こんな『違い』があったんだ!

【目的・目標・ゴール・方針・手段】の違いとは? 意味と参考例はこれ

ゴール



……なんか、似たようなのがたくさん並んでいます……
ゴール

どれもよく聞く言葉、大体意味もわかります。

でもわかるのは「大体」。「違いは?」と言われると、実はよくわかりません……


「ゴール」が一番最後なんじゃないの?

「目的」も「目標」もほとんど一緒でしょ?

「方針」と「手段」? とりあえず「方法」ってことでよくない?

そんな細かいこと、気にすんなよ!


……気にします!!

「目的・目標・ゴール・方針・手段」の違いや意味、参考例、使い分け等、解説いたします。

気になる方も、気にならない方も「なるほどぉ」と思っていただければ幸いです!
目次

まずは「意味」から「目的・目標・ゴール・方針・手段」の違いを知る!

たくさんあるので、まずは辞書的な「意味」からいってみましょう。いくつかの意味を持つ言葉たちですが、比較になりそうなものを挙げてみます。

  • 目的: 成し遂げよう、実現させようと目指す事柄
  • 目標: 目的を達成させるために、そこから外れないよう目印とするもの。また目的達成のために設けた目当て
  • ゴール: 努力などの目標点、最終目的
  • 方針: 目指す方向、物事や計画のおよその方向
  • 手段: 何かを実現させるためにとる方法、手立て
わかりやすいものもあれば、意味にそれ以外の言葉が入っていて、余計ややこしくなっている感のあるものもありますね。

冒頭の皆さんの言っていたことも、間違っていたわけでもないような(最後の人は別)……


これらを「関係」と「流れ」から見てみますと、

    まずは「目的」ありき。
    → その「目的」達成のため「目標」をクリアしていく
    → その「目標」クリアのために大まかな「方針」と具体的な「手段」を決めて
    「ゴール」を目指す
    → 結果的に「目的」に到達!
こんな感じになるのです。


「目的」、到達したいですね!

そのために必要となる「目標・方針・手段」。「ゴール」に到達すれば「目的」にも到達している、ということになるのですが、残念ながら「目的 = ゴール」ではないのです。 

うーん。思ったより手強いですね。


では続いて「似たような意味らしき言葉」同士に分けて、それぞれの意味や違い、使われ方等を少し詳しく見ていってみることにしましょう。

★グループ分けをしてみましょう

まずは「目的」と「目標」グループ。

同じ文字も使われています。「目的」とそのための「目印 / 目当て」などの意味で使い分けられていました。


次に「方針」と「手段」です。

冒頭のどなたかも言っていましたが、どちらも「方法」に近いかもしれません。


最後に「目的」と「ゴール」。

2つのどこが違うのか、曖昧すぎです。辞書的な意味だけでは、イマイチわかりません。

でも大丈夫、最後にはこれらの言葉のエキスパートになっているはずです。

「面倒くさいから……もういいや」な気持ちもわかるのですが、焦らずゆっくりやっつけていきましょう!

「目的」と「目標」の違いは?

とりあえず「目的」を決めてしまいましょう。
これは便宜上なので、何でもいいです。


「泣き虫な息子にちょっと大人の階段を昇ってもらう」

……お子さんは3歳ですか。

「目的」とは実現しようと目指す事柄。つまり「泣き虫なお子さんに少しだけ強い子に成長してもらうこと」を目指す、ということでよろしいでしょうか。


さて「目的」は決まりました。
ではどのようにすればその「目的」が達成できるのか。「泣いちゃダメ!」と怒ったりするのは逆効果。たぶん、大泣きです。


何か具体的な行動や道筋を決め、段階を踏んでそれらをクリアしていくことが必要となってきます。


「目標」とは「目的」に達するための過程、ステップのことを指します。ですので、複数の「目標」があっていいのです。それらを徐々にクリアし「目的」へと近づいていくわけですね。


「目的」は具体的である必要はなく、抽象的なもので構いません。

むしろあまり具体的すぎると「目標」はさらに具体的なものに、その数も多くなってしまうこととなり「目的」到達までもが遠くなってしまうのです。


とにかく「お子さんに強い子になってもらう」ことだけを考え、そのための具体的な「目標」を決めていきます。


ではまずは「お母さんの姿が見えなくなっても(10分間)泣かない」です。我慢できたら合格。この目標クリアには期限を設けましょう。1週間でいかがでしょうか。クリアできたら、次のステップに進みます。新しい「目標」をまた作っていきましょう。


「目標」の立て方のポイントは「具体的なものを、期限を決めその進み具合に合わせて」設定することです。


一つの「目標」がクリアできなくても「目的」を諦めることはありません。もしかしたら違うアプローチで目的に近づくことができるかもしれないからです。

「これより先にあれをクリア」など優先順位の高いものを見極めるのも重要。

「転んでも泣かない」のは難易度が高いので、その前に「ブランコを他の子が使っていても泣かない」を目標とする、などなど。要するに「目的」、今回の場合ですと「強い子」になるため乗り越えるべき試練、のようなものですね。


「目標クリア」のスピードは人によっても、その「目的」によっても変わってきます。

「目的」と「目標」の違いは、

  • 目的: 抽象的で目に見えないもの / 行き着く先 / 諦めないもの /「目標」の先にある物
  • 目標: 具体的に期限を決めると「目的」に近づきやすくなるもの /「目的」の過程 / その「目標」がダメなら他の「目標」を立てる(優先順位なども考慮) /「目的到達」のための行動や道筋 /「目的」があって初めて存在するもの
このようになります。


さて、お子さんはどの段階の「目標クリア」まで来ましたでしょうか?

「目標」の最後は「ひとりでおばあちゃんち(歩いて15分)まで泣かずにたどり着く」ことです。

じゃあ「ゴール」って何?「目的」との違いは?

最後の「目標」、これをクリアすれば「ゴール」です。

「目的」のゴールではなく、いくつか作った「目標」のゴールなのですね。


つまり今回の場合ですと、最終目標の「15分かかるおばあちゃんの家まで泣かずにたどり着ける」ようになること。


ここまで来るのにどのくらいの期間が必要だったかはわかりませんが「目標クリア」に必死で、ふと「あれ? ところで何でこんなこと息子にさせてるんだっけ?」となった時の答えが「目的」です。


つまり「息子さん強い子計画」が「目的」。
そのための数々の試練、クリアしてきた具体的な行動がそれぞれ「目標」、そして「ゴール」である「最終目標クリア」を目指すわけですね。

これをもちまして「息子さん強い子計画」は終了。と、同時に幾多の困難を乗り越えた息子さんは当初の目的「少しだけ強い子になる」も成し遂げたこととなります。


「ゴール」とは「目的達成のための最終目標」をクリアすること。

徒競走などでも「ゴール」しますし、サッカーやラグビーなどでも得点を入れることが「ゴール」です。

ですが「ゴール」は最終目標ではありますが「目的」ではないのです。

「目的」はあくまで「(順位を競い)走ること」「最終的に勝利すること」そして「息子さんに強い子になってもらうこと」です。「ゴール」も「目標」同様、「目的達成」のためにあるものなのです。

「方針」と「手段」の違いは?

さてさて、順調にお子さんは強い子への道(大人の階段)を突き進んでいるようです。

よかったです。


ところで気になるのは「強い子」にするためにどんなことをしたの? どうしてそのやり方にしたの? ということ。


「目標クリア」のためにとった方法と、大まかな方向性、といった感じでしょうか。それが「手段」と「方針」です。

第一ステップの「 お母さんの姿が見えなくなっても(10分間)泣かない」でお母さんのとった方法は?

「かくれんぼしよう!」と言って、そのまま10分間隠れ続けていたのですか……お疲れさまです。

でもそれで泣かなかったのですから、そのやり方は正解だったのでしょう。

これがお母さんが取った「お子さんを強くする」ための方法。「手段」です。

「方法」と「手段」は同義と捉えられがちですが、「方法」の方が「手段」より少し広い範囲をカバーしている言葉となります。

「方法」を具現化するためのやり方が「手段」。かなり具体的です。

「10分間は泣かない」ためにお母さんのとった「かくれんぼに誘い、お子さんにひとりぼっち感を味合わせないようテレビはつけっぱなしにしておき、お子さんからは見えないけれどお母さんからはお子さんが見える絶好ポイントに隠れる」などなどを指します。


最終目標の「おばあちゃんちに泣かずにひとりで行く」に関しましてはお母さんだけではなく「おばあちゃん」の協力も必要。


「あんた、3歳の子にひとりでここまで来させるなんて何考えてんの! おぉ、なんて酷い母親なんだろうねぇ」など見解の相違が見られる場合もあります。


ここで頼りになるのが「方針」です。


「経営方針」や「教育方針」などの言葉を聞いたことはありませんか?

「方針」とは「手段」のようにはっきりとした「これこれこういうことをこんな風にやる」といった感じではなく「こういった方向で行こう」というような大まかなもの。

それぞれの人が持つ「こだわり」や「考え方」とも言えます。「この目的のためでも絶対にこれだけはしない」「これだけは譲れない」など、目標達成のための拠り所となる大きな枠で括られた「どのようにやるか」という方向性ですね。
「手段」のようにはっきりと言葉で言い表せないものでもいいのです。

おばあさまの考え方では「3歳の子どもをひとりで15分も放っておくなんて信じられない!」に、ですがお母さまは「大丈夫なのよ、だって気づかれないように私、後ろから付いていくし、これは必要なことなの!」と考えています。

お互いにそれをわかってもらうのは難しいのですが、おばあさまとお母さまの「方針」の折り合いがついてこその最終目標クリア、となるのです。

ぜひ具体的な「手段」をおばあさまに説明し、そのために今までクリアしてきた「目標」の数々、そして「お子さんを少しでも強い子にしたい」という「目的」を理解してもらってください。


「手段」だけを話すと「なんで?」となることもあります。割とこのパターンは多いのです。

「これやろうよ!」だけを伝えても「だからさ、何のために?」になってしまいますね。

そこで「目的」を話し、そのための「目標」、そしてそれを叶えるための「手段」がこれなんだ、ということを明確にするのは大切なことなのです。

どうしておばあさまの家までお子さまをひとりで行かせる必要があるのか、「ゴール(最終目標)」からもう一度「目的」に立ち返り、また何のために今までいくつもの「目標」をクリアしてきたのかを振り返ることは「目的」達成へのモチベーションも高めてくれます。

「目的・目標・ゴール・方針・手段」はこうして使い分ける!

おばあさまの説得、最終目標クリア、ゴールまで漕ぎつきました!

お子さまはもう「今日おうどんイヤ~! オムライスがいい~!!」などと泣かない強い子になっているはずです。
「目的」到達、達成感はいかがですか? 大変過ぎて泣きたい気分ですか……それは困りました……


では、気を紛らわせるためにも、ここでもう一度「目的・目標・ゴール・方針・手段」のおさらいにいってみましょう。

それぞれの意味は?

  • 目的: 実現しようと目指す事柄(抽象的でOK)
  • 目標: そこに行きつくための行動や道筋を示したもの、またその目印とするもの(具体的なもの)
  • ゴール: 目的達成のための最終目標(具体的)
  • 方針: 目指す方向、物事や計画実行のおよその方向(大まかに)
  • 手段: あることを実現させるためにとる方法や手立て(かなり具体的)

より「具体的」なのは?

  • 「目標」と「手段」と「ゴール」
     →「目的」は抽象的で長期にわたって叶えていくもの。「方針」はおよその方向、どのように実現させるかの大まかな方向性のことです。

初めに「目的」あり! それぞれの関係は?

  • 「目的」と「目標」関係
     →「目的」あってこその「目標」。「目標」とは「目的」に到達するための目印となる道筋や行動のことです。「目標」をクリアしていくことで「目的」に近づいていきます。
  • 「目的」と「目標 / ゴール」関係
     → これをクリアすれば「目的」に到達できる、といった最後の目印が「ゴール」。「ゴール」までの通過点となる目印は「目標」。
  • 「○○したい(目的)」から「△△(ゴール)」目指して「××(目標)」や「□□(目標)」をクリアしてくぞ! といった関係ですね。
  • 「目的」と「目標 / 手段」関係
     →「目的」を達成するために立てた「目標」を実現するための具体的な方法が「手段」です。
  • 「目的」と「目標 / 方針」関係
     → どのような形で「目的」に近づいていくか、「目的」を達成するための「目標」に対する大まかな方向付けが「方針」です。

もう少しわかりやすい参考例とかってないですか?

えっと……では、毎年恒例の「お正月太り」を何とかしてみましょう!


何となく予感はあったものの、A子さんは体重計に乗ってやっぱりびっくり。

同窓会に穿いていくスカートも……このままじゃ、お腹が……

A子さんは6月の同窓会にそのスカートを穿いていきたいのです。このままではマズいのです!

    「よし! 同窓会までに、今まで通りのナイスなバディーを取り戻す!」A子さんは「レコーディングダイエット」と「週4日のおやつ抜き」を決意。

    同窓会前日までに「体重4㎏、ウェストはスカートに入るくらい」まで、とりあえずひと月ごとに「ウェスト0.5㎝」「体重1㎏」のマイナスを目指すようです。

    「ちょっと、そのやり方ぬるくない?」と言ったところ「だってカラダ壊しちゃったら意味ないじゃん」と返されてしまいました。



  • 「マイナス4キロ」の「ゴール」を目指し、
  • ひと月に「ウエストマイナス0.5センチ」「体重マイナス1キロ」の「目標」を掲げ、
  • そのための「手段」として「レコーディングダイエット」と「週4日はおやつを食べないこと」をチョイス。
  • なぜなら、きつめのダイエットなどの無理はしない「方針」だから。
  •  → このスカートを穿き、同窓会に颯爽と登場、という「目的」達成向かって頑張れ! A子!
こんな感じでいかがでしょうか。

終わりに……

とはいうものの、実際何かの「目的」に到達するための「これは手段」「あれがゴール」などと考えることは余りありません。


が「こうしなきゃ」「ああしなきゃ」と「目標クリア」のための「手段」にばかり気を取られ、本来の「目的」、本当に実現したかったことを忘れてしまう、ということはよくあることだったりもします。

決めた「ゴール」は、一体何を実現させるための「最終目標」だったのか、を思い返せば、きつい目標であっても案外頑張れるものなのです。

その「目標」や「手段」でうまくいかない場合には、他のものを試せばいいだけ。「目的」は諦めずに達成を目指してください!

いかがでしたでしょう。

似たような、また、何となくの意味だけはわかっていた5つの言葉。

皆さまのモヤモヤ解消のお役に、少しでも立てていましたら嬉しいです!!

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