こんな『違い』があったんだ!

【行政書士・司法書士・社労士・税理士】の違いを比較! 難易度はどうなの?

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……「税理士」しかわからない……しかも、それさえ「税金関係の仕事」としかわからない……
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確かに、あまり普段の生活で関わることはないかもしれない「行政書士・司法書士・社労士・税理士」の皆さん。


いざという時が来たら本当に頼りになる皆さんでもあるのですが、

「こんな時には誰に相談すればいい?」

「資格を取りたいんだけど、難易度ってどのくらい? 相当高いって聞くけど、どれが一番難しいの?」

「そもそも、どんな職業なんだ?」


などなど、疑問もてんこ盛りです。


「行政書士・司法書士・社労士・税理士」について解説いたします。難易度も比較してみましょう。

皆さんの今後の「いざという時対策」のお役に立てれば幸いです!
目次

「行政書士・司法書士・社労士・税理士」の大きな違いはココ!

上記4つはみな「士」の文字が付く「士業」と呼ばれる職業。

「士業」とは法律に基づいた専門知識をそれぞれに活かし「業務の代行」を目的とする職業のこと。国家資格です。他にも「弁護士」や「公認会計士」などがありますね。

この時点ですでに難しそうなイメージが押し寄せてきています。実際にどの試験も難易度は高いです。

さて、大きな違いとなるのは、それぞれに何を専門分野としているか、というところ。

まずはその部分「何の専門家か?」は以下のようになります。

  • 行政書士: 法律に則った書類作成や申請などの代行
      → 管轄は「総務省」。行政書士法に基づいた自治体や警察署への手続きが主となります。
  • 司法書士: 法律に則った書類作成や申請などの代行
      →「法務省」の管轄で司法書士法に基づき、法務局や地方法務局への手続きを主な業務としています。
  •  ➡ この2つは同じ「書士」。「書類作成などの専門家」です。

  • 社労士(社会保険労務士): 労働社会保険に関わる業務
  • 税理士: 税金に関わる業務
  •  ➡「税理士」は個人・事業主ともに代行手続きを行いますが「社労士」は主に事業主の代行業務に限られます。が、年金記録問題が起きたことにより、最近では個人の年金申請手続きの代行も多く行うようになってきています。

……何となく、わかったような、わからないような……

では続いて「行政書士・司法書士」と「社労士・税理士」に分けて、それぞれの特徴、違い等を比較していってみましょう。

「行政書士」とは?「司法書士」はココが違う!

♦行政書士の仕事をのぞいてみましょう!
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=ix3fWLxdY_E&w=560&h=315]
どちらも「士業」であり「書士」でもある「行政書士」と「司法書士」。

法律に基づく専門知識を活かし業務の代行をする、書類作成の専門家です。

この2つの違いは、作成した書類の提出先。

先ほど書きました通り管轄が違うため、取り扱える分野が異なってきます。


「行政書士」の書類の提出先は主に行政機関。各省庁や都道府県庁、区役所、警察署などですね。

個人や企業に代わって、届け出義務のある書類を作成したり提出したりするのが主な業務となります。

  • 会社設立の書類作成
  • 契約書作成
  • 事実証明に関する書類の作成、代理
  • 飲食店営業許可の手続き
  • 特許申請
などなど、それら法律書類の種類は10,000種を超えます。

中でも「相続」「外国人関連業務」「産業廃棄物関連業務」は、今後ニーズが増えていくと予想されています。


少子高齢化や環境問題、国際化する労働市場など、世の中の動きに合わせ、必要とされる分野も変わってくるのですね。

「行政書士」も「司法書士」も「独占業務」です。同じ「士業」であっても、それぞれにできる業務とできない業務があります。


「行政書士」のみにできるものには、

  • 役所に対する各種許認可手続き
  • 自動車に関しての手続き
  • 外国人に関する手続き
などがあり「司法書士」と業務が被ることもありますが、例えば同じ「相続」の手続きでも「行政書士」にできるのは「亡くなった方の戸籍謄本を収集し相続人の調査と確定すること」そして「遺産分割協議書の作成」を行うことまで。


「司法書士」は「~調査と確定」「遺産分割協議書の作成」も含め、その後の、亡くなった方の所有していた土地や家などの名義を変更する「相続登記」また「相続を放棄する場合の手続き」「家裁に対しての調停、審判の申立書の作成」まで行うことができる等、行える業務の範囲は異なります。


また「会社設立の業務」も「法務局(登記所)での登記」ができるのは「司法書士」のみ。「行政書士」は「定款の作成、公証人役場での認証手続き」までです。前者の業務は「司法書士」も行うことができるので、初めから「司法書士」に依頼、というパターンが多くなります。「相続」の場合も同じですね。


その「司法書士」の主な仕事は、何となくお気づきかとも思いますが「登記業務」です。

「不動産登記」や「商業登記」などですね。

その他、

  • 債権譲渡登記
  • 動産譲渡登記
  • 成年後見業務
  • 委託業務
  • 帰化申請
などもあります。


また「裁判事務」などの業務もあり、裁判所に提出する訴状などの法的書類の作成も任されています。

昔に比べ「司法書士」の業務の範囲は広がる傾向にあり、それに一役買ったのが平成15年に実施された「認定司法書士制度」です。

この制度は、研修を修了し「簡易訴訟代理能力認定考査」に合格すれば「認定司法書士(法務大臣認定)」として簡易裁判所では弁護士と同様の業務を行うことができる、とするもの。「簡易裁判所の代理関係事務」ですね。


すべて同じようにできるわけではありませんが「訴訟額140万円までの民事事件」に限り民事訴訟の代理人を務めることができるのです。


また「成年後見制度(平成12年から)」も現在の高齢化社会の中では重要な業務の一つとなっています。
認知症や障害などにより、ご自分の財産などに対する判断が難しい場合、本人に代わり権利を守ろうとする業務です。

先ほど挙げました「相続」や「遺言」の作成やそれらの手続きなどでも今後の活躍が期待されています。


同じく「書類の作成、提出、手続」などの代行業務の2つ。

違ってくる提出先などは、

  • 行政書士:「役所」等に提出する書類の作成、提出を個人や企業に代わって代行、が主
  • 司法書士: 提出する書類の作成や手続きは、主に「法務局(登記所)」や「裁判所」
となり、その書類は、

  • 行政書士: 行政書類(の作成、申請手続き等を代行)
      → お店の開業や建設業の営業許可などを各省庁、都道府県庁、市・区役所、警察署などの官公庁に提出する許認可の書類の作成が中心。また他の士業で禁止されていない許認可、権利義務、事実証明に関する書類であれば作成・手続きの代行が可能です。
  • 司法書士: 法律に関する書類(の作成、手続き代行)
      → 裁判所、検察などに提出する書類や不動産(商業)登記が専門
大まかに言いますと、こんな感じです。結構違いますね。


作成できる書類の種類が豊富なのは「行政書士」。個人登録数もおよそ2倍となっています。

「社労士」とは?「税理士」との違いはココ!

「書士」ではありませんがこちらの2つも「士業」。

「社労士(社会保険労務士)」は主に「企業と顧問契約に関する」仕事を、「税理士」が扱うものは「租税(国などが強制的に徴収する税金)」、つまり「税務」に関する仕事です。
  • 社労士: 事業主が「社会保険事務所」や「公共職業安定所」に提出する書類の作成、手続代行   → 手続き代行などは「事業主」に限定。本来なら個人は対象にはならない(労働社会保険は事業主に加入義務があるため)のですが、最近では先程も書きましたように個人の「年金の請求手続き」なども増えてきています。
  • 税理士: 個人や法人が税務署に提出する書類の作成、手続き代行   → 個人でも、不動産を所有していたり、フリーランスで働く人が対象となるため「法人」のみならず「個人」の手続き代行なども行います。
少し具体的に仕事内容を挙げてみます。

  • 社労士: 社会保険・雇用保険・健康保険・年金保険など、社会保険諸手続きの事務代理、提出書類の手続き代行 / 人事や労務などに関しての相談(コンサルティング) / 職業規則作成 / 給与の計算、作成等、帳簿書類を作成 など
  • 税理士:  納税者の代わりに税金の申請をする「税務代理」/ 税務署に提出する書類を作成する「税務書類」/ 確定申告の際などに払いすぎや不明点などの相談を受ける「税務相談」/ 遺産相続や不動産を取得した場合の税務書類作成 / 税務調査の立ち合い など
「社労士」は主に「労働社会保険」に関わる業務。
「税務士」はそのまま、ずばり「税金」に関わる業務、となっています。


「労務士」の扱う「社会保険」は老齢やケガ・病気、失業や災害などを保証してくれる大事なシステム。「税理士」の扱う「税金」はゆくゆくは自分たちに返ってくるもの。色々な公共サービスなども「税金」が納められなければ受けられないものです。


2つとも大切なお仕事なのですね。

難易度は?

さてさて、難易度です。


これから資格取得を! という方には特に気になる問題かもしれません。

難しさの違いの前に「行政書士」と「司法書士」には「受験資格がない」ことをまずは挙げておきます。


「行政 / 司法書士」として登録するのは20歳以上から、となっていますが、試験を受けるのには年齢も学歴も関係ないのですね。ちょっとびっくりです。

これは合格率等を比較する上で、覚えておいた方がいいポイントになります。


そしてもう一つのポイント。試験方法や合格の基準にも違いが見られます。
  • 行政書士: 一定の点数以上で合格、の絶対評価
  • 司法書士: 上位の〇%が合格、といった相対評価
  • 税理士: 記述式
  • 社労士: 選択問題
そして「税理士」のみ、合格には何年かけてもよく、合格点に達したものが所定の5科目となった時点で資格取得となります。


このように色々と合格率に違いが出てきそうな違いがあるのですが、一般に、


税理士 > 司法書士 > 社会労務士 > 行政書士(難易度の高い順)

と言われることが多いようです。が「司法書士」と「税理士」の位置を入れ替える考え方もあり、上記の点からも「この順番で正解」というものを決めることも難しいのですね。


ですので、あくまで参考まで、とお考えいただきたいのですが、合格率に関しての比較は、一応以下のようになっています。

  • 行政書士: 合格率の変動が激しい傾向にあり、最近では7~8%前後   → 受験者数は平均3000人程。合格のラインは40~50%
  • 司法書士: 合格率は安定していて、大体2~3%前後   → 受験者数の平均は800人ほど。合格者は70%越えの正解率
  • ➡そのため「行政書士」の試験には独学で合格する人も多く、「司法書士」の資格取得を目指す人は専門の試験予備校(スクール)に通うことが多いのです。
    これらのことからも「司法書士」の難易度の方がずっと高いことがわかります。
    ただし、平成18年を境に「行政書士」の試験は劇的に難しくなりました。試験の対策が立てにくくなった、と言われています。

  • 社労士: 合格率は大体7.5%前後
      → 短期間(6か月)で合格を! という予備校もあるそう。時間、費用共に、そこまでかけることなく合格が目指せます。
  • 税理士: 1科目の合格率で12%前後。それを5科目クリアしなければなりません。5科目を同時合格する人はほとんどいません。
      → 市販されている教材なども少なく、受験予備校などに通うのは必須。合格後も一人前になるには実務経験を何年も踏む必要がある、とされ、難易度はかなり高め。

4つの「士業」はこんなに違う!

う~ん。
合格率を見ると、難易度低め、と言われているものでさえ、恐ろしく難しい気がしてきます。


資格取得を目指している人、またはその職業についている人というのは、要するにそういう人なのでしょうか。

いわゆる「すごく賢い人」……羨ましいです。

さてさて、気を取り直して、ここでもう一度「行政書士・司法書士・社労士・税理士」の簡単なおさらいと、今後のニーズなどについてまとめていってみましょう!

どんなお仕事?

  • 行政書士: 法律に則り、各省庁や都道府県庁、市、区役所、警察署などの官公署に提出する書類の作成や申請手続きを、個人や企業からの依頼で代行して行うお仕事です。主な業務は多岐にわたる種類の「書類作成」。 
  • 司法書士: 個人や企業からの依頼で法律に関する書類作成や手続きの代行を行います。主な業務は「登記」「裁判事務」「委託業務」「成年後見人業務」など。書類の提出先等は「法務局(登記所)」や「裁判所」等。
  • 社労士: 社会保険諸手続き業務の代理や提出書類の手続き代行、給与計算など帳簿類の作成、人事・労務に関しての相談等、企業顧問契約に関するお仕事です。主に事業主を対象としますが、最近では年金請求手続きなど、個人の手続きを代行することも増えています。
  • 税理士:「税務代理」や「税務書類」「税務相談」といった税務、税金に関するお仕事です。

社会のニーズはどうなの?

ここも気になりますね。

どの職業もとても重要なものですが、現在の状況から、

  • 行政書士: 分野が多岐にわたるため、未開発の専門分野で活躍することが可能。しかし、開業するのではなくどこかの行政書士事務所でまずは雇ってもらい経験を積もうとしても、引受先を見つけるのは困難。
    なかなか「経験を積む」ということが難しいのです。
  • 司法書士: 合格するのは「行政書士」よりも難しいのですが、司法書士事務所で働いて経験を積むことはそれほど難しくありません。司法書士の専門知識を他の士業のかたから外注のような形で依頼されることも多くあります。
  •  ➡どちらも「独立開業」をしてこそ活かせることが多そうです。ですが登録数の多い「行政書士」では廃業率が高いのも事実。また、どちらか一方では業務が中途半端になってしまう(お互いに独占業務のため、できない分野があります)「司法書士」と「行政書士」の資格を両方取得、という方も多いのです。
  • 社労士: 個人で事務所を開いている開業社労士の方もいますが、企業や団体に属し、その中で業務を行う、といった勤務体系で働くことの方が多いようです。主婦などの傍ら、といった方もおられます。今後予想される高齢化社会の中でニーズは高まると考えられますが、独立開業は厳しいかもしれません(ですが努力次第ではどうにかなるかもしれませんので、絶対に開業が夢! なら、諦めないでほしいです。個人的な意見です) 。
  • 税理士: 資格取得は難しいですが、税金を扱う仕事なので、社会的なニーズは常にあると言えます。企業に勤務することも独立開業することもできますが、特に企業に勤める税理士さんは現在溢れている状態。ですが必要とされている職業であることは間違いありません。

終わりに……

こうして見てみると、もしかしたらいつかお世話になるかも……といった気分にさせられる4つの士業。比較的簡単、とされるものも「この中では」付きの簡単さですね。というより、一般的な資格取得と比較すればどれも難易度はかなり高めです。


世の中に必要とされているのにその人数が飽和状態、というのはどうなのでしょう。それだけ安心した生活が送れている、ということなのかもしれません。


資格取得も大事ですが、その後の努力も大事なようですね。

合格した暁には、ぜひより住みやすい環境作りをよろしくお願いします!


いかがでしたでしょう。

資格取得を目指している方も、純粋に違いが気になって仕方がなかった探求心あふれる方も、少しでも「あ、こういう違いね」などとスッキリしていただけていましたら嬉しいです!

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