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要するに、捕まって出てこられないってことでしょ?

あれ? 何でこんなこと、急に気になりだしたんだ……?

あ、きっとそうだ、あれだ、テレビの影響だ。べ、別に、直接的な係わりはないぞ……!



大丈夫です。まったく何も疑ってません!

刑務所


ニュースなどで伝えられる裁判での「判決」内容。この言葉の意味していることが、イマイチよくわからない。

せっかくトリックまで見破った推理小説。クライマックスの裁判、犯人に言い渡される判決。ここでたまに、もの凄くスッキ
リしなくなることがある。いや、「禁錮15年」とかって言われても……


……だけど、要するに捕まったんでしょ? 出てこられない状態なんでしょ?


はい、その部分は正解ですよ!

「懲役・禁錮・拘留」。逮捕、起訴、裁判を経て、言い渡されることとなるこちらの3つ。

「要するに、何が違うの?」をわかりやすく解説いたします。


直接的な係わりはなくても、なにかとスッキリしていただければ幸いです。


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「懲役・禁錮・拘留」大きな違いはココ!


人は罪を犯せば捕まります。

その罪の大きさに対して、何らかの罰を受けます。

罰金等で済む場合もあれば、罪を犯した人自らの命をはく奪することを刑罰とするもの、そして受刑者を刑事施設に収監しその自由を奪うもの、の3パターンです。


順に「財産刑」「死刑」「自由刑」と呼ばれます。


「懲役・禁錮・拘留」はいずれも「自由刑」に当たるもの。

収監された刑事施設の中で、その刑期が満了するまで、定められた規則の中での毎日を送らなければなりません。


さて、その規則正しく単調な「毎日」。


「懲役・禁固・拘留」では、その『毎日』に「終わりはあるか」「ある場合の最長日数(年数)はどのくらいか」また『毎日』の中に「強制された労働が含まれるか」などの違いが出てきます。


では、いくつかのグループ分けをしながら、それぞれの刑罰の違いを見ていってみましょう。

「労務作業(強制的な労働)」の有無で分ける!


「所定の作業」または「刑務作業」などとも呼ばれます。

収監された刑事施設内での強制的に科せられる労働のことですね。


金属製品や木工の加工、靴・衣類等の製作、施設内の炊事・洗濯・清掃などが刑罰として科せられ、報奨金は1か月で平均4700円ほどになります。

「禁錮・拘留」グループと「懲役」


グループ分けとしてはこのようになります。


「禁錮・拘留」では刑務作業の義務はありません。


この3つでの罪の重さは「懲役 > 禁錮 > 拘留」となり、最も重い「懲役刑」を受けた受刑者にのみに科せられます。平日には「工場」と呼ばれる作業場で、決められた作業をすることが義務づけられているのです。


一方「禁錮・拘留」について定められているのは「拘置すること」だけ。


しかし実際には「禁錮・拘留」としての刑罰を受けた受刑者の大半が、この作業を願い出るようです。

作業はなくても、室内で自由にできるわけではないからです。

四六時中監視の目があり、勝手に動き回ることはもちろん、姿勢を崩すことさえ禁じられているため(平日には「運動」と呼ばれる、野外で過ごす時間はありますが)、単調で厳しい毎日に、本気で神経が参ってくるそうです。この許可を得て行う作業を「申請作業」と言います。


「自由刑」とはまさに「人の自由を奪う」刑罰。


作業でもしていた方が、精神衛生上良いのです。

確かに……何もしないでただただ時間を過ごすだけ、というのはかなりキツそうです。

  • 懲役: 労務作業あり
  • 禁錮 / 拘留: 労務作業なし
    → ただし、自主的に願い出て、許可を得て作業を行うことは可能(大半が願い出ている)

「作業の有無」でのグループ分けは上記のようになります。

「無期」「執行猶予」の有無でならコレ!


♦刑の一部執行猶予始まる 薬物事件など再犯防ぐ狙い(16/06/01)


「無期懲役」は新聞やテレビなどでもよく聞く言葉。文字通りですね。刑期の定めのない刑罰のことです。


「改悛の状」つまり深く反省し、再犯の恐れがない、と判断された場合には稀に仮釈放もあり得ますが、その場合でも、一生保護観察に付される、といった厳しい刑です。


「執行猶予」もそのまま。「執行」が「猶予」されている状態。


3年以下の「懲役」「禁錮」について、その犯情などから情状酌量の余地あり、と判断された場合、つけられることがあリます。

その定められた期間、隔離された刑務所での矯正ではなく、普段の生活の中で更生を図らせよう、とする制度です。

あまり多くはありませんが、実刑判決で言い渡された懲役等に処される期間より、つけられた執行猶予期間の方が長い場合では、その期間中に刑事事件など何事も起こさずに過ごせれば、言い渡された刑は、効力を失うことになります。

「懲役・禁錮」グループと「拘留」


「無期」があるのは「懲役」と「禁錮」。「拘留」にはありません。すべて「有期の拘留」です。


罪の重さで言えば、


無期懲役 > 無期禁錮 > 有期の懲役 > 有期の禁錮 > 拘留 


のようになります。


さて「無期」は先程書きました通りですが「有期」の場合です。

「懲役・禁錮」では「1か月以上(30日)20年以下」。ただし、加重の場合は最長30年まで延び、軽減の場合では1か月未満にまで減らすことができます。

また「死刑」「無期懲役」の罪を「有期懲役」にし軽減とする場合等でも最長は30年です。


そして「拘留」。
こちらは「1日以上30日未満(29日間まで)」とその期間が定められています。


つまり「無期」はあり得ないのですね。上記の罪の重さの比較でもわかりますように「拘留」のケースは、

  • 公然わいせつ罪
  • 暴行罪
  • 侮辱罪
  • 軽犯罪法違反

など。

お酒に酔って通りすがりの人に絡む、などでも度を超せば「拘留」されます。迷惑かけちゃダメです。

刑法の規定では「罰金より軽い刑」とされる「拘留」ですが「執行猶予」はつきません。「猶予」している場合ではない軽犯罪が大半だからですが、つまりそれは、必ず「実刑」になるということ。

仮に保釈金を支払い一時自宅等に戻ることができても、法廷で「拘留」が言い渡されれば、その場で身柄は拘束、「拘留」の刑は即執行されます。


「拘留」も自由刑の一つ。拘置期間こそ短いものの、その間は刑事施設に収監され、自由は奪われます。

自由刑の中では最も軽いとされる刑罰ですが、軽犯罪の場合の最高刑でもあるのです。


ですが、この「拘留」、ほとんど「刑務所へ収監」となるケースがありません。


なんで?


ですね。では少しだけ寄り道。

「拘留」の判決を受けても刑務所に収監されない理由を見てみます。

「拘留」の流れ


逮捕された人の係わる刑事施設には「留置所」「拘置所」「刑務所」があります。


「留置所」とは警察署内に置かれ、逃亡や証拠隠滅を防止、また取り調べなどを受けるため、留め置かれる場所です。まだ刑の確定していない「未決拘禁者」を収監しています。管轄は「警察署」です。


「拘置所」は逮捕後起訴され、刑が確定するまでの間の収容施設。ですので「死刑確定囚」も「拘置所」に収監されます。

「留置所」に比べその数は少なく「拘置所支所」を除けば全国に8か所のみ。「法務省」の施設機関です。


そして「刑務所」。確定した刑を受ける場所となるのがこちら。


実際には(施設数の問題などで)この限りではない場合も多々あるのですが、本来ならこのような違いがあるのです。


さてさて「拘留」です。


判決の言い渡される前の段階、つまりまだ事件の捜査の段階でも、その身柄が拘束されることはあります。

紛らわしいのですが、このことを「勾留」と言います。読みは同じ「こうりゅう」です。


上記の「逃亡や証拠隠滅などのおそれ防止」などのため執られる刑事手続き上の措置、刑罰ではありません。その間に取り調べを受けたりもします。

判決が下るまでの刑事施設での収監のことを指しています。


そしていよいよ、裁判。自由刑の中では最も軽いとされる刑罰ではありますが「拘留」の判決も「懲役・禁錮」同様、裁判で言い渡されます。


「主文、被告を拘留○○日に処す」


ですね。

問題は、この「○○日」。


いずれにしても拘留の場合ですと「1日以上30日未満(29日間まで)」となりますが、この言い渡された「拘留期間」から今まで「勾留されていた日数」は引かれるのです。


「判決の拘留期間 - それまでの勾留日数 = 実際の拘留期間」。マイナスの場合は「有罪」であること、判決は「拘留」であることは変わりませんが、刑務所へ行くことはなくなります。


さらに、かろうじて「拘留 > 勾留」だったとしても、今度は刑が決まり入るべく「刑務所」の調整などに数週間程度、長い場合ですと1か月以上かかってしまうこともあるとか。

拘置所でそれを待っている間に刑期が終わってしまうのですね。


これが「拘留」で刑務所に入ることが稀な理由。

こんなことなら「拘留」のシステムって、いらなくないか? とも思いますが、先ほど挙げました「公然わいせつ罪」などについては「拘留刑」、と決められているのです。

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「懲役・禁錮・拘留」の違いのあれこれ


作業があったり無期があったりなかったり、といった違いのある上記3つの「自由刑」。

「拘留」が定められている犯罪には「なるほど。絶対無期懲役とかにはならないだろうな」とわかるのですが、では「懲役」と「禁錮」に当てはまるその罪状とは?


というより、あまり「禁錮○○年」「無期禁錮」といった言葉自体メジャーではないような気もします。

  • 死刑: 7件
  • 無期懲役: 28件
  • 有期懲役: 52,557件
  • 有期禁錮: 3,124件
  • 拘留: 4件
  • 無罪: 116件

これは平成26年に行われた判決の内訳の一部です。


ほとんどが期限アリの懲役、といった感じですね。「禁錮」、何をやらかした人が受ける刑なのか気になります。

ではここでその「禁錮刑」についても含めまして、もう一度「懲役・禁錮・拘留」についてまとめていくことにしましょう!

何刑?


    「何刑?」という聞かれ方は初めてですが3つ共に「自由刑」です。
     → 受刑者の身体を刑事施設に拘置し、その自由を奪う刑罰です。

執行猶予はつく?


    ◎3年以下の「懲役」「禁錮」: その時の状況、犯情など、情状により「執行猶予」が付される場合があります。

    ◎「拘留」: なし。即執行です。
     → が、先ほど書きましたように「勾留期間」も「拘留期間」とされるため、言い渡された日数より実際の日数は減る、もしくはマイナスとなり、そのまま満期となることもあります(ですが、その間も「勾留」され(身柄を拘束)ていることに変わりはありませんし、刑務所に収監されなくても「有罪」であり、その刑罰が「拘留」であることも変わりません)。

拘置されるだけ?


    ◎禁錮・拘留: 拘置されるだけです。

    ◎懲役: 所定の作業も科せられます。
     → ですが「禁錮・拘留」の受刑者の大半が、自ら作業を願い出るようです。単調で退屈で規則正しい毎日をただただ過ごすのはたまらなくなるそう。このことを「請願作業」と言います。

罪の重い順を教えて!


    ◎無期懲役 > 無期禁錮 > 有期懲役 > 有期禁錮 > 拘留 

    となります。

それぞれの刑期は?

    ◎懲役
  • 無期: 期限は定められていません 
  • 有期: 1か月以上20年以下
     → ただし併合罪(いくつもの罪状を併せる)などで加重、または軽減されることもあり。その場合「最長30年 / 最短1か月未満」。

    ◎禁錮
     →「懲役」と同じ。前述の通り「作業」の有無のみの違いだけです。

    ◎拘留
  • 無期: ありません
  • 有期: 1日以上1か月未満

何をやったら「禁錮刑」?


実際、近年では「禁錮刑」が下されるケースはますます減ってきています。「自由刑」といったら、もうほとんどが「懲役」といった感じですね。

特に少ないケース「無期禁錮」について刑事法で定められている罪状はこちら。

  • 内乱罪並びに爆発物使用罪
  • 爆発物使用未遂罪

これのみです。

「有期禁錮」の場合ですと対象となるのは「政治犯」「過失犯」。選挙法違反や自動車運転過失致死傷罪などでは「禁錮」です。


「過失犯」の多くは交通事故ですが、通常大抵が「罰金」で済んでしまいます。「禁錮」になるケースでは被害者に重い後遺症が残ってしまったり、最悪の事態ですが亡くなってしまったなど。それでも故意に起こしたことではないため「懲役」と区別しているのですね。

「政治犯」「過失犯」ともに「執行猶予」のつけられるケースが多くなります。


ですが上記の通り「禁錮」が言い渡されること自体が減ってきています。過失犯でも「懲役」が科せられることもあるのです。

最後に要領よく3つをまとめちゃって!


はい……

    ◎懲役: 自由刑の一つ
  • 受刑者を刑事施設内に拘置。自由を奪われ、かつ強制的に労働(作業)を科せられる。
  • 「無期」と「有期」がある。
  • 「有期」では原則「1か月以上20年以下」だが、加重・軽減もあり、その場合「30年」「1か月未満」となることも。
  • 3年までの刑期の場合、情状を酌量されれば「執行猶予」もあり得る。

    ◎禁錮: 自由刑の一つ(近年では、減ってきている)
  • 受刑者は刑事施設で身体を拘置されるが、労働の義務はなし(ただし願い出れば許可される)。
  • 期間は「懲役」に同じ。「無期」「有期」も同じくあり。
  • 「執行猶予」に関しても条件は同じだが、「有期」の場合、その対象となる罪状(政治犯・過失犯など)の違いから、その率は高い。

    ◎拘留: 自由刑の一つ(その中では最も軽い刑罰)
  • 受刑者の刑事施設内での状況は「禁錮」と変らず。
  • 「無期」はなし。その期間は「1日以上30日以下」。
  • 「執行猶予」は絶対つかない。判決言い渡し後、即執行。
  • でも勾留(判決言い渡し前の刑事施設での身柄拘束)されている間に「拘留期間」が満期になっている等、刑務所には収監されないこともあり。

こんな感じでいかがでしょう。

終わりに……


何か月も何年も、何もせずにただ室内で正座、というのは、想像するだけで身体の節々が痛いです。

実際、請願作業を願い出ない「禁錮(拘留)」の受刑者は1%程度だとか。むしろ、その1%の受刑者が何を思って願い出ないのかの方が気になってしまいます……


なるべくなら「刑務所」に収監される受刑者自体が減るよう「懲役・禁錮・拘留」が死語になるような時代が来るといいのになぁ、と密かに強く願ってやみません!


皆さまの「?」の解消に、少しでも役立つことができていましたら幸いです!


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