いは?


    【プロデューサー】


    → プロジェクトの発案者 

    → 全体の『総責任者』



    【ディレクター】


    → プロジェクトの目標達成に向け、現場をまとめつつ製品化を進めていく『現場責任者』


    ※ マネージャーがいる場合、ディレクターは『プロジェクトディレクター』や『プロジェクトリーダー』などと呼ばれることも ← とくに広告・CM制作会社に多い



    【マネージャー】


    → 主にプロジェクト達成のためのさまざまな『管理』を担当 

    → 通常、いくつかのプロジェクト、またはチームをまとめて担当することが多いので『統括(とうかつ)責任者』の立場でもある

    (※ 統括: 別々のものを一つにまとめてくくること)


    ➡ プロデューサー: 企画を考える人

    ➡ ディレクター: その企画を現場で実行する人

    ➡ マネージャー: その企画に関するいろいろな管理をする人


簡単にまとめるとこんな感じの役割と違いになっています。


……が、イメージが微妙にしかつかめないので、


『とある音楽好き青年がロックスターになるまで(レコード会社編)』


で、彼らの役割を具体的にみてみますね。


プロデューサー


プロデューサー


    ■ 今の時代にウケそうな音楽はなにかを考える

    → そんな中、あるミュージシャンの作品と出会う


    ■ その音楽・ミュージシャンの魅力を最大限に引き出す方法を考える

    → CMなどで大々的に宣伝を打つか、ネットの配信のみにし、その代わりド派手な演出でコアな音楽ファンのハートをガッチリつかむ作戦で行くか

    → アイドル的なロックスターとして売り出すか、必要最低限しか話をしないような、とがったイメージを売りにするか など


    ■ プロジェクトの方向性を決め、目標達成のための大まかな枠組みを作る

    → 予算はどのくらい出せるか

    → プロモーションビデオ作りにはどのくらいの時間をかけられるか など


    ■ 交渉

    (ここをディレクターの仕事としている業種や会社などもあります / が一般的にはプロデューサーが行うことの方が多い)

    → ミュージシャン本人とコンタクトをとり、自社での売り込みの許可、その後ギャラなども交渉

    →『売り込み大作戦(プロジェクト)』を成功に導いてくれそうなメンバーを決め、こちらも報酬など含め交渉

    (ディレクターを選ぶのもプロデューサーの役目)

    → 外部に宣伝などを依頼する場合は、そちらとも交渉 など

    ➡ その音楽が売れるかどうかを含め、プロジェクトに関わるすべてに対しての権限を持ち、同時に責任を負う =『総責任者』

ディレクター


ディレクター


    ■ プロデューサーの考えた枠組みに沿って、売り込みに向けた具体的なスケジュールを立てる

    →『売り込みプロジェクトチーム』のメンバーそれぞれの得意分野なども考えながら、各自に仕事を割りふっていく


    ■ メンバーをまとめていきつつ、目標達成を目指す

    → スケジュール通りに仕事は進んでいるか

    → 現場の雰囲気はどうか

    → 予算オーバーしてないか

    → 納期に間に合いそうか など、状況を細かくチェック、メンバーへ的確な指示を出し、現場を上手にントロールしながら実現のために動く


    ■ メンバーからの相談や、質問、要望などにも自分の判断で的確な回答が求められる

    → 解決できない問題点や伝えるべき改善点などがあれば、プロデューサーに報告(プロデューサーも、これにより、現場の進み具合や状況を知ることができる)

マネージャー


マネージャー


    ■ ディレクター同様で現場で指揮をとるが、主に『目標達成のために必要なさまざまな管理』に目を配る

    → 予算の管理

    → 納期に間に合うよう、時間の管理

    → 品質の管理

    → スケジュール管理

    → メンバーの配置などにも気を配る


    ➡ 管理する対象により『プロダクトマネージャー』と『プロテクトマネージャー』に分かれる


プロデューサー・ディレクター・マネージャーが役割を分担・協力し合いながら、プロジェクトは進んでいきます。


そして決められた納期(期限)をもって終了。


ひとりのロックスターが誕生するわけなんですが、まだまだ油断はできません。


もしかしたら『一発屋』で、あっという間に世間から消え去ってしまうかも……


このロックスター(現時点では)が今後どうなっていくかのカギを握っているのが、


『プロダクトマネージャー』


です。

(※ マネージャーの役職がない会社の場合は、このポジションをディレクター、もしくはプロデューサーが担うことになります)


続いて『マネージャー』について、少しくわしくみていきますね。

役職・『マネージャー』の意味や仕事内容は?


    【管理しているもの】


      ① プロダクトマネージャー: 製品・商品など制作しているモノ自体

      (上記のレコード会社の場合なら“売り出そうとしているミュージシャンの作品”)


      ② プロジェクトマネージャー: プロジェクト全体


    【それぞれの意味】


  • プロダクト: 生産・製品・制作物・商品 など
  • プロジェクト: 企画・事業開発・研究計画 など


  • 【マネージャーの意味】


  • 支配人・経営者・管理人・監督
  • 選手の世話をする人
  • 芸能人のスケジュールを調整・外部との交渉・連絡などの世話をする人


意味からそのまま考えると、マネージャーは、


『制作しているモノやプロジェクトに対していろいろお世話してくれる人』


すごくいい人そうです。


……さて、実際のマネージャーのお仕事ですが、プロデューサー・ディレクター職と似ている、というか、かぶる部分がたくさんあります。


なので、先ほど書いた通り、プロデューサーやディレクターが兼任していて、とくに『マネージャー』という役職を置いていない場合も多いんです。


が、いた場合で話を進めてしまいますね。


プロデューサーからの『このミュージシャンを売り出したい計画(プロジェクト)』を受け、まずプロダクトマネージャーが考えるのは、


  • そのためにはなにをどうつくればいいか(を、より具体的に)

  • どんな工夫をすれば、消費者に喜んでもらえるか

  • そもそもこのミュージシャンの作品って、売れるのか?

  • 売り出すために考えた方法は、今の技術力で実現可能か など


    ➡ 視点はプロジェクトの目的とその達成のためにできることに向けられる

  • ➡ 結果『よし、いける!』のGOサインを出す


ここまでが、製品化に取り組む前の段階。


そしてここからがプロジェクトマネージャーの出番です。


  • 目標達成のために必要なメンバーは?(メンバーを集める)

  • 納期に間に合わせるようなスケジュールを考える

  • 決められた予算内におさめるための予算管理を行う

  • 求められている品質の確保はできているか(品質管理)

  • メンバーが働きやすい現場を作るための細かな調整

    → プロジェクト全体の進行を管理

    → 予算内・期日内に製品を作り上げるための管理(ここに重点が置かれる)


    ➡ 無事に製品ができあがればプロジェクトは解散・そのプロジェクトの担当から外れる


この段階で『ロックスター誕生(一応)』。


プロジェクトは終了し、メンバーたちも解散となりましたが、プロダクトマネージャーの仕事はまだまだ終わりません。


  • できあがった製品(音楽とミュージシャン)の売れ行きはどうか

  • どうすればもっとみんなに認知されるようになるか

  • 売れてない……もう、この製品にコストをかけるのはムダか? 市場から製品を撤退させるか?


    ➡ 製品化された後も、その製品とのつき合いは続く


どちらも役職名に『マネージャー』の文字は入っていますが、


  • プロダクトマネージャー: より『プロデューサー』寄り

  • プロジェクトマネージャー: より『ディレクター』寄り


の仕事内容になっています。


では、このときの『プロジェクトディレクター』の立ち位置は?

役職・『プロジェクトディレクター』について


『プロジェクト』がつかない場合のディレクター職とほぼ同じです。

役職・『ディレクター』の意味や仕事内容は?


    【ディレクターの意味】


  • 支配人・理事・重役
  • 演出家・映画監督
  • テレビ・ラジオの番組担当者
  • 楽団などの指揮者



  • 【ディレクションの意味】


  • 方向・方角・傾向
  • 道順
  • 使用法・説明
  • 指導(映画・劇などの)監督・演出、音楽の指揮
  • 目標・目的
  • 演奏指示


リーダー


先ほどおおざっぱに書きましたが、ここでもう一度ディレクターのお仕事をまとめていきますね。



現場責任者で『現場監督』『リーダー』などとも呼ばれるディレクター。


プロデューサーの決めた大まかな枠組みに沿ってそのプロジェクトを進めていく実行部隊の隊長のような存在です。


みんなが信頼してついてきてくれるようなリーダーでいるためには、単にリーダシップを発揮するだけでなく、周りとのコミュニケーションを取りあっていくことも大事になってきます。


メンバーみんなのことをよく知っていないと、その人に合った仕事を割りふることもできませんよね。


また、プロジェクトを成功させるには、いろいろな『やるべきこと(To Do / タスク)』もあります。


これらをこなしていくのに『大まかな枠組み』のままだとどうしようもないので、細かくスケジュール化して、実現可能な計画を立てていきます。


そのためにはとにかく現場で起こることを細かくチェック。

時間も予算も限られています。

現場の隅々にまで目を配りながら、チーム全体をまとめ、目標達成のために動くのが『現場責任者』でもあるディレクターのお仕事です。


  • 期間内に仕事が終わるよう、進み具合をチェックして管理

  • 予算内におさまるよう(予算を)管理

  • チームメンバーのモチベーションのチェック

  • メンバー同士の雰囲気は?

  • 作業への具体的な指示・指揮、いざというときの判断力も必要

  • メンバーからの相談や質問・要望などにも応える

  • クリエーターに近い視点も大事 → でもそこはあまり強調せず、チームみんなとモノを作り上げていく

  • プロジェクトの進み具合や問題点、現場にいるからこそわかる改善点の提案などをプロデューサーに伝える

    ➡ メンバーへの指導・指揮、プラス制作現場で日常的に必要となってくること(時間や予算など)についての管理


プロデューサーとチームメンバーの間に入って調和を保つのもディレクターの大切な役割(板ばさみ状態とも言う)。


そして業務内容。

プロジェクトマネージャーと、思いっきり似てますよね。

実際かぶる部分も多いです。


でも、『マネジメント』というのは現場での業務を数多くこなすことで得られる知識だけでは足りなかったりもするんです。

  • プロジェクトで使われる技術への知識
  • 経営管理の知識
  • そのプロジェクトに関するものだけでなく、クライアントがいれば、その企業の仕事内容等についての知識と理解 などなど

必要とされるスキルがたくさん。


なので、マネージャー、ディレクターを分けて配置している場合には、


  • プロジェクトマネージャー: 時間や予算(コスト)などの管理業務担当

  • ディレクター: メンバーへの指示・コミュニケーション・意見をまとめるなど、主に現場での指揮系統を担当


といった役割分担になっていることがほとんど。


というか、小さなプロジェクトでは、やはりプロデューサーかディレクターが、マネージャーの役割も兼任、という形になっていることが多いと思います。

(ここは会社や業種、プロジェクトの規模によって、本当にバラバラです)



── では、最後の役職です(今回の3つの中では)。


『プロデューサー』についてもサクッとみていきましょう。

役職・『プロデューサー』の意味や仕事内容


    【プロデューサーの意味】


  • 制作者(映画などの制作・上演を行う場合の立案・人事・予算などの責任を負う人)
  • 制作責任者
  • 業務の管理・統括・調整をする人
  • (広告制作会社の場合)企画から完成までの全作業の管理責任を負う人


  • 【プロデュースの意味】


  • 映画・演劇・テレビ番組などを企画制作すること
    (制作者がプロデューサー)


プロジェクト


なにか新しい商品やサービス、システムなどを開発して、それが世の中に出回るようになるには、まずは企画(= プロジェクト)が必要。


その企画を考えるのが『プロデューサー』ですよね。


    ※ 辞書的な意味では『映画・演劇・テレビ』関連が中心になっていますが、それ以外の業種でも共通

    ※ ディレクターやマネージャーも、映画・演劇など限定のポジションというわけではありません


そしてプロジェクトを成功させるために集められるのが専門的なスキルをもったメンバーたち。


この専門家集団が『プロジェクトチーム』です。


会社などで普段行われている業務(定常業務 / ていじょうぎょうむ)は、その会社や組織全体の目的のために行われているモノなので、とくに期限は決められていません。


が、プロジェクトとなると、話は別です。


決められた期限や予算などの制限つき。

それらを守りつつ、成果をあげることが求められます。


その代わり、組織とは独立したもの、とされ、チーム単位での責任や権限が与えられるんですね。


プロジェクトに関わる全てのことに関しての責任もチームにかかってきます。


とはいえ、チームメンバーはそもそも招集されて参加した人たちなので、

  • そのチームに参加するメンバーや予算などを決めるなどの全権限
  • なにかがあったときの責任をとる

という大きな役割を担(にな)っているのは、当然そのプロジェクト自体を考えた『プロデューサー』ということになります。


  • プロデューサー: 企画(= プロジェクト)を考える

    → そのプロジェクトのすべての責任を負う = 総責任者


プロデューサーのお仕事や求められるものは、主に、


  • なにをつくりたいのかを戦略的に考え、企画を通す

    → 今、世間に求められているモノはなにか? 

    → その製品(作品・サービスなど)を世に出すにはどうすればいいか?

    → どのようにすればより多くの人にその製品を買ってもらえるか(利用してらえるか)?


  • チームメンバーを決める

    → ディレクターを選ぶのもプロデューサーのお仕事


  • 目標達成のための大まかな枠組みをつくる

    → それをディレクターと共有(達成に向けた細かいスケジュールをつくるのはディレクター)


  • 経営やマーケティングの知識も必要


  • 社外との交渉も行うので、コミュニケーション能力は不可欠

    → 相手(クライアントなど)とのかけ引きに必要な『それなら納得』と思ってもらえるような商品説明などの話術 など

  • ➡ 

  • 全体を見る目

  • 世の中の動きに敏感であること

  • それを製品に反映させることのできるアイデア・発想力

  • それを企画に活かせるプレゼン能力

  • コミュニケーション能力


プロデューサーさんも大変そうですね。

でも、やりがいありそうです。

偉いのはだれ?


偉い人


役割分担が違うので、『だれが一番偉い』とは言えないんですが……

  • プロジェクトがポシャった場合、その責任をかぶるのはプロデューサー
  • ディレクター含め、プロジェクトチームのメンバーを選ぶのもプロデューサー

ということで、その責任の重さ、権限の大きさなどを『偉さ』に置きかえるなら、


“ プロデューサー > マネージャー > ディレクター ”


になります。

お給料が多いのは?


単純に、


“責任重大・権限も大きい = 偉い”


として考えたら、お給料が多くなるのも偉い順ですよね。


“ プロデューサー > マネージャー > ディレクター ”


同じ。


参考までに、ですが『プロデューサー・ディレクター』の役割が比較的はっきりと分かれているテレビ業界の場合、


  • キー局: どちらの給料もほとんど変わらない

    → 年齢や経験の多さにより給料は上がる傾向にあり、40代ではプロデューサー・ディレクターともに1500万円(年収)を超えることもあるようです

    (※ キー局: 日テレ・テレ朝・TBS・フジ・テレ東の民放放送局 / 準キー局は大阪にある局 / キー局があるのは東京)


  • 地方局: プロデューサーのほうが高い

    → キー局と同じ40代のプロデューサーは1000万円を超えることもありますが、ディレクターの場合はキー局の7割程度であることがほとんどのようです

終わりに……


上記のテレビ業界での話ですが、


“プロデューサーとしては優秀だけど、ディレクターとしては使えない”

“最高のディレクターだったのに、プロデューサーになったとたん残念な人に……”



よくあることだそうです。


全体を大きな視点で見る『プロデューサー』。

現場の細かいところまでしっかり見ていく必要のある『ディレクター』。


必要とされる部分も真逆。


マネージャーも、


『プロダクトマネージャー = プロデューサー寄り』
『プロジェクトマネージャー = ディレクターと仕事内容が似ている』


人それぞれ、向いてる役職ってあるんですね。


“ぜひこの仕事はあの人に任せたい”


どのポジションについていても、こんなふうに言われるようになったら最高かもです♪



── ということで、『プロデューサー・ディレクター・マネージャーの違い』でしたが、いかがでしたでしょう。


なんどもくり返しになり恐縮ですが、この呼び名は統一されてるわけではありません。


『一般的にはこうなのね、という違い』の参考にしていただければ幸いです。


そして皆さまのスッキリに少しでも役立てていたら、さらにサイコーにうれしいです!



ではでは。
最後までおつき合いいただきありがとうございました。

カテゴリー
言葉の違い

「企業」「法人」「会社」の違い|種類や休業届は同じじゃないのか

『会社』のことを『企業』とか『法人』とかって呼び分けてるんじゃないの?

……その日の気分で?



会社


うーん。
半分アタってるんですよね……

でも、半分ハズレ。


会社はたしかに『企業』だし『法人』です。


が!


それだと、


「私は『地球人』だし『日本人』です!」


と言っているのと、あまり変わらなくなっちゃうんです。


『企業・法人・会社』、実はちゃんとある違い。

ここは今のうちに押さえておいてしまいましょう。


── ということで、


『企業・法人・会社ってなにが違うの? どんな種類があるのかも知りたい!』


また、あまり考えたくありませんが、業績の悪化などで会社を休業しなければならなくなった場合の手続きなど、


『企業とか会社とかで、休業届も変わってくるの?』


も含めてのご紹介です。


皆さまのスッキリに少しでもつながりましたら幸いです。


それではさっそくみていきましょう。

『企業・法人・会社』3つの関係は?(ザックリ)


“『企業』の中に『法人』があって、『法人』の中に『会社』がある”


本当にザックリですが、3つの関係はこう。


つまり、


  • 会社とは企業であり法人である

  • が、企業や法人というのは会社だけを指す言葉ではない


です。

これだけだと呪文なので、もう少し細かく分けていきますね。

それぞれをさらに分解


では、カテゴリの大きい順に。

『企業』はどう分かれる?


  • 個人事業主

  • 法人


の、2つに分かれます。


経済的な活動、要するに、なにかを作ったりお金を生むような活動をしている個人や団体、組織なら、みんな企業です。

個人事業主とは?


個人事業主


そのまま。
個人で事業をしている人のことです。


居酒屋や喫茶店、町の魚屋さんやフリーランスで働く人、独立した弁護士さんや税理士さんなんかも『個人事業主』。


簡単に言えば、自分で稼いだ分が自分の収入になるスタイルで働く人たちのことですね。


『売り上げ - 必要経費』がその月の収入になります。

法人とは? 個人事業主との違いは?


組織としての人格を『法人格』という形で、法律によって認められているもののこと。

利益や公益のために作られた組織体です。

(※ 公益: 国や社会のための利益)


ちょっとわかりづらい……


ので、町の魚屋さん(個人事業主)と比べてみますね。


“魚屋さん = その魚屋さんのご主人(事業主)の所有物(もの)”


ですよね。


だから、お客さんが喜んでくれそうな魚を仕入れたり、お店で起きた問題への対処など、いろいろなことをご主人が責任を持って行っていくことになります。


権利もある代わりに責任や義務も全部事業主にかかってくることに。

個人のお店だから、全部自己責任。


いっぽう法人です。

法人(たとえば会社)の場合でも魚屋のご主人的存在の経営者はいますよね。


でも法人は『人』と同じように権利や義務を持つことを認められた組織。


なので、


“法人(会社など) = 経営者のもの”


ではなく、


“法人 = 法人のもの”


仮に法人の魚屋さん(魚辰)があったとしたら、魚の仕入れを行うのは法人としての魚辰です。

その魚を食べた人がお腹をこわしたら、訴えられるのも魚辰。

個人事業の魚屋さんだったら、訴えられるのはそこのご主人。


法人では、このように経営者(や会社の所有者)などの個人と法人自体は別物とされているんですね。


個人事業主と同じく、権利や義務、責任を法的に認められている組織が『法人』です。

法人はまだまだ分かれる


  • 私法人

  • 公法人


に分かれます。

『公法人』はちょっと特殊なので、そちらからみていきましょう。

公法人とは?


公法人


公法人が作られた目的は『国家』のため。


国や公共の事業を行うことを目的とする法人です。


大きな範囲で見れば、国家自体も公法人。


公法人には以下のような種類のものがあります。
(※ それぞれの説明はかなりかいつまんでいます)


  • 地方公共団体

    → 都道府県や市町村など、そこに住む住民たちのために働く団体


  • 公共組合

    → 国民健康保険組合などのように、国がらみの組合(社団法人)のこと


  • 公庫

    → 政府の金融機関 

    → 公共の目的のため、融資などを行っています

    → 現在沖縄の公庫以外は民営化されています


  • 造幣局(独立行政法人)

    → 国のお金をつくってます


などなど。

(※ 公法人は公法 → 憲法とか刑法も公法 / 私法人は私法に基づいています)


『企業・法人・会社』からかなりかけ離れているので、公法人については、ここでいったんおしまい。


続いて『私法人』についてです。

私法人とは?


公法人が公の社会活動を目的にしているのに対し、


“行政や公共などのためではなく私的な目的のため”


に設立されるのが私法人です。


で、この私法人がまたさらに分かれていきます。

私法人を分解


  • 営利法人

  • 非営利法人


次に分かれていくのは『営利法人』のほうなので、先に『非営利法人』のほうからやっつけちゃいましょう。

非営利法人とは?


非営利法人と営利法人の違いは、


“利益を分配できるかどうか”


です。


利益を分配できるのが『営利法人』。

できないのが『非営利法人』。



あくまでできないのは『分配』です。


利益を出すことや収益を上げるために活動することができないわけじゃないんですね。

その分配はできないけど。

給料もちゃんと出ます。


非営利法人には以下のような種類のものがあります。


  • NPO法人

    → 特定の非営利事業を中心とした活動を行う法人


  • 一般社団法人

    → 業務の内容や活動についての制限はありません


  • 一般財団法人

    → 同じく制限なし


  • 公益社団法人

    → 公益を目的とした事業を中心に活動を行う法人


  • 公益財団法人

    → 同じく公益を目的とした事業中心


慈善や学術など、公益事業を目的とする社団や財団です。


    ※ 社団: 同じ目的のために集まった人たちの集団(に法人格をあたえたもの)

    ※ 財団: ある目的のために集まった財産の集合(に法人格をあたえたもの)


公法人が主に国や都道府県、市区町村の団体、公の法人であるのに対し、彼らは民間の法人です。


はじめは『一般社団法人・財団法人』として設立され、1年以上経つと、『公益社団法人・財団法人』になるための認定申請ができる仕組みになっています。


    ※ 一般~は、『非営利型法人』と『それ以外の普通法人』にさらに分かれ、税制面での優遇措置も変わってきます 

    優遇されるのは『非営利』のほう 

    でも、これもまた2つに分かれる……

営利法人とは?


会社


利益の分配ができる営利法人は4種。


これが『会社』です。


軽くまとめると、


  • 経済活動をしていて =『企業』

  • 国や都道府県のための社会活動ではなく、私的な目的のために設立されていて = 法人の中でも『私法人』

  • 利益を分配することができる = 私法人2種のうちの『営利法人』

  • =『会社』


そして、その4つの会社というのが、


  • 株式会社

  • 合同会社

  • 合名会社

  • 合資会社


株式会社以外の3つ(合同・合名・合資会社)は『持分(もちぶん)会社』とも呼ばれます。


この中(4つ)で一番有名なのが『株式会社』ですよね。


合同会社や合名会社というのは、まだあまりメジャーじゃないかも。


『会社』についても少しくわしくみていきますね。

株式会社とは?


もっとも世間一般的な会社の形態です。

営利法人の代表格。


株式会社のシステムは、


  • 会社を設立したい!

    → 株式を発行して、出資者に買ってもらう

    → それを資金に会社を設立

    → & 事業にも活用

    → 利益が出た!

    → 出資者に分配


こんな感じ。

出資者のためにがんばるのが株式会社。


この『出資者』が『株主』になります。


実際に業務を行うのは会社の所有者(経営者・代表取締役など)ですが、出資しているのは株主なんですね。


当たり前と思うかもしれませんが、これが『持分会社』との違いなんです。

持分会社(合同・合名・合資会社)とは?


持分会社


持分会社に株主はいません。


では、だれが会社を興す(おこす / 会社を立ち上げる・つくる、のような意味)ための資金を出しているのかというと、


“自分たち”

(※ 設立に必要な出資者は、合資会社が2名以上、それ以外は1名以上ですが、株式会社も1名以上でOKなので……たいてい複数名で出しあうことになります)


つまり、株式会社とは違い、


“出資者 = 実際に業務を行う人(たち)”


また、その会社にとって役立ちそうな技術などの提供も『資金』として扱われます。


でも株式会社のように『出資オンリー・業務には関わらない』というのはナシ。


で、この出資者であり会社の所有者でもある人たちが、


“社員”


と呼ばれます。
紛らわしいんですが。


“普通の従業員 = 社員”


ではなく、


“出資者 = 会社の所有者 = 実際に業務を行う = 社員”


なんです。

利益の分配は?


株式会社では株式を多く持っている人(多く出資してくれた人)により多くの利益を分配しますよね。


でも、持分会社は場合によっては『技術の提供』なんていう出資のしかたもあるので、そこらへんのことはみんな(社員 = 出資者)で話し合って自由に決めることができます。


出資額ではなく、会社のためにたくさん働いてくれた人に多くの利益をお返し、などもあり。


また、いちいち株主総会を開いて、ではなく、社員たちの会議でこれらを決定することができるので、効率よく業務がこなせるのも持分会社の強みになっています。


さらに、組織内の構造が実にシンプル。

監査役だとか参与とかのややこしい役割分担が必要ないため、これもスピードの速さにつながってきます。


ついでにいうと、株式会社では最長10年となっている役員の任期などもありません。


もろもろ自由度が高いのが持分会社です。

そのほかの特徴は?


持分会社


設立のための費用も株式会社に比べ、かなり安く済みます。


一般的な株式会社設立にかかる費用はおおよそ25万円。

持分会社(合同会社の場合)の場合は6万円です。


手続きなども簡単。


いいことだらけのような気しかしませんが、その分、会社としての信頼度は若干低めになってしまうんですね(とくに現状では)。


いろんなハードルをクリアして設立された株式会社と、けっこうあっという間にできてしまう持分会社。


比較すると、信頼度が高いのは圧倒的に株式会社、イメージだけだとしても世間はそう見ます。


しかも、持分会社という会社形態が日本に登場したのは会社法が新しくなった2006年。

まだまだ認知度も低いんです。

増えてるんですけどね。ちゃんと。


ただ、現在勢いがあるのは『合同会社』のみ。

ほか『合名・合資会社』は新規の設立がほとんどありません。

(※ こちらの2つに関してはたぶん、今後もあまり増えないといわれています)


あと、当たり前といえば当たり前なんですが、持分会社は『株式上場』はできません。

株式、発行してないので。


そしてもう一つ特徴的なのが、


    ■ 合同会社

    有限責任社員からのみ



    ■ 合名会社

    無限責任社員からのみ



    ■ 合資会社

    有限責任社員・無限責任社員から


この謎の『有限・無限』の社員の存在です。

有限・無限責任社員ってなんだ?


たとえば、全然関係ないですが引っ越しのときの敷金で考えてみますね。


きれいに使っていれば、敷金は全額返ってきますが、修理箇所などがあれば、そこから差し引かれますよね。


では、もし敷金分だけでは足りないくらいな状態(窓ガラスがバキバキとか)になっていたら?


    ■ 無限責任社員の場合

    足りない分は無制限にしっかり払いきる責任が生じます

    → 出資額関係なく、すべての責任を負います



    ■ 有限責任社員の場合

    はじめに払った敷金以上に支払う義務は生じません

    → 出資した額を上限として責任を負います


会社の場合はこの敷金が『債務』。

法人としての会社が抱えている借金や未払い金などですね。


これらの支払いに対しての責任が『無限』にある社員か『有限(出資額まで)』の社員か、の違いです。


有限責任社員の場合、出資した額は戻ってきませんが、それ以上の借金を背負う義務はありません。


ただ、有限責任社員だけだと、貸す側も不安ですよね。

なので、有限責任社員には融資の際などに、連帯保証人などをつけるのが普通。


それはそうなるだろうね……と思います。




── ということで、


『企業・法人・会社の違いと、その種類』


については、ここで終了です。

お疲れさまでした。


さて、こんな感じで設立させた会社やらお店やらですが、どうしても経営がうまくいかなくなることもあります。

経営者の方の体調が悪くて、しばらく働けそうにないとかも。


廃業か休業か……


悩みますよね。

そして、


“うーん、ここはいったん退却だ! でも、必ず近いうちに復活してみせるから待ってろよ!”


で、『休業届』です。


続いて、


“休業届ってどうやって出すの? 提出するとなにがどうなる? メリットはある?”


などなどについてのご紹介です。

休業届に違いはある?


『会社』は『企業』でもあり『法人』でもあるので、会社と法人の休業届は一緒。


少し違ってくるのは企業は企業でも『個人事業主』の場合です。


まずは『法人の休業届』からみていきましょう。

法人が休業する場合


休業届


法人は国や都道府県、市町村などに毎年税金を払っていますよね。

なので、これらの機関に休業したことを伝えます。

『異動届出書』


  • 税務署

  • 都道府県税事務所

  • 市町村役所(23区の場合都税事務所のみ)


税務署には『休眠届(休業届のこと)』がありません。


なので代わりに『異動届出書』に休業中であることを書いて提出してください。

(※ 異動事項等の欄に『休業』/ 異動年月日の欄に『休業した日付』)


都道府県税事務所や市町村の役所では、場所により『休眠届』の置いてあるところもありますが、ない場合には税務署同様『異動届出書』を提出です。

『給与支払い事務所等の開設・移動・廃止届出書』


  • 税務署 


休業することで給料を支払うことがなくなる場合です。


休業してから1か月以内に直接持参、または郵送でもOK。

異動届出書を出すときに一緒に出してしまうのが一番手っ取り早いです。

『健康保険・厚生年金保険適用事務所全喪届』


  • 年金事務所(日本年金機構)


社会保険の被保険者が休業によっていなくなる場合に提出。

郵送でもOKです。

『健康保険・厚生年金被保険者資格喪失届』


  • 年金事務所(日本年金機構)


こちらも同じく。

被保険者がいなくなる場合に提出または郵送してください。

登記は?


会社がなくなったわけではなく、あくまで一定期間お休みの形をとるだけなので、登記の必要はありません。


今まで出てきたいくつかの届出書をまとめて『休眠(休業)届』です。

休業届を提出するとなにが変わる?


廃業届を出した場合には、会社は完全になくなります。

解散ですね。


いっぽう、休眠(休業)の場合は単に事業活動や営業活動を一時的にストップしているだけの状態。


上にも書きましたが、法人登記もそのままになっています。

再開するときが楽!


廃業との一番の違いはコレ。

しかも準備さえ整えば、好きなタイミングで再開することもできます。


でも、廃業届を出してしまうと、一から開業のための手続きやら許認可が必要になり……もちろん会社設立時にかかった費用も再度必要に。

会社を解散(廃業)するときには費用がかかる!


廃業費用


かかるんです、けっこうな額が。

たいてい専門家に頼ることになるかと思いますが、仮に自分たちで清算のための手続きをしたとしても十数万はかかります。


でも、休業の場合、その費用はゼロ。

法人所得税がかからない


法人の所得、つまり会社(非営利法人の場合でも)の利益に対して課せられるのが法人税です。
(※ 所得 × 税率)


休業するということは、事業・営業など、活動がすべてストップしている状態。

なので利益はゼロ。

ゼロにはいくら税率をかけてもゼロなので、法人税もゼロです。

法人住民税の均等割りが免除または減免されることも


均等割りというのは、企業が置かれている都道府県や市町村などからの地域サービスに対して支払う税金。

なので、本来なら企業の業績がよくても悪くても関係なく均等に課せられるものです。


が、休眠会社の場合、自治体によっては、全額免除・減免になることも。
(※ いっさい減免などはナシ、という自治体もあります)

再開後、引き続き青色申告の特典が受けられる


青色申告


青色申告にはいくつもの特典がありますが、


“欠損金の繰越控除(くりこしこうじょ)”


これがかなりありがたい。


企業の赤字(欠損金)を10年間繰り越すことができるんですね。


  • 休眠する 

    → 繰越期間がある間に再開 

    → 黒字になった(会社の所得が増えた)!

    → この黒字分から、これまでの赤字分が差し引かれる

    → 全体の所得が減ることに

    → 節税!


おそらく経営者の皆さんは、会社等設立のときに、


“青色申告の認証申請書”


も提出していることと思います。


これを再開後にまた引き継ぐことができるのも休業のメリットのひとつです。

でも届を出すだけじゃダメ!


“休眠届、ナイス!”


はい。

もうどうにもならない状態なら廃業もありですが、いつか必ず再開を! と思っているなら休業にはメリットがたくさんあります。


が!! が!!


この『休眠届』、とりあえず出しておけば安心、というわけではないんです。

毎年ごとの確定申告は必須!


“だって、休業中だから売り上げとかもゼロだよ!?”


と思われるかもしれませんが、しなきゃダメです。


白色申告に比べ、多くの特典がつくのが青色申告のポイントですよね。


でも青色申告は、



”2期連続で期限内にしなかった場合、取り消されちゃいます!”

”1回取り消されたらその後1年間、再申請できなくなります(白色のまま)!”




再開を考えての休業の場合、これはイタい。


実際には事業収益は0なので、


  • 申告書(B)の目立つところに『休業中』と書き

  • そこに代表者印を押し

  • ”申告所得ゼロ”と記載し提出


再開するまで毎年これが必要になってきます。

役員変更登記も必要!


たとえば株式会社の場合です。


取締役や監査役の任期は最長10年。


ということは、10年に1度は必ず会社から変更登記が申請されるはずですよね。


でも、『休眠中だし』と、手続きをしないまま放っておくと、法務局(登記をするところ)では、


“変更がない → 休眠会社か? → みなし解散”


こんな感じの流れができてしまいます。


なので休業中に役員の満期満了、または辞任や解任等があった場合には、登記の変更手続きもお忘れなく!

『みなし解散』ってなに?


疑問


『解散』したと『みなされる』ことです。


休眠会社、または休眠一般法人には定義のようなものがあって、


  • 休眠会社: 最後の登記から12年を経過している株式会社
    (役員の任期: 最長10年)

  • 休眠一般法人: 最後の登記から5年を経過している一般社団法人または一般財団法人
    (理事の任期: 最長2年 / 監事: 最長4年)


特別に休眠の手続きをとらなくても、上記の期間が過ぎるとかってに『休眠会社(一般法人)』扱いされてしまうんですね。


そして、法務局から、


”変更登記がないんですが、廃業ってことでいいんですか? よくないなら『まだ事業を続けてますよ』、という届出を出してくださいね”


といった感じの内容の通知がきます。


で、この通知がきてから2か月以内に手続き(役員変更の登記申請)をしないと、


”やっぱり解散してたのね”


となり、法務省の登記官が勝手に『解散』の登記を行ってしまうんです。


普通に事業を行っている会社(や法人)が単に忘れているだけの場合は通知が来た時点で気づきますよね。

会社宛てに届くので。


でも休眠中の会社の場合、この通知に気づかないことも……


一応、この解散登記された日から3年以内であれば、登記を復活させることもできるんですが、手続きが泣くほどややこしくなってきます。


最悪専門家に頼まないとお手あげレベル。

再開を目指して休業している場合は、ここまで放置することはないかと思います。

でも、ホントに面倒くさいことになりますので、本気で気をつけてくださいね。

(※ 廃業するより再開が楽、という休業の大きなメリットの意味がなくなってしまいます!!)

合同会社の場合は?


そうなんです!

実は(というかさっきちょこっと書いた)合同会社など持分会社の業務執行社員や代表社員に任期がないんです!


休眠会社としてあてはまるのは、


“一定期間内に必ず変更登記事由が生じる会社、法人”


に対してのみ、なんですね。


その判断とされるのは、登記上の問題。

実際に活動しているかどうかは関係なしです。


役員の任期がない持分会社の場合、普通に業務を行っていても、法律上、何十年も変更登記がないのが当たり前。


なので、休眠会社やみなし解散の適用がありません。


また、


  • NPO法人

  • 医療法人

  • 社会福祉法人 など


については、理事の任期はあるものの、休眠会社に関する法律がないんです。


休眠届を出し、不注意などから登記の変更申請を忘れ『みなし解散』→ 3年放置でどうしようもない状態に……というのは、


  • 株式会社

  • 一般社団法人 / 財団法人


だけ。


持分会社が休眠中にすることは、


  • 毎年の確定申告(青色申告が取り消されないように)

  • 会社の住所を移転したり、代表者の自宅住所が変わったりしたときなど、登記事項に変更が生じたときには登録内容の変更手続きを


になります。

※ みなし解散については株式会社などとの違いがありますが、それ以外の休業のための手続きは同じです

個人事業主の『休業届』


はじめに『開業・廃業』をするときの法人と個人事業主との違いをみてみますね。


    ■ 開業時

  • 個人事業主: 開業届の提出(『個人事業の開業・休業・廃業等届出書』)のみ 

  • 法人: 定款を作成・登記の必要あり 6~25万円程度の費用
    (※ 定款 / ていかん: その会社等の目的や業務執行に関する基本ルールを記載した文書のこと)

  • ※ 個人・法人ともに、おそらく『青色申告の承認申請書』も一緒に提出していると思います


    ■ 廃業時

  • 個人事業主: 廃業届(『個人事業の開業・廃業等届出書』)の提出のみ

  • 法人: 解散登記等 数万円の費用


個人事業主は開業も廃業も法人に比べビックリするくらい手続きが簡単。

個人事業主・休業のメリットは?


法人が休業届を提出することで得られるメリットは、


  • 再開するときの手続きが楽

  • 会社解散のための費用がかからない(廃業と比べ)

  • 法人所得税がかからない

  • 法人住民税の均等割りが免除、または減免される場合がある

  • 再開時に青色申告の特典が引き続き受けられる


この中で個人事業主にも関係してくるメリットは『青色申告』だけなんですね。


個人商店などの場合、


  • 開店休業状態(店を開いてるのにお客さんが来ない)

  • 本当に休業中


この違いがとくにありません。


また、売り上げ(から必要経費を引いたもの)が収入に直結しているので、それがイコール事業所得ということになりますよね。


個人事業主にも『事業税』は課せられていますが、これも所得が290万円を超えた場合に限り、です。

そして今は状況的には『休業』同然の状態。


従業員数5名以内なら、社会保険の負担もありません。


『廃業届』さえ提出しなければ、事実上『休業』していることになるんですね。


では、なぜ廃業届を提出しないかといえば、


  • 一時的に休むだけで、(体調がよくなったら、など)近いうちに再開するメドがついている

  • しばらく休業するが、再開後も青色申告の特典を引き継ぎたい


なんですが、その青色申告、


  • 欠損金の繰越控除 → 企業の赤字(欠損金)を10年間繰り越すことができる


これが法人バージョンですよね。


個人事業主の場合、この期間が3年になります。


もしも長期休業になってしまう場合、この特典もなくなってしまう……


また、事業を手伝ってくれているご家族に支払う給料を『必要経費』として認めてもらっている方も多いかと思います。

(※『青色事業専従者給与に関する届出書』の提出が必要)


扶養親族や配偶者控除などの所得を控除される額よりも給料のほうが高ければ節税になりますが、


“休業 = 事業所得ゼロ”


の状態だと、逆効果になっちゃいますよね。

(※ ご家族への給料が必要経費として認められた場合、扶養控除などは受けられなくなります)


なので、すぐにでも復帰のメドがついているなら、


”廃業届を出さない”


長期の休業が予想されるなら、


”廃業届と『青色申告の取りやめ届出書』も提出”


休業状態でいることが必ずしも多くのメリットを連れてきてくれるわけではないのが法人との違いです。


でも短期間の休業の場合は、毎年ごとの青色申告は忘れないでくださいね!

2期連続で提出しないと取り消されてしまうのは、法人も個人も同じです!

終わりに……


会社


純粋な(?)会社の業績不振などによる『休業』ではなく、新型コロナウィルスの影響を受けて休業せざるを得なくなっている企業も増えてますよね。


厚生労働省の助成金である、


“雇用調整助成金”


の特例措置も実施されています。


    ※ 雇用調整助成金: 従業員にやむを得ず休業してもらうときの『休業手当』の一部を政府が負担してくれる制度 

     特例では事業所自体の休業も
     
     5月10日現在では6月30日まで


どんどんその内容も拡大&充実中。


個人事業者に対して100万円の持続化給付金が支給されるのも初めてのこと。
(※ 法人は200万円)


今回の内容とは少し話がズレてしまいますが、コロナ関連で休業を考えている、または休業要請の出ている事業主の皆さまも、がんばって乗り切ってくださいね!




── ということで、『企業・法人・会社の違い』と『休業届』についてのご紹介でしたが、いかがでしたでしょうか。


皆さまの『なにが違うの?』のモヤモヤが少しでも薄れていたらうれしいです!



ではでは。
最後までおつき合いいただきありがとうございました。




カテゴリー
言葉の違い

ホテルの「ダブル」「ツイン」「セミダブル」の違い|値段や大きさ、意味も解説

ホテルのお部屋選びでおなじみの「ダブル」「ツイン」「セミダブル」。


    え!? なんでこの部屋、1つしかベッドがないの?

    もしかしてわざと?! 2人で泊まるのにベッド1個!?

    (by 彼女 → まだつき合いの短い彼氏)


わざとだったらまだいいんですが(……いや、よくはない)……


ホテル


本当に知らないで、


”『○○ルーム』を予約したら思ってたのと違う部屋に案内された”


というご経験のある方もそこそこ多いんじゃないかなぁ、と思います。


部屋のタイプを表しているホテル用語的なヤツって、ちょっとわかりにくいんですよね。

まぎらわしいっていうか。


とくに旅行をご計画中のあなた!


まずはこの違いを知っておいてしまいましょう。

なにかと安全です。


── ということで、


『ダブル・ツイン・セミダブル、完全攻略!
もうお部屋選びに迷わない!』



について。

各部屋の値段や大きさなども含め、その違いを解説いたします。

少しでも参考にしていただければ幸いです。


それではさっそくみていきましょう。


※ 『シングルルーム』はタイトルにはないですが、比較するのに便利なのでチョコチョコ出てきます

『ダブル・ツイン・セミダブルってベッドのサイズのことじゃないの?』問題について


ダブルベッドやセミダブルベッド、シングルベッド、など家具売り場等でもよく見かける言葉ですよね。


“シングルベッド < セミダブルベッド < ダブルベッド”


の順に大きくなる、というのが皆さんのだいたいのイメージかと思います。


    【サイズ】


    ■ シングルベッド(横幅 × 長さ)

    “約100センチ × 195センチ”


    ■ セミダブルベッド(横幅 × 長さ)

    “約120センチ × 195センチ”


    ■ ダブルベッド(横幅 × 長さ)

    “約140センチ × 195センチ”


    ■ ツインベッド

    “ - ”


イメージ通りですね。

ベッドサイズはシングルからダブルにかけ、約20センチずつ横幅が広くなっていきます。


そして『ツイン』。

これだけはベッドのサイズを表したものではないんですね。


なのに、ホテルの部屋のスペック表のようなものには、堂々とこの『ツイン』も混じってる。

だからまぎらわしい……


んじゃ、『ツイン』ってなんのこと? 


今度はそれぞれの言葉の辞書的な意味を確認です。

『ダブル・ツイン・セミダブル』の意味は?


辞書


    【意味】


    ■ シングル

    “単1 / 1人用のベッド / シングルベッドの略”


    ■ セミダブル

    “ダブルベッドとシングルベッドの中間の大きさのベッド(寝台)”

    ※ セミ(semi)→ いくぶん・半・準 /『セミダブル』= もうちょっとでダブル、のような感じ


    ■ ダブル

    “2重・2倍・複 / ダブルベッドの略”

    ※ ダブる → 2重になる・重複する・落第する


    ■ ツイン

    “対(つい)になっていること”


続いて、“○○ベッド”になったときの意味です。

『○○ベッド』の意味は?


    【“○○ベッド”としての意味】


    ■ シングルベッド

    “約100センチ × 195センチの、1人用のベッド”


    ■ セミダブルベッド

    “約120センチ × 195センチで、シングルよりは広く、ダブルよりは狭いベッド”


    ■ ダブルベッド

    “約140センチ × 195センチのベッド”


    ■ ツインベッド

    “同じ形の1人用のベッド(シングルベッド)を2つ並べて使うこと”


で、次はこれが『○○ルーム』になるとどう変化するか。

『○○ルーム』になると?


一般的な国内ホテルの場合です。


    【“○○ルーム”の意味】


    ■ シングルルーム

    “シングルサイズのベッドが1台置いてある、1人用の部屋”

    → 1つのベッドを1人で使用


    ■ セミダブルルーム

    “セミダブルサイズのベッドが1台置いてある1人、または2人用の部屋”

    → 1つのベッドを1人、または2人で使用


    ■ ダブルルーム

    “ダブルベッドサイズ(~それ以上)の大きさのベッドが1台置かれている2人用の部屋”

    → 1つのベッドを2人で使用


    ■ ツインルーム

    “シングルサイズのベッドが2台置かれた、2人用の部屋”

    → 2つのシングルサイズのベッドを1人1台ずつ別々に使用


これを、宿泊できる人数に直すと、


    【宿泊できる人数】


    ■ シングル

    “1人”


    ■ セミダブル

    “1人、または2人”


    ■ ダブル

    “2人”


    ■ ツイン

    “2人”


こんな感じになります。


ただしホテルによっては、


  • シングルルームだけどベッドのサイズは“セミダブル”

  • シングルサイズではなく、2台の“セミダブルベッド”が置かれているツインルームも

  • ダブルルームなのに、置かれているベッドのサイズは“セミダブル”(セミダブルルームがそもそもない)


などなど、微妙に違いも出てきます。


なのでとりあえず、『ツイン・ダブル・シングル』などの名前は、ベッドのサイズではなく、


“宿泊できる人数”


のことを示したものだと思っておいた方が安全です。


そして、


「お部屋にはどのサイズのベッドが置かれていますか?」


と聞いておくと、さらに安心。


で、問題は、


“1人、または2人”


となっている『セミダブル』なんです。

『セミダブル』はグレーゾーン?


セミダブル


はい。
グレーゾーンです。


セミダブルルームの扱いはホテルによってそれぞれ。


    ♦ とにかく眠る! 眠れればいい!


    ビジネスホテルなんかですね。

    明日に備えて、休む場所としてお部屋を提供してくれる系のホテルでは、


    “セミダブルルーム = 2人でのお泊りOK”


    のところが多いです



    ♦ ホテルで過ごす時間も旅行の楽しみのひとつ!


    くつろぎ空間としてもホテルを利用してほしい、リゾートホテルなどでは、


    “セミダブルルーム = 1人でゆっくりおくつろぎください(1人用の部屋)”


    になっていることがほとんど


セミダブルベッドって、案外狭いんです。


実はダブルベッドでも、日常的に2人で使うのは窮屈(きゅうくつ)さを感じるサイズといわれているんですよ。


2人そろって真っすぐ“きをつけ”の姿勢で眠るならいいんですが、寝返りとかって、絶対うちますよね。


でも、そのスペースが2人分しっかり確保できない。

ついでに相手の動きも気になって眠れない。


毎日その状態が続くと、けっこうストレスもたまってきます。

(※ 旅行中だけなら、セーフです)


で、セミダブルは、ダブルベッドのサイズマイナス20センチの狭さ。


本来なら、1人でゆったり眠りたい人用のサイズなんですね。


“『シングルベッドでは狭い』というカラダの大きな人などのために、少し大きめサイズのベッドの置かれた部屋も用意してありますよ”


のような感じの立ち位置にあるのが『セミダブル』です。


もともと1人用のベッドに2人で寝ることになるので、


”『セミダブル・2人OK』の場合、3つ(ダブル・ツイン・セミダブル)の中では、一番料金が低く設定されている”


というのが一般的な傾向となっています。

ホテルの料金表に『セミダブルルーム』の表記を見つけたら?


    ① まずは宿泊できる人数をホテル側に確認
    ② ベッドのサイズも一応確認
    ③ ”ダブルベッドが置いてある部屋“との料金を比較
    ④ 値段が明らかに安い!!
    ⑤ 一緒に泊まる相手に”セミダブルベッドは狭いけど大丈夫?“を確認
    ⑥ “でも、ほかのタイプの部屋と比べてめちゃめちゃ安いけど、どうする?”を相談


    ➡ 確認&相談の結果、セミダブルに決定 = 宿泊費的にはもっともお得になります


抑えた金額分は旅行中のほかの楽しみにプラスで使えますよ♪


お2人とも小柄、またはできるだけ密着していたい、などの場合にはベッドサイズを気にする必要もなしです。

安く済ませられるのでおすすめです!


ちなみにですが、“狭いと感じない”ベッドのサイズは、


“自分の肩幅に40センチ(それぞれ左右に20センチずつの余裕)を足した長さ”


なんだそうです。


セミダブルベッドの横幅は、約120センチ。


2人の“快適幅”を合わせた長さがどのくらいかも、一応チェックしておくと安心ですね。


    【セミダブルの特徴】


  • 部屋に置かれているのは“120センチ × 195センチ”1台

    (※ シングルサイズより約20センチ横幅が広く、ダブルベッドより約20センチ幅が狭いのが“セミダブルサイズ”)

  • 泊まれる人数はホテルにより“1名~2名”

  • ビジネスホテル系では“2人OK”のところも多い(お断りされるホテルもありますので注意!)

  • ただし、“2人OK”の場合には、ベッドが少し窮屈に感じるかも(感じると思う)

  • その代わり、宿泊費は(2人で使用の場合)もっとも安く抑えられる

  • セミダブルルームがなく、“ダブルルーム”とされている部屋に“セミダブルベッド”が使われていることも


    ➡ セミダブルに関しては、ホテルにより扱いがかなり変わってくるので、必ず予約の際に確認を!!


ということで、ちょっとグレーのセミダブルを先にご紹介しました。


続いて『ダブル』と『ツイン』。


まぎらわしい2つの特徴と違いをみていきますね。

『ダブル』『ツイン』の特徴と違い


どちらも2人用の部屋というところは同じ。

1番大きな違いは?


ツインベッド


“ベッドの数”

です。


ダブルは、


“大きなベッドが1台ドーン!”


ツインは、


“小さなベッド(シングル)2台が間隔をあけてポン・ポンと並ぶ”


ベッドの数というか、


“一緒に寝るか寝ないか”


の違いといったほうがわかりやすいかも。


たとえば、親子(父親と、成人をとっくに過ぎた息子)で旅行するとします。


……同じベッドで一緒に寝るのはちょっとカンベン……


わかります……
ちょっと……ですよね。キツイ。


“部屋まで変えなくてもいいけど、お互いに別々に寝たい”


というときには、もう、なにがなんでも“ツイン”です。


友だち同士の場合でも(とくに男子2人)ツインがいいかも……うん。そのほうがたぶん絶対いい……


寝るときまで相手に気を使わなくてもいい、というのはツインのナイスなポイント。


ベッドだけではなく、寝るときに使う照明(ナイトライト)などもそれぞれに設置されていることが多いです。


旅の興奮でなかなか寝つけない、なんてときにも、


“あ、もう寝ちゃったんだ……動いたりしたら起きちゃうよね……”


眠れないけど、相手のために朝までじっとしてなきゃ、というムダに疲れる事態におちいることもありません。


逆に一瞬も離れていたくないようなカップルなど、


“え? なんで一緒に寝ないの?”


な関係の2人なら“ダブル”。


ツインを予約しても、結局どちらかのベッドで一緒に寝ることになると思います。


多くのホテルではツインに使われているのはシングルベッド。

狭いです。

ダブルにしときましょう!

部屋の大きさが大きいのは?


どのホテルでも絶対に、というわけではないんですが、一般的には、


“ツイン > ダブル”


ツインのほうが大きめに作られています。


理由は単純。


    ■ “ダブル”に最低でも必要なスペース


    ベッド(ダブルサイズ)1台分の“140センチ × 195センチ”

    = “140センチ × 195センチ”


    ■ ”ツイン“に最低でも必要なスペース


    ベッド(シングルサイズ)1台分“100センチ × 195センチ” × 横幅2台分

    = “200センチ × 195センチ”


実際にはベッドだけ置いとけばいいというわけではないのですが、仮にベッドが占める面積だけを比較してみた場合でもこの差が生まれます。


セミダブルベッド2台を用意してくれている場合には、さらにこの差は広がることに。


荷物などを置くスペースなどもツインのほうが広めに作られていることが多いです。


全体的に余裕のある空間になるのは断然“ツインルーム”のほう!

お値段の違いは?


値段


“ツイン > ダブル”


部屋が広く、より快適に過ごしやすいツインの宿泊費をダブルより高めに設定しているホテルのほうが多め。


まぁ、これは納得のような気もします。

(※ ダブルのほうが高く設定されているホテルもないわけではないです)


ですが、ツインのほうが高いといっても、それほどダブルとの差がない場合がほとんど。

若干高い、くらいに設定されている感じです。


お好みで選んでもそれほど問題ないくらいの差ですよ。

ただ、これもホテルによってまちまちなので、事前の確認はお忘れなく、です。


別々のベッドで寝たい場合、あと考えられるのって、


“1人ずつシングルを予約する”


ですよね。


それに比べたら、ツインのほうがお得です。

『ダブル・ツイン』に1人で泊まってもいいの?


シングルユース


ダブルやツインなど、もともと2人で使う用の部屋に1人で泊まることを、


“ダブル(ツイン)ルームのシングルユース”


と呼びます。


海外では、わりとよくこういった使われ方はされているようです。

日本でも、“シングルユースOK”のホテルは増えてきていますよ。


ので……多くのホテルでは、大丈夫なはず。


※ ですが、こちらも確認してみてください。
ホテルによってもろもろ、なにかとルール的なものが違うので……(すみません<(_ _)>)


で、OKの場合ですが、


“料金はダブルならダブル、ツインならツインのまま”


1人で泊まっても宿泊費が安くなるわけではないので注意してくださいね。


※ サービス精神たっぷりなホテルでは、必要のない2人目のアメニティグッズ分をお値段から割り引いてくれることもあります

『ダブル・ツイン』に3人以上で泊まるのはあり?


小さなお子さん(小学校に上がる前くらいの)が3人目(~以上)になるか、大人が3人目になるかで、ちょっと違ってきます。


小さなお子さんが3人目の場合


ダブルルーム


ちっちゃいので、ご両親と“添い寝(そいね)”という設定で、そのままお部屋に泊まれます。


お子さん分の料金は無料こともあれば、お子さま割引的な値段で1人分請求されることもあり。


ただ、たいていのホテルでは、


“1台のベッドにつき、添い寝1人”


となっているのが普通。


つまり、


  • ツインならプラス2人のお子さん(計四人)

  • ダブルならベッドは1つなのでプラスのお子さんは1人まで(計3人)


でもそれぞれのホテルごとに独自のルールがあるので……

こちらも事前の確認をお願いします。

大人3人以上なら?


このケースの場合は“あり”というか、


“3人以上でも利用できるダブルやツインタイプの部屋に泊まる”


といった形になります。


普通のダブル・ツインで使われるものより、大きめサイズのベッドが置かれていたりします。


ただし、


“3人以上で泊まることはできても、必ずしもベッドが人数分そろっているわけではない”


これには注意。


たとえば3人でツインに泊まる場合なら、


  • 大きめのベッド(セミダブルサイズ)のほうに2人 / 小さめのベッド(シングルサイズ)のほうに1人

  • 同じ大きさの2台のベッドのどちらかに2人が寝る / もう1人は普通に1人で寝る

  • 部屋に備えつけられているソファーベッドなどで3人目が寝る

  • “エキストラベッド”で寝る

  • はじめから“デュアルベッド”が導入されている


ホテルごとにいろいろなパターンあり、です。


とりあえず、いきなり出てきた謎の、


“エキストラベッド”

“デュアルベッド”


について、簡単に説明させていただいちゃいますね。

★『エキストラベッド』ってなに?


オプション料金を追加で払うと貸してくれるベッドです。


“ソファーベッドじゃ、ゆっくり眠れない! 私もベッドで寝たい!”


などというときにはホテルにお願いしてみましょう。


ほかの部屋から使われていないベッドを持ってきてくれます。


なんですが!


忙しい時期なんかだと、使われてないベッドが1台もない、ということもあり得るんですね。


なので、必ず予約を入れるときにホテル側に、

“エキストラベッド、1台貸していただきたいんですが”

のようなことを伝えておいてください。


予約のときに伝え忘れてしまった場合は、チェックインの時間より早めに到着できるようにして、ホテルの人に空いてるベッドがあるか確認してみてください。

ラッキーだったら借りられます。

(でも、できれば予約のときに!!)

★『デュアルベッド』は?


デュアルベッド
http://www.i-bed.jp/


二通りの使い方ができるベッドが『デュアルベッド』です。


“親子ベッド”などとも呼ばれます。


“親ベッド”の下に“子ベッド”が収納できるようになっていて、いざというときには、それを引き出して使います。


“子ベッド”には折りたたみ可能な『脚』がついているので、出して伸ばせば“親ベッド”と同じ高さになる仕組み。


で、使わないときには、脚を折りたたんで親ベッドの下に収納、です。


“ベッドの下に洋服とかも収納できちゃいますよ”


っていうベッド、ありますよね。

ご家庭で使われている方も多いかと思います。

けっこう便利。


イメージ的には、それの、


“もうちょっと全体的に背が高くて、引き出すと出てくるのは洋服ではなくベッド・版”


な感じです。


引き出すことにより、ツインルームがあっという間に“トリプルルーム(3名1室)”に早変わりします。


このデュアルベッドが設置してある部屋は広いですよ。


ツインに使われているベッドがシングルだったとしても、3台目を引き出して使えるだけのスペースが必要。

その分部屋の面積も広く取られています。



── と、ここまでが『国内の一般的なホテル』での違いでしたが、海外旅行に行くときは、また、少し事情が変わってきます。


そちらについても、サクッとご紹介です。

日本と違う海外のホテル事情


海外のホテル


ホテルというか、まず、日本人との体格が違います(とくにアメリカやカナダなど)。


大きいので、


“一人用のベッドがすでにダブルベッド”


こんなことにもなっています。


これはゆったりできてうれしいことなんですが、


“ツインルームがなかなか確保できない”

“そもそもツインルームの意味が日本とは違う”



知っておかないと、かなり困ってしまう違いもあるんです。

海外での“ツイン”


    ■ ツインルーム

    “日本のシングルベッドと同じか、少し大きめサイズのベッドが1台置いてある部屋のこと”


    ■ ツインルーム仕様

    “そのベッドが2台置いてある部屋のこと”


となっています。


英語表記だと、


  • ツインルーム: 1 twin bed = ベッド1台

  • ツインルーム仕様: 2 twin beds = ベッド2台


日本のツインルームと同じ仕様の部屋に泊まりたいときは、


“Twin beded Room”

“Room with twin beds”



のように伝えてください。


海外の基本は、1室につきベッド1台。


“ダブルだから2名・シングルだから1名”


ということにはなってないんですね。


日本的“ツインルーム”も、日本人観光客の多い海外の地域では増えてきているようです。


でも、もともと“1つの部屋に2台のベッド”という発想自体がないところも多いため、場所によっては、


“ツインがない!?”


のでご注意を。

(※ あくまで1部屋に置かれたベッドの数。2人で眠れるベッド1台が置かれている部屋は普通にあります)


“一緒のベッドで眠れない関係の2人が、同じ部屋で寝るのって、なんかヘンじゃない?”


なんですね。

文化の違いって、おっきいです。


はじめて行く海外なんかではとくに、


“寝るときはだれかと一緒のほうが安心”

“でも、できればベッドは別々で……”



な感じになる方も多いかと思います。


その望みを叶えてくれる“ツイン”の扱いが日本とは違う、ということだけは覚えておいたほうがよさそう。

『ツイン・ダブル・セミダブル』の違いアレコレ♪


それでは最後に、『ツイン・ダブル・セミダブル』の違いのおさらいです。

まとめていってしまいましょう!

どんな部屋?


ホテルの部屋


    ■ ツイン(ルーム)

    “シングルベッドが2台置かれた、2人用の部屋”

    “2つのベッドをそれぞれ1人ずつ使用”


    ■ ダブル

    “約140センチ × 195センチのダブルベッドが1台置かれている2人用の部屋”

    “大きめのサイズの1つを2人で使用”


    ■ セミダブル

    “約120センチ × 195センチのセミダブルベッドが1台置いてある1人または2人用の部屋”

    → ①シングルベッドでは窮屈(きゅうくつ)な人などのために用意された『シングルベッドより少し大きめのセミダブルサイズのベッド』1台を1人で使用

    → ②『ダブルより少し狭い、セミダブルサイズのベッド』1台を2人で使用


どの部屋が一番大きい?


一般的な国内ホテルでは、


    ■ 一番大きい


    シングルベッド2つ分のスペースが必要になる“ツインルーム”

    ※ 置かれているベッドがセミダブルの場合、さらに部屋面積は広くなります


    ■ 二番に大きい


    約140センチ幅の大きめサイズのダブルベッドが置かれている“ダブルルーム”


    ■ 3つの中では一番小さめ


    約120センチ幅のセミダブルベッドが置かれている“セミダブルルーム”


    ※ ホテルによっては“セミダブルルーム”がなく

  • ダブルベッドが置かれている“ダブルルーム”
  • セミダブルベッドの置かれている“ダブルルーム”

    どちらもあるか、はじめからどちらかしかない場合も

値段が高いのは?


こちらも一般的な比較になりますが、


    ■ 一番!

    一番広い“ツインルーム”


    ■ 二番!

    セミダブルよりは広めに作られている“ダブルルーム”

    ※ ただし、ツインルームとの料金差がそれほどあるわけではない


    ■ 一番お安め!

    絶対に必要となるベッド分の面積がこの中ではもっとも狭くて済む“セミダブルルーム”

どんな2人におすすめ?


旅行


    ■ ツインルーム

    ◎友だちと2人旅行! 予定は2.3泊~!


    ダブルでもいいんですが、旅行が長くなるなら、お互いに気を使わず、自分のペースでゆったり眠れるツインがおすすめ!


  • ベッドが別々
  • 枕もとの照明やコンセントなどもそれぞれのベッド脇などに別個で備え付けられていることが多い
  • 荷物を置くスペースなども広めに作られている

    ➡ ゆったり快適に過ごせます!


その他、カップルやご夫婦にもおすすめ。

ダブルにするか、ツインにするかは、もう、好みの問題です。


    ■ ダブルルーム

    ◎カップル!!!


    一緒に寝られます。


    ツインに比べ部屋は狭くなることが多いですが、その狭さも楽しい! いや、むしろうれしい! というカップルなら、ダブル一択


もちろん、友だち同士やご夫婦にもおすすめです。

お好みで“ダブル or ツイン”をお選びください。


    ■ セミダブル

    ◎宿泊代にお金をかけるなら、旅行中のほかの楽しみに使いたい!


    リーズナブルなセミダブル、超絶おすすめです


また、


    ◎ダブルベッドより、もっと密着していたい!


    セミダブルの密着率、すごいですよ!

    くっついちゃってください


お2人とも比較的小柄で、


“ダブルルームとセミダブル、どっちにしようか?(ツインは選択肢に入ってない)”


を悩んでいる方たちにもおすすめ。


サイズ(ベッドの)的に問題がないなら、ダブルルームをあえて選ばなくてもいいような気しかしません(個人的にはですが)。


ここはコスパ重視でいきましょう。


どうしても広いベッドで眠りたい! という場合にはダブルをどうぞ!

海外旅行ではここに注意!


海外旅行

“ツインルーム”の意味が日本とは違います!!


  • ツインルーム = 1 twin Room 


    = 日本のシングルベッドと同じか、少し大きめサイズのベッドが1台置いてある部屋

  • ツインルーム仕様 = 2 twin beds 


    = そのベッドが2台置いてある部屋


ツインルーム仕様の部屋に泊まりたいときは、


    “Twin beded Room”

    “Room with twin beds”  など


ツインルーム仕様の部屋自体作られていないホテルも地域によってはあります。


ご旅行前に必ず泊まる部屋のタイプを確認してみてくださいね。

終わりに……


ホテル


旅行の前には、


  • どこに行く?
  • だれと行く?
  • なん泊の予定?
  • どんなホテルに泊まる?


  • などなど、決めなきゃいけない大事なこと(でも、それも楽しい)がたくさんありますよね。

    でも実は、


    “どのタイプの部屋に泊まるか”


    もけっこうなポイントになってくるんですよ☆彡


    でも、もう大丈夫。

    部屋のタイプ選びで迷うことはありません(断言)!



    全力で遊んで、全力で寝る。

    で、また明日に備える。


    楽しんでくださいね♪


    皆さまの、


    “ホテルの部屋って、なんか種類いっぱいあってわかんなくない?”


    へのモヤモヤが少しでも薄れていたらうれしいです!


    ではでは。
    最後までおつき合いいただきありがとうございました。
    カテゴリー
    言葉の違い

    「町」「街」の違いと使い分け|意味とか英語の場合もわかりやすく解説

    なんでも教えてくれるはずの辞書さん……

    ”町(街とも書く)”

    って……



    違いがわからないと、使い分けできません!!


    町と街


    上に書いた通りです。

    辞書をみても『街』は『町』と一緒にくくられていて、別物としては扱われていないんですね。

    辞書によっては『街』の項目さえないものも。


      ってことは、その日の気分で使い分けていいとか?

      じゃ、あたし『街』がいい~、なんか、オシャレな感じするし~

      だよね~、『町』ってなんかダサくない?


    『町』、ヒドい言われよう……


    でも、確かにそんな感じはするかも。


    『街』は都会的、『町』はなんとなく懐かしい、といったイメージを持っている方も多いと思います。
    (※ 私もです)


    “漢字が違っていて、読み方も同じで、意味も似ているもの”


    のことを『異字同訓(いじどうくん)』といいます。
    (※ 同訓異字とも)


    『華と花』『丸いと円い』など、けっこうたくさんあるんですが、『町と街』もそのひとつ。


    つまり、意味も似ているんですね。


    でもちょっと違う。

    なのに辞書ではその違いや使い分けがはっきり書かれていない。


    = 非常~にややこしいぞ! オイっ! 


    なのです……


    でも大丈夫。

    意味や漢字の成り立ちなどを知ってしまえば、使い分けはあんがい簡単です。


    ── ということで、


    『町と街って、なにが違うの? 意味の違いは?
    英語だとなんていうの? 私も使い分け、できるようになる?』



    についてわかりやすく解説いたします。


    “私にも使い分け、できる?“ ようになりますよ♪


    それではさっそくみていきましょう。

    まずは『町・街』2つの意味をチェック!


      ① 人家が多く集まっているところ (街とも)
      ②人家の密集しているところを道路で分けた一区画 
      ③地方公共団体のひとつ。村より大きく市より小さいもの(町 = ちょう)
      ④区や市を構成する市街の小区画(町 = ちょう)
      ⑤商店などの建ちならんだにぎやかな区域・市街 (街とも)
      ⑥区画された田の広さ
     

    辞書で調べると、『町』の意味として、こんな感じの説明が出てきます。


    ”全部『町』でOKだけど、いくつかのもの(『街とも』とあるもの)に関しては『街』と書いてもいいですよ”


    ということなんですね。


    『街』じゃなきゃダメ、ではないので、一番手っ取り早いのは全部『町』表記にしちゃうことです。


    ……そなの?


    そなの、なんですが、一応一般的な使い分けというのはあります。

    というか、『街』が使える限定された場所ですね。

    それを解説していきます。

    一般的な使い分け


      ■ 『街』

      人通りが多く、ビルや商店、娯楽施設などの建ちならぶ、にぎやかな場所


    そして、それ以外が『町』、です。

    『町』と『街』の大きな違い


    上で書いちゃってますが、『街』のほうが使える場面が限定されています。


    これ、どうしてかっていうと、


    “少し前まで『街』には『まち』の読みがなかったから“


    なんです。

    ちょっとビックリしましたか?

    (ビックリしてもらえてたら、なぜか私が妙にうれしい^^)

    『街』の読み方問題


    街・漢字


    公文書や新聞、雑誌で使われる漢字が、各社バラバラだったりしたら、読みにくくて困っちゃいますよね。


    ちゃんと統一してほしいです。


    ということで、当時(1946 / 昭和21年)に、内閣から告示されたのが、
    (※ 告示: 通知・アナウンスのようなもの)


    “当用漢字表”


    使える漢字の範囲が目安としてまとめられた表です。
    (※ 現在では『常用漢字表(1981年から)』に)


    そして、その2年後1948(昭和23年)に告示されたのが、


    “当用漢字音訓表”


    当用漢字の『音読み・訓読み』が載せられています。

    ※ たとえば『幸』なら『音: さいわ・い / さち / しあわ・せ』『訓: コウ』といった感じ


    で、この音訓表が改定されたのが1973(昭和48)年。


    その間、実に25年間、


      ■ 『町』

    • 音読み: チョウ
    • 訓読み: まち

    • ■ 『街』

    • 音読み: ガイ
    • 訓読み: -(なし)


    ずっと、この状態。

    1973年の6月に音訓表が改定されるまで、『街』に『まち』の読み方はなかったんですね。

    『まち』といったら『町』一択。


    なので、


    “こういう場合なら、『街』と書いてもいいですよ扱い”


    であり、


    “それでも『街 = まち』の読み方もある”

    “でも限定ね。もともと『町』でとくに問題なくやってきたものだから”



    になったとさ、なんです。


    『街』は『町』に比べ、『まち歴』がまだまだ浅いんですね。

    『町』について


    ではまずはずっと『まち』の読み方をひとり占めしてきた『町』について、少しだけ詳しくみていきます。


    先ほど挙げた『町』の意味のうち、『街』とは書けないものは4つ。


      ② 人家の密集しているところを道路で分けた一区画 
      ③ 地方公共団体のひとつ。村より大きく市より小さいもの(町 = ちょう) 
      ④区や市を構成する市街の小区画(町 = ちょう) 
      ⑥区画された田の広さ 


    イメージがわきやすい順に『町』の特徴を説明させていただきますね。

    ③地方公共団体のひとつ。村より大きく市より小さいもの(町 = ちょう)


    地方公共団体


    『地方公共団体』というのは、ザックリですが、


     ”都道府県や市町村など、一定の地域、そこに住む住民をまとめている団体” 

    (※ 『普通地方公共団体』と『特別地方公共団体』があるのですが、そこは『町・街』に関係ないのでスルー)


    のこと。


    その地域に住んでいる人たちを構成員として、法令や政令に基づいた政治上の実務を行う権利がみとめられています。


    その『地方公共団体』のうちのひとつとしての『町(ちょう)』ですね。


    なのでここでいう『町』というのは、


      『町(ちょう)』

      = 都とか県とか、市とか区とかの一定の範囲のひとつで、村より大きく市より小さいもののこと


    行政で団体ごとに範囲が決められている『○○町』には『町』表記しか使えません。


    多くの場合『市』などに公共団体がありますが、


    • 東京都大島町(おおしままち)
    • 茨城県大洗町(おおあらいまち)
    • 宮城県大郷町(おおさとちょう)


    などのように『町』にあるもの、または、


    • 長野県王滝村(おうたきむら)
    • 東京都小笠原村(おがさわらむら)
    • 山梨県忍野村(おしのむら)


    村単位のこともあります。


    どのように使うか、というのは……


    “東京都大島町”

    “茨城県大洗町”

    “宮城県大郷町”


    ……そのままですね。

    ④区や市を構成する市街の小区画(町 = ちょう)


    町


    これは皆さんおなじみ、


    ”東京都○○区△△町”

    ”◎◎県○○市△△町”



    などの『町(ちょう)』のことですよね。


    先に出てきた『地方公共団体のひとつである“町”』よりさらに細かく区分けされた範囲。


    区や市を構成している、いくつもある小さな単位(範囲)としての『町』です。


    地図にも載ってるし、ちゃんとした境界線もあります。


    法律上「あなたのまちの名前は『△△町』ですよ」と決められている区域や場所に対して使えるのも『町』だけです。

    (※『③』の“町”も同様・地図にも載ってます)


      『東京都千代田区神田神保町(ちよだく・かんだ・じんぼうちょう)』

               ↓

      『東京都千代田区神保街(ちよだく・かんだ・じんぼう……がい?』


    これはナシ。


    仮に『小川町(おがわまち)』のように『町』を『まち』と読ませる地域だとしても『小川街』にはなりません。


    というか、固有名詞を勝手に変えちゃダメ。


    なので『城下町(じょうかまち)』『門前町(もんぜんまち)』など初めから名称が決められているものに関しても『町』一択です。

    漢字の『町』について・⑥区画された田の広さ


    町


    『町』という漢字は、


    • 左側の『田』
      → 耕された土地(田畑)のこと

    • 右側の『丁』
      → 釘(くぎ)


    からできていて、


    ”田と田の間に細い道を釘のように(目印として)打ち込む”


    細い道(あぜ道)によって区切られた様子を表しているんですね。


    だから、


      ⑥区画された田の広さ


    の意味もある。


    『町』は区分けが好き、と覚えておいてくださいね。

    ④人家の密集しているところを道路で分けた一区画


    いくら区分け好きの『町』とはいえ、一定の範囲を見えない境界線で分けるわけにはいかないですよね。


    なのでその目印に、


    • 田んぼ: あぜ道
    • 町: 道路


    ということで、人が集まった場所を道路で区切った一区画(法によるもの)も『町』です。


    • 地図に載るような住所としての『○○町』のようにしっかり法律で区切られている『まち / チョウ』

    • 固有名詞として使われている『まち / チョウ』


    は、全部『町』。


    実は『町』を名乗るには条例で決められた人口数や建っている家の戸数など、クリアしないといけない条件がいくつかあるんですよ。


    けっこう『町』はエライ……わけじゃないけど、ちゃんとしてるんです。
    (ちゃんとでもないか……)


    んじゃ、『街』はちゃんとしてないんっすか?


    『町』に比べると、してないといえばしてないですね。

    イメージ的にはですが。


    ではでは、続いて『街』について。

    みていきましょう。

    『街』について少し詳しく


    『街』を使ってもいいですよ、とされているのがこの2つです。


      ①人家が多く集まっているところ
      ⑤商店などの建ちならんだにぎやかな区域・市街 

    『街ポイント』その1・にぎやかな場所


    『街』の一般的な使い分けとされているのが、


    “人通りが多く、ビルや商店、娯楽施設などの建ちならぶ、にぎやかな場所”


    なので、


    “①人家が多く集まっているところ”


    これには『町』が適切なのでは、とする意見もあります。

    けっこう多いです。


    なんですが、『⑤』の説明に『市街』ってありますよね。


    この『市街』というのは、


    ”人家の密集したところ / 多くの人が生活の拠点としているところ”


    の意味を持つので、『街』表記でも間違いではないことになるんです。


    ただ、単に集まっているところならセーフなんですが、


    “道路で分けた一区画”


    になると『町』だけ、となってしまうんですね。

    法律がからむと(行政区画)、『街』表記は不適切となってしまいます。

    『街ポイント』その2・街はアバウト


    そしてもう一つのポイントが、


    “街は町ほど区分け好きではなく、実にアバウト”


    というところ。


    たとえばですが、


    ”渋谷はオレたちのまちだぜ!”


    の『まち』。


    これは『街』のほう。


    かつて東京が『東京府』だったころには『渋谷町』という地域は存在していましたが、今は『渋谷区』です。


    でも、いつも仲間と遊んでる場所だし、人も大勢集まりにぎやかな場所だから『街』。


    街ではなく、


    ”渋谷はオレたちのいつも遊んでるエリアだぜ!”


    とか、


    ”オレたちのホットプレイス! し・ぶ・や!!”


    なんでもありです。

    でも『街』でもいい。

    もちろん『町』でもいい。


    が、町には“○○市△△町”のような『名称として存在している場所』というイメージがあるので、より使われるのは『街』ですね。

    または『まち』以外の言い方か。


    少しわかりにくいかと思いますので、いくつかの例をあげて、


    『町・街、どっちがしっくりくる?』


    をみていってみましょう。

    今日、夜7時から町内会の集会だって


    “町内会”と言っちゃってるんで、ここは『町』ですね。


      “今日、このの集会場での役員たちが集まり、内会が開かれる”


    商店街などの有志が集まって、なにかイベントなどを計画しているなら、


      “今日、7時に集会所、集合な! 大丈夫だって! オレたちの(商店街)のイベントが成功すれば、の活気も戻ってくるって!”

    あたし、新宿のあのゴチャゴチャした雰囲気、苦手なの


      の雰囲気って大事だよね。あたし、新宿ってのゴチャゴチャした感じ、苦手~”


    これが“町の雰囲気”になると、


      “ご近所トラブルが最近絶えない。このの雰囲気も、昔とずいぶん変わってしまって、わたしゃ、悲しい……”


    のような感じになります。

    また引っ越し!? 今年に入って3回目だよ!!


      “少しは落ち着いた生活がしたい……からへ移り住む生活……もういい加減うんざり……”


    『街』なら、


      “このへんにはあんまり大きなお店ないけど、今度のほう、案内するよ!”

    あ……電灯が切れてる……


      “このは住んでる人が少ないから、の灯りが1つでも消えると、夜はとたんに真っ暗になっちゃうんだよね”

      中の灯りが消えた!! 大規模停電か?!”

    そうだ、京都行こう


      “忙しい毎日を忘れ、たまには京都の並みに癒されたい”


    たった1つの町だけ限定でなく、いくつかの町をまたいだ『まちなみ』になるので、『街』。


      “京都府○○区△△にある老舗(しにせ)旅館を予約しといたよ”


    『△△町』はなにがなんでも『町』。

    『△△街』にはなりません。

    若者がどんどん都会に出ていってしまう……


      “若者は都会のを目指して出ていく……で、たいてい2年くらいでこのに帰ってくるんだよ”


    『町』は(村よりも大きければ)、高いビルなどが建っていなくても、人でにぎわってなくても『町』です。



    『町』がキッチリ区分けされている地域や範囲であるのに対し、『街』は、


    • その中の限定スポット
    • 人通りの多い場所
    • にぎわいのある通り(道)
    • 建物などが密集している地域(商業エリアなど)
    • 特別な区分けがされていない上記のような区域


    を指すときに多く使われる言葉になります。

    (※ 『町』と書いても間違いではありませんが、感覚的に『街』のほうがピッタリきます)


    それは『街』という字の成り立ちからもわかりますよ♪

    漢字の『街』の成り立ち


    街


    『街』の文字を分解すると、


    • 行: ぎょうがまえ(漢字の構えのひとつ /『ゆきがまえ』ともいいます /『街』の文字を外側からはさんでる部分)
      → 道のこと

    • 圭:『行』にはさまれている真ん中部分
      → 道や区画を表す


    どっちも『道』なんですね。


    で、ちょっとお願いなのですが、『行』『圭』の線の部分をお互いに向かって伸ばしていってみていただけますか。

    (※『行』の斜めになっているところも、真っすぐ横向きに)


    縦横の線がつながり、段差のない“あみだくじ”みたいになりませんか?

    (※ 横断歩道の白線が2本並んだような形)


    説明ヘタすぎですが、なんというか、何本も道が交差して走っているような感じになるんです。


    道がたくさんあれば、多くの車や人も集まりますよね。


    『街』という字は、


    “人通りの多いにぎわった道”


    を表したもの。


    一方『町』は、


    “細い道(あぜ道)によって区切られた様子を表す”


    成り立ちが全然違うんですね。


    町か街か? 使い分けると、伝わるイメージも変わってきますよ!


    • 区切りの『町』
    • 道の『街』


    ということで、『街』の英語での表現、もう、バレてるのでしょうね、たぶん……


    『街』を表す単語としてよく使われているのが、


    “道 = Street(ストリート)”


    です。


    そのほかにもいくつかあてはまる言葉(英語)があるので、『町』も含め、最後に英語での表現をチェックしていきましょう。

    英語で『町・街』はなんていう?


      ■ 村
      village

      ■ 町
      town

      ■ 市
      city

      ■ 都市
      city / big city

    『町』を英語で!


    英語での『町』は、


    “town”


    ホントは『市』や都市などの中心地を指す言葉なんですが、“city”も一般的に使われています。

    『街』を英語で!





    先ほど書きました通り、


    “にぎわった道”


    とうい意味で使われることが多いのが“street”


    また、ストリートには『道』だけでなく、


    • ○○街(繁華街など)


    といった意味もあるため、


    “residential street(住宅街)”


    のように表されることもあります。

    (※『residential』:“住宅の・居住の”など意味)


    『住宅街』を、


    “residential area(エリア)”


    とすることもあり。

    (※『area』:“地域・地区・区域・特定の場所”などの意味)


    『商店街』なら、


    “shopping(ショッピング) Street”


    通りの両側にお店がたくさん並ぶ、日本でいうなら『○○銀座商店街』のようなところですね。


    また、そういった場所には、『天気に関係なくお買い物を楽しんでもらいたい!』の精神から、雨が降っても大丈夫なように、アーケードが張られていることも多いですよね。


    ということで、天井つき『お買い物ロード』的な場所は、


    “shopping arcade(アーケード)”


    これもよく使われています。

    (※『arcade』:“屋根つきの街路”の意味)


    で、道1本だけの商店街ではなく、こうした通りがいくつか集まってできた場所なら、


    “shopping district(ディストリクト)”


    が使われることが多いです。

    (※『district』:“地区・区域・地方”などの意味 / 行政で区切られた区域のことを指す場合も)


    また、


    “人通りが多く、ビルや商店、娯楽施設などの建ちならぶ、にぎやかな場所”


    といった意味で、


    “Down town(ダウンタウン)”


    もありますよね。


    アメリカ特有の言い回しになりますが、特定の道を指して、


    “○○Avenue(アベニュー)”


    と呼ぶことも。

    (※『Avenue』:“大通り・並木道”などのほか“○○への道・手段”の意味も)


      ■ Street

    • にぎわった道
    • ○○街 などの意味


    • ■ Area

    • 地域・地区・区域・特定の場所 などの意味


    • ■ arcade

    • 屋根つきの街路の意味


    • ■ district
    • 地区・区域・地方などの意味
    • 行政で区切られた区域のことを指す場合もあり


    • ■ Down town

    • 人通りが多く、ビルや商店、娯楽施設などの建ちならぶ、にぎやかな場所


    • ■ Avenue

    • 大通り
    • 並木道など
    • ○○への道(成功への道とか)・手段の意味も


    これらの言葉が、場所や状況、地域などによってその場その場の判断で使い分けられているそうですよ。

    終わりに……


    町


    “ここからここまで”のようにしっかり区切られている『町』に比べ、


    “ここらへんのにぎやかなとこ一帯”


    くらいのアバウトさでその範囲を示す『街』。


    英語の違いでもこの差、出てますよね。


    キッチリさんの『町』には、


    “town”か“city”


    町のようにその範囲がはっきり決められていない『街』には、呼び方がいくつもある。

    (※ 正確には『街』というより『街っぽいニュアンスを持った場所』の呼び方ですね^^;)




    ── ということで、『町と街の違い』でしたが、彼らへの使い分けへのモヤモヤは、少しだけでも薄まりましたでしょうか。


    なんとなくでもスッキリしていただけていたらうれしいのですが……



    ではでは。
    最後までおつき合いいただきありがとうございました。

    カテゴリー
    言葉の違い

    「了解」「了承」「承知」「承諾」の違い|意味と使い分け、ビジネスマナーでの使い方

    “了解・了承・承知・承諾”


    といえば、


    「○○さん、これお願いできる?」
    「わかった、やっとくね」

    「△△って案件どう思う?」
    「いいんじゃない? それでいってみようよ」



    などなど、「わかった。いいよ、OK」の意味で使われることばなのですが、これがとにかく、


    『ややこしい!』


    のですよ……



    了解



    『お願いや要求などを受け入れるときに使う言葉』という点ではどれも同じなのですが、


      社長:「○○君、これ、お願いできるかね」

      あなた:「はい! 了解っす!」


    この受け答えはさすがにマズい気しかしません。
    (「了解っす」じゃなくて「了解です」だとしても)

    • だれからの依頼(や意見)なのか
    • だれが受け入れるのか

    これは大事。


    とくにビジネスシーンでの使い分けは、なにかと死活問題にまで繋がってきます。


    ”できないコ” ”失礼なヤツ” ”ビジネスマナーがなってない人” ……  etc.


    言葉の使い方ひとつで、ここまで評価が下がってしまうのはもったいない……

    でも、この4つをしっかり使い分けられないと、高確率でそう思われてしまう……



    ── ということで、


    『ビジネスマナーをマスターしよう! 
    了解・了承・承知・承諾の違いは?』



    について、意味や使い分けを含め紹介いたします。


    デキるビジネスパーソンを目指し、それではさっそくみていきましょう。


    ※ 読み方は『了解(りょうかい)』『了承(りょうしょう)』『承知(しょうち)』『承諾(しょうだく)』です

    『了解・了承・承知・承諾』の違いは?

    大まかな違いになりますが、まずは『だれが使うか問題』からみていきますね。


    • 了解: 目上の人(から目下の人へ)/ 同等の立場にある相手に対して

    • 了承: 目上の人(から目下の人へ)

    • 承知: 目下の人(から目上の人へ)

    • 承諾: 会社間での契約や取引など、責任をもった実行が伴われる場合に多く使われることば
      → ただし『目下の立場にある人が目上に対して使う』のは避けるべき


    使えるのって『承知』だけ……?(使い分け、楽勝!?)


    ですね。

    これだけ見るとそうなりますよね。
    簡単大歓迎。

    でも……そうはいきません。


      社長:「○○君、これ、ちょっと頼めるかな」

      あなた(部下):「了承しました」(= 自爆 ×)


    はNGでも、


      あなた:「こちらの件なんですが、ご了承いただけますか?」

      社長:「わかった。じゃ、その線で進めてくれたまえ」


    少し変えれば、問題なく使える言葉にもなるんですね。

    『承知』一択ではないのですよ……


    でも、その言葉の意味などを知ると、それほど面倒な使い分けではなくなるので大丈夫。


    それぞれ、少し詳しく確認していきましょう。

    『了解』の意味は? だれがどんなときに『了解する』の?

    いったん了解の『了』と『解』をバラして考えてみます。

    それぞれの言葉の意味


      ■ 『了』

    • わかること・悟ること / はっきりわかること


    • ■ 『解』

    • 解き明かすこと・説明 / わかる・わからせる


    こんな意味を持つ言葉です。


    では続いて『了解』。


      ■ 『了解』

    • 悟ること
    • 物事の意味・内容事情などを理解すること

    • 理解して認めること
    • 事情をくんで承知すること



    ほかにも『了解』はトランシーバーなどの無線通信をするときに、


    『その内容、しっかり受け取った(= 了解)!』


    のように使われる言葉でもありますよね。


    つまり、『了解』という言葉が一番強くアピールしているのは、


    『あなたの事情や話の内容(要求や行為等)の意味を理解しましたよ』


    です。


    簡単に言うと、もっともストレートに『わかった』を伝える言葉。


    『了解しました!= わかりました!』


    で、この『わかった』を漢字で表すと、


    ”理解・判明・納得・把握・了解” など


    になるんですね。


    相手の事情や話を聞いて、『理解して納得してわかった(了解)』といった感じ。


    そしてそれプラス、上記の通り、

    • 理解して認めること
    • 事情をくんで承知すること

    の意味も持つため、


    『あなたの事情や話の内容(要求や行為等)の意味を理解しましたよ(そのうえで認めますよ)』


    意味合いとして強いのは『理解した』です。


    が、ただ理解しただけでなく、『認めることも含め、理解した』のようなニュアンスに。


    了解


    ちょっとわかりにくいので、冒頭に挙げた例に当てはめてみます。


      「○○、お願いできる?」
      「わかった、やっとくね」



      あなた:「部長、こちらの書類にサインをいただけますか?」


      部長(上司):「サインですね、了解しました。後ほど取りに来てください」

      =『サインがほしい』という部下(あなた)の要求を理解する(プラス、その申し出を認める)


      あなた:「了解しました(= 自爆 ×)」

      「○○ってどう思う?」
      「いいんじゃない? それでいってみようよ」



      あなた:「こちら、前回お話させていただきました見積書になります」


      取引相手:「(目を通す)了解しました。では、今後ともよろしくお願いします」

      = あなたの持ってきた見積書を見て、内容を確認・理解する(プラス、その案を認める)


    ……あまりわかりやすくなってなかったかも……

    目上の立場の相手に使うとNGなのはどうして?


    NG


    なぜ部長に対しあなたの言った『了解しました』が自爆になってしまうのか。


    これにはイマイチ根拠のはっきりしない理由があるんです。


    さっきも書きましたとおり、『了解』は単に『わかる』を漢字で表現したものなので、敬語でもなんでもありません。


    でも、そこに『しました』をつけることによって、ていねい語にはなりますよね。


      ※ ていねい語: 

      ていねい、または改まった言い方をすることで相手に敬意を表す言葉

      です・ます・ございます など /『食う』ではなく『食べる』・『天気』を『お天気』なども


    謙譲語ではないので、若干ていねいさには欠けます。

    なので『了解しました』を嫌う上司などがいるのはなんとなくわかる。


      ※ 謙譲語(けんじょうご): 

      自分がへりくだることで相手に敬意を表す言葉


    では、ここに『する』の謙譲語にあたる『いたす』をつけ、


    『了解いたしました』


    にしたら?


    本当なら、これでいいはずですよね。

    謙譲語『いたす』効果で、失礼な言い方にはなりません。


    が!


    『了解』は、


    ”目上の人や取引相手などに対して使うにはあまり適していない、敬意の感じられない言葉なのではないか”


    と言われ、ビジネスパーソンのルールブック的な本にも続々掲載される、という謎の黒歴史を持ってるんですよ(20年くらい前 / その根拠は不明)……


    そして、さらに困ったことに、そのルールブック的なものを指南書としてビジネスルールを覚えた年齢層の方たちがいるため、
    (※ 今のあなたの上司くらいの方が多いと思う)


    『了解 = 目上の私に使うとは失礼なヤツだ』


    のように自然に脳内変換されてしまう可能性も大。


    わざわざ地雷を踏みに行くこともないので、避けた方が無難です。


    同僚や後輩に対し使ってください。

    上司や取引相手に使うのはやめときましょう。

    『了承』の意味は? だれがどんなときに『了承する』?

    こちらも分解。

    それぞれの言葉の意味


      ■ 『了』(さっき出てきたのと同じ)

    • わかること・悟ること / はっきりわかること


    • ■ 『承』

    • うけたまわる
    • 相手の意向を受け入れる


    • ■ 『了承』

    • 承知すること
    • 事情を理解し、それでよしとすること

    • 事情を理解し承知すること


    『了解』が、


    『あなたの事情や話の内容(要求や行為等)の意味を理解しましたよ(そのうえで認めますよ)』


    といったニュアンスなのに対し、『了承』では、

    • 相手の事情や事柄・話の内容の意味を理解する
    • そのうえでそれを認めたり許したりする

    どちらの意味合いも強くなります。


      『了解 = 理解』

      『了承 = 理解したうえで異存なし、として認める(受け入れる / それでよしとする)』


    です。


    『了承しました = わかりました。異存はないので許可しますよ』


    ザックリかみ砕いていうと、こんな感じに。

    『了承する』のはだれ?





    許可してくれるのはいいんですが、その認め方が問題。


    異存なしとして、認めたり許したり、って、かなり上からなんですよね。


    部下が上司の指示などに了承で応えると、


    『そういうことなら、ま、従いましょうか』


    みたいなものすごくエラそう感というか、何様感あふれる言い方になってしまう。


    目上の立場の人が部下などからの提案や報告、希望などを認める際に使われるのが『了承しました』です。


    逆に目下の立場の人が上司などに許可を求めるときは、先ほど出てきた『ご了承いただけますか?』のようにして使われます。


    • 部長の了承済み: 

      上司である部長がするから『了承』


    • ご了承いただけますか?: 

      許可がほしい相手に頼んでいるから『了承』
      (※ 許可をもらいたいという理由により立場的に上)


    • わかりました。了承(いた)します: 

      許可を出している自分のほうが立場が上なので『了承』


    んぅ~ん……
    上の囲いの中の解説だけでは実戦でサクッと使い分けできないかもです。


    ということで、これから日常会話の参考例で解説してきますね。

    (ちょっとこじつけっぽくなっちゃってますが……<(_ _)>)


      「○○、お願いできる?」
      「わかった、やっとくね」



      ウエイトレスさん(立場上・目下):

      「ご注文いただいた煮込みハンバーグですが、お時間少々かかってしまいます。申し訳ありませんが、(なにとぞ)ご了承ください」

      = 調理時間が多少かかることを理解した(わかった)うえで、それを認めてほしい


      お客さん:「了承しました」

      = ウエイトレスさんの話を聞き、内容を理解して、異存なし、と認める


      ※ 極端な例です。『お時間がかかってしまいますがよろしいでしょうか』『わかりました』とかが普通です

      「○○ってどう思う?」
      「いいんじゃない? それでいってみようよ」



      お客さん:「アイスコーヒーなんですが、これ、食事の前に持ってきてもらうことってできますか?」


      ウエイトレスさん:「お食事の前にコーヒーですね……

      (……『了承いたしました』って『異存なし、認める』って感じになっちゃう言葉なんだよね……こういうときってなんて言えばいいの?)」


    『了承はダメ……じゃ、なんて言えばいいの?』とお悩み中のウエイトレスさん(と、お悩み中のあなた)!


    こんなときにはビジネスシーンでもっとも推奨(すいしょう)されている言葉、


    『承知』


    を使いましょう♪

    『承知』の意味は? だれがどんなときに『承知する』?

    こちらもバラしますね。

    それぞれの言葉の意味は?


      ■ 『承』(これもさっき出てきたのと同じ)

    • うけたまわる
    • 相手の意向を受け入れる


    • ■ 『承(うけたまわ)る』

    • 謹(つつし)んで受ける
      (※ 謹んで: 敬意を表してうやうやしく)
    • (目上の人の)命を受けてその通りにする
    • 謹んで聞く・拝聴する

    • 『引き受ける』の謙譲語・謹んで受ける・お受けする
    • 『聞く・伝える』の謙譲語・謹んで聞く・お聞きする


    • ■ 『知』

    • 知ること・知らせること
    • よく知ること
    • 悟ること

    • 物事を見抜き、考える能力
    • 心に感じ取る


    • ■ 『承知』

    • 旨をたまわって知ること・知っていること
    • 聞き入れること

    • 相手の依頼・希望・命令などを聞き入れること
    • 詳しい内容や事情をよくわかっていること


    『承知』は、

    • 内容をよく理解している(した)ことを伝える
    • そのうえで相手の依頼等を聞き入れる・引き受ける

    2つのアピールポイントを持つ言葉です。


      【内容をよく理解していることを伝える】


    • 危険は承知のうえさ!
    • そんなの百も承知だよ!


    • 【そのうえで相手の依頼等を聞き入れる】


    • 承知しました
    • がってん承知の助!


    『がってん承知の助』というのは、


    “事情はわかった(がってん / 合点)! 納得したぜ! 任せとけ!”


    のような意味。
    (※ 江戸弁 / 『の助』は言いやすいようノリ的にくっつけただけなのでとくに意味はなし)


    ちょっとヘンな例をあげてしまいましたが、『承知』のイメージがわきやすいかと思ったので……


    『承知』自体は謙譲語ではありません。

    ですが『承る』が謙譲語なので、非常にていねいな印象を相手に与える言葉になるんですね。


    『内容をよく知ったうえでその依頼を聞き入れる』


    ここに『承る』の意味を持つ文字が入ることで、


    「あなたの依頼を『謹んで聞き』、それを『謹んでお引き受けします』」


    のような感じになります。

    ものすごく謙虚。


    よりていねいさを持たせたいなら『~する』の謙譲語にあたる『~いたす』をつけ、


    “承知しました → 承知いたしました”


    尊敬されるのが好きな人なら、さらに喜んでくれるはずです。


    二重敬語にもなりません。

    敬語は『いたす』だけだから。


    『承知(いた)しました = 指示、理解しました。そのようにさせていただきます』


    といった感じですね。


    『了解しました』を使うなら『承知しました』。


    『了解いたしました』と『承知しました』だとしても『承知しましたチョイス』のほうが安全ですよ。
    (※ 『承知いたしました』ならなおいい)

    『承知する』のはだれ?


    謙譲語である『承る』の文字が入った言葉なので、へりくだることで相手を立てるときに使われます。


    こりずに先ほどのレストランでの会話の続きでみてみます。


      「○○ってどう思う?」
      「いいんじゃない? それでいってみようよ」



      お客さん:「アイスコーヒーなんですが、これ、食事の前に持ってきてもらうことってできますか?」


      ウエイトレスさん:「お食事の前にコーヒーですね。承知いたしました」

      = アイスコーヒーを先に持ってきてほしい、という要望・依頼を聞き入れる / 相手の要望・依頼の内容をしっかり理解していることを伝える

      「○○、お願いできる?」
      「わかった、やっとくね」



      お客さん:「ごちそうさまでした。お会計お願いします」


      ウエイトレスさん:「承知いたしました。ありがとうございます」

      = 食事が終わったので、会計を済ませてレストランを後にしたい、という相手の要望を聞き入れる


    そして『承知』の持つ、もう一つの意味、『内容をよく理解していることを伝える』です。


      お客さん:「あ、あの、アイスコーヒーなんですが……」


      ウエイトレスさん:「承知しております。お食事の前に、ですよね(ニコっ)」

      = お客さん(前に来た)が、食事の前にコーヒーを飲みたい派であることを十分に把握していることを伝える


      お客さん:「(ニコっ)」


    『承知しました』を『かしこまりました』に変えるのもおすすめです。

    ちょっと寄り道・『かしこまりました』について


    かしこまりました

    『かしこまった格好』

    『校長先生を前にかしこまる教頭先生』

    『そんなにガチガチにかしこまらないでよ……』



    などなど。


    かしこまるは『畏まる』と書きます。


    畏怖(いふ)や畏敬(いけい)などに使われる文字ですね。

    • 畏怖: おそれおののくこと
    • 畏敬: 偉大なものなどに対しかしこまり敬(うやま)うこと

    つまり……そういうことです。


    『承知』は『理解して、そのようにさせていただきます』のような意味合いの言葉になりますが、『かしこまりました』は、もっと問答無用な感じで、


    『目上の人の言葉をうけたまわる / 依頼や命令などを謹んでお受けする』


    になります。


    しつこいですが、先ほどのレストランだったら、


      「アイスコーヒーなんですが、これ、食事の前に持ってきてもらうことってできますか?」

      「ごちそうさまでした。お会計お願いします」


      → オール『かしこまりました』でOK


    『承知しました』より、響きがやわらかくなるので、こちらを好む人(言われるほう・上司など)も多いです。


    ただ、


    「承知しております。お食事の前に、ですよね」


    に関しては、このままのほうがいいですね。

    『かしこまっております』って言わないから。


    場面に合わせて『承知しました』『かしこまりました』も使い分けてみてください。


    よりデキるヤツ度合いがアップします。

    『承諾』の意味は? だれがどんなときに『承諾する』?

    『承諾』も分解です。

    それぞれの言葉の意味は?


      ■ 『承』(さっきのと同じ)

    • うけたまわる
    • 相手の意向を受け入れる


    • ■ 『諾』

    • うべなうこと・請け合うこと・承知したこと・こたえること

      ※ うべなう: いかにももっともだと思って承知する・同意する


    • ■ 『承諾』

    • 相手の申し入れや頼みを聞き入れること・引き受けること


    意味は『了承』『承知』とほとんど変わりません。


    細かい違いをあげるなら、

    • 了承: 相手の依頼や申し入れを、異存はないとして認める
    • 承知: へりくだった立場の人が、相手の依頼や申し入れを聞き入れる

    そして『承諾』が、

    • 承諾: 聞き入れ、さらに責任をもって引き受ける(上の『諾』の『こたえる』/ 引き受けることによって、その依頼にこたえる感じです)

    になります。


    『承諾』のアピールポイントは、理解しっぱなし、聞き入れっぱなしではなく、そのあと、


    『ちゃんと責任を持って引き受けますよ』


    です。


    しかも『うべなう』の意味が、

    • いかにももっともだと思って承知する・同意する

    なので、かなり乗り気でその提案や意見・依頼などに同意していることになりますよね。


    ということで、こちらもザックリなたとえになりますが、


    『承諾 = いい案ですね。ぜひわが社にも協力させてください』


    渋々ではなく、喜んでお引き受け。


    『承諾』がもらえたら、そうとう安心ですね。

    『承諾する』のはだれ?


    契約

    “クライアントから承諾を得ることができた”

    “ご承諾いただき、心より感謝申し上げます”

    “申し訳ありません。上司の承諾を得ることができませんでした”



    など、『責任を持って引き受ける』ことが求められる他社との契約時や取引の際に使われることが多い言葉になります。


    また、会社同士の契約や取引以外でも、そこそこ重要なことをお願いされ(部下的立場の相手から)、それを引き受けるときなど、


    “だってお父さんが入院したんだろ? 彼の有給申請、もちろん承諾したよ”


    のような使い方もありです。


    ただ、目上の人や取引相手などに、『あなたの意向を受け入れ、積極的に同意し、そのように実行いたします』の意味で『承諾します』というのはちょっとストップです。


    『承諾』も『了解』同様、敬語でもなんでもないんですね。

    『します』をつけてもていねい語どまり。

    謙譲語の『いたします』つきで、かろうじて何とかなりそうなんですが……

    やっぱり、ちょっと上から的な物言いになっちゃうんです。


    ここは『承諾』の謙譲語である、

    • 承りました
    • かしこまりました

    または、

    • 承知いたしました

    を使うのが無難。


      お客さん:「すみません。やっぱり煮込みハンバーグじゃなくて、グラタンに変えてもらってもいいですか?」


      ウエイトレスさん:「承諾いたしました」

      = ハンバーグからグラタンに変えたいというあなたの意見に私も積極的に同意します。そのように実行させていただきますね

      (※ なんかエラそうなんですよね。同意してくれなくてもいいし)


      ウエイトレスさん:「承りました」

      = あなたのご意見に従い(謹んで受ける)、ハンバーグをグラタンに変更させていただきます


      ウエイトレスさん:「かしこまりました」

      = あなたのご希望通りにいたします


    あくまでニュアンスですが、だいぶ印象が変わるんです。


    『承諾』するのは取引相手や目上の立場の人。


    場面はかなり限定され、単なる口約束ではなく、責任を持った実行が求められるときなどに使われる、ある程度重みをもった言葉になります。

    4つの言葉の違いを比較しながら確認!


    比較


    最後におさらいです。

    比較しながら4つの言葉の違いをまとめていきましょう。

    『了解』と『了承』


    もっともシンプルに『わかった!』を伝える言葉が『了解』。


    『あなたの事情や話の内容の意味を理解しましたよ』


    『そのうえで認めますよ』の意味も含む言葉ですが、強く押し出されているのは『理解しました』です。


    一方『了承』は、了解とほとんど同じような意味ですが、

    • 理解しました
    • そのうえで認めます

    どちらの意味合いも強くなります。


    言い方はちょっと……なんですが、


      ■ 『了解』

      事情や話の内容は理解してくれたかもしれないけど、その先は……?


      ■ 『了承』

      しっかり内容も理解してもらえたし、OKも出た


    イメージ的にはこんな違いがあります(イメージ的には、です)。

    『了承』と『承知』


    この2つも似てますね。


    どちらも、

    • 相手の事情や事柄・話の内容の意味を理解したうえで、認めたり許したりすること(了承)
    • 内容をよく知ったうえでその依頼を聞き入れる(承知)

    ほとんど同じ。


    違いは、


      ■ 了承

      異存はないとして認める


      ■ 承知

      上記のことをへりくだっていうときに使う


    使う人の立場が逆になります。


    了承が上の立場の人。

    承知を使うのは下の立場にある人です。

    『承知』と『承諾』


    『承諾』だけは使う場面もかなり違ってくるので、純粋な比較にはならないかもですが……


      ■ 『承知』が言いたいのは、

      理解したうえで『聞き入れました』


      ■ 『承諾』は、

      理解したうえで『積極的に引き受けました』


    です。


    『承諾』 のほうが『承知』より一歩進んだ感じ。

    責任を持って引き受ける、という意味合いが強く出る言葉です。

    ビジネスマナーとして最適なのは?


      ■ 上司などに『わかりました』を伝える際に最適なのは

    • 承知しました / 承知いたしました
    • かしこまりました


    • ■ 『あなたの意向う受け入れ、積極的に同意し、そのように実行いたします(= 承諾)』の意味で使うなら

    • 承りました
    • かしこまりました
    • 承知しました / いたしました


    『○○をするのはだれ?』

    をそれぞれの言葉に当てはめてみてくださいね。


    立場上、自分は『了承』はしないけど、上司から『了承』を得たかったら、


    “ご了承いただけませんか(いただけますか)?”


    代わりに自分がするのは『承知』です。


    紛らわしいのはとくにこの2つですね。


    上司は上役になるので『了解』してもOK。


    本当は下の立場である自分も『了解いたしました』ならOKなんだけど、人によっては『了解』という言葉自体が地雷になっている場合もあるから避ける。


    『承諾いたしました』は下の立場の人間が使うと、なんともエラそうな感じになっちゃうので『承知しました』等の無難なものを選ぶ。


    ちょっとややこしいけど、どうしようもなくややこしいってわけではないですよ!

    終わりに……


    ビジネスマナー


    友だち同士だったら『OK~!』で全部OKなのに……


    ビジネスマナーって面倒くさいんですよね。


    でも『了解・了承・承知・承諾』はビジネスシーンではかなりひんぱんに登場してくる言葉。


    ぜひサクッとカッコよく使いこなしてみてくださいね。



    皆さまが、


    「ほんの少しだけど、スッキリしたような気がするかも」


    と思ってくださっていたらうれしいです。





    ではでは。
    最後までおつき合いいただきありがとうございました。

    (※ くだらない例文にもおつき合いいただき、感謝です)

    カテゴリー
    言葉の違い

    日本語の『ので』『から』『ため』の違いと使い分けを解説

    『○○君、あーそーぼー!』

    『あとちょっとで宿題終わるから、もう少し待ってて!』
    『OK~!』

    『あとちょっとで宿題終わるので、もう少し待ってて!』
    『あ、はい……』


    ことば

    言ってることは同じなのに、相手の受け取り方が微妙に……というかずいぶん変わってくる『ので』『から』事情。

    さらには、似たような『ため』なんかも日本語にはあります。


    『あとちょっとで宿題終わるため、もう少し待ってて!』


    『ため』だけ、少し、なんか違う……


      『○○(だ)から××』
      『○○(な)ので××』
      『○○(の)ため××』 


    どの言葉も『どうして××になったのか』のような結果に対する、その原因や理由、根拠を伝えるために使われるもの。

    どれを使っても基本間違いではありません。


    ただ、使う相手と状況によっては、『ちょっと残念なコ』『仕事できなさそうなヤツ』『オレ、あいつ苦手……』と思われてしまうことは……あるかも。


    残念なコって思われるのはイヤだ……

    微妙な違いにもこだわりたいの……だって日本人ですもの

    相手にどう受け取られるかこそが、人間関係において重要なのである!



    ── ということで、似たような言葉、


    『から・ので・ための違いと使い分けをわかりやすく!』


    紹介いたします。


    皆さまの微妙な日本語表現についてのモヤモヤのひとつが少しでも解消されますよう、参考にしていただければ幸いです。
    カテゴリー
    言葉の違い

    『雑学』と『豆知識』の違いとは?『うんちく』は仲間はずれ?

    『雑学』と『豆知識』の違い(『うんちく含む』)を知りたい、そこのあなたに、まずは答えからお伝えします。


    『雑学と豆知識に正確な線引きはありません!』


    知識


    ……どのように感じましたか?


    • 瞬殺かよ……
    • これも飲み会のネタになるかも!
    • なんとなく知ってた。でもだれかに聞かれたら困るからもう一回確認しとこう
    • で、うんちくは? うんちくが気になる~


    などなど、それぞれかと思いますが、
    この記事では『雑学』と『豆知識』と『うんちく』についてのあれこれを極限まで掘り下げて記事化してあります。


    つまりこの記事内容を理解すれば、あなたの『引き出し(ネタ)』が増えること、間違いなし。


    とくに『うんちく』。

    コイツがけっこう、曲者。


    これを正確に説明できる方はごく少数なのでは……?



    ── ということで『雑学・豆知識・うんちく』さんたちと一緒に、3つの違いをとことん探っていきましょう!


    ※ 『うんちく』がレベルの違いを見せつけるのは『記事後半』からです。恐るべし、うんちくパワー……