「都市ガス」と「プロパンガス」、普段何気なく口にしていますが、このふたつの違いとは一体なんなのでしょう?…毎日使うものなので使用料金も気になるところですよね。
そこでこの二種類のガスについて徹底比較をしてみました。
目次
プロパンガスと都市ガスの違い
プロパンガスとは?
LPガスともいわれ、主成分はプロパンやブタンの液化石油ガスです。ブタンは主に工業用に使われています。LPガス自動車(タクシーなどが主)用の燃料に使われたり、火力発電の燃料のひとつとしても使われています。
お祭りの屋台でも活躍してますよね。
災害時の復旧の速さが最大のメリットのひとつと言われます。
都市ガスとは?
プロパンガスが液化石油ガスなのに対し、都市ガスはメタンという燃える気体を主成分にした天然ガスです。いわゆる公共料金のガス代として払う使用料とは、この都市ガスの使用料のことを指します。
違いとは?
さて、このふたつのガスですが、性能には違いが特にありません。では「プロパンガス」と「都市ガス」、一体何が違うのでしょう。重さの違いは?
重いのはプロパンガスです。空気よりも重いため、ガス漏れの警報機等は、天井寄りではなく床寄りに付けます。逆に都市ガスは空気よりも軽いので、警報機等を付けるなら、天井寄りの上のほうに設置しましょう。
色や臭いの違いは?
こちらはプロパンガス、都市ガスともにありません。けれどどちらもガス漏れに気付けるよう、あえて臭いをつけています。「なんかガス臭いよ!」という、あのおなじみの臭いは後からわざわざ付けられていたんですね。供給方法と契約方法の違いは?
まずはプロパンガス。それぞれの使う場所に事業者がプロパンガスのボンベをひとつずつ配送する形で供給されます。
この個別での配送供給のおかげで、「災害時の復旧」が比較的スムーズに行えるのです。
避難場所に届けたり、野外でガスが必要となった時の設置が容易にできるのもメリットと言えます。
またその業者数は全国に2万以上、利用者が地域にあるいくつかのプロパンガスの事業者の中から、どこと契約を結ぶかを決められます。
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災害時に強いLPガスの特性
都市ガスは道路の下を通るガス導管から、各家庭など契約された場所に供給されます。個別にではなく、数百から数千単位でまとめての供給になります。
都市ガスの事業所はその地域にひとつだけで、おのずと利用者はその事業所と供給契約を結ぶことになります。
全国に事業所は200以上ありますが、プロパンガスと違い、利用者側がその事業所を選ぶことはできません。
災害時では今まで、残念ながらプロパンガスに軍配が上がりっぱなしです。
数百から数千単位での安全確認は復旧の遅れを生んでしまいます。
配管が地中に埋まっているのも、仕方がないとは言え、やはり復旧作業の障害になっています。
2つの料金を比較すると・・・
プロパンガスと都市ガス、こうして見てみると結構色々な違いがありますね。さて次はいよいよ、気になる使用料金についてです。
結論から書きますと、安いのは圧倒的に「都市ガス」です。
プロパンガス、都市ガスの料金比較を見てみましょう。
プロパンガス
基本料金:2000円前後
従量単価:500円前後
月々の使用料金:2000円+500円×X(使った量 / 立方メートル)
都市ガス
基本料金:900円前後
従量単価:300円前後
月々の使用料金:900円+300円×X(使った量 / 立方メートル)
基本料金:2000円前後
従量単価:500円前後
月々の使用料金:2000円+500円×X(使った量 / 立方メートル)
都市ガス
基本料金:900円前後
従量単価:300円前後
月々の使用料金:900円+300円×X(使った量 / 立方メートル)
月におよそ1.3~1.8倍もの差がついてしまいます。
どうしてプロパンガスは高いの?
使われているLNGガス(液化天然ガス)は輸入がほとんどです。このLNGガスの輸入価格が上がるのももちろん高くなる理由のひとつですが、一番の原因は人件費では、と言われています。
コンピュータで数百から数千単位を一括で制御できる都市ガスと違い、プロパンガス業者はガスボンベの交換やガス設備の点検などを、すべて手作業で行わなければなりません。
その経費もガス代に加算されてしまうのです。
また、都市ガスの場合は許認可料金といって国が許可しいる公共料金のひとつですが、プロパンガスの場合、単価料金を決めるのはそれぞれの事業者となっています。
そのため、契約時は安くても、その後単価が上がってしまう可能性もあるのです。
毎日の生活に欠かせないものなので、使用料金の差はどうしても外せない重大なポイントとなります。
もしどちらを選ぶかを決めることができるのなら、やはりおすすめは「都市ガス」です。
終わりに…
「プロパンガス」「都市ガス」どちらにもメリット、デメリットがある、ということがわりました。災害時、自宅にいられなくなった場合、避難場所などにプロパンガスが来てくれる!と思えば心強いですし、個別に運ぶことによるメリットは素晴らしいですよね。
料金は高めですが、プロパンガスしか選べない地域もあります。
現在では、プロパンガス利用者様のための消費者センター等もあり、そちらによれば適正価格で使えば、決してプロパンガスは高くない、とのことでした。
料金に不満を感じた場合、そういったところに相談してみるのもひとつの解決法になるかと思います。
ガスは毎日使う、なくてはならないものです。
これからも安全かつ快適にガスを利用していきたいですね!
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