人口の4分の1は65歳以上のご高齢者なのですね。
「高齢化社会」の問題等、色々と取り上げられるようになりましたが、身内や近しい人が健康で長生きしてくれるのは、やはり嬉しいことです。
さて、「デイケア」と「デイサービス」、しっかりと違いがあるのをご存知でしょうか。
また一昔前と比べると、現在の日本人は実際の年齢マイナス10歳くらいの見た目や健康を保っている、などとも言われています。
いつまでも元気で過ごしていてほしいものです。
とはいえ、やはり「介護」サービスを受けるご高齢者が増えていくのも、また仕方のないこと。
本当に身近に利用している方がいなければ、なかなか違いを知る機会のないこの二つ。
ですが、ご自身も含め、この2つについて検討する日が来ることは、高い確率であり得ることです。
健康で長生きするために、また、大切な方にそうであってもらうためにも、「デイケア」「デイサービス」の役割や仕組み、その違い等を知っておくことは、いざという時の安心にも繋がります。
併用することは可能か、また料金など、2つの違いについてご解説いたします。
転ばぬ先の杖、として、また何らかの杖の代わりとして、少しでもお役に立てれば幸いです。
目次
デイケアとデイサービスの違いを超簡単に
「デイケア」と「デイサービス」、どちらも介護保険を使ってのサービスとなるため、利用には「介護認定」を受けていることが条件となりますが、- デイケア → リハビリなどの医療系が中心
- デイサービス → 日常生活支援等、介護系が中心
朝、施設に来て日中を過ごし、夜(夕方)には帰宅、の日帰りで、ご家族がお留守の間を過ごす施設であることはどちらも変わりません。
どのような目的で利用するのか、がポイントとなってくるのですね。
では次に、それぞれの特徴を少し詳しく見ていってみます。
デイサービスとは?料金は?
♦新しいデイサービス ”学校”で認知症ケア
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=c6TQC9LJiUg&w=560&h=315]デイサービス = 通所介護、とも呼ばれます。
食事や入浴の支援、またレクリエーションや機能訓練などが行われます。
日常生活の支援を必要とされる方の通う、介護中心の施設です。
利用料金には介護保険が適用されますので、自己負担は1割。
ですが、施設の規模やサービスを利用する時間、内容(入浴サービスを受けるかなど)やそれぞれの自治体、その施設ごとの基準により、一律ではありません。
施設の規模が大きいほど(小規模:10名/日~大規模:30名/日)料金は低く(100円未満の差)、また、認定された介護度が高いほど料金は上がります。
以下、あくまで平均の目安ですが、中規模施設での例を挙げてみます。
- 要介護1:700円 / 日
- 要介護2:800円 / 日
- 要介護3:950円 / 日
- 要介護4:1050円 / 日
- 要介護5:1200円 / 日
プラス
- 食事代:500円
- 入浴介助:50円
- お菓子代:100円
- おむつ代:200円
サービスを受ける時間はだいたい一日6~8時間の日中のほとんどを過ごされるケースか、半日利用の3~5時間など。
料金のほかにも施設によって細かな違いがあると思いますので、事前のチェックも大切です。
レクリエーション等を通して、家の中では塞ぎがちになる気持ちや、孤独感などの解消と共に、日常生活の介助を目的とした場が「デイサービス」施設、となります。
デイケアとは?料金は?
デイケア = 通所リハビリテーション。入浴やお食事などの介護(日常生活支援)サービスは受けられますが、メインとなるのはやはり「リハビリ」です。
そのため、施設内には必ず医師や看護師がいる必要があります。
その他、
- 理学療法士(立つ、歩く、座る等の運動面を向上させるリハビリ担当)
- 作業療法士(精神面を含め、日常生活を送る上で必要となる、指を動かしたり着替えたり食事をする、などのリハビリを担当)
- 言語聴覚士(話す、聞く、言葉のコミュニケーションなど、言語、聴覚などの維持向上を目指したリハビリを担当)
「リハビリの専門家からの個別リハビリ」、「医師や看護師による医学的管理」が受けられるため、その分が介護サービス料に加算されることとなります(1日にプラス100~200円)。
介護予防も兼ねた施設なので、介護度の軽い方、また主治医の指示に基づいたリハビリなど、医学的な管理が必要な方向けのサービスとなります。
介護度とは?
「デイケア」「デイサービス」を受けるのに必要となる「介護認定」。介護保険を利用して受けることのできるサービスには、認定された介護度により、違いが出てきます。それぞれの介護度について、簡単に書いておきますのご参考になさってみてください。
- 要介護1: 立ち上がったり歩くことに若干の不安定さが見られますが、その他は概ね自立。ただ、日常生活を送る上で部分的な介助を必要とする場合が多いです。
- 要介護2: 自力で立ち上がったり歩いたりができない場合が多いです。その他の日常生活は何とか自立。いくつか部分的な介助が必要となります。
- 要介護3: 立ち上がったり歩いたりするのに介護を必要とします。日常生活でも全面的な介助が必要です。
- 要介護4: 日常生活を送る能力がかなり低下してきます。全面的な介助、または部分的に介助することが必要となってきます。
- 要介護5: 日常生活を送る能力が著しく低下。生活には全面介助が必要です。意思の伝達が困難で、いわゆる寝たきりの状態です。
- 要支援: 日常生活を送る能力は基本的にあり、自立していますが、一部に介護が必要となることも。要介護状態ではありませんが、社会的支援が必要です。
デイケアとデイサービスの詳しい違い&併用について
リハビリを主軸とした医療系の「デイケア」、日常生活支援等、介護系の「デイサービス」。では続いて、2つのサービスを比較しつつ、違い等見ていってみましょう。
「=」なに?
- デイサービス = 通所介護
- デイケア = 通所リハビリテーション
通う目的は?
- デイサービス: 日常生活の介助と、レクリエーション等を通して人とのつながりを持ち、ストレスや孤独感の解消も目指す。
- デイケア: リハビリにより、日常生活が送れるよう回復させること、またはその維持。
どこに通うの
- デイサービス: 特別養護老人ホーム / 高齢者在宅サービスセンター / 老人デイサービスセンター などの介護系施設
- デイケア: 医療法人の運営している病院やクリニックなどに併設された老人保健施設(老健)など、医療系の施設
何をするの?
- デイサービス: 食事、入浴などの日常生活支援とレクリエーションや機能訓練(医療行為はできません)。
- デイケア: 日常生活支援に加え、リハビリが主(医師やリハビリ専門職の方々がいるため、医療行為ができます)。
サービスを受けられる時間は?
- デイサービス: 3~5時間の半日のコースや、6~8時間の一日コースが一般的。ある程度の決められた時間ごとの区切りで利用するサービスです(1時間だけ利用する、や入浴サービスのみ受ける、といったことはできません)。
- デイケア: 入浴やリハビリのみ、など1時間未満での利用もできます。入浴やお食事、レクリエーションの時間以外に90分や3時間など、リハビリのコースが決められていることもあります。
どんな人に向いてる?
- デイサービス: 体調の管理を含めた日常生活支援を必要としている方に向いています。
→ 日常の生活に自力ではなかなか思い通りにならないことが出てくると、人は弱気になったり、ふさぎ込んだりしてしまうものです。リハビリの必要や医療面での特別な不安がないのであれば、日常生活支援とレクリエーション等で、他人とのつながりも保ちつつストレスの解消にもなる「デイサービス」がおすすめです。 - デイケア: 介護予防も兼ねているので、介護度の低い方、また医学的な管理が必要な方向けです。
→ 例えば脳梗塞の後遺症でうまく体が動かせない等、主治医の指示に基づいたリハビリが必要な場合には介護士の他に、医師・リハビリの専門職の方などがいる「デイケア」が向いています。
料金が高いのは?
デイケア > デイサービス です。→ 「デイケア」の主軸は「リハビリ」です。医師や看護師による医学的管理、また理学・作業療法士、言語聴覚士など専門職の方から個別のリハビリを受けるため、その分の料金が加算されています。
通えるのはどちらか1か所だけ? 併用はできる?
- 介護度が要介護1~5」の方なら、併用は可能です。
→ ご家族がお留守の何日間かを「デイサービス」で過ごされ、リハビリ等のために他の日に「デイケア」へ、また、入浴の利用に「デイケア」を利用し、一週間の入浴回数を増やす、などといった利用の仕方も可能です(デイサービスでは介護度により一週間の入浴回数などが決められているところがほとんどです)。 - 「要支援」の方は、どちらか一つ。 → 併用は「全額実費」となってしまいます。それぞれの地域やその施設ごとに細かい決まりなどの違いがありますので、利用前のお問い合わせをお願いします。
特に「要支援」の方を対象としているのは?
「介護予防デイサービス」や「介護予防通所リハビリテーション(デイケア)」等があります。「デイサービス」に比べ、看護師や理学療養士など、医療従事者が多く、またリハビリの整備も豊富な施設です。
「デイケア」「デイサービス」の基本は以上のようになっていますが、実際には各施設、運営者の方針などで様々な形態がとられている、というのが実情です。
事前に問い合わせ等、確認をし、ご本人、ご家族共に納得のいく施設を探してみてくださいね。
終わりに…
いつまでも元気でいたい、と思っていても、いつの間にか思うようにいかなくなることが増え、イライラしたりふさぎ込むようになったり。そのもどかしさは、まだまだ思い通りに体を動かせる私たちにも容易に想像はできます。「デイケア・デイサービス」の利用で、ご高齢者の方々が笑って過ごせる時間が少しでも多くなれば、と思います。
介護する側のご苦労も相当なもの。長く続けば、ため息の一つも吐きたくなるのは仕方のないことです。
2つの施設を上手に利用し、お互いが気持ちよく「頼り」「頼られる」介護生活が送れるよう願っております。
いかがでしたでしょう。
「デイケア」「デイサービス」、2つの違いや料金、併用しての利用など、多少なりとも参考となっていれば幸いです。
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