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「お兄ちゃん、あんなところに着物着たおかっぱの女の子がいる……もしかして幽霊? 人が立ってられる場所じゃないよ、あそこ」

「ば、ば、ばっかやろう! ゆ、ゆ、ユーレーなんているわけないだろ! ヒカガクテキなこと言ってんじゃねぇよ! か、帰るぞ!」

「お兄ちゃん! そっち、逆方向!」

「うう……うるせぇ、わざと間違えてやったんだよ!」


顕微鏡


……お兄さん、わかりやすいですね。妹さん、お兄さんをよろしくお願いします。


さて、怖がりのお兄さんが言った「ヒカガクテキ」。「カガクテキではない」といった意味に使われる言葉ですが、では「カガクテキ」とは?



「科学」と「化学」、当てはまるのはどっち?

というより、この2つ、何の違いでわざわざ名称が分けられているの?

この違いは日本語でだけのもの? 英語圏でも2つは違う分野として分けられているの?




気になってきました!


「カガクテキとは何か?」よりもむしろ気になってきてしまいました!


それぞれの分野の特徴や、英語での呼び名など「科学と化学」について解説いたします。

少しでも皆さまのスッキリ! のお役に立てましたら幸いです!


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科学と化学の違いはここ!


私たち人間は「考える葦である」と大昔、パスカルさんは言いました。

「考える」というのはとても大切なことなのですね。


雷が鳴れば「空の神様がお怒りだ!」と恐れ、何人もの病人が立て続けに出れば、その集落は「呪われてる!」になったりと、今では信じられないことを本気で信じていた時代もありました。


しかし「空の神様って、そんなに怒りんぼなの?」と疑問を持った人が「ホントは神様とは関係ないんじゃないか?」と考え、雷について色々と調べていく、また「これは『呪い』なんかじゃない。きっと何か原因があるはずだ!」と集落を流れる水や植物について調べるなど、様々な現象への疑問を何とか解消しようという試みにより、私たちは新しい常識を手に入れていきます。


「『神様の怒り』ではなく、電気を帯びた空気が放電しているのだ」「『呪い』じゃなくて伝染病だった! なんとかしなきゃ!」などなど。


こうして太古の時代から続いてきた自然現象や身体の構造の『?』に対する知識や経験が積み重なり、それらが学問として体系化(別々の知識・情報・仕組みなどをお互いに関連付け、まとまりをもったものにすることです)されたもののすべてが「科学」です。


つまり、それぞれの分野ごとに一定の方法を用い、興味の対象が自然に関するものであれば「自然科学」、社会現象(経済や歴史、社会心理など)なら「社会科学」、また言語や哲学といった人類の文化に焦点を当てたものであれば「人文科学」などと呼ばれ、それらの謎を論理的に観察(科学的に)していった結果、発見した法則性や、その法則性を利用して新しいものを作る、といった作業全般が「科学」なのですね。もはや「学問」=「科学」でもいいぐらいです。


その中でも自然現象を扱った分野「自然科学」が狭義では「科学」とされています。一般に「科学」と言えば「自然科学」を指しているのですね。

「狭義の科学」の中には「物理学 / 数学 / 生物学 / 天文学」などと共に「化学」も含まれています。

科学(広義・ほぼ学問と同義) > 科学(狭義・科学の中でも『自然科学』を指したもの) > 化学(『自然科学』の中の一分野)

このような関係ですね。
(以後、「科学」は広義での科学ではなく、「自然科学」を指す「狭義の科学」として書かせていただきます)

科学とは? 英語では何て言う?


さて「科学」は英語では「science / サイエンス」です。

マッドサイエンティストの「サイエンス」ですね(例えは悪いですが)!


ラテン語の「scientia」に由来する言葉で、これはズバリ「知識」の意味を持ちます。

実際17世紀の科学革命まで「科学」という言葉は「体系化された知識・または経験の総称」として使われていました。


「科学」とは簡単に言えば「調べること」。


世の中の自然現象や、自然そのものについて、検証しながら理解していこう、とする学問のことです。


一定の目的を持ち、一定の方法のもと様々な事象を研究すること、また、そのことから得た知識のことを「科学」と呼ぶのです。


「科学」は「自然科学」ですので、自然現象を扱います。

その中には先ほども書きました「物理学・数学・生物学・天文学」など、自然を扱い、また方法としてのこれらを用いて、自然で起こる出来事を紐解いていきます。

そうして得た、本質や真理、法則などから、さらにはそれを応用し新しい何かを生み出していくのですね。


この「物理学・数学」などと同じ位置に「化学」も一分野として存在しています。


「化学」ってじゃあ、どんなことするの?
の前にちょっとだけ「漢字」的な「科学」の意味も見てみましょう。

★科学の意味って何?


科学の「科」の文字に注目です!


「科」には「区分け・掟・法律」などの意味があります。「内科・外科」や「イヌ科・ネコ科」などといった使われ方もします。

あることに関してのいくつもの知識や情報、仕組みなどを関連付け、まとまりを持ったものとしていく学問が「科学」なので、そのためにも「物事の法則(掟・決まり事)を見つけ」て区分けしつつまとまったものとする学問、といった意味が「科学」の文字からも伺えますね!

化学とは? 英語ではこう!


「化学」=chemistry / ケミストリー です。

二人組のミュージシャンもいますね。

彼らは二人合わさることで、ひとりではできない何らかの力を得て、素敵な歌を作り上げ、歌うことができているのかもしれません。

そうです!「ケミストリー = 化学」は相互反応を起こすのです。


自然科学の中でも、特に「物質」を研究の対象としている分野が「化学」です。

その物質はどのような構造を持つのか、性質はどのようなものなのか、そしてそれらに変化が起きる仕組みはどうなっているのか、などを、物質を構成している「原子・分子」に着目し、研究しています。


原子と原子がくっついたり離れたり(反応)することによってある物質が別のものに変わるシステム、その構造や特性を解き明かしたいので、じっと待っているわけにもいきません。


よって「化学」には実験がつきものとなってきます。


原子と原子がくっついたり離れたりすると化学反応を起こします。色やにおい、電子の状態などが変化するのですね。


物質の原子や分子のレベルでの構造や、それらの反応を観察・分析・実験し研究しているのが「化学」の分野です。


よく「科学」と混同しないよう「化学」を「バケ学」と呼んでいるのを聞きます。

ですが、実際にも原子同士が離れたりくっついたりすることにより、物質の特性や構造は別のものへと化けているわけです。

このように、原子・分子レベルから見た物質の構造・特性、そしてその化け方、変化の仕方を研究しているのが「化学」です。

★化学の意味は?


では、せっかくなので漢字的な方向からも「化学」の意味を見てみましょう。


これはものすごく見た目通りですね。

「化ける」もの、またはその仕組みについての学問……それが「化学」です!

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科学と化学はこんなに違う!


「科学」の中の一部門が「化学」、なるほど。


言葉の意味は、漢字的な方向からも含め、何となくわかったような気がします。


では、ここでもうひと押し。

具体的な例を挙げ、「これは『科学』か?『化学』か?」を見ていきつつ、その違いを比較していってみましょう。

身近なところで「調味料」は?


これは「化学」。「化学調味料」です。
     → 化学的に合成して作った調味料のことですね。物質の化学変化によって作られています。

学者や博士は?


「科学者」「化学者」どちらもいます。
      →
  • 科学者: (自然)科学を専門に研究しています。
  • 化学者: 化学に携わる研究をしていればこちら。「科学者」と間違われることが多いですが、研究分野が違います。本来の語源は「錬金術師」などと一緒の「alchemist / アルケミスト」です。

日本の行政機関にあるのは?


こちらの「科学」です。「文部科学省」通称「文科省」ですね。
      → 教育や生涯学習、また「科学技術」の振興・推進にも力を入れています。文科省の編集する「科学技術白書」は毎年「政府は科学技術の振興のためにこんなことをしました」という報告書として国会に提出されています。

あ……3週間前に賞味期限切れてた……


捨てましょう。「化学」変化を起こしているので危険です! 簡単に言えば「腐って」います。早く捨ててください。
      → 化学変化には「腐る」以外にも、「物が燃える」や「お米がお酒になる」などがあります。物質が何かの刺激を受け、その性質を変え、他の物質となる変化のことです。

兵器に使われるのは?


「化学」の方、「化学兵器」です。
      → あんなものは自然界にはありません。わざわざ作られた、有毒なガスや焼夷弾などの直接的な化学反応を利用した兵器のことです。

これは我が家に伝わる「○○家」の者なら誰もが知っている学問です!


……あ「家学」ですね! 思い出せてすっきりしました!

ついでに「歌学」は昔の歌、作歌の心得、和歌の修辞などについての学問のことです。でもここでは全く関係ないです。

鑑識の米沢さんは?


米沢さん限定でなく、鑑識のお仕事は「科学」の方の「科学捜査」です。
      → 他にも「科学捜査」では「指紋鑑定」「弾痕調査」「解剖」など「科学的」な方法を使っての犯罪捜査が行われています。

じゃ「化学的」とは言わないの?


言いますよ!

その現象の原因が「化学変化」によるものの場合には「化学的」が使われます。

    → ですので、先ほどの3週間前に賞味期限を迎えた「かつて食品だったもの」は「化学的」な反応により捨てられることとなったと言えます。でも、言い方はどうでもいいので早く捨ててください。

おばけが出るのは?


初めに出てきたご兄妹の当面の問題点ですね!「非科学的」、「科学」の方です。
      →「おばけ = お化け」で一見「化学」か? と思わせておいて、実は「科学」です。物質の構造や特性の問題ではなく(多分ですが、おばけは物質ではないですし)、もはや科学の方法や原則との一致が見られないのです。現在の「科学」をもってしても解明することができないものは「あり得ない」ものとされます。

    ただ「『現在の科学』ではまだ解明できていないだけ」というものは、案外多かったりするかもしれませんね。

♦宇宙史上最大の謎にNASAの科学者もお手上げ。未だ解明されてない月の謎が怖すぎる


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終わりに……


自然現象について、一定の目的・方法でそれらを解き明かし、その本質や法則からさらなる応用に繋げていく「科学」。

「化学」はその中でも物質を分子・原子のレベルでとらえ、その構造や特性、または変化について実験を交えつつ研究していく学問です。


どちらも、有効に使えば、今まで夢で見るしかなかったものが現実になったりするかもしれません。


誰か「どこでもドア」を開発してくれないでしょうか。いっそ、ダイレクトに「ドラえもん」の開発でもいいです。


文系の方から見ると「すごい理系っぽい」イメージの「科学・化学」は、近寄りたくもない分野と思われがちですが、こうして見てみると、むしろロマンあふれる分野のようにも思えてはきませんでしょうか。


ロマンチックなのですよ。本当は。


料理をしていても、星空を見上げても、そこには何らかの「科学」があるのですね。

何となくスッキリ、なんとなくロマンだぁ、と感じていただけたら嬉しいです!


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