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「羽」には「根」がなくて「羽根」には「根」があって「翼」には……わかった!「夢がある」だ!

翼


すごいですね。いや、本当にすごいです。考え方が柔軟というか、ユニークというか、どこかに故障箇所があるというか……


「羽」と「羽根」、ともに読みは「はね」。確かに漢字表記では「根」の有無の違いですが、意味は違うのか? 違うのなら、その使い分けはどのようにされているのか?


そして「翼」。「羽・羽根」ではなく、あえて「翼」と表わすのはなぜか?


うーん。文字をじっと見ていても、何も思いつきません!! そのうち「夢がある!」などと口走ってしまいそうでちょっと怖いです……


タケコプターって「羽」?「羽根」? あ、夢のある話だから「翼」だ!! どこでもドアも「翼」だ!


……だから、違います!


でも……どの文字も「飛ぶ」ことに関係してるし、共通しているのが「夢がある」ってことなのかも……どこでもドアも、瞬間移動手段と考えれば広い意味で「翼」の一種……はっ!危ない!


ではでは、さっそく「羽・羽根・翼」の意味や違い、漢字で書く場合の使い分け等、解説にいかせていただきます!


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「羽・羽根・翼」の違いはココ!


「はね」と言えばやはり「鳥」。


けれど、その「鳥」を専門分野としている「鳥類学」では「羽根」表記は使われません。

「羽」の表記はありますが、それは「鳥の翼」の意味としてではなく「小翼羽」「風切羽」「雨おおい羽」など、鳥の羽毛のそれぞれの部位や機能を示す部分の名称として使われる表記となっています。

鳥のいわゆる「はね」は「翼」で表わされ、翼の一枚一枚分かれたものが「羽毛」、そして翼を構成するものとして、その羽毛の役割により、上記の「風切羽」などとされているのですね。


つまり「翼」とは、

  • 鳥類の前肢が飛ぶために発達したもの → 全体を羽毛で被われているもの → その羽毛を部位や働きにより風切羽などに分けるもの

なのです。


が、これはあくまでも「鳥類学」上のお話。

一般的には、鳥の「はね」に関しての区別は、

  • 羽: 鳥類の翼(や昆虫の「はね」)を指す
  • 羽根: 鳥類の羽から抜け落ちた一本一本のこと(鳥類学での「羽毛」が抜け落ちたもの)
  • 翼: 鳥類(やコウモリ)の飛行器官

とされています(勝手なイメージですが、何となく「翼」が一番夢がない感じですね。ズバリ過ぎです)


ここが一番大きな使い分けのポイントとなるのですが「鳥」以外でも「はね」や「翼」のあるものはあります。

飛行機や、ヘリコプター、換気扇やその他諸々、結構あるのです。


それらの場合はどうなる?
鳥の中でも飛べない鳥は?



では、まずは読みも同じ「羽」と「羽根」、上記の場合も含めまして、少し詳しく見ていってみることにしましょう。

「羽」と「羽根」はどこが違う?!


「根」のない「羽」。

この文字の元々の読みは「は」。「はね」と読ますには「根」をつけ「羽根」とするのが正解でした。

現在では「鳥の翼」にはこちらの「羽」の表記が使われていますが、上記のことからもわかりますように、この使い分けは絶対のものではないのです(以下、現在の一般的な使い分けをご紹介していくのですが、このことは一応覚えておいていただけると嬉しいです)。


さて、現在の「羽」。

鳥や昆虫の飛ぶための器官(昆虫では「翅」と書くことも多いです)を表わす文字ですが、その見た目通り一対になったもの、翼状のものを呼ぶときにも使われる言葉となっています。

何となく鳥を連想させるようなもの、例えば「飛行機の羽」などですね。左右対になっています。


また、比喩的に使われる場合にもこちら。

「鳥のはね」または「鳥の翼」といわれて思い浮かぶのは大抵「飛んでいる姿」かと思います。歩いている姿が浮かぶのはカルガモの親子くらいです(私には)。

そんな鳥の姿に譬えたもの、ですので、久しぶりの休暇で「はね」を伸ばす、などでも「羽」です。実際に羽が生えてきたわけではありませんが、くつろぐ様子が鳥の翼を伸ばした様子として表現されているわけです。

「休める」のも「羽」ですね。何十キロも飛んできた渡り鳥の、つかの間の休息。盛大に休んでほしいです。


つまり「羽」の文字は、もの凄く「鳥の翼」に直結しているものに使われることの多い漢字表記。

その見た目や、鳥のそうする様が目に浮かぶようなもの(少しだけ想像力が必要なものもありますが)に使われるのが「羽」表記です。


さて、では「羽根」は?


例えば「はねつき」。


「羽」だったら痛そうです。鳥がかわいそうです。

募金したことを示す胸につけてもらえる赤いアレ。鳥の両翼が胸に……重い……

また、先ほどもチラリと書きましたが「換気扇のはね」。想像したくない状況です。


などのように「鳥」を引き合いに出してしまうと、何とも言えない気分になりそうなものには「羽根」です。

「羽根つき」「赤い羽根」「換気扇の羽根」、ですね。


これらは前述の「鳥の羽から抜け落ちた一本一本」に形が似ているものでもあります。


「羽根ペン」など、そのままですね。また、昆虫に関しましては「鳥の羽から抜け落ちて」いないため、通常使われることはありません。「羽」もしくは「翅」です。


つまり「羽根」とは「鳥の翼」、一対になっている鳥の身体の一部ではなく、そのさらに一部。

よく落ちている集めたら扇子などが作れそうな、あの一本一本のことを表わす文字、そして、それに似た形状のものなどにも使われる表記です。


ヘリのプロペラも「羽根」です。
翼のように一対にはなっていないからですね。形としては羽毛の一本一本に似ています。

換気扇もそうですが、器具や機械類に取り付けられた「翼状のもの」も比喩ではなく、模倣。鳥の羽に似せて作られたもの。形などを模したものです。


「羽」とは、鳥以外で使われる場合には「鳥の胴体に一対となりついている飛ぶための器官から連想することのできるもの、または、その比喩的なもの」に、一方の「羽根」は「比喩的な使われ方ではなく、形状を真似たもの」を表す文字となります。


このような違いが漢字で書く際の使い分けの基準となっているのですが、解釈によっては、かなり曖昧となってくることも……(元々、絶対がないものなので。覚えていていただけましたか。助かります)


そこで文字の見た目にもはっきりと違いを見せる「翼」の登場です。
では、続いて「つばさ」とも「ヨク」とも読む「翼」にいってみましょう。

「翼」とは?「羽・羽根」とはここが違う!


「鳥類(やコウモリ)の飛行器官」である「翼」。そして鳥類学での「鳥の羽」でもある「翼」。
やっぱりややこしいです……


さて、もともと「翼」は、ほとんどの場合「鳥の翼」の意味でのみ使われていました。

「鳥類の飛行器官」とは「鳥の前肢が発達したもの」、つまり飛ぶために発達した鳥類の前肢が「翼」なのですね。
ですので昆虫などにも使われません。


そんな「翼」に転機が訪れたのは20世紀。飛行機の登場です。


「飛ぶ鳥」「飛ぶ飛行機」、「二枚の羽を広げて飛ぶ鳥」「左右対称に取り付けられた翼状のものを持ち飛ぶ飛行機」などなど、鳥と飛行機の共通する性質を抜き出し「この翼状のものに関しては、鳥と同じじゃない?」といった考えが共通認識のようになっていったのです。


要するに、鳥の羽と飛行機の翼状のものは形も似ているし、飛ぶためのもの、という役割も一緒。飛行機にくっついてるアレは、だから「翼」と呼んでOK。といった感じですね。

♦少し飛行機に乗った気分 B787美しい翼のフラップ全開と格納時の違いがすごい!関空着陸


そしてさらに「飛行機が飛ぶための理論」から、水中翼船などを動かす「喫水線下につけられた動力となるもの」などにも「翼」の意味は広がっていきます。

空(気体)を飛ぶだけではなく、その進行を効率よく進める形状のもの、つまり「船舶」では海(液体)、こうなってくると、鳥とは関係ない感が凄いですが、それらに対しても使われるようになっていくのです。


イマイチわかりにくいかも……時系列的に簡単にまとめてしまいましょう。

  • 「鳥の翼」としての使われ方がほとんどだった「翼」

  •  → 20世紀になり「飛行機」の登場
     → 左右対称に羽の取り付けられた飛行機の形状や空を飛ぶもの、という似通った性質により、飛行機の羽にも「翼」が当てはめられる
     → その形状であることが、気体や液体との相互作用を得て効率よく進む働きとなっているものも「翼」でOK

といった形で「翼」の守備範囲は現在のように拡大されていったのです。


そしてついには空港の「ウイング」、北とか南とかのあの飛ばない建物にも「翼(ウイング)」は進出していくのですね。
また「右翼」「左翼」のように、思想的な立場を意味するものにまで「翼」。

もはや、どこにも鳥はいません。


とはいうものの「ウイング」「右翼・左翼」などはかなり転化した使われ方。

「鳥類の飛行器官」から「飛行機や船舶を効率よく動かす形状のもの」までで考えますと、「翼」にはよりその働きに重点が置かれているのがおわかりいただけるかと思います。

なにせ始まりは「鳥類(脊椎動物)の発達した前肢」。そしてわざわざ発達したのは飛ぶためだからです。

ですので「飛べない鳥」の、ダチョウやペンギンなどにも「翼」です。彼らは飛べませんが、退化・変化(ペンギンの翼は、遊泳器官に)したものはもともと前肢だったからですね。


また「翼」は「つばさ」の他「ヨク」とも読まれます。

微妙な違いですが、こちらは「飛行機などの鳥のつばさ状のもの」を指しているとともに「建物などの左右に張り出した部分」の意味も持っているのです。

先ほどの「ウイング」などは「鳥のつばさ」というより「ヨク」としての意味が強いのですね。

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「羽・羽根・翼」はこう使い分ける!


漢字まで似ていてややこしい! と思っていた「羽」「羽根」よりも、むしろ「羽」と「翼」の区別の方がわかりにくいかも……な気分になってきてしまいました……


「羽」も「翼」も鳥の同じ部分を指しているのですね。

同じものを指しているのですが、それに対し、捉える角度が違っている、と言いますか……
うーん。


ではここで、色々な比較を交え、紛らわしい3つをもう一度まとめていきつつ、スッキリを目指していきましょう(私も含めて)!

鳥類限定! 何を意味する言葉?


  • 羽: 鳥の全身を覆って生えている毛、羽毛。また、鳥が空を飛ぶための器官。鳥の翼を指す。
  • 羽根: 鳥の羽から抜け落ちたものの一本一本
  • 翼: 鳥の前肢が発達した飛行器官。羽毛。

  •  →「羽」と「翼」は、鳥のいわゆる「はね」、左右で一対になっている羽ばたくあの部分のことを指し、「羽根」のみがそこから抜け落ちたものを指しています。

ちなみに英語の「羽根」とギリシャ語の「翼」は語源が一緒……絡まってますね……

鳥以外に使われる場合は?


  • 羽: 飛行機など、空を飛び、またその形状が鳥の羽に似ているもの。鳥のつばさに譬え、比喩的にも。
  • 羽根: 抜け落ちた一本一本の羽根を加工して作られたもの(羽根ペンなど)。または、その形状を模倣し、機械や器具に取り付けられた(翼状の)もの、プロペラなど、翼状にはなっていないもの。
  • 翼: その働きにより、効率よく進むことのできるような形状をしたもの(飛行機や船舶、プロペラや風力原動機などなど)。

  •  → 飛行機やヘリコプターでは「羽・羽根」も使われますが、優勢なのは「翼」。タケコプターは「羽根」(見たことがないので、たぶんですが)。どこでもドアは扉、「ドア」です(こちらもたぶん)。

使われる時のイメージは?


あくまでイメージです。それぞれが一番重点を置いている部分はこちら。

  • 羽:「鳥」の羽であること。その姿を連想するようなものが比喩としても使われています。
  • 羽根:「鳥の羽」の一部。一本一本としての形。その形状から、器具や機械類に模倣されていきます。
  • 翼: 鳥などが「飛ぶためのもの」であること。「ヨク」と読ませる場合には、左右対になった形状にも。

  •  → 特に同じ読み方の「羽・羽根」を漢字で書く場合には、この違いにより使い分けるのがベストです。鳥の胴体に一対となってついている(羽)か、その一本一本を指しているか(羽根)、の違いですね。

一番よく使われるのは?


「鳥類学」は別として、一番広く使われているのは「羽」です。


昆虫にも「羽」(「翅」とも書かれますが)、また「翼・羽根」も含め「羽」とする場合もあります。


正確を期するなら、この中では一番「羽根」が使う場面を選ぶ言葉となります。


同じく「鳥のはね」を意味する「羽・翼」でも、話し言葉として、より一般的に使われるのは「羽」の方です。「翼」はちょっと硬いのですね。


ですが、鳥類以外で使われる場合には、前述のアレコレを踏まえた区別が、一応一般的な使い分けとなっています。

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終わりに……


なるほど、こんなことになっていたのですね。
鳥は何も考えていないかもしれませんが、飛ぶのも一苦労です。


へぇ、どこでもドアって、やっぱドアだったんだぁ!


そこですか!!


……は、さておき、いかがでしたでしょう。
皆さまのモヤモヤが、少しでも解消できていれば幸いです。


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