こんな『違い』があったんだ!

『ジェラート』『アイス』『シャーベット』の違い|作り方やカロリーも気になる

ジェラートの日
なんとなく昭和っぽいのが『アイス』。

シャリシャリ食感も楽しいのが『シャーベット』。

イケてる女子とかがアイスのことをあえてこう呼んでそうなイメージのあるのが『ジェラート』。


(……独断と偏見まみれのイメージです)


こんな感じの違いってことで、あってます?


……ハズレてますよ……


アイスクリーム


人が冷たいお菓子をおいしいと感じ始めるのはゴールデン・ウィークに入るころ。

だいたい気温が22~23℃くらいになる時期だそうです。


もうじきですね ♪


カモーン、コールド スイーツ パラダイス シーズン!



え~、でも、あんまり暑くなると、アイスってなんかベタベタする気がして食べたくなくなるかも~

だよね~、だったらかき氷とかのほうがいいかも~

シャーベットもよくない?

てか、シャーベットってアイスだよね? アイスコーナーでフツーに一緒に売られてるじゃん?

ねぇ……ところで、ジェラートって、実はなんなの?




だからそれを今から……


── ということで、


『ジェラート・アイス・シャーベットってなにが違うの?
一番カロリーが低いのはどれ? 作り方は?』



についてサクサクっとご紹介です。

謎を解いていきましょう!


それではさっそくスタートです☆彡

目次

『ジェラート・アイス・シャーベット』の違いと関係

細かく書くとものすごくややこしくなるので、とりあえずあっさり書いていきますね。


まずは『ジェラート』。


イタリアのフィレンツェで生まれたお菓子、というかアイスですね。

だからイタリア語。


で、


    「ジェラートって、どういう意味ですか?」

    →「英語のアイスクリームと同じ意味をもつイタリア語だよ。
    ジェラートの語源は『凍った』だよ。
    だから凍ったお菓子全般を指す言葉として使われてるよ」


なんですね(こう定義されてます)。


つまり、


『ジェラート(イタリア語) = アイスクリーム(英語)』


です。

違いは『何語?』だけ。


ジェラートの本場イタリアでは、


  • ジェラート
  • アイスクリーム
  • ソフトクリーム
  • アイスキャンディ
  • シャーベット
  • かき氷

  • = 凍ったお菓子


ということで、これらすべてジェラートと呼ばれています。


おおらかと言えばいいのか、おおざっぱと言うべきなのか、なんともボーノです。


    【イタリアのジェラート事情】

    「凍ったお菓子なら全部『ジェラート』でOK」


そして定義では『ジェラート = アイスクリーム』ですよね。


なので、日本でも広い意味では、これは『あり』になります。


    【日本のアイスクリーム事情(広義 / 言葉が指す広いほうの意味)】


    「アイスクリーム(= ジェラート)とは、凍ったお菓子全般を指す言葉である」


タイトルにもある通り、わざわざアイスクリームと呼ばずに『アイス』ですませちゃったりもしませんか?


    「アイス買ってくるけど、なにがいい?」


    「あ、オレ、ハーゲン○ッツのバニラで!」

    「あたし、ソフトクリームの形したアイスがいい!」

    「ぼくはパックに入ってるかき氷っぽいの(← シャーベット)をお願いしたいです」


こんな感じ。

普通に通じますよね。


なんならカッコつけて、


「ジェラート食べに行かない?」


といってかき氷屋さんに友だちを誘ってもOK。

結果的にカッコよくはなれなくなりますが、そこさえガマンできれば、だれにも怒られません(誘われた友だちは怒るかも)。


ただし、『凍ったお菓子系製造業者』さんなどが作った商品を自分の好きに呼び分けて販売するのはダメ。


日本では、イタリアに比べると『なんで!!』とだれかの肩を思いっきり叩きたくなるような、どうしようもなく面倒くさい分類が、法律上決められてるんです。

『アイスクリーム』をめぐる日本の分類事情


シャーベット


さて、まずは、


『アイスクリーム(= ジェラート)とは、凍ったお菓子全般を指す言葉である』


です。


これが一番大きなカテゴリとして『凍ったお菓子業界(?)』のトップに君臨していることになります。


そしてそのカテゴリがどんどんと細かく分けられていく。


第一分岐点、


    ■ 『凍ったお菓子』を

    → アイスクリーム類
    → 氷菓


の2つに分類。


次に、


    ■ 『アイスクリーム類』を

    → 種類別 アイスクリーム
    → 種類別 アイスミルク
    → 種類別 ラクトアイス


    ■ 『アイスクリーム類』ではない一般食品として

    → 氷菓


さらに分かれて4種類に。


面倒くさい……


うん。
面倒くさい……


『凍ったお菓子は全部アイスクリームでいいよ』といいつつ、めちゃめちゃ細かく分けられてます。


で、この分類の基となっているのが『食品衛生法』です。

食の衛生は大事。

めんどくさいけど。


  • 乳及び乳製品の成分規格に関する省令
  • 食品・添加物等の規格基準


この2つの法律によって定められているのが、


「アイスに含まれている『乳成分量』による分類」


大丈夫ですか?

疲れてたら、いったん休憩、入れちゃってください。


けっこう面倒くさいことになっちゃってますが、もう少し続けてしまいますね。

乳成分量による分類


    【アイスクリーム類】

      ① 種類別 アイスクリーム

      → 乳固形分(乳製品の中の水分以外の部分のこと): 15.0%以上のもの

      → 乳脂肪分(乳固形分の中に含まれる脂肪分のこと): 8.0%以上のもの


      ② 種類別 アイスミルク

      → 乳固形分: 10.0%以上のもの

      → 乳脂肪分: 3.0%以上のもの


      ③ 種類別 ラクトアイス

      → 乳固形分: 3.0%以上のもの


    【一般食品として】

      ④ 種類別 氷菓

      → 上記『アイスクリーム類』以外のもの

      → 乳固形分は3.0未満~ほとんどなし


『アイスクリーム > アイスミルク > ラクトアイス > 氷菓』


乳脂肪分の多い順です。


乳脂肪分が多いほど、

  • ミルクっぽさ
  • コクのあるまろやかさ
  • きめ細かさ

をより感じられるようになっています。


そして謎の凍ったお菓子『氷菓』ですが、


『乳固形分・乳脂肪分をほとんど含まない凍ったお菓子』


果汁が主な原料として使われることの多いシャーベットや、氷を砕いてシロップをかけるかき氷などが、こちらに分類されることになります。


タイトルの3つのうち、シャーベットだけは『アイスクリーム類』にすら入れられてないんですね……

ちょっとかわいそう……



お店の『アイスコーナー』などで売られているアイスのパッケージには、


  • 種類 アイスクリーム(またはアイスミルク・ラクトアイス・氷菓)

  • 無脂肪固形分 ○○%

  • 乳脂肪分 ○%


のように表示されています。


お気に入りのアイスは果たしてアイスクリームなのか? 

ラクトアイスなのか?

もしかして氷菓?



チェックしてみてくださいね。


ミルク


ところでですが、上記のパッケージには『乳固形分』が書かれていませんよね。

代わりに表示されているのが『無脂肪固形分』の%。


無脂肪固形分って乳固形分のことじゃないの?


じゃないのですよ。ややこしいことに……


表示されてる『無脂肪固形分』と『乳脂肪分』を足したものが『乳固形分』。


たとえば、


『乳脂肪分 5% / 無脂肪固形分 5%』


なら『乳固形分』は10%です。

『乳脂肪分』はそのまま、5%。


これを分類に当てはめてみると、


  • 乳固形分: 10.0%以上のもの

  • 乳脂肪分: 3.0%以上のもの


    → アイスミルク


そしてその上に書かれている『種類』にもちゃんとアイスミルクと書かれているはず。


ちょっとスッキリしますよ!


ではではジェラートはこの分類だとどこに入る?

分類上のジェラートの立ち位置は?


ジェラート


イタリアではみんなジェラート、はいったんおいておきます。

こんがらがるから。

日本で売られている一般的なジェラートで考えていきますね。


牛乳ベースのものが多いアイスクリームに比べ、ジェラートでは果物や果汁がたくさん使われているのも特徴のひとつ。


また、果物の代わりにコーヒーやハーブなどのフレーバーが使われることもあります。

野菜が原料になってるものもありますよね。


ということで、乳成分はアイスクリームより少なく、ジェラートでは、


『乳脂肪分 4~8%程度』


が一般的。


アイスクリームを名乗るには、


『乳固形分 15.0%以上 / 乳脂肪分 8.0%以上』


であることが条件なので、ジェラートの多くは『アイスミルク』に該当することになるんですね。


でも、なんといっても原料の自由度が高いのがジェラートなので、中には、

  • 乳固形分 3.0%以上 ラクトアイス
  • それ以下のもの 氷菓

に分類されるものもあるようです。


アイスクリームより、サッパリした味わいになっているのには乳成分量が関係していたんですね。


これが、食品衛生法による『凍ったお菓子』の分類方法。


ほかにもいくつか、彼らの特徴からくるいくつかの違いがありますので、今度はそちらをみていきますね。

(※ 以下、『アイスクリーム』とある場合には『アイスミルク・ラクトアイス』ではないものを指しているとお考え下さい。アイスクリーム類の3つすべてを対象にして書くと、ムダにややこしさが増してしまいますので……よろしくです)

空気含有量の違い

さてさて、数行前に『ジェラートはアイスクリームよりサッパリ』と思いっきり書いちゃってますが……


風味的な濃厚さやアイス自体の濃密さなんかはすごくありますよね。


説明が下手すぎて申し訳ないんですが、要するに、アイスクリームと比べたときの全体的な『ネトっとした重み』です。


これに関係してくるのが、『空気の含有量』です。


アイスクリーム・ジェラート・シャーベット、どれも作るときには空気を含ませながらかき混ぜていきます。


このときどのくらいの空気が混じるかによって、口当たりに変化が生まれるんですね。


先に数字を書いてしまいますが、


  • アイスクリーム: 60~100%

  • ジェラート: 20~40%(35%未満のものが多い)

  • シャーベット: 20~60%


これが一般的な空気含有量となっています。


たとえばアイスクリームの100%の場合。


100%の割合なので、『アイスクリーム:空気』は『1:1』です。

つまり1ℓのアイスクリームなら、半分の0.5ℓ分が空気。


ホワホワになるんですね。

悪く言えばスカスカ(にはなりません。わかりやすく言うなら、です)。

アイス成分が少ない。

半分は空気だから。


でも、だからこそホワホワでソフトな口当たりが実現する。



では20%のジェラートなら?


空気が少ない分、ジェラート成分(?)がギッチリつまっていることになりますよね。

イコール、濃密で重みのある味わいになる、です。



それよりは高い60%のシャーベットだったら?


アイスクリームとジェラートの中間くらいのサッパリさですね。


ただ、シャーベットは『氷菓』で乳脂肪分がほとんど入っていないので、濃密さや濃厚さも少なくなります。


この空気含有量により、

  • 高いほどホワホワで軽い味に
  • 低いほど重みのある口当たりに

といった違いが生まれるんですね。


また、含有量が低いほど『冷たい!』と感じます。


この差により、それぞれの『食べごろ』の温度も変わってきますよ!

食べごろ温度の違い


食べごろ温度


  • アイスクリーム: -12℃くらい / 空気含有量 60~100%

  • ジェラート: -8℃~-10℃くらい / 空気含有量 20~40%

  • シャーベット: -11℃~-10℃くらい / 空気含有量 20~60%


見事に含有量の高い順に食べごろの温度が低くなってます。


含まれている空気の泡が多いほど冷たさを感じにくくなるんです。


また、含まれている乳固形分も冷たさの伝わりをブロック。


さらに、乳固形分は『乳製品の水分以外の部分』ですよね。


これが多ければ『水分が少ない』ということになるので、冷やしたときにできる『水分 → 氷の結晶』も少ない、ということになります。


だから……?


……だから、えっと……


上の3種が同じ-10℃の状態だったとします。


『アイスクリーム > ジェラート > シャーベット』


の順で柔らかさを実感できる。

氷の結晶が多いとザラついた質感になるからです。


乳脂肪分がほとんどないシャーベットなんかでは、ほかの2つに比べものすごいカチカチ・シャリシャリ具合が感じられるはずです。

販売方法・保存方法の違い


ジェラート


こちらはあくまで一般的には、になります。


が、たいていアイスクリームはお店の冷凍ケース内で売られていて、ジェラートは店頭で直接手渡しが多くないですか?


これも乳脂肪分や空気含有量、食べごろ温度などなどが関係してるんですよ。


工場などでつくられたアイスクリームは、

  • -25℃以下の冷凍庫内で保管
  • 温度を-18℃以下に保つことができる冷凍車に乗って出荷

一方ジェラートは、

  • お店の中にある製造室で作られた後、-12~-18℃のショーケース内で冷やされ
  • 注文を受けたら、その場で手渡し

という売られ方が多いです。


アイスクリームに比べジェラートは、


  • 乳脂肪分が少ない

  • 空気含有量も少ない

    → 冷たさが伝わりやすい

    → (アイスクリームと)同じ温度で保管していた場合、柔らかさが感じられない


なので、アイスクリームのように長時間冷たい場所に置いておくのはあまりよくないんですね。


作ったら、できるだけ早く食べてほしいのがジェラート。


また、作りたてを食べた方が素材の風味が美味しく味わえる、というのも理由のひとつ。


ジェラートの中にはアイスクリーム同様、急速冷凍してパックに詰めて売られているものもありますが、それでもなるべく早く食べた方がいい。

そのほうがぜったいおいしいです。
(※ 目安は半年以内 / パック入りで売られているジェラート)


ではアイスクリームやシャーベットの保存は?

アイスクリーム・シャーベットの場合


シャーベット


こちらもそりゃ、早めに食べたほうがいいです。


ただ、一応『消費者庁食品表示基準』なるものの規定では、アイスクリーム(や氷菓)には賞味期限を書かなくてもいいことになってるんですね。


-18℃以下で保存しておけば、細菌などが増えることがないからです。

家庭用の冷凍庫でも-18℃以下を保つことは可能。


ここさえ守っておけばアイスクリームの品質が落ちることはほとんどないそうなんです。

細菌も増えないし。


でも、家庭にある冷凍庫って、かなりひんぱんに開け閉めしますよね。

-18℃以下を保てる保証はないんですね。


お肉も出さないとならないし、冷凍チャーハンもたまには食べたいです。


業務用の『アイス保管のための冷凍庫』とはちょっと違う。


-18℃を保てないと、まず凍っていた氷の結晶が溶け始め、一つひとつの粒が大きくなります。

アイスクリームなのに食感がシャーベットに近くなってしまう。

ザラザラした感じになってきます。


なめらかな食感がウリなのに……

それだけでなく、細菌も増え始め……


これはシャーベットでも同じ。


賞味期限の表示はありませんが、せっかく買ってきたんだから、おいしいうちに早く食べちゃいましょう。

カロリーの違いも気になる!!


カロリー

ここに関係してくるのもやっぱり『乳脂肪分』。


もう一度それぞれの特徴を確認です。


    ■ アイスクリーム

    『ミルクたっぷり! コクのあるまろやかさときめ細かさが自慢!』


    ■ ジェラート

    『果汁や果肉たっぷり! 素材の濃厚な風味を味わい尽くして!』


    ■ シャーベット

    『サッパリさなら負けない! 果物中心のシャリシャリ食感も楽しいよ! 自分、氷菓ですから!』


こんな感じですね。
(ザックリすぎるけど)


当然、『ミルクたっぷり(乳脂肪もたっぷり)!』なアイスクリームが一番高カロリーで、


『180㎉ / 100g』


アイスクリームよりも乳脂肪分が少ないジェラートが、


『127㎉ / 100g』


そして『自分、氷菓ですから!』な乳脂肪分ほぼなしのシャーベットが、


『121㎉ / 100g』


となっています。


ただし、最もローカロリーなシャーベットの主な原料は果物ですよね。


果物に多く含まれているのが『果糖』。

糖類です。

で、糖類って『炭水化物』になるんですね。


しかもフルーツのみだと甘みが足りないので、さらにそこに砂糖などを加えることもあります。


アイスクリームよりも炭水化物量・糖分が高くなるのもが多いので、カロリーが低いからといって食べすぎちゃうと……太ります。

注意!

(※ 上記の数字は目安です。使われている原料によってもカロリーには差が出てきます。チョコやキャラメルなどを使っているものはカロリーもアップしちゃいますので、気をつけてくださいね)

ジェラート・アイスクリーム・シャーベットの作り方

これまでもチョコチョコ出てきてるんですが、簡単にまとめてみますね。

ジェラートの作り方


    ① 果物と牛乳、卵白、砂糖などの原料を混ぜる
    ② 空気を含ませるようにしてかき混ぜながら冷却

    ➡ 果物の代わりにナッツ、キャラメル、野菜、チーズや、ハーブやコーヒーなどのフレーバーが使われることも

    ➡ 素材の味が風味やコクとなってしっかり感じられるものが多い


ご自宅で作っている方も!!

♦  手作り簡単ブルーベリージェラートのレシピ

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