こんな『違い』があったんだ!

『利子』『利息』『金利』の違いを比較! 使い分けはどうなるの?

銀行
「やったー!! けっこう利息(利子)ついてる~~」

「マジか……心底イヤなんだけど……」


言ってることが、真っ二つ……
銀行

「利子」「利息」「金利」はどれも同じようなことを意味する言葉。

ですが、上記のように意見がど真ん中で分かれることもしばしば。不思議な現象です……


きっちり違いがわかっていなくても、ほとんどの方がこれら3つとは何らかの形でかかわっておられることと思います。

定期預金や貯金、カードローンやキャッシングなどでおなじみの言葉ですね。


おなじみで、かかわっているのに、きっちり知らない……?


……うーん。そんなことでいいのか……?

私も含め、この「なんとなくならわかってる」状態から抜け出しましょう。


「利子・利息・金利」の使い分けなども含めまして、3つの言葉の違いを解説いたします。
皆さまのスッキリに少しでも貢献できましたら幸いです。
目次

「利子・利息・金利」の違いはココ!

冒頭にもありますように「利子・利息・金利」とは「つく」もの。

何につくかといいますと、貸したり借りたりしたお金に「つく」のです。

「借りる」ということは、いずれ「返す」ということ。

なにか(消しゴムとか)を借りたら「ありがとね」とお礼を言って返すのが常識です。

ですが返す相手は銀行であったりローン会社であったりするわけです。


友達に返すようなノリではマズい……

というわけで、借りた額や期間に応じた一定の割合の金額をプラスして、相手に返すのですが、「利子・利息」とは、その金銭そのもののことを指しています。

「お礼」もしくは「レンタル料」などとよくたとえられていますが、なるほどですね。

確かに何かを借りたら「お礼」、借りているのだから「レンタル料」。納得。


一方「金利」は「利子・利息」とまったく同じ意味で使われる場合もありますが、多くの場合、上記の「一定の割合」を表わす「%」で示されます。

「○○円貸しますが、返済の際には貸した金額プラス『△%』頂くってことになってますからね」

もしくは「預けていただけるなら、お返しする時にはその『△%』プラスしてお返ししますんで」の『△%』の部分が「金利」です。


さてさて、このように仕組み自体はそれほど難しいものでもありません。

「利子」と「利息」が難題なのですね。


「同じような意味の言葉ならどちらを使ってもいいのか」

「または使い分けられているなら、その基準は何なのか」

「できればどっちか一つに統一してくれないか」


などの問題です。

実際銀行でつくのは「利息」。郵便貯金でつくのは「利子」。
でも同じものを指している……これは……困る……


ではまずはこちらの2つ、「利子」と「利息」の使い分けられ方の違いから見ていってみましょう。

「利子」と「利息」の比較! 使い分けは?

前述の通り、金銭などの貸し借りの際に、その対価として一定の割合で支払われる「利子・利息」。

同じ意味で使われています。


「絶対にこっちを使わなければダメ」といった決まりはありません。

ただし「こんな場合にはこちらが多く使われている」といった違いはあるのですね。


「貸し借り」では必ず「貸した側」と「借りた側」がいます(当たり前ですが)。

その立場により、

  • 貸した側: 返してもらう時に受け取る金銭
    →「利息」
  • 借りた側: 返す時に支払う金銭
    →「利子」
というのが一般的な使い分けとなっています。


先ほどの「銀行預金」と「郵便貯金」からすれば「預貯金」というのは私たち「預貯金をしている人」から預かっている金銭です。

銀行・郵便局は、いわば「借りている側」となるわけです。


ですので、

  • 銀行預金: 銀行側から見れば「預かっている(借りている)金銭に対して」支払うもの
    → 本来なら、預貯金者には「利子」を支払う
    → のですが、銀行側が受け取る預貯金者の立場に立ち表現したため
    →(預貯金者が)「利息」を受け取る
  • 郵便貯金: 郵便局から見ても、銀行の場合と同じく「預かっている金銭」に対し支払うもの
    → ですので、そのまま郵便局サイドの目線で
    →(郵便局が)「利子」を支払う
ということなのですね。


ただ銀行・郵便局ともに、特にそのことについて説明しているわけではないので、実ははっきりとした理由は不明。

上記のように考えることもできますし、そこまで考えて「利子・利息」の表現を選んだわけでもない、ともいえる。

つまり、それほど厳密にこだわる必要はない、というのが実情なのかもしれません。


ですがこれらのことからも、キャッシングやローンなどでは、一般的に多く使われているのは「利子」ということになります。

キャッシング業界の人にとっては逆に回収するのは「利息」になるわけです。


どちらの立場でその言葉を使うか、がポイントになってきますね。


キャッシング業界では「利息」の言葉を主に使っているようですが、ここがちょっとややこしいです。

自分たち(貸す側)の立場からは「利息」として返済時に受け取るべき金銭も、借りた側からすれば「利子」として支払うべき金銭になるからです。


「利息」はお得で、「利子」は損。

イメージ的には、このような感じです。

イメージ的にはそうなのですが、これでは少しわかりにくい。

だいたい、どちらの立場から表現すれば、貸す側は「返す時にプラスいくら支払って」と的確に伝えられるのか。

この際「利子」でも「利息」でも言葉はどちらでもいいから、その具体的な数値を提示したい……

ということで「金利」の登場です。

続いて見ていきましょう。

「金利」とは?

先ほど書きました通り、「金利」は単に「利子・利息」の言葉の代わりに用いられることもあります。

お金の貸し借りの際の「お礼」「使用料」として、支払う、または支払われるものですね。


そしてもう一つ、より多く使われるのが、元金に対する「利子・利息の割合を示すもの」としてです。

「%」で表わされます。


「利子・利息」のどちらの表現が使われようとも「これだけの金銭がプラスされますよ」としっかり伝えられるのが「金利」です。

銀行などに預ける際の目安にもなりますし、ローンを組む場合などでも、どれだけ余計にお金がかかるのか、が数字として具体的にわかるよう説明するのが「金利」の役どころ。

(※キャッシングなどの業界では「利子・利息」はほぼ同じ意味で使われます。ムダにややこしくなりますので、以後便宜上「利息」表記での説明とさせていただきます)


金銭の貸し借りの行われる場面では大抵「○○%~××%」などと書かれているものがあるかと思いますが、その「%」で表わされているものが「金利」です。

借りた額を「元金」といいます。10万なり100万なり、その借りた分ですね。

前述の通り、返済の際にはその元金に「利息」をプラスして返すわけです。


さて、その「利息」は一体いくらになるのか。

ここ、重要です。そして少なければ少ないほど、ありがたいです。


「利息」は元金に「金利」をかけて計算されます。
ですので「○○%」部分の数字が少ないほど、返済の際「元金プラス」の金額も少なくなるのですね。

つまり「金利」とは金銭の貸し借りにおける
「元金にかかる利息の割合」を示したもの。

ですので「%」。その割合です。


上記のように「○○%~××%」と幅を持たされていることが多いかと思いますが、この幅は「借りる側の信用の幅」のようなもの。

初めて借りる時にはたいていの場合、この幅の中でも最高の金利となります。


どんな人だかわからないからですね。

返ってこなかったら大変です。

そして何度か借りて(利用実績を積んで)借り入れの限度額などもUPすれば、徐々に金利が引き下げられることもあります。

「この人は借りるけれど、期限も守りちゃんと返してくれる人」に昇格したわけです。


ただしこの引き下げ率などは貸す側次第なので、借りる前には一度しっかりご確認をお願いします


住宅ローンなどで金利が低いのもこのシステムのおかげです。

土地や建物が担保になっているため、そこが「信用」となっているのですね。


他にも何に使うために借りているかが明確なものは金利が低く設定されます。

ですのでキャッシングやただのいわゆるローンでは金利の高いものが多いのです。

簡単に貸してくれる(審査等がゆるい)ところほど金利が高いのもそのため。


さてさて、このように設定されている「金利」ですが、例えば「10万円」借りた場合の金利が「10%」であれば、

    元金(10万円)× 金利(10%)=  利息(1万円)
となり、返済額にはこの利息(1万円)が、元金である「10万円」に加算されますよ、ということ。

つまり借りた「10万円」は、将来的には利息プラスの「11万円」として返済してください、と伝えるのが、この「金利」の役目です。


基本はこのようになっているのですが、ここで表わされているのは「1年間借りた場合」の金利。

実際にはこの「1年分」を365日で割り、「1日分の利息」×「借りた日数」での計算となります。

ですので、
なるべく早く完済した方が、利息は少なくて済むということになるのです。
ここもポイント。

金利自体が低めに設定されていて、なおかつ早めの完済で、元金にプラスされる利息は、極力少なく抑えられるのですね。


また、この金利の仕組みはローンなどではなく、資産の運用等でも同じです。

銀行や郵便局に預ける時も一緒。

これらの場合は逆に、金利(利率)が高く、また長期間預けることにより、将来受け取る際に高い利子(利息)がつくことになります。


もらってうれしく、支払う分にはなるべく少なく済ませたい「利息(利子)」。

その
元金に対する割合を示しているのが「金利」のもう一つの役目、となります。

「利子・利息・金利」の比較とまとめ

♦【マイナス金利とは?】日本銀行は2月16日から導入する・どうなる景気?
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=YQOaGm67gbc&w=560&h=315]
お金を借りるのも一苦労です。

この間にバイトでもしていた方が効率がいいかも……な気分になってきます。


ですが「家を買う」「教育資金に必要」などなど、バイト代だけじゃどうにもならない……よし、ローン組もう、なのですね。


さてさて、ではここでもう一度おさらいです。

「利子・利息・金利」の違いを比較しつつ、まとめていってみましょう。

とりあえず辞書的な意味は?

  • 利子: 金銭を貸した相手、または預けた相手から、その額と期間に応じて一定の割合で支払われる報酬。利息
  • 利息: 金銭を貸した報酬として貸主が借主から一定の割合で定期的に受け取る金銭。利子
  • 金利: 貸し金、預金などにつく利息。利子 / 元金に対する利子の割合。利率
  • → さすが辞書です。表現がものすごく難しい……
    要するに「利子」も「利息」も同じことをいっているのですね。
    「貸した側」から見て、を基準に書かれていますが「貸し借り」には「借りる側」もいるわけなので……

キャッシング業界での使い分けは?

  • 利子 / 利息: 使用料として支払われる金銭そのもの(2つは同じ意味で使われています。どちらかといえば「利息」と呼ぶ率が高め)
  • 金利: 元金に対する利息(利子)の割合(「%」で示されます)

「金利」からどうやって「利息」を計算するの?

  • 「元金」×「金利(%)」=「利息」
    → 例)「10万円(元金)」×「10%(金利)」=「1万円(利息)」
    → 返済額:「10万円(元金)」+「1万円(利息)」=「11万円」

「利子」と「利息」の一般的な使い分けられ方は?

  • 利子: 借りた側が支払うもの(ローンの利子 など)
    → 逆に言えば「貸した側が受け取る」ことにも
  • 利息: 貸した側が受け取る(預金の利息 など)
    → 同じく逆に考えれば「借りた側が支払う」ことにも
どちらの立場からいうのか、がポイントですね。
ですが、決まりはありません。法律用語でさえ同じ意味の言葉として2つを扱っています

どうして「利子」や「利息」を支払ったり、もらえたりするの?

誰かに何かを借りたら、返す時にお礼を言いますが、その「お礼」の「金銭」バージョンだからです。

または、期間を決めて借りていることへの「使用料(レンタル料)」として、ですね。


これは逆に貸す立場でも同様。

貸したことへの「お礼」、もしくは貸しているのでその「使用料」としてです。


そもそも、知り合いでもなんでもない人からお金を借りるので、その「信用」の意味でも「金利」には幅が出ます。

借りた金銭の使用用途が決まっていたり、土地や建物が担保となる「住宅ローン」などでは金利は低めの設定。

使用用途がはっきりしないキャッシングや、いわゆるフリーローンでは、このような理由からも金利は高めになります。


金利の低いところを選び、少しでも早く完済するのが「利息(利子)」を少額に抑えるには重要。

一方、資産運用などで預ける場合には金利が高く、長期間預けることが「利息(利子)」を増やすことに繋がります。

終わりに……

「借りる」か「貸す」か。

一般的には、この違いで「利子」「利息」は使い分けられていますが、これは厳密な違いではなく、あくまでも慣用的(広く一般に用いられること)な使い分けです。

ですので「あなた、契約のときに『利息』は○○って言ったじゃない! お金借りてこっちが払うのは『利子』でしょ! だから絶対に払いませんよ!!」とかなんとかは全く通用しません。

そこはどっちでもいいのです。

ぜひ払ってください……


さてさて、いかがでしたでしょう。


……結局、「利子」「利息」は同じ、ってことでしょ?

いや、その通りなのですが「同じ意味で使われている」ということを知っておくことも大事です。

しかも慣用的には案外しっかり使い分けられているのも事実なのです!

ただ、どちらを使っても間違いにはなりませんが……


でもでも……それでも皆さまが「利子・利息・金利」の違いと使わけに「まぁ、一応はわかった」と思ってくださっていればうれしいです。

関連記事はこちらになります。

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