3つとも有名ですよね。
どのテストを受けてもいいような気もするし、でも、3つあるんだから、なにか違いがあるんだろうし……
(※ 英語能力を測定・検定するためのテストは、ほかにもありますが、今回はこの3つ限定)
結局、どれを受けるか迷っているうちに、半年が過ぎ、1年がたち……
……もったいなさすぎです。
TOEIC・TOEFL・英検にはそれぞれ、違いと特徴があります。
ご自分の目指す目標を達成するためにあったものを選ぶのがベスト。
── ということで、
『TOEIC・TOEFL・英検の違いはなに? 自分にあったベストテストはどれ?
TOEICで○○点とったんだけど、これって英検何級にあたるの?』
3つの違いと、ほかのテストとスコア(英検は『級』)の換算はできるのか? なども含め、紹介いたします。
どのテストを受ける方もファイトです。
それではさっそくみていきましょう。
目次
『TOEIC・TOEFL・英検』の大きな違い
一番大きな違いは、テストを受ける目的です。
-
■ TOEIC
ビジネスの場(国内)で、自分の英語能力の証明に役立てたい
■ TOEFL
海外の大学や大学院に進学したい
■ 英検
国内の中学・高校・大学の受験を有利に進めたい
なので、
“海外の大学に進学するために、これから『TOEIC』、満点目指してがんばる!”
けっして間違いというわけではないんですが、どうせがんばるなら『TOEFL』。
そのほうが効率的です。
そのほかの違いもけっこうあるので、それぞれ比較しながらチェックしていきますね。
それぞれの違いを比較
まずはおおまかなそれぞれの特徴をみていきましょう。
-
※ タイトルとは変わってしまいますが『英検 → TOEFL → TOEIC』の順でいきます
英検ってどんなテスト?
『公益財団法人・日本英語検定協会』が運営する、今回の3つの中では唯一日本主催のテストです。
『5級・4級・3級・準2級・2級・準1級・1級』
の7つに分かれていて、自分の英語レベルにあった級のテストを受けることができます。
現在国内でもっとも受験者数が多いのが英検。
子どもから大人まで幅広い層の受験者がいるため、出題される題材もいろいろ。
設問に日本語が使われているのも英検の特徴のひとつです。
国内の教育機関の多くでは、内申点に『級』による加点があったり、入試の際に英語の試験が免除されたり、といったお得な優遇をあたえています。
国内の進学に有利に活用したいのであれば、英検、おすすめです。
TOEFL(トーフル)は?
アメリカのNPO法人『ETS』 が主催しているテストです。
“『英語を母国語としない人たち』を対象に、『外国語としての英語能力を証明する』ためのもの”
として活用されています。
(※ 判定結果であるスコアが証明に)
日本では英検やTOEICに比べ、まだそこまで知名度のないTOEFLですが、世界ではもっともメジャーなテスト。
英検のような『級わけ』はなく、英語初心者からベテランさんまで、みんな同じテストを受けます。
で、スコアとして、英語能力が返ってくる仕組み。
先ほど『海外の大学や大学院に進学したい』という人に向いているテスト、とご紹介しましたが、アメリカやカナダ、ニュージーランドなどの大学や大学院に進学するときには、TOEFLのスコアが基準にされています。
基準に満たないと入学が認められないものも。
なので、留学を考えているなら、TOEFL、必須なのですよ。
TOEFLには、
- TOEFL iBT: パソコン上で受けるテスト
- TOEFL PBT: 紙面のテスト
2つのタイプがありますが、日本で現在受けることができるのは『TOEFL iBT』のみ。
以下『TOEFL表記 = TOEFL iBTのこと』と考えていただけると助かります。
TOEIC(トーイック)とは?
TOEICを主催しているのも『ETS』。
TOEFLと同じです。
が、このETSに、日本での英語教育にたずさわっている人たちや経団連などが、
“日本人のための英語能力をはかるためのテスト、求む”
とお願いして開発してもらったのがTOEIC。
アメリカなどへの留学に有効に使えるのがTOEFLですが、TOEICというのは、
“『国際コミュニケーション英語能力テスト』”
のこと。
日常生活やオフィスなどでの、英語を使ったコミュニケーションがどれくらいとれるか、を測定するためのテストとなっています。
今後はどうなるかわかりませんが、現時点では多くの企業が、TOEICのスコアを採用や昇進の基準としています。
ビジネスの場で英語能力をアピールしたいならTOEIC。
スコア10~最高得点の990まで5つ刻みでの評価。
その人の英語能力が細かく数字化されていてわかりやすいのも、企業などでTOEICが重宝されている理由のひとつです。
TOEICには3つのテストがあり、
- TOEIC L(リスニング / 聞く)&R(リーディング / 読む)テスト
- TOEIC S(スピーキング / 話す)&W(ライティング / 書く)テスト
- TOEIC Bride(ブリッジ)テスト(初級・中級者向けで、通常のTOEICよりも身近な日常生活を題材とした基礎問題が出題されます)
日本では一般的に『TOEIC』といえば『TOEIC L&R』テストのことを指します。
※ TOEICに関しても、以下『TOEIC表記 = TOEIC L&Rテストのこと』で書いていきますのでよろしくお願いします。
- 国内の高校や大学進学には『英検』
- 海外の大学・大学院などへの進学には『TOEFL』
- 就職や昇級など(主に国内)に英語力を活かしたいなら『TOEIC』
それぞれ目的が違うんですね。
そして目的が違うと、ほかにもいろんな違いが出てくる。
続いて、その他もろもろの違いを比較です。
出題傾向の違い
こちらも『英検 → TOEFL → TOEIC』の順でみていきますね。
英検の場合
小学生から社会人まで、さまざまな年齢層の方たちが受験するので、級によって出題される内容も変わってきます。
日常会話から、今社会で起きていることをテーマにした問題など、『こういう傾向の問題が多い』というのがないんです。
しかも『今社会で起きてること』って、その時々によって変わってきますよね。
なので、いろいろなシーンに対応できる英語力が必要とされます。
過去問なども同様の理由で、あまり役に立ってくれないのも英検の泣かせどころ。
その分、勉強していればある程度以上の英語力が身につくのが魅力でもあるんですが……
英検では幅広い知識が求められます。
TOEFLの出題傾向
海外の大学・大学院などで入学の基準として使われているTOEFLのスコア。
これ、なんでかというと、
“現地での(英語での)学習についてこられるレベルか?”
“留学先での生活全般に困らないレベルの英語力を持っているか?”
を判断するためなんですね。
その証明に使われるのがスコアです。
出題されるのも、留学先での学習の場と生活の場で必要になってくる英語力を試す問題が中心。
- 大学での講義や校内でかわされるだろう会話
- 日常生活を送るうえで必要となってくる知識
など、留学生活を無事に送ることができるレベルか、をチェック。
講義中に出てくる専門的な用語も設問に多く含まれることになります。
で、こういう用語って、普通に日本で勉強しているだけだと、なかなか知ることができなかったりするんです。
しかも講義にはいろいろな分野がありますよね。
文系に進むから文系の知識さえあればいい、というわけにいかないんですね。
オールジャンルの知識を制覇(せいは)しないとスコアが上がらない。
日本の学校で習う英語だけでなく、TOEFL対策がべつに必要。
つまり、難易度も高し、です。
TOEICの傾向は?
TOEICはビジネスに活用できる英語能力をはかるテストです。
出題されるのはオフィスでの会話や日常会話が中心。
英検やTOEFLに比べ、出題される範囲が『ほぼビジネス・オフィスでの会話』に限定されるので、過去問などでも傾向がつかみやすいんです。
またTOEIC対策用の用語集や問題集を活用すれば、3つのテストの中ではもっとも効率的に短期間でハイスコアをたたき出すことが可能。
対策が立てやすく、高得点を狙いやすい、というのもTOEICの特徴のひとつです。
- 英検
→ 日常会話から社会で起きていることなど、幅広い知識が求められる - TOEFL
→ 海外の大学内での会話や講義で使われるような専門的な用語、実際の留学生活に必要な知識など、『海外留学プチ体験』的な内容が題材とされる - TOEIC
→ オフィスでの日常会話や日常会話が中心の出題傾向
試される技能の違い
……えっと、それって英語の技能ですよね?
そうなんですが、その技能って4つに分けられますよね。
- 読む
- 聞く
- 話す
- 書く
ここも違うんですよ。
英検で試される技能
英検は級によって試される技能が変わってきます。
-
■ 5~4級
- 筆記(読む / リーディング)
- リスニング
- 筆記(リーディング)
- リスニング
- ライティング(2017年より導入)
- 二次面接
- 筆記(リーディング)
- リスニング
- ライティング(2017年より)
- 二次面接
- リーディング
- リスニング
- ライティング
- 二次面接
- リーディング
- リスニング
- ライティング
- 二次面接(スピーキング)
- リーディング
- リスニング
- ライティング
- スピーキング
→ どちらもマークシート形式で回答
※ リーディング・リスニングはどの級でもマークシート
※ 今後の練習としてスピーキングテストをお試しで受けることは可能
■ 3級
→ ここまではマークシート形式
→ これが英作文
選択形式ではなく、自分で書いたものを提出するテストです
→ これらのテストをクリアした人には、後日、
が行われ、これが『スピーキング』のテストになります。
(※ 試験官と対面での面接 / 英文の音読や英語での質問に英語で答える、など)
→ 一次・二次ともに合格で、3級取得
■ 準2級
■ 2級
■ 準1級
■ 1級
➡『リーディング・リスニング』のみが5~4級
➡ 3級から『ライティング』が加わり
➡ さらに合格者には『スピーキング』含む4技能すべてのテストが行われる
こんな感じです。
TOEFLでは?
TOEFLにはとくに『級わけ』はないので、条件はみんな一緒。
読む・聞く・話す・書く、すべての技能が評価対象になります。
TOEFLの面白いところは、
『すべてのテストをパソコン上で行う』
というところ。
会場に設置されたパソコンを使ってテストを受けます。
しかも、来た人から順にログイン(スタート)。
終わればその時点で退室することもできます。
なんとも自由。
-
■ リーディング
60分~80分程度
→ パソコン版マークシートのような感じ(パソコン上で回答を選択)です
■ リスニング
60~90分程度
→ パソコン版マークシート
■ 10分休憩
■ スピーキング
17分
→ 用意されているヘッドセットに向かって話したものがパソコンに録音され、それを提出する形になっています
英検の場合は対面での面接がスピーキングのテストになりますが、TOEFLでは録音なので、決められた時間内に内容をまとめて表現する英語力も試されることになります。
同じスピーキングでもちょっと(かなり)違うんですね。
■ ライティング
50分程度
ここも英検と違うところ。
→ 手書き(← 英検)ではなく、TOEFLの場合『パソコンへの文字の入力』
もたもたしてるとあっという間に時間が過ぎてしまうので、タイピングの速さも必要になってきます。
TOEICで試される技能
『TOEIC L&R』の名称からもわかりますように、
- 前半: リスニング 100問 / 45分
- 後半: リーディング 100問 / 75分
の2つのテストが行われます。
リスニングでは短めの英文問題や長めの読解問題などが出題され、リーディングには空白を埋めていくテスト、長文・文法問題などが出されます。
どちらもマークシート形式。
記述問題はありません。
英作文(ライティング)、面接(スピーキング)もなし。
TOEICはビジネス寄りのテストで、海外とのやり取りや出張などの際に使える英語力を試すもの。
とくに英語でのコミュニケーションをはかるために作られたテストです。
が、TOEFLように『ガッツリ海外で生活』という感じではなく、国内企業で活躍するための英語スキル、といった側面がじゃっかん強め。
- 英検: 3~1級は4技能
- TOEFL: レベルわけなし・すべて4技能
- TOEIC: レベルわけなし・すべてリスニングとリーディングのみの2技能
目的に合わせた『出題傾向』『試される技能』が違ってきます。
ちなみに、あくまで一般的には、になりますが、
- 進学などが有利になる英検の級: 準2級以上
- 海外大学進学のために必要とされるTOEFLのスコア: 80(最低ライン)以上
- 難関大学、または大学院進学なら(TOEFL): 100~110
- 企業が求めるTOEICのスコア: 600~700は欲しい
- 履歴書に書けるレベルのTOEICのスコア: 600以上~
とされています。
みごとに基準というか数字がバラバラなんですね……
“ほかのテストに換算したらどうなるの?”
については、
“目的も出題される内容もテストされる技能も全然違うので、スコア換算はムリ”
個人的には、もう、これが正解。
ETSさんが、
“TOEFL(PBT)のスコアは、
→ TOEICのスコア × 0.348 + 296“
という換算式を公式に発表していた時期もあるんですが、現在は公表されていません。
ただ、一応の目安として、
“英検の〇級レベルってどのくらい?”
に対応させる形でスコアを換算してみましたので、よかったら参考までにお使いください。
“TOEICではハイスコアなのに、どうして英検とかTOEFLだといい結果が出せないんだい? オレ?”
“それは『スピーキングとライティング』が苦手だからなのさ!”
といった“気づき”的に活用していただくことはできるかと思います。
なので、ホントに参考までに。
スコアを換算(英検のレベルベース)
その前に英検の『級』とTOEFL・TOEIC、それぞれのスコアの関係を。
英検の『級』
5級から1級まで、全7級に分かれるそれぞれの級ごとに合格基準のスコアが設定されています。
そしてそのスコアは技能ごとに均等に配分。
4技能のバランスが大事になってくるんですね。
- 1級合格基準スコア: 2028
- 準1級: 1792
- 2級: 1520
- 準2級: 1322
- 3級: 1103
- 4級: 622
- 5級: 419
TOEFLやTOEICのようにだれもが同じテストを受験するのではなく、どの級を選ぶかはその人次第。
仮に5級を受験しに来た人がもんのすごく頭がよくて、いきなり2000点以上を獲得したとしても、結果は、
“5級合格、おめでとう!”
ということになります。
-
※ 各級ごとにそれぞれの技能の満点スコアも異なってきます
たとえば1級では1技能につき最高スコアは『850』、5級なら『425』
なのでスコア的にもこれは実際にはムチャ
英検だけですよね。
TOEFLもTOEICもレベルによる受験の違いはありません。
英検では受験した級にしか合格できないシステムになっています。
TOEFLのスコア
リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングすべて30点満点で、最高スコアは『30 × 4技能』の120点
TOEICのスコア
リスニング・リーディングのセクションごとに、
- 最低スコア: 5点
- 最高スコア: 495点
両方合わせて『10~990点』
※ 設問の内容や回ごとに異なる出題の質などに対し、どのように公平な採点を行っているかなどについての細かい計算式は公表されていません
比べにくい……です。
英検5級って、どのくらいのレベル?
“英語入門者レベル”
受験の対象とされているのは『小・中学生』。
“中学初級程度の内容で、多くの中学生がクリアできる”
ということになっていますが、
“しっかり勉強した中学生を対象とするなら、その多くはクリアできるレベル”
なんじゃないかなぁ、と思っています。
こんな感じですべての級の『○○とされている』にプラスアルファで『条件(しっかり勉強など)』が加わるイメージ。
英検、けっこう難しいんですよ。
TOEFLで英検5級にあたる『英語入門者レベル』スコア
ありません。
いろいろな機関(企業や海外の大学など)が出している、どんな換算表にも、これに該当するスコアはないんです。
TOEFLを受験する方々の多くは海外の大学・大学院に進学することを目的としているため、
“英語入門者レベル……”
いないんですね。
というか、受験しないんです。
TOEICでの『英語入門者レベル』スコア
100~259
うん……
リスニング・リーディングで、最低でも5点から、合計で10点からスコアが刻まれるので、この人、各セクション10個ずつしか正解してないんですね……
全200問中、両方合わせて20問正解か……(単純計算、かつスコア100の場合)
なんとなく信ぴょう性がある気がしてきちゃいました。
英検4級のレベルは?
“簡単な英語なら理解もできて表現もできるレベル”
中学中級程度、といわれています。
TOEFLの『簡単な英語なら理解も表現もなんとかOK』レベルのスコア
これも該当なし。
なんとかなるレベルだと、間違いなく留学中に泣きを見ます。
だから。
TOEICでの『簡単な英語なら理解も表現もなんとかOK』レベルのスコア
260~269
……
細かいスコアの配分は気にせず1問正解につき5点で考えた場合、269だとして正解は約53問(全200問中)。
簡単な英語ならなんとかなる……かもですが、海外で普通に生活していくのは、けっこう大変っぽいです。
英検3級レベル
“日常的な会話ならある程度理解できるレベル”
中学卒業程度、だそうです。
中学卒業の時点で、“日常的な会話がある程度”理解できているかどうか、ちょっと怪しいですが、しっかり勉強してきた中学生ならこのレベルに達しているのかもしれません。
学校によっては『内申に2点プラス』などの優遇措置がとられます。
TOEFLの『日常的な会話ならある程度理解できる』レベルのスコア
ここを『該当なし』としている換算表と、
12~19
としているものなど、英検3級あたりから換算されるスコアにバラツキが出てきます。
TOEICでの『日常会話ならある程度』レベルのスコア
291~299
または、
270~290
いずれにしても300はいかないんですね。
英検準2級のレベルは?
“ビジネスの場で必要とされるレベルの最低ライン”
これが高校中級程度です。
マジメに勉強していれば、英語力ってつくんですね……
こちらも学校によってそれぞれですが、英検準2級を持っていると、
『9科目の内申に2点プラス(3・4級の場合1点プラス)』
『オーストラリアへの留学が有利になる』
など、お得な特典がついてくるようになります。
TOEFLでの『ビジネス最低ライン』のスコア
~31
また、英検3級に換算されるスコアを『12~19』としてあるものでは、
29~32
ほかにもいろいろな教育機関や企業などが換算表の目安を出していますが、似通った数字ではあるものの、統一されているわけではありません。
求めている人材もどれほど英語能力を必要としている機関なのか、などにより、バラけてます。
TOEICで換算『ビジネスの場での最低ライン』スコア
450~490 / 300~440
こちらもいろいろなスコアが挙げられています。
が、先ほど書きました通り、企業などが求めている英語能力の証明としてのTOEICのスコアは、
“600~700は欲しい”
ビジネスの場での最低ラインだと、まだまだ企業にとって魅力的なスコアにはならないようです。
英検2級のレベルは?
“ある程度のビジネスの場でなら通用するレベル”
高校卒業程度、とされています。
TOEFLでの『ある程度のビジネスの場なら通用する』とされるスコア
35~45 / 41~51
英検2級でもTOEFL50前後。
TOEFLのハイスコア、けっこう出すの大変そうです。
TOEICの『ある程度のビジネスの場なら通用する』スコア
550~600 / 500~550
履歴書に書けるレベルのスコアとされているのが600以上。
“自分の英語能力はある程度通用しますよ”
の証明になります。
英検準1級のレベルは?
“社会生活やビジネスの場でも英語にほとんど困らないレベル”
大学中級程度です。
TOEFLでの『社会生活やビジネスでほとんど困らない英語能力』とされるスコア
60~78 / 76~82
海外の大学に進学するための最低ラインが80。
(※ 学校によっても変わってきます)
“ほとんど困らない英語能力”
は、少なくとも必要なようです。
TOEICでの『社会生活やビジネスでほとんど困らないレベル』のスコア
740~820 / 820~900
履歴書に堂々と書いてしまいましょう。
ただ、企業が求めているのは『600~700』。
ほかの就活生などもこのラインは最低でも押さえているはず。
なので、700くらいだと、埋もれちゃうんですね。
“英語力あり”
というより、
“人並みの英語力はある”
のような感じです。
最低でも800以上、できれば900以上を目指すと、みんなから1歩抜け出ることができますよ。
英検1級のレベルは?
“英語で困ることのないレベル”
大学上級程度です。
ついにここまできましたね。
大学入学時の優遇だけでなく、1級を持っていると、通訳ガイド(通訳案内士)の国家試験の英語が免除されたりもします。
※ 通訳ガイド: 外国の方の旅行を英語を使って案内するための国家資格
※ ちなみにTOEIC900以上でも免除されます
TOEFLで『英語に困らない』とされるスコア
94~101 / 91~100
英検での最上級が1級。
TOEFLの最高スコアは120です。
難関大学や大学院進学にはあとひと踏ん張り、といったところでしょうか。
海外で生活するって、大変なんですね。
TOEICで『英語に困らない』スコア
870~970 / 950~990
こちらもほぼ満点。
就活や転職、キャリアアップにも役立ってくれるスコアです。
── ということで、英検をベースに、
“〇級の合格にはこのくらいの英語能力が必要ですよ”
といわれているものを、TOEFL、TOEICにも当てはめての換算でした。
単純に難易度(スコアの上げにくさなど)を比較すると、
“TOEFL > 英検 > TOEIC”
になるかと思います。
ですが、就職や転職、キャリアアップを目指すなら、今のところ有利なのはTOEFLでも英検でもなく、TOEIC。
(※ 今後TOEFLを参考にする企業が増える可能性あり)
また、英検とTOEICは海外では驚くほど認知されていません。
留学や海外の企業で働きたい方は、難しいですが、ぜひTOEFLのハイスコアを目指してくださいね。
-
※ イギリス留学・移住などには2014年からTOEFLもTOEICも使えなくなっています(一部の大学をのぞき)
『IELTS(アイエルツ)』という試験のスコアを提出してください(今回これにはまったく触れていません。ごめんなさい)
それでは、最後になりましたが、そのほかの細かい違いをご紹介です。
受験料の違い
-
■ 英検(級によって変わります)
- 1級: 10300円
- 準1級: 8400円
- 2級: 7400円
- 準2級: 6900円
- 3級: 5900円
- 4級: 3600円
- 5級: 3000円
(税込み / 2020年6月現在)
※ 上記の料金は本会場受験の場合
※ 本会場: 個人で受験する場合 / 設置を行うのは英検協会
※ 準会場: 学校などの単位(団体)でテストを実施する場合の会場になるところ / 学校なら学校が『準会場』に
※ 1級と準1級は本会場受験のみです
※ 準会場での受験料のほうが安くなります
■ TOEFL
235ドル
レートによって変わります。
2020年6月のレート換算だと“2万5542円”。
TOEFLの受験料は3つの中でも飛びぬけて高いんです。
■ TOEIC
6490円(税込み / 2020年6月現在)
1年間に行われる受験日数の違い
-
■ 英検
年3回
■ TOEFL
年間50回(月に3~5回)
※ 受験料が一番高くて、受験のチャンスが一番多い
■ TOEIC
年に10回
それぞれの強み・特徴の違い(まとめ)
-
■ 英検
- 中学・高校・大学入試に有利
- オーストラリアへの留学にも有利
- 上位級なら就職などにも活かせる
- 海外大学・大学院への進学には必須
- 就職や転職に有利
- キャリアアップを目指せる(主に国内)
→ 国内での認知率はトップ
→ 受験をひかえている学生さんや、主に国内中心に英語能力を活用していきたい人におすすめ
■ TOEFL
→ 海外留学を考えている人や、海外でも十分通用する英語力を身につけたい人におすすめ
→ 本物の英語(ネイティブとほぼ変わらない)が身につきます
■ TOEIC
→ 就活中の学生さんや、今の勤め先でのさらなるキャリアアップを目指している人におすすめ
→ 現在企業が参考にしているスコア(英検・TOEFL、そのほかの英語能力測定試験も含め)の中ではTOEICが圧倒的に強いです
終わりに……
今は小学生のころから学校で英語の授業があるんですよね。
ランドセルしょってるコが英語……
偉いです。
ということで『TOEIC・TOEFL・英検の違いとスコア換算』についてでしたが、いかがでしたでしょう。
皆さまの彼ら3試験にたいするモヤモヤは少しは薄れましたでしょうか。
ほんのちょっとでもスッキリしていただけていたらうれしいのですが……
どの試験が優秀か、ではなく、ご自分の目的にあった試験にチャレンジしてみてくださいね。
英語能力の需要(じゅよう)はこれからますます高まってくるはず。
ぜひぜひ英語ペラペラな日本人を目指してみてください。
英語ペラペラ、カッコいいです♪
ではでは。
最後までおつき合いいただきありがとうございました。
関連記事はこちらになります。
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