えっ!「シーチキン」と「ツナ」って、同じじゃないの!?
しかも「作り方」って? もしかして自分でも作れるの!?
タイトル通りの疑問をお持ちいただき、助かります! ありがとうございます!!
「シーチキンとツナは、何かの違い(例えば地方とか、調理法とか)で呼び方が変わる、でも実は同じもの」
と思っている方も多いかと思います。
実際、それぞれの商品を食べ比べてみても「……? やっぱ同じじゃない?」となるはず(中にはならない方もいるかもしれませんが)。
じゃあ、どうして名前が違うの?
謎ですね!
こんなに身近な食品に、こんなミステリがあったとは! 気になります! 今後の「ツナマヨ」のおにぎりの味にも影響してくるかも……困りますよ!!
……大丈夫です。
「シーチキン」と「ツナ」の違いを解説いたします。困らせてしまったお詫びに「作り方」もご紹介しますので、ぜひ今まで通り、おいしい「シーチキン・ツナ」との毎日をお過ごしください!
目次
「シーチキン」?「ツナ」? 違いはココ!
おそらく皆さまが「違いがわからない」と思われているのは「缶詰」としての「シーチキン」と「ツナ缶」に関してかと思います。実はこれは一瞬で書けてしまうのです。
- 「シーチキン」は「はごろもフーズ」が製造販売しているツナ缶の商品名。
- いわゆる「ツナ缶」として売られているのは「はごろもフーズ」以外の会社のもの。
「シーチキン」は商品名。はごろもフーズさんが商標登録している「ツナの缶詰」の名称なのですね。
さて、では「ツナ」って何?
大体、何の魚なの? あれ? チキンなの? シーのチキンなの?!
シーのチキンって……
それでは、まずは「ツナ」。どのようなものなのかを見ていってみましょう。
「ツナ」とは?
勝手に日本の言葉かと思っていましたが、「ツナ」は英語。「tuna」です。- 「マグロ。もしくはマグロの肉。特にマグロの肉をオイル漬けにした缶詰め」
辞書などには大体こんな感じで書かれています。マグロとは「スズキ目サバ科マグロ族マグロ属」、つまり、そのサバ科の魚のうち「クロマグロ」「メバチ」「キハダ」「ミナミマグロ」「ビンナガ」<などを総称しての呼び名です。
ツナの缶詰として主に使われているのは、これらの中でも(使われている魚は約13~15種)「ビンナガマグロ」「キハダマグロ」「メバチマグロ」など。そして使用原料によりツナ缶は、
- 「ビンナガマグロ」を原料とする:「ホワイトミートツナ/ ホワイトツナ」
- 「キハダ」や「メバチ」「カツオ」が原料:「ライトミートツナ / ライトツナ」
え!!「カツオ」!!
はい!「カツオ」です!
「鮭缶」に「カツオ」、「サバ缶」に「カツオ」はダメですが、「ツナ缶」に「カツオ」はOK。
……なぜ?
ちょっと不思議な気もしますがカツオの科目を見てみますと「スズキ目サバ科マグロ族カツオ属」。最後の最後で「マグロ」と一線を画してしまっていますが(魚としての種類は別だから)、もうほとんど同じ。「カツオ」も「マグロ族(「属」違いの)」ではあるからなのです。想像以上に近いです。
さらにカツオの英語名は「skip jack」または「tuna」。
「skip jack」には「水面に飛び上がる魚」の意味があり「カツオ・マグロなど」ともされているのです。
ここが少し紛らわしいところなのですが、そういったわけで「ツナにカツオ」は問題なし、なのですね。
大抵の商品では、缶詰に「ライト」や「L」と表示されているものが上記の「ライトミート(ライトツナ)」を表し、「マイルド」と書かれているものは「カツオ使用」、特にこれらの表記がないのが「ホワイトミート(ホワイトツナ)」となっています。
「ライト」は「軽い」の意味ではなく「明るい」の方。
魚種が違えば、加工後の魚肉の明度にも差が出てきます。それによっての区別なので、「ライト」の方がヘルシー、というわけではありません。
ヘルシー(カロリーの低い)な「ツナ缶」は、「水煮」か「油漬け」かで見分けてください。
「油漬け」は「水煮」に比べ、3倍以上のカロリー! 気にしないのであればどちらもおいしい、でいいのですが、気になる方には、この「3倍以上の壁」は見逃せないものになりそうです。
また「食塩、オイル不使用、天然水のみ使用」といった無添加のタイプもあります。
さて、原料から薄々お気づきかとも思いますが、この中でも「上級」とされているのが「ホワイトツナ」。
比較的小ぶりなマグロである「ビンナガマグロ」は身もあっさりとしており、たんぱく質もより良質、加工後の色は白っぽくなります。
欧米では「海の鶏(sea chicken)」とも呼ばれるように、食感も鶏肉に近く……
……!!
「sea chicken」!!
じゃあ、「シーチキン」って、全部この「ホワイトツナ」なの?! 高級ツナなの?!
……いえ「ライト」も「マイルド」もあります。
商品名の由来は「鶏肉に近い食感から」や「世界的に有名な欧米のシーフード会社の『Chicken of the sea International(1914年創業)』にあやかって(影響を受けて)」など諸説ありますが、それはあくまで登録商標に選んだ「商品名」としてのお話。
「シーチキン」は単に「はごろもフーズの商品ブランドの一つ」としての名称です。
では続いてはその「シーチキン」の商品名を持つ「ツナ缶」についてです。
「シーチキン」とは?
♦【宮崎あおい】本日開店!シーチキン食堂CM集【全6種】
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=hNxSFe7WNIs&w=560&h=315]「ツナ缶買ってきて!」と言われたら「わかった~。じゃあ、帰りにスーパー寄って買ってくるね。シーチキン、何個買ってくればいい?」などの会話が、何の違和感もなく交わされるほど「ツナ缶 =シーチキン」のイメージは定着しているような気がします。
ですが、それもそのはず。
市場に流通している「ツナ缶」の、なんと半数以上のシェア率を誇っているのがこの「はごろもフーズ株式会社」の商品「シーチキン」なのですね。
これは結構凄いことです!
「はごろもフーズ株式会社」が「後藤缶詰所」として誕生したのは昭和6年。
「ツナ缶を日本の食生活に持ち込んだ」とまで言われている会社なのです。
昭和33年には「シーチキン」の名称は商標として登録され、その9年後、昭和42年のコマーシャル開始により、その商品名は着実に定着していくこととなります。
その後、社名を「はごろも缶詰株式会社」に(昭和44年)、そして現在の「はごろもフーズ株式会社」の社名となったのは昭和62年のことです。
ツナ缶を扱う会社は多くありますが、皆さんがよく見かけるのは「いなば食品」や「マルハニチロ」などのものではないでしょうか。
「いなば食品」さんでは「タイカレー」シリーズが一時期、ちょっとしたブームのようになりました。「ツナとタイカレー」などの缶詰もありますね。また、ペットフードなどにも着手しており、そちらの方でご存知の方も多いかもしれません。
「マルハニチロ」さんは「ツナやわらかほぐし」などをはじめとする魚の缶詰の種類が豊富。スーパーなどで、一番目にする缶詰かもしれません。「ホタテ貝柱」や「いか味付」の他、サバやいわし、サンマなどなど、多彩なラインナップが魅力ですね。
そして「シーチキン」。これも、やはりこのような缶詰の一つなのです。
いわゆる「ツナ缶」、マグロやカツオを原料とした、油漬けや水煮などの加工された缶詰であることは変わりません。
余談になりますが「ツナ」のおにぎりを初めて販売したのは「セブンイレブン」。
「はごろもフーズ」からの「シーチキンをぜひ!」といった売込みにより開発されたそうです。
ですので、当時のそのおにぎりは「ツナ」ではなく「シーチキン」での表記でした。
現在では「セブンイレブン」のおにぎりは「ツナ」となっていますので「はごろもフーズ」のものではないツナが使われているようです。
「シーチキン」使用のおにぎりは、「ファミリーマート」にあります。
商標登録された名称のため、それを示す「〇のなかにRの文字」のマークがちゃんと書かれています。見つけると、何となく嬉しくなります!
食べ比べてみるのも面白いかもしれませんね(私にはまったく違いがわからず、どちらも変わらずおいしかったです)!
「シーチキン」と「ツナ」の違いアレコレ
「違いアレコレ」……自分で書いておきながら、「はごろもフーズの製造販売するツナ缶」か「それ以外のツナ缶」か、の一言につきてしまうのですが……
とりあえずここで、今までをまとめてみましょう。
「ツナ」ってどんなもの?
「スズキ目サバ科マグロ属」に分類される魚や、その身を意味する英語です。が、「スズキ目サバ科マグロ『族』カツオ属」である「カツオ」も、そこには含まれます。
「缶詰のツナ」なら?
「マグロやカツオを水煮や油漬けなどに加工した缶詰」ですね。
また「低カロリ・低脂肪」を意識したもの、「食塩・オイル不使用」で天然水のみを利用している無添加タイプのものなども増えてきています。
- 上級とされる「ビンナガマグロ」を原料とした →「ホワイトミート / ホワイトツナ」
- 「キハダマグロ」や「メバチマグロ」「カツオ」を使用 →「ライトミート / ライトツナ」
「シーチキン」「ツナ缶」共に形状には、
- 大きな塊のままの → ブロックタイプ
- 大きくほぐされた → チャンクタイプ
- 細かくほぐされた → フレークタイプ
一番多く出回っているのは?
「シーチキン」です!→ 流通しているツナ缶の半数以上を「はごろもフーズ」のツナ缶である「シーチキン」が占めています。
それじゃあ、一番おいしいのも「シーチキン」?
そんなこともないですよ!→ と書くのも、何か誤解を招いてしまいそうですが、先ほどとは逆に「シーチキン買ってきて」と言われて「ツナ缶」を買ってきても、おそらく怒る人はいないのではないでしょうか(はごろもフーズの関係者の方以外)。というより、違いを気にしている人の方が少ないかもしれません(はごろも関係者は別!)。それよりも「油漬け」か「水煮」か、などを間違った方が怒られそうです。
ただし「ツナの缶詰」と言われての連想では「シーチキン」は圧倒的に強いです!
違いのポイントは「はごろもフーズ」さん。
「はごろもフーズ」が商標登録した「ツナの缶詰」の名称が「シーチキン」、つまり「はごろもブランドのツナ缶」=「シーチキン」です。
自家製ツナ作りに挑戦!!
了解です!ツナは結構簡単に作れます(上記のような理由から「シーチキン」は作れません)!
基本の部分を以下、ご紹介しますが、お魚の種類や塩加減、使うハーブ系のものを変えたり、油の種類や熱を加える時間を変えるだけでも出来上がりは違ったものになります。
おいしくできて慣れてきたら、ぜひ色々なバージョンでお楽しみください!!
-
<基本の材料>
- マグロ(またはカツオ(スーパーのお魚コーナーをチェック! お手頃価格のものをとりあえずチョイスです!): 1,2サク
- ニンニク: マグロなど1サクに対し1かけ
- ローリエなどのハーブ: 1サクに対し1~2枚(多めにすればその分、出来上がりに香りが移ります。初めはあまり多くし過ぎず、ベーシックなツナ作りでいきましょう! その後はお好きに遊んでみてください)
- オリーブオイル(またはサラダ油): マグロが浸るくらいの量
- 塩: 軽くマグロにまぶせる程度の量 <手順>
- マグロに軽く塩をまぶしたら、20~30分放置(この間に身がしまり、余分な水分も抜けていきます)
- 放置後、マグロの水分をキッチンペーパーなどでよくふき取ってください
- マグロ、ニンニク(潰してもスライスでもOK。潰した方が、より香りは強くなります。お好みでどうぞ)、ローリエ(などの香草)を鍋in(魚が曲がってしまう場合には切って入れた方が、オイルの量に無駄が出ません)
- オリーブオイルを、マグロが浸る程度に入れます (※ここからの火加減にはちょっと注意してください)
- まずは弱めの中火で、油に泡が立つ寸前までまでじっくりと(表面の色が変わってくるので、そこも見極めの際の目安としてください)加熱。
- 泡が立ち始め(グツグツし始め)たら、さらに火を弱めます。極々とろ火で20~30分(竹串などがすっと通ればOKです)。
- 火を止め、粗熱を取ります(この時は蓋をしたままで)。
- 冷めたらそのまま冷蔵庫へ!(タッパーなどに移してももちろん構いませんが、油に漬けた状態にしておいた方が日持ちがします。大抵冷蔵庫で1週間程度はもちます)
- 出来上がり!! △「カツオ」でも同じように作ることができますが「カツオ特有の臭み(というかクセ)」がちょっと気になるかもしれません。
出来上がって粗熱が取れたら、玉ねぎのスライスなどと一緒にしばらく漬け込んでおいたり、使う香草(ハーブ)の種類を変える等、試してみてくださいね。
缶詰では味わえない「the マグロで作ったヤツ!」的な、もはや「ツナ」と呼ぶことさえ申し訳なくなるようなもおいしいものが出来上がります(のはずです)!
ぜひぜひぜひ、一度お試しください!!
終わりに……
「ふーん、そうだったんだぁ」ですね。今まで、その日の気分で「ツナ」「シーチキン」を呼び分けていたような……
おにぎりでは圧倒的に「シーチキンマヨ」より「ツナマヨ」の方が多い気がしますが、これまで気になることもなかったほどに「ツナ = シーチキン」のイメージ強かったことだけは確かなようです。
恐るべし「シーチキン」、恐るべし「はごろもフーズ」です!
でもおいしいから、許します。そして「シーチキン」「ツナ」、どちらも、今後ともお世話になります!!
いかがでしたでしょう。
皆さまのおいしい「おにぎりライフ(サンドイッチでもパスタでも何でもあり)」にもモヤモヤを残すことなく、多少なりともスッキリしていただけていればうれしいです!
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