……でも、知っていても書けるんです。
「文章・段落・文・文節・単語」、確かにいちいち「これは『文』、これが『単語』」などと考えながらものを読んだり書いたり、ということはそうそうありません。
でも読めるし書ける。
こういうものほど、いざ「その違いは?」「どうやって区切るの?」などと聞かれると、何と言ってその場を立ち去るかにばかり頭を使ってしまいそうなレベルの面倒くささを発揮します。
書けるから、いいじゃん。
……じゃ、いっか。
……いやいや……
「文章・段落・文・文節・単語」、の違いをわかりやすく解説いたします。
例えば皆さまの読まれる本や雑誌。
そのどれを指し「文章」でどれが「文節」なのか、などなど、きっと違いを知れば無駄に区切りたくなること必至です(たぶん)。
中学時代に戻った気分で気楽にお読みいただければ幸いです。
目次
「文章・段落・文・節・単語」の関係と違い
ではまず、いろいろなものをいくつかに分けていってみましょう。例えば「1日」。
「朝・昼・夜」や、それをさらに分け「朝ごはんの時間」「掃除の時間」「寝る時間」、また「○○時~○○時」のように区切って考えることもできます。
これらすべてを含めて「1日」ですね。
続いて「車」。
「タイヤ」「ハンドル」「エンジン」などに分解できますが、それらの集合体が「車」です。
上記の「朝ごはん」も「パン」「目玉焼き」「牛乳」などバラバラのパーツが集まったもの。
では同じように日本語を分けて考えると?
これが「文章・段落・文・文節・単語」になるのです。
簡単に言いますと
「文章」を一番大きな単位とし、それを構成しているものが「段落・文・文節・単語」、順に小さな単位となっていきます。
つまり「文章」を「1日」という大きなくくりとして考えるなら、その中の「朝」や「昼」、または「○○の時間」「〇時~〇時」などに当たるのが「段落・文・文節・単語」です。
分解して、どんどん小さな単位に細かい区切りのものにしていく感じですね。
あくまで「感じ」ですが、これらが協力し合って一つの文章を作り上げていくわけです。
ですので「文章」とはその大もと。
これがないと始まりません。
考えや気持ちなどを伝えようと文章を書いていくわけですので、当然一貫したテーマがあります。
手紙や作文、小説などに綴られているのがこちらの「文章」ですね。
どのように書けば読み手にその考えや気持ちが伝わりやすいか、を踏まえて書いていきます。
そして何を伝えたいか。
一貫したテーマはありますが、それを伝えるにはいくつもの角度からのアプローチと、それらをそれぞれにまとめて書いくことが必要となります。
「雨が降っている日に自転車で海まで行って、泳いできた」でも話は伝わりますが、事実しか伝わりません。
そこで「海に行ってきた」「移動手段は自転車」「その日は雨だった」「でも泳いできた」「なぜなら、もうとっくに濡れてるから」などとパーツごとに分けて伝えていくわけです。
本などを読んでいると、書き出しの文字が1段下がっている部分があります。それが「段落」の合図。
まずは初めに「海に行ってきた」ことに関するあれこれをひとまとまりとしてまとめていきます。このひとまとまりが「段落」。
そして次の段落で、今度は「移動手段は自転車」に関してまとめます。さらに次の段落では……と続けていくのですね。
「段落」とは一つの文章の中の
「内容ごとに分けられた一つずつのブロック」のようなもの。
段落を分けることにより「ちょっと話変わるよ」といった感じになるのです。
ではその「段落」は何からできているか。
「文・文節・単語」と細かく分かれたそれぞれから成っているのです。
続いて「段落」に次いで大きな単位の「文」。
「文章」ではなく「文」です。
これはわかりやすく覚えられるのですが
「。(句点)」から「。(句点)」までのひと続きで表わされたものを指しています。
これらが集まり一つの「段落」となり、最終的には「文章」となるのですね。
では「文」には何が含まれているか。
多くの方、その通りです!!
「文節」と「単語」ですね。
ここが一番わかりにくいかもしれません。
後に詳しく述べますが
「。」から「。」の「文」を意味がわかる範囲でできるだけ小さく区切ったものが「文節」。
ですので、「読めば意味がわかる言葉」が一つ入っていることが条件。何を言っているのかわからないものは「文節」にはなれません。
そして最小単位の「単語」。
このポイントは「辞書」です。
「調べられる言葉」の範囲で区切っていったそれぞれが「単語」になります。
予想以上に面倒くさそうな予感が……
うーん。
面倒くさいかも……でも、覚えてしまえばそれほどでもない……かも。
皆さま一度は中学校時代に習っているはずなのです。
中学生以下の方も、いずれ普通に授業で習う範囲なのです。
だから大丈夫。
では「文章・段落・文」グループと「文節」「単語」に分け、その違いや区切り方などを少し詳しく見ていってみましょう。
複雑そうな顔をしなくても本当に大丈夫です。相手は日本語。母国語です(その文法ですが)。
「文章・段落・文」とは?
さて、犯人がいて、さらには「犯人っぽいぞ」という登場人物も創り、まんまと騙される間抜けな刑事がいて、最終的に颯爽と事件の謎を解くのは探偵役の引退した警察犬、という推理小説を書きましょう。……とりあえす、書くことにしてください……話が進みません。
では。
まずは出だしの一文。ここから始まりですね。
-
「ポワロの朝は早い。これまでの生活がしっかり身についてしまっているのだ。引退したからといって、急にのんびりした性格になれるわけではない。」
そして改行。
次の行の1段目は一文字分、下がっています。
-
「ふと隣を見ると、大きな口を開けてイビキをかきながら眠ってるご主人の姿。おいおい、あんたはまだ現役だろうに。」
「ポワロ」には「ご主人」がいる。ということは引退した「奥さん」か? って何から引退? いやいや、そもそも奥さんの名前「ポワロ」って……しかも口、悪すぎじゃないか?
のように読んでいる人は思い、そして話は進んでいくわけです。
これらが「段落」。
始めの段落では「ポワロ」の朝の様子とこれまでの生活が規則正しかった、ということの紹介のようなもの。
続いての段落では、そんなポワロが見たその日の朝の光景とそれに対して感じたこと。
それぞれの段落ごとに内容が変わっています。
段落を変えることなく続けて書いてしまうと、少し読みにくい。
-
「ポワロの朝は早い。これまでの生活がしっかり身についてしまっているのだ。引退したからといって、急にのんびりした性格になれるわけではない。ふと隣を見ると、大きな口を開けてイビキをかきながら眠ってるご主人の姿。おいおい、あんたはまだ現役だろうに。」
-
「ポワロの朝は早い。」
「これまでの生活がしっかり身についてしまっているのだ。」
「引退したからといって、急にのんびりした性格になれるわけではない。」
「ふと隣を見ると、大きな口を開けてイビキをかきながら眠ってるご主人の姿。」
「おいおい、あんたはまだ現役だろうに。」
この一つひとつを「形式段落(いわゆる『段落』)」、内容的に似通った「形式段落」をいくつかまとめて大きなまとまりの区切りとするものを「大段落(意味段落)」といいます。
が、一般的には「形式段落」=「段落」。
そしてこの「段落」の中の「。」から「。」までの区切りのそれぞれが、すべて「文」です。
段落中の内容は続いてはいますが、句点から句点のまとまりは、それぞれに別物。「ポワロの朝が早い」のは「これまでの~」と句点をつけずに続けるのであれば、それが一つの「文」となります。
どこで句点をつけるか、のチョイスはセンスですが、やはり一つの文がやたらと長いのも読みづらくなるのです。
適度な長さで句点で区切ることが読みやすい文章を作るうえでは大事。
また句点の代わりに「?(疑問符)」や「!(感嘆符)」にする場合もありです。
要するに「ひと続きの区切り」の役割を果たすものであればいいのですね。
「文」とは「まとまった内容を表わすひと続きの言葉」です。
そこでいったん休憩しても、とりあえず気持ちの悪くならないレベルのまとまった意味を持ったもの。
「ふと隣を見ると」の段階でトイレに立つ人は通常たぶん、いません。なぜなら先が気になるから。
「『大きな口を開けてイビキをかきながら眠ってるご主人の姿。』なるほど、ご主人ね。よし、トイレ行こう、続きはそのあと」な感じでねす。ポワロがその後「おいおい」と思うかどうかはトイレの後でもいいのです。
それが「文」の役割。とにかく近々の気になる「続き」を完結です。
「そういえばさ」の後、いきなり黙り込まれてしまったらイヤ。とりあえず「さっき散歩中の犬が段差で転んだの見ちゃったんだ」くらいまでは言ってほしい。そこまで話してくれたら句点を打っても良し。これが「文」です。
そして「昨日あった面白いこと」についてをまとめ、区切りをつけているのが「段落」。
話すのと書くのでは若干異なりますが、ニュアンス的にはそういうことなのです。
つまり「文章」を構成しているものを細かく分けた「言葉(言語)の単位」の中で、
- 文: 句点から句点までで示される「まとまった内容の一続き」
- 段落: 書き出しを1文字分下げたところから次の同じく1文字下げた書き出しまで続く「『文章』単位で見た場合の、続く内容ごとにまとめられた1ブロック」
「文」が「段落」を作り、その段落がすべて集まった、小説でしたらはじめから終わりまでが「文章」となるわけです。
ですので、内容が全く繋がっていない文章というのはありえません。
一つのまとまったテーマが必要なのですね。
それをよりよく書きたい(伝えたい)がために、段落ごとに分け(まとめ)、区切りのいいところで句点を打ち、読みやすい文章を目指すわけです。
日記などですと、書きたいことを何の脈絡もなく書き連ねていくことはありますが、そういった場合では、各テーマごとが「文章」。
その日一日分をまとめて一つの文章、とは厳密にはならないのです。でもいいのです。特に人に見せないことが前提のものであれば何も問題なしです(そもそも日記とはそういう性質のものです)。
が、誰かに読んでもらうことを前提としたものであれば、それはいくつかの内容を持つ、いくつもの文章の集まり、もしくは箇条書きとしてはありですが、1つの文章とされることはないものなのです。
「文節」とは? 区切り方は?
「文章・段落・文」は目印となるものがあるので、案外わかりやすい。「段落」では「1文字下がった書き始め」、「文」には「句点(。)」ですね。
さて、ここからが少し難関。面倒くさいです(ちょっとです)。
句点から句点が一つの「文」、先ほど書きました通り、それを意味の分かる範囲でさらに細かく区切ったものが「文節」です。
-
「消えたタイ焼き。ポワロの自慢の鼻は犯人のにおいを正確にキャッチしている。」
「文節」ではそれをさらに分けていきます。
正解から書いてしまいますが、
-
「消えた / タイ焼き」
「ポワロの / 自慢の / 鼻は / 犯人の / においを / 正確に / キャッチ / して / いる」
なぜこうなるのか、が問題ですね。
いくつかポイントがありますので、ひとつずつ見ていってみましょう。
※「ネ(・サ・ヨ)」で区切る!
文中に「ネ・サ・ヨ」を入れて読んでいき、日本語としておかしくなければ、そこが「文節」の区切れ目となります。小さなお子様に話す時の要領です。
「消えたネ」「タイ焼きネ」「ポワロのネ」「自慢のネ」「鼻はネ」「犯人のネ」……
といった感じですね。場合によっては「サ・ヨ」でもOK。「においをサ」「いるヨ」などとなります。
ではなぜ「ネ」などで区切ることができるのか。
それは区切られた文節ごとに「自立語」というものが必ず一つ入っているため。
そのおかげで、日本語としてそこで区切っても不自然でないものとなるのです。
※「自立語」に注目!!
「自立語」とは何か?助詞や助動詞などの付属語以外のものがすべて「自立語」となります。
つまり「名詞・動詞・形容詞・形容動詞・副詞・連体詞・感動詞・接続詞」の8つ。
8つ、と言われれてもピンとこないかもしれませんが、要するに「付属語」ではないもの、です。
「付属語」とは「てにをは」などとも言われますが、ほかの言葉の後にくっついている文字のこと。
それ自体に意味はなく、例えば「ぼくは」の「は」や「頑張るぞ」の「ぞ」などの「助詞(活用しない)」と、動詞の後につく「頑張った」の「た」や「やらない」の「ない」などの「助動詞(活用する)」のことを指しています。
「自立語」同士の関係を示したり(~は~だ)、過去のことであることを示したり(~だ「った」)、否定の意味を表わしたり(~ない)する役割のもの。
いうなれば名脇役といったところですね。
そして主役が「自立語」。
ですので「文節」が「意味の分かる範囲」であるためには、意味を持つ主役級の「自立語」が必ず一つ入っている必要があり、また複数入っていてはダメなのです。
意味同士がケンカをしてしまいます。主役はプライドが高い(2つ以上の文節が一つとされる「連文節」というものもありますが、それはまたちょっと話が別。これの一番大きなものは「文」です))。
そして、その一つの「自立語」のおかげで、その「文節」は日本語としての意味を保っていられるのです。
よって「文節」には必ず一つだけ「自立語」が入り、日本語として意味の分かる言葉であるため、間に「ネ」を挟んでも違和感なく伝わるもの、となります。
大事なのは「自立語」。付属語が文節中に入っていない「タイ焼き」などもありです。
ここまでが基本です。
続いて文節分けの「とりあえずそういうことになっている」的に覚えておくポイントにいってみましょう。
※「て・で」は文節の切れ目
上記のポワロの「キャッチしている」、ほか「チャレンジしてみた」や「もう雨が止んでいる」などの「~ている」「~てみた」「~でいる」などの場合ですね。「て・で」の後に続く「いる」や「みる」にはもともと本来の意味「居る」「見る」がありますが、そのようには使われていません。「チャレンジして何かを見た」「雨が止んでそこに居る」わけではありません。
このような動詞のことを「補助動詞」といいますが、これらは「自立語」。
「している」で一続きの言葉のようにも思えるのですが、「いる」「みる」は「補助動詞」、動詞の一種で付属語とはならないため、その前の「する(して)」「止む(止んで)」と一緒の文節には入れないのですね。
ですので文節は「して / いる」「して / みる」「止んで / いる」と分けられます。
そしてその一つ前の文字に注目です。
ほとんどが「て・で」になるのが補助動詞の特徴。
よって「て・で」を見つけたら区切る、です。
そして似たようなものに「形式名詞」というものがあります。
補助動詞の「名詞」バージョンです。
続いてはそちら。
もうじき終わるので頑張ってください!!
※「こと・とき・もの・ところ・ころ・ため・ほう」は1文節に!
上記のものなどが「形式名詞」。本来の意味「事・時・物・所・頃・為・方」として使われていない場合には(大抵ひらがな表記になっています)、「補助動詞」の時同様、一つの文節を作ります。
なぜなら「形式名詞」は「名詞」の一種。付属語ではないからですね。
「イヤなこと言わないで」でしたら「イヤな / こと」、「そのときはよろしく」なら「その / とき」といった感じです。
「本来の意味」でない使われ方が「補助動詞」ともにポイント。動詞につくか名詞につくか、の違いですね。
その目安となるのが「て・で」と「こと・とき・もの・ところ・こと・ため・ほう(ちょっと多いですが)」、理屈と一緒にこちらも覚えておくと便利です。
さてさて、ここで一応「文節」についてその区切り方についてはおしまい。
ですが、まだ「単語」が控えていました……
お疲れ気味の方は、ぜひここで休憩などをお取りください。キリがいいです。
そして、「単語」も若干、面倒くさいです……
大丈夫ですか?
では元気出して「単語」に行ってみましょう!!
「単語」とその区切り方
「文節」よりさらに小さな単位の「単語」。こちらが最小単位です。もうこれ以上は細かくならない、区切れない限界です。
ブツブツと細切れにしていきましょう。
ただし、意味のある細切れです。「ポワロ」は「ポ」「ワ」「ロ」とはなりません。何と言いますか、これでは非常に凄惨な感じになってしまいます。本当に細切れてはダメなのです。「ポワロ」は「ポワロ」。「明日」も「明日」。ですが「犯人がわかった」は「犯人 / が / わかっ / た」なのです。そしてさらに「推理を間違えた刑事は何事もなかったように立ち去って行った」の後半部分では「立ち去っ / て / いっ / た」なのです。
……もういいや。放棄……
大丈夫、ただの「単語マジック」です……
「車」や「時計」などの名詞ですとわかりやすいのですが「わかった」や「立ち去って行った」などはちょっとやっかいですね。
はじめの方にも書きましたが、ポイントとなってくるのは「辞書」。
「わかった」の意味を調べたいときにはどうするか、です。
「わかった」という言葉は辞書に載っていないのです。
辞書に載る言葉とは、つまり「単語」。
では「わかった」とは何なのか。
簡単に言えば「わかる」という「単語」に「た」がついて変化した言葉です。
ですので「単語」として成立している「わかる」をまず取り出し、その余りの「た」、つまり「わかっ」「た」となるわけです。
「行った」なら「行く」プラス「た」ですね。ですので「行っ」「た」。
そして「立ち去って行った」これはまたちょっと特殊。
「立つ」と「去る」に分けたい気もするのですが「立ち去る」で一つの言葉。
「立つ」だけでも「去る」だけでもなく「立ち去る」という行動を起こしているのです。
このような言葉を「複合語」と言います。少し特殊な例ですが、ほかにも「奮い起こす」「飛び立つ」「取り囲む」などなど結構あるのですね。
「奮う」だけ「飛ぶ」だけ「取る」だけではなく、そのあとの言葉を受けることにより「奮い立つ」など、その状況が成立するような言葉が「複合語」です。
2つの言葉(単語)から成るものですが扱いは1つとされます。
基本的にはこのような感じになるのですが、単語を区切る際にもコツがいくつかありますので、「文節」のとき同様、それぞれに見ていってみましょう。
※まずは「文節」に分ける!
-
「こうして事件は終わった。ポワロは今日も行く。事件のあるところ、そしておもちゃのボールのあるところを求めて。」
分けてみましょう。
-
「こうしてネ」「事件はネ」「終わったヨ」
「ポワロはネ」「今日もネ」「行くヨ」「事件のネ」「あるネ」「ところ(上記の形式名詞)」「そしてネ」「おもちゃのネ」「ボールのネ」「あるネ」「ところ(形式名詞)を」「求めてサ」
-
「こうして」「事件」「終わった(※)」
「そして」「ポワロ」「今日」「行く」「事件」「ある」「ところ」「そして」「おもちゃ」「ボール」「ところ」「求めて(※)」
そして分けられた方も「一つの単語」。
これはまぁまぁ、わかりやすい。
ですが「※」の「終わった」「求めて」は、このままでは「単語」として辞書で調べることができません(この形では載っていないから)。
「終わる」「求める」に直してあげましょう。「終わる + た」「求める + て」ですね。
ですので「終わった」は「終わっ / た」、「求めて」は「求め / て」と分けられるわけです。
「こうして」「そして」は「接続詞」です。「接続詞」は「自立語」。ノリ的には「名詞」などと一緒。「付属語」ではないので、これ以上細かくすることはできません。
ややこしいのは文節では分かれず、単語としての場合のみ分けられる、「ひらがな1文字」などの場合ですね。
以下に、そのコツを挙げていきます。
※「ひらがな」の区切り方のコツ!
♦中1国語⑤「単語」|5分で分かる動画授業
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=HOy6oHacMno&w=560&h=315]よく使う言葉で……では「使う」を例に見ていきましょう。
後につけることにより、「使う」の意味を変える言葉がいくつかあり、単語としてそれらは「区切ることができる言葉」とされています。
その代表的なものが「た・て・ます・です・ば・ない・う」。
どのように分けられるかは以下の通りです。
- 「ハサミ使ったら元の場所にちゃんと戻しといて!」の「使った」
→「過去」を表わしています。「今使う」のではなく、「さっき使った」の意味に変わり、分け方は「使っ / た」(た) - 「よし、この食材を使おう!」の「使おう」
→「勧誘」の意味に変化。「使うこと」と決まっているわけではなく「これでやってみようか」な感じになります。「使お / う」(う) - 「何があってもこの1000円札だけは使わない」の「使わない」
→「否定」ですね。「使う」ことはしない、になります。「使わ / ない」(ない) - 「大切に使いますので、貸してください」の「使います」
→「丁寧」になります。「使い / ます」(ます、またはです) - 「使えばこの良さ、絶対わかるって」の「使えば」
→「仮定」の意味が付け加えられます。「使ってみれば」わかるそうです。「使え / ば」(ば)
もともとの「使う」を変化させている言葉、上記の「た・て・ます・です・ない・ば・う」などを見つけたら、そこは区切りのポイント。文節では分かれてしまうと意味が変わってくるため分かれませんが、単語では分かれます。
ここを押さえておくと、単語の区切りがだいぶ楽になります。
これはお気づきの方もおられるかと思いますが、文節のときにも出てきた「付属語」、助動詞ですね。
また、イレギュラなものでは「名詞」プラス「~する」といった言葉。これらは一つの単語とみなす、とされています。
「愛する」はじめ、これも結構あります。「勉強する」「研究する」「向上する」などなど。
そして先ほども書きました「複合語」ですね。「立ち去る」なども1単語としてカウントです。
「単語」の区切りのポイントは、
まず文節ごとに分け、その中から意味を持った主役級の言葉と、それにくっついているものとを分け、さらに辞書に載っているような元の言葉が変化しているものに関しては分解して考える、です。
文節ではくっついたまま一つとされる「付属語」は、単語では分けられるのですね。
面倒くさい部分もありますが、必ずコツがつかめてきます。
ここはファイトあるのみなのです!
「文章・段落・文・文節・単語」、違いのまとめ🎶
文章書くのって、恐ろしく面倒くさい……いえいえ、面倒くさいのは文法です。
知っていると、読みやすい文章が書け、テストでいい点が取れるだけです。知らなくっても文章自体は書けるのです。
が、ここまできたので、ざっとおさらい。
今までのことを軽くまとめていきます。
それぞれの違いと関係は?
どれも言葉(言語)の単位。大きい単位のものから順に「文章・段落・文・文節・単語」です。
そして、一つの「文章」を作るために、
- 「段落」: 「文章」を内容で分けたブロック
(が、あり、その「段落」は →) - 「文」: 句点から句点までの、まとまった内容を表わすひと続きの言葉
(で、できていて、その「文」は →) - 「文節」: 意味の分かる範囲でできるだけ小さく区切ったもの
(で、分けられ、その「文節」を →) - 「単語」: 意味を持つ言葉で、これ以上短く(細かく)ならない最小単位
(が、さらに分けている)
そしてこれらから成る「文章」とは、
- 「考えや気持ちなどを伝えるために書かれる、一貫したテーマのある、まとまった内容を表現したもの」
それぞれの「違い」はそれほど難しいものではありません。
区切り方、特に「文節」と「単語」がややこしいのです。
終わりに……
文法、恐るべし。本当にこんなことを中学時代に勉強していたのでしょうか。
中学生の頃の方が、頭がよかったのかもしれません。
中学生の自分も、恐るべし……
ややこしいですが、文法とは一種の法則です。
一度理屈で覚えてしまえば(もしくは、思い出してしまえば)案外てこずらなくなるもの。
たぶん、これより数学の高度な方式などの方がやっかいなはず、何せ相手は数字とアルファベットです。
さてさて、いかがでしたでしょう。
「違い」と言っているのに、ついつい「区切り方」に熱くなってしまいました……
皆さまのモヤモヤ解消と、懐かしい中学生時代を思い出して……いる場合ではなかったかもしれませんが、少しでもスッキリとしていただけていましたらうれしいです。
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