あったのですよ!!
しかも結構な違いですよ!!!
スーパーなどでも固形や顆粒状のものが並ぶ「コンソメ」「ブイヨン」。
かなりポピュラー、定番商品です。
「同じものでしょ? メーカーが違うから商品名も違うだけじゃないの?」
というのが一般的な「コンソメ」「ブイヨン」へのイメージ。
今日はいつもの(例えばコンソメ)が売り切れだから、といつものではない方(ブイヨン)を購入、調理。
食べてみた感想は「メーカーが変わると、味も変わるなぁ」のような感じでしょうか。
でも、これ、メーカーによる味の違いではないのです。
れっきとした「コンソメ」か「ブイヨン」か、による違いなのです。
「コンソメ」と「ブイヨン」の違い、その違いによる使い方の差等、紹介いたします。
「いつもポトフってパンチのない味になっちゃってたけど、あれって私が料理下手なんじゃなくて、こっち使えばよかっただけなんだ!!」
などなど、違いがわかれば、ますます毎日のお料理が楽しくなること請け合いです(おそらく)!
皆さまの今後の美味しい毎日のお手伝いとなれましたら幸いです!!
目次
「コンソメ・ブイヨン」はココが違う!
和風の味付けには昆布やかつお節や煮干し、干しシイタケの戻し汁などが大活躍。そして洋風料理で活躍するのが、こちらの「コンソメ」「ブイヨン」などですね。
さて、先ほども出てきました「ポトフ」を作りましょう。
鍋に水を張り、お好きなお肉類、野菜、「コンソメキューブ」を投入。
しばらく煮込んだら崩れやすい食材を加え、さらにコトコト煮込んでいきます。
♦【簡単】温まる♪野菜たっぷりポトフ♪
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=z2jvFbyi8Lc&w=560&h=315]これで大体完成ですね。簡単です。
肉や野菜を切る時に包丁で手まで切らないように注意すれば、後は煮込むだけです。
最後に塩やブラックペッパーなどで味を調えれば完璧。
ですが、これを市販の「コンソメキューブ」を使わずに作ろうとすると、気絶するほど手間がかかるのです。
牛や鶏などの肉類と玉ねぎ、にんじん、セロリなどの香味野菜をほとんど1日がかりで煮込んでいきます。
しかも付きっ切り。
その間せっせとアク取りをし続け、やっとできあがるのがスープの出汁です。
続けて2度言ってしまいますが、できあがるのは「出し汁」です。
まだスープのベースしかできていないのですね。
そしてこれが「ブイヨン」。
「ブイヨン」とは、つまり「出し汁」です。
お肉や野菜の美味しいエキスがぎっしりつまった、非常に(異常に)手間のかかっている「出し汁」。
上記の作業でできあがったもののうち、「汁」の部分だけを指し「ブイヨン」なのですね。
この作業の手間を取り除いてくれるのが、市販されている「ブイヨン」。
メーカーにもよりますが、大抵塩分もプラスされています。
ですが、本来の「ブイヨン」は純粋に「肉と野菜のエキスのみ含む出し汁」なのです。
さてさて、これからがまたひと手間です。
できあがった上記「ブイヨン」をベースとして作られるのが、今度は「コンソメ」。
「ブイヨン」にさらに脂身の少ない肉や野菜を入れて煮込んでいきます。
煮込めばアクも出ます。
スープに濁りは厳禁。
ここでもアク取りを必死に繰り返します。
それでも残るアクは「卵白」や「卵の殻」に吸着させることにより除去。
何がなんでもアクはダメ。
コンソメたるもの、透き通った琥珀色でなくてはならないのです。
こうしてできあがったものを漉し、浮いている脂分を取り除き、やっと完成。
「コンソメ」のできあがりです。
「ブイヨン」をベースにさらに煮込んで完成させたものが「コンソメ」。
つまり「コンソメ」とは
「完成されたスープ」のことを指しているのですね。
西洋料理の「澄んだスープ」の総称でもあります。
もう初めに何を作ろうとしていたのか、どうでもよくなってくるほど、手間暇がとんでもないレベルになっています。
でも大丈夫。
市販の「コンソメスープの素」がこの問題をクリアしてくれています。
と、このように
「ブイヨン」とは「出し汁」を、「コンソメ」はその「ブイヨン」をベースに完成させた「スープ」のことを指す言葉。
ですので、スープとして完成されていない「ブイヨン」を「コンソメ」代わりに使用すると、どうにも味気ないできあがりとなってしまうのですね。
味が薄く感じられると思います。
ただし、実際には日本で市販されているものの多くは(メーカーによる差はあるものの)塩で味付けされたもの。
味の違いも本来の「コンソメ」「ブイヨン」に比べ、それほど変わらない、というのが実情でもあります。
ですが、本来であれば「コンソメ」と「ブイヨン」には、上記のような手間暇がかけられています。
作られ方等、まったく違うものを指しているのですね。
まずはこちらを押さえておいていただき、続いてそれぞれについて、使い方などの違いを見ていってみましょう。
「ブイヨン」とは? どんな料理に使われる?
大変な手間と時間をかけて作られる「ブイヨン」。フランス語で「出し汁」を意味する言葉です。
ついでですが英語では「(スープ)ストック」。
その出し汁を何から取ったものかにより、
- 牛肉・骨からのもの: ブイヨン・ド・ブブ(日本語でなら『ビーフ(牛肉)ブイヨン』)
- 鶏ガラから: ブイヨン・ド・ヴォライユ(日本での『チキンブイヨン』。これが一般的。単に「ブイヨン」といわれた場合には『チキンブイヨン」のことを指しています)
- 魚から: フュメ・ド・ポワゾン
- 香味野菜から: クール・ブイヨン(短時間で作られるのが特徴)
キューブ(固形)のものも顆粒タイプのものも市販されています。
スープのベースとして使うのであれば、固形がおススメ。
本来はスープのベースとして使われますが、炒め物などにもいいコクを出してくれ、重宝します。
和食で使う「出汁の素」のような感じですね。
この場合には顆粒タイプが便利でおススメです。
上記のものはそれぞれにコクや風味が違います。
これは好みの問題なので、一概には言えないのですが……
カレーやミートソースなどガッツリ系の料理やトマト系のものには「牛肉ブイヨン」がおススメ。
「チキンブイヨン」ではピラフや塩焼きそばなど、あっさり目の料理に使うと、そこにコクがプラスされ、さらに美味しくなります。
マリネや鍋(トマトや豆乳などの)に下味をつけるなら「野菜ブイヨン」はいかがでしょうか。
細めの冷製パスタにもおススメです。
「ブイヨン」とはつまりは
「肉や野菜のエキスの詰まった出汁」。
例えば普段のみそ汁などに入れてもOKです。
いつもの味に野菜とお肉の風味とコクがプラスされ、
「お! 斬新ってほどではないけど、ちょっといつもとは違う。で、うまい!!」
といった味に変わります(わかりにくいかもしれませんが)。
和風料理にも、隠し味的に使えるのですね。
もちろん洋食にもコクと旨味をプラスしてくれます。
先ほど挙げましたカレーやミートソースの他、お肉のソテーや唐揚げ粉にまぶしても(これには顆粒タイプで)良し。
旨味・コクが増して美味しくなります。
パスタのゆで汁にお塩と一緒に入れ、ソースづくりの際にお玉1杯分程度を加えれば、いつものパスタもワンランクUP。
中華料理もイケます。
中華料理のお馴染みの調味料やネギ・ショウガなどと一緒になることで、立派に「中華料理」の隠し味にもなるのです。
「鶏ガラから作る『チキンブイヨン』って中華調味料の『鶏がらスープの素』とは違うの?」
と思った方もおられるかと思いますが、「鶏ガラ」以下の部分が違うのです。
「ブイヨン」に使われる野菜は玉ねぎ・人参などの香味野菜ですが、「鶏がらスープ」で使用されるのはネギやショウガ。
市販のものであればニンニクや醤油が初めから入っているものもあります。
ですので、中華料理を作る際には上記の通り、「中華食材」の代表格の「ネギ・ショウガ」などと合わせるわけです。
ごま油やオイスターソースなどとも「ブイヨン」は相性バツグン。
そして市販の「ブイヨン」の多くには塩分もプラスされています。
お塩代わりに使うこともでき、さらに「コク・旨味」も増します。
万能ですね。
あくまでも「出汁」であるため、料理の種類にも幅が出ます。
「お肉と野菜のコクと旨味」をプラス。
スープ以外でもブイヨンにはこのような働きがあります。
ちょっとした魔法の粉です(固形もありますが)。
何から取ったブイヨンを使うかは、作る料理と合う風味を選ぶことも大事ですが、最終的にはご自分の舌との相性です。
いろいろなブイヨンを試してみるもの楽しいですね。
失敗しても大丈夫。
人に出さなければいいのです。
ぜひぜひ「これぞ私のためのブイヨン」的な味を見つけてみてくださいね。
「コンソメ」では?
さてさて続いては「コンソメ」です。「コンソメ」はスープ。
フランス語の「完成された」という意味の言葉です。
市販の固形や顆粒のものも商品名は「コンソメ『スープ』の素」ですね。
「ブイヨン」がベースとなっているため、コンソメにも、
- 牛のコンソメ: コンソメ・ド・ブブ(ビーフコンソメ)
- 鶏のコンソメ: コンソメ・ド・ ヴォライユ(チキンコンソメ)
- 魚のコンソメ: コンソメ・ド・ポワゾン
- 野鳥や猟で得た動物類からのコンソメ: コンソメ・ド・ジビエ(ワイルドそうです)
なにせスープの「素」です。
そのために「ブイヨン」をベースに、そこからさらに肉や野菜を加えているのです。
そしてそれらの旨味を存分に引き出そうと、前述のような丁寧な作業が行われているのですね。
ですが、こちらもスープ以外にも使える万能選手。
ただし、コンソメは「完成されている」ため、ある程度味が決まってしまいます。
茶碗蒸しに使うこともできますが、単にコクや旨味が加わるだけでなく「洋風茶碗蒸し」になるのですね。
「ブイヨン」はスープや料理のベースになるものですが、「コンソメ」は味のベースです。
コンソメは香りも強く、旨味も十分にあります。
深い味、食欲をそそる味です。
そして、アクを取り、さらに漉し、浮いている脂分まで取り除いた澄んだ琥珀色が特徴。
やはりスープ、特に「澄んだスープ」を作るには最適です。
もちろん澄んでいないミネストローネなども美味しく作れます。
ホワイトソースを作る際にも活躍。
炊飯器で炊き込むピラフや、野菜を使った料理などに使えば、ほかの調味料(コンソメは調味料ではなくスープですが)はほとんど使わなくても完成します。
パスタも得意。
カルボナーラもコンソメさえあれば、ほぼ失敗しません(分量を間違えてはダメ)。
簡単に料理を作ることができるアイテムですね。
ただし、隠し味ではなく、コンソメ味。
「ブイヨン」同様、お塩代わりにもなりますが、少なくともコンソメの主張は感じられる味になります。
ですが、コンソメ味は美味しいのです。
コンソメの主張が強くても、それが味の決め手となる料理はたくさんあります。
和食は作れないけれど、和食をも洋食風にすることのできる、本当は「スープ」なのに「調味料」的にも使えるものが「コンソメ」です。
「コンソメ」と「ブイヨン」の違いを比較!!
なるほど、思っていたより違い「大」です。始めの方にも書きましたが、現在市販されている「コンソメ」「ブイヨン」では、そこまではっきりした違いが感じられないかもしれません。
ですが少なくとも「ブイヨン」の代用として「コンソメ」を使うのには注意が必要。
「コンソメ」の代用に「ブイヨン」でしたら、ほかの調味料を加えれば、かなり近い味が再現できるかと思います。
料理は面白いです。
出汁やスープ、調味料と合わせることで、ただの食材が食べ物に変身。しかも美味しい。最高。
さて、そんな変身アイテムの「コンソメ」「ブイヨン」について、ここでもう一度おさらいです。
比較をしつつ、違いをまとめていってみましょう。
本来はなに?
- コンソメ: スープ
→ フランス語で「完成された」の意味 - ブイヨン: 出し汁
→ こちらもフランス語です。英語では「(スープ)ストック」
「ブイヨン」「コンソメ」の関係は?
関係……- 「コンソメ」のベースになるのが「ブイヨン」
→「ブイヨン」がないと「コンソメ」は作れません。カツオや昆布、煮干しなどの出汁がないとみそ汁がまるで美味しくないのと同じことですね。
簡単に料理を作りたいならどっち(市販のものの場合)?
どちらも本来の作られ方からすれば相当ショートカットされていますが、- コンソメの勝利: 作る料理の味のベースになるため
- ブイヨン: あくまで料理のベースです。その後、味を整えていきます
きれいに澄んだスープを作りたい!!
- 「コンソメ」で!!: 透き通った琥珀色のきれいなスープが作れます(「コンソメ」は「澄んだスープ」を表わす総称でもあります)
- 「ブイヨン」だと……: 素材のエキスによる、若干の濁りがあります。澄んでる必要のない、かつコンソメ風味ではないスープには、こちらで
どんな使い方がベスト?
- ブイヨン: コクや旨味をプラスしたい時に!
- コンソメ: コンソメの香りや味わいを出したいなら!
「○○ブイヨン」「○○コンソメ」、おススメの味は?
こればかりは、完全に好みの問題なのですが……個人的にはどの料理にも合うものは、「コンソメ」「ブイヨン」ともに「チキン」かと思います。
ですが、可能なら市販されているもの全部の味を比べてみるのが本当はおススメ。
いちいち「おー、さっきのと微妙に違う!」など、それだけでもかなり楽しいです。
終わりに……
何となく料理の話のようになってしまいました……「ブイヨン」は出汁、「コンソメ」は(「完成された」の意味を持つ)スープです。
今さらのように最後に書き加えてみました……
ですが実際には炒め物に使われたり、ほとんど調味料のようにして利用されてもいます。
どちらも「魔法の粉(もしくは固形)」。
料理を美味しく、調理を楽しくしてくれるものです。
さて、いかがでしたでしょう。
皆さまの「コンソメ」?「ブイヨン」? どっち? へのモヤモヤは少しは解消できましたでしょうか。
「よし、今日は『ブイヨン』であんかけ焼きそばにコク増ししてみるかな♪」
など、ちょっとでも楽しくなっていただけていましたらうれしいです!
関連記事はこちらになります。
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