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味噌、といったら?
味噌汁!


味噌汁の具といえば?
ラーメン!!


味噌



……結構本気で考え込んでしまいました……はたして味噌ラーメンはラーメンなのか? 味噌汁なのか?……いや、あれは間違いなく「ラーメン」です。「味噌汁の具」ではない!


さてさて、ごはんのお供「味噌汁」の「味噌」。

お豆腐やワカメなどの定番から、豚汁等ごちそう系汁物の立役者でもあり、ホイコーローや西京焼き、土手鍋や煮込みうどん、田楽、その他諸々……出番多し。万能すぎます。


    ? でも、魚の西京焼きって、普通の味噌じゃ作れないよね?

    煮込みうどん、レシピ通りに作ったらすっごいしょっぱいんだけど……何で?

    おばあちゃんちの味噌、うちのと違って色が赤い。でもうちのも、しばらく使わなかったら同じような色になってた……赤い味噌って、古い味噌ってこと?


なるほど。謎も多いようです。


ご家庭によって「赤味噌派」「白味噌派」もあるかと思います。それぞれに美味しいのですが、でも、どうしてこんなに色が違うの? 使われている味噌に地域での差はあるの? などなど、味や塩分等含めまして「赤味噌・白味噌」の違いを解説いたします。

日本人のソウルフード「ザ・味噌」。皆さまの「おいしい」と「モヤモヤすっきり!」のお役に立てましたら幸いです!

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「赤味噌・白味噌」違いのポイントはココ!


「赤褐色」と「黄白色」、この2つがスーパーなどでもよく見かけるいわゆる一般的な味噌の色。「赤味噌」「白味噌」と呼ばれるものです。

見た目もさることながら、お味の方もそれぞれがそれぞれに特徴的なのですが、実は「赤」「白」ともに主原料は「大豆」。同じなのですね。


では、なぜここまで色に違いが出るのか? そのポイントとなるのは「熟成期間」と「作り方」です。

製法の違いが「タンパク質・アミノ酸の化学変化」での差を生み、それが結果的に「味噌の違い」となるのです。


「赤味噌」は香り、コクともに強く、「白味噌」では優しい甘みを感じられる、あっさりとした味わいが特徴。


味噌は発酵食品です。その熟成は微生物の働きによるもの。

蒸した穀物に「麹菌(コウジカビとも)」を繁殖させたものが「麴」です。味噌の他、甘酒や醤油を作る際にも活躍してくれます。

そして使う麴により「米味噌・麦味噌・豆味噌」のように分けられるのですね。

「コウジカビ」などといわれるとちょっと引きますが「乳酸菌」も細菌です。でも、体にいい。同じです。引かないでください。


ですので気候や環境、水質などにも味噌の味には違いが出てきます。日本は南北に長い国のため、様々な特徴を持つおいしい味噌があるのです。


代表的な「赤味噌」には仙台味噌や江戸味噌、田舎味噌など、「白味噌」では西京味噌、讃岐白味噌、府中白味噌などがあります。


赤味噌には辛口のものが多く、味噌汁のみならず、味付けを濃い目にしたい料理には最適。白味噌は味噌の風味を生かした和え物や、京風のあっさり目の味に。また西京味噌は京懐石や西京焼きには欠かせません(西京味噌で漬けたものを焼いたのが「西京焼き」)。


「赤味噌」は北関東から東北、北海道にかけて、どちらかといえば「東日本」の主流、「白味噌」は京都を中心に近畿や瀬戸内海海岸地域の「西日本」で、より好まれているようです。


2つの味噌を分けるポイントは「熟成期間」と「作り方」。

ではこのポイントから「赤味噌」「白味噌」のそれぞれを見ていってみましょう。

「赤味噌」とは?


「赤味噌」とは「赤褐色の味噌」というより「1年以上熟成させた味噌」を指しています。


ですが、1年以上の熟成期間を経たものは、結果的に褐色になってくるので「赤味噌 = 赤褐色に仕上げた味噌」。そして「白味噌、淡色系味噌(赤・白の中間的な薄茶色の味噌)」に対し「褐色をしている味噌」といった意味での「赤味噌」です。ですので正確には「赤味噌」ではなく「赤系味噌」。褐色の味噌の総称となります。


まずは簡単に「赤(系 ← 以下略)味噌」の作り方を見てみましょう。


    原料の大豆を洗い、水につけておく(一晩) → 水を切り下処理として大豆を蒸す(高温で長時間) → 細かく潰して、発酵しやすい状態に → 大豆、麹(米か麦か豆の)、塩等と混合 → 樽などに仕込む → 発酵・熟成(1年以上)→ 出来上がり!

上記の工程の中でも「赤味噌」作りに重要な部分は「高温で長時間蒸すこと」「1年以上の発酵・熟成期間」の2つ。


ちなみに「白味噌」では「蒸すのではなく茹でる(煮る)」「数か月の短期熟成」です。


「蒸す」と「茹でる」で変ってくるのは「タンパク質」の含有量。

「茹でる」ですと、茹で汁にタンパク質が流れ出てしまうのですね。赤味噌作りでは「蒸す」ことにより、タンパク質を大豆の中に残します。


さらに、たっぷり水を含み(その後、水は切る)強く蒸されることで、大豆の持つ糖やタンパク質は、麹の酵素で分解されやすいものに変化していきます。


そして、細かく潰され、いよいよ「麹」などと混合。

この発酵の段階で起きるのが「メイラード反応」と呼ばれるもう一つのキーポイントとなる現象です。


「メイラード反応」とは、アミノ酸と糖を加熱することにより起こる褐変現象のこと。

味噌では原料となる大豆と米(や麦)などの持つアミノ酸と糖が化学反応を起こし、褐色の色素に変化していくのです。


もう、赤味噌です!


この「メイラード反応」は熟成期間中も進んでいきます。ですので「1年以上熟成させた味噌」を指す「赤味噌」とは、このような工程により「赤褐色に仕上がった味噌」でもあるのですね。


熟成期間の長さの分だけ着色も進むため、期間が長ければ長いほど、濃い褐色を帯びた濃厚な味噌になるのですが、ここで一つ問題が出てきます。

長期熟成中の雑菌による味噌の変質です。

そのため赤味噌では塩分を12%以上に設定、塩分濃度も熟成期間の短い白味噌に比べ高くなっています


つまり「赤味噌」とは、

    ◎1年以上熟成させた味噌のこと

  • タンパク質の含有量が多い
  • 浸水時間が長い
  • 大豆は茹でずに「蒸す」
  • 塩分濃度が高いため、保存性に富む
  • 香りとコクが強い

  •  →「褐色の味噌」の総称

となります。

「白味噌」とは?


さて「白味噌」です。

「赤味噌」があんなに頑張って浸水時間や熟成期間を長くしたり、たんぱく質の流出を抑えたりしているのに、なぜ「白味噌」はそこを敢えて外すのか?


もしかして「白味噌づくりの職人さんの性格の違い」が「赤味噌」「白味噌」を分ける一番の理由?


……「赤くしたくないから」です。白くしたいのです。

メイラード反応を抑えるための逆工夫的な工程によるものなのですね。


ここでもう一つ、色の違う味噌「淡色味噌」についてちょこっとご紹介です。

こちらは「赤味噌」と「白味噌」の中間のような「淡い茶色」をした味噌。

地域によっては「白味噌」や「赤味噌」より身近かもしれません。

熟成期間は1年以内から、長くても1年半程度のもの。味も「赤・白」の中間のような感じで、麹の甘味もほのかに残ります。


他の2つに比べ、クセがないといえばないため、味噌の中では一番用途のあるもの、ともされています。

これが「淡色味噌」。


つまり「赤味噌」「白味噌」は、ともにクセがあるのですね。

前述のように「赤味噌」には製造方法にこだわって作り出した、やや辛口の濃厚さとコク、香りの強さ


では「白味噌」は?


「白味噌」のクセともいえる特徴的な味わいは「赤味噌」にはない「甘味」です。そして、その熟成期間の短さによる食感。材料の粒子が残るものもあります。

そして、この「甘味」に関係してくるのが麹の量です。麹(の比率)が多いほど甘くなり、また色も白くなります。

「白味噌」では主原料は赤味噌と同じく大豆ですが、使用する麹の量の比率が大きいことも特徴の一つです。

現在の白味噌事情を見てみますと「米麹」使用が、約8割。ほとんどが「米味噌」タイプです


より白さを得るため、精米にも気を使い、ぬかなどの着色物質を可能な限り少なくし、大豆に関しても赤味噌とは違い、皮をすべて剝いています。

これは皮の繊維質が残ると、出来上がりのキメが荒くなってしまうため


剥きやすい大粒の大豆を使用する白味噌は、そのため値段設定も若干お高め、となるのですが、そこまでこだわるか、と思うほどの心意気には感服です。赤味噌の「メイラード・愛」に勝るとも劣りません。


先ほど「赤味噌」の作り方と比べるため、ほとんど書いてしまいましたが「白味噌」の作り方で特徴的なのは、

  • タンパク質の含有量が少ない
     → メイラード反応を抑えるため

  • 浸水時間が短い
     → 同じく

  • 大豆は茹でずに「茹でる(煮る)」
     → タンパク質をゆで汁に流出させ、結果メイラード反応を抑える

  • 大豆と麹や塩を混ぜるのは熱いうちに

  • 熟成期間が短いため(数か月。これも「メイラード対策」)、雑菌対策用などの塩分濃度も少なめ
     → 温度変化のないようしっかり保温

  • ➡ あっさりとした味わいの甘味のある色の薄いクリーム色の「白味噌」完成!

といった感じですね。


西京味噌などは「甘酒」のよう、ともいわれるほど。もはや「赤味噌」「白味噌」は別物です。完全に好みに分かれ、それによって毎日の食卓でケンカが起きてもおかしくないレベルの違い、のような気さえしてきました。

これではレシピ通りに作っても「赤・白(もしくは淡色、または合わせた調味味噌)」どれを使うかで味が変ってくるのにも頷けます。

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「赤味噌・白味噌」のアレコレを比較!



♦みそ汁の作り方✿日本の家庭料理【日本通TV】



だけど、何でこんなに違うの? 困るんだけど……


……我慢してください……「赤味噌」「白味噌」(または「淡色味噌」)には愛され続ける長い歴史があるのです。 


では続いて「赤味噌・白味噌(淡色味噌は割愛)」についてのアレコレを、もう一度まとめていってみましょう。

味噌の原料は?


    ◎どちらも同じく「大豆・麹(米、麦、豆)、塩」など

  • 白味噌: 材料の大豆に対し、麹の比率(麹歩合)が高い
  • 赤味噌: 麹の比率は低め。つまり大豆の量が多いのは「赤味噌」の方。

  •  → 麹や大豆の量の違いは色や甘みも左右 

  • 白味噌: 甘めで白っぽく
  • 赤味噌: 辛口で色味の濃いものに

作り方の違いは?


    ◎大豆を洗い、水につけておく

  • 赤味噌作り: 一晩以上浸水
  • 白味噌: 数時間から一晩程度

  • ◎「蒸す」または「茹でる」

  • 赤味噌: 蒸す
     → タンパク質が流れ出るのを防ぐとともに、大豆の糖・たんぱく質が麹の酵素に分解されやすいものに変化

  • 白味噌: 茹でる(煮る)
     → タンパク質がゆで汁に流出し、発酵時のメイラード反応を抑える

  • ◎発酵・熟成期間に突入

  • 赤味噌: 1年以上の長期熟成
     → この間に、メイラード反応による褐色化がさらに進んでいきます。また、雑菌による味噌の変質対策として、塩分濃度は12%以上に設定。塩分量が多いため保存性にも富む。
  • 白味噌: 数か月程度の短期熟成
     → メイラード拒否! 熟成期間が短いため、塩分濃度も低め。その分保存性は低い。

地域での違いは?


  • 赤味噌: 北関東から東北、北海道にかけて、どちらかといえば「東日本」での主流
  • 白味噌: 京都付近、近畿や瀬戸内海海岸地域の「西日本」で人気の味噌

得意料理は?


  • 赤味噌: お肉や野菜の肉炒め、モツや土手鍋など
     → ガツンとくるコクと香りを生かし、濃い目の味付けが勝負のお料理には、ぜひ「赤味噌」を!
  • 白味噌: 味噌の香りとほんのりした塩味を楽しめる和え物や汁物(京都ではお雑煮にも)など
    → 優しい味噌の香りと、上品な甘さのある「白味噌」は、あっさりとした味わいを楽しみたいお料理におススメ!

栄養や効果を比べる!


    ◎赤味噌の注目成分とその効果

  • メラノイジン: 細胞を若々しく保つ、血流改善、便秘解消効果 など
     → 実はこれが「メイラード反応」によって作られる成分です。

  • ペプチド: 中性脂肪を減らす、抗酸化作用(身体の酸化を防いでくれる、アンチエイジングや健康の強い味方)、代謝アップ など
     → 大豆のタンパク質が分解される過程で生まれます

  • サポニン: 肥満防止、コレステロール値を下げる、血流改善、免疫力、肝機能を高める など
     → 発酵により、さらに吸収されやすくなっています。

  • イソフラボン: 女性ホルモンに似た働きをしてくれます。
     → 味噌に含まれる「イソフラボン」は変形バージョン。発酵の際に変質し「摂り過ぎ注意」とも言われる、いわゆる「イソフラボン」とは性質が異なるもののため、それほど摂り過ぎを気にしなくても大丈夫


  • △でも気になる塩分は?

  • 一般的な赤味噌で: 12%前後
  • 一般的な白味噌で: 5~7%

  •  ➡ 発酵期間による違いです

    ◎白味噌の注目成分とその効果

  • GABA: 興奮を抑える、ストレスの軽減、ダイエット効果
     → 脳の興奮状態は過食にも繋がります。それを抑える神経伝達物質であるため、ダイエット効果、リラックス効果などからストレスの軽減にも期待がもたれています。

  • 乳酸菌: 整腸作用、免疫力アップ、抗がん作用、アレルギー抑制 など
     → しかも味噌スプーン1杯で、ヨーグルト100gと同じ量だそうです。味噌、すごいです! また加熱により乳酸菌は死んでしまうかかなり弱った状態になります。ですが、元々腸内にもともといる乳酸菌の活性化には繋がるようです。というより、乳酸菌が生きて腸に届く率は、実はもの凄く低いのです。胃酸で大抵やられてしまうのですね。それでも、腸内の乳酸菌にはしっかり届くのです。

愛され続ける長い歴史を短めに!


味噌が伝わったのは飛鳥時代(6世紀末)、中国からやってきました。

日本独自の製法で作られるようになったのは平安時代後期ですが、まだまだ味噌への敷居は高く、一般庶民には手の届かない存在、食べることができたのは一部上流階級の人たちのみ。

ですが、その一部の人たちが食べていた味噌も、現在の味噌とは違い、溶けない味噌だったそうです。

そうなると食べ方としては、ディップのように野菜などにつけて食べる、または食材に乗せて食べる、くらいしか思い浮かびません。平安の彼らも同じだったようで、もっぱら塗る、乗せる、そして、そのまま舐める、です。大酒のみが「つまみは塩だけで十分」というのと同じようなノリですね。そのまま舐める、はなかなか思いつきませんでした……

水に溶けるタイプが誕生するのは鎌倉時代に入ってから。

そこからの流れは速く、江戸時代にはあちこちで自家製味噌が作られるようになり、現在に至っているのです。


そして、味噌が最も活躍した過去は「戦国時代」。

この時代に武将や武士たちを助けていたのがそれぞれの地域で作られていた味噌たちです。将兵の食糧とされたのですね。

味噌は微生物の働きにより作られる発酵食品。各地の気候や水などの環境などの条件により、その働きにも変化が出ます。日本の北と南では、同じものが作られるわけがないのです。しかも戦国時代。現在のような様々な技術もありません。でも武将たちに頑張ってもらいたい。

味噌(味噌職人さん)たちの努力が伝わってきます。


……味噌が愛されているのには、このような歴史があったのですね。

味噌ブラボー! フォーエバー味噌! です。

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終わりに……


製造方法の違いで、勝手にそうなるのだと思ってましたが、そうするための製造方法、考え方が逆だったのですね。御見逸れいたしました……


「赤っぽくてちょっと辛口の濃い味噌」「白っぽくて甘いあっさりした味噌」であることには違いはありませんが、そのことへのこだわりがもう、美しいほどです(ちなみに「合わせ味噌」とは赤・白を合わせたもの。2種類を用意すればご家庭でも好みに合わせた比率のものが作れます)。


いかがでしたでしょう。

「赤味噌・白味噌」の栄養や効果、塩分、地域での差など、違いは伝わりましたでしょうか。


たまにはいつもと違う味噌汁も飲んでみたいかも、などなど、毎日の食卓がますます楽しくおいしくなりますよう、祈っております!


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