シャリシャリ食感も楽しいのが『シャーベット』。
イケてる女子とかがアイスのことをあえてこう呼んでそうなイメージのあるのが『ジェラート』。
(……独断と偏見まみれのイメージです)
こんな感じの違いってことで、あってます?
……ハズレてますよ……
人が冷たいお菓子をおいしいと感じ始めるのはゴールデン・ウィークに入るころ。
だいたい気温が22~23℃くらいになる時期だそうです。
もうじきですね ♪
カモーン、コールド スイーツ パラダイス シーズン!
え~、でも、あんまり暑くなると、アイスってなんかベタベタする気がして食べたくなくなるかも~
だよね~、だったらかき氷とかのほうがいいかも~
シャーベットもよくない?
てか、シャーベットってアイスだよね? アイスコーナーでフツーに一緒に売られてるじゃん?
ねぇ……ところで、ジェラートって、実はなんなの?
だからそれを今から……
── ということで、
『ジェラート・アイス・シャーベットってなにが違うの?
一番カロリーが低いのはどれ? 作り方は?』
についてサクサクっとご紹介です。
謎を解いていきましょう!
それではさっそくスタートです☆彡
目次
『ジェラート・アイス・シャーベット』の違いと関係
細かく書くとものすごくややこしくなるので、とりあえずあっさり書いていきますね。まずは『ジェラート』。
イタリアのフィレンツェで生まれたお菓子、というかアイスですね。
だからイタリア語。
で、
-
「ジェラートって、どういう意味ですか?」
→「英語のアイスクリームと同じ意味をもつイタリア語だよ。
ジェラートの語源は『凍った』だよ。
だから凍ったお菓子全般を指す言葉として使われてるよ」
なんですね(こう定義されてます)。
つまり、
『ジェラート(イタリア語) = アイスクリーム(英語)』
です。
違いは『何語?』だけ。
ジェラートの本場イタリアでは、
- ジェラート
- アイスクリーム
- ソフトクリーム
- アイスキャンディ
- シャーベット
- かき氷
= 凍ったお菓子
ということで、これらすべてジェラートと呼ばれています。
おおらかと言えばいいのか、おおざっぱと言うべきなのか、なんともボーノです。
- 【イタリアのジェラート事情】
「凍ったお菓子なら全部『ジェラート』でOK」
そして定義では『ジェラート = アイスクリーム』ですよね。
なので、日本でも広い意味では、これは『あり』になります。
- 【日本のアイスクリーム事情(広義 / 言葉が指す広いほうの意味)】
「アイスクリーム(= ジェラート)とは、凍ったお菓子全般を指す言葉である」
タイトルにもある通り、わざわざアイスクリームと呼ばずに『アイス』ですませちゃったりもしませんか?
-
「アイス買ってくるけど、なにがいい?」
「あ、オレ、ハーゲン○ッツのバニラで!」
「あたし、ソフトクリームの形したアイスがいい!」
「ぼくはパックに入ってるかき氷っぽいの(← シャーベット)をお願いしたいです」
こんな感じ。
普通に通じますよね。
なんならカッコつけて、
「ジェラート食べに行かない?」
といってかき氷屋さんに友だちを誘ってもOK。
結果的にカッコよくはなれなくなりますが、そこさえガマンできれば、だれにも怒られません(誘われた友だちは怒るかも)。
ただし、『凍ったお菓子系製造業者』さんなどが作った商品を自分の好きに呼び分けて販売するのはダメ。
日本では、イタリアに比べると『なんで!!』とだれかの肩を思いっきり叩きたくなるような、どうしようもなく面倒くさい分類が、法律上決められてるんです。
『アイスクリーム』をめぐる日本の分類事情
さて、まずは、
『アイスクリーム(= ジェラート)とは、凍ったお菓子全般を指す言葉である』
です。
これが一番大きなカテゴリとして『凍ったお菓子業界(?)』のトップに君臨していることになります。
そしてそのカテゴリがどんどんと細かく分けられていく。
第一分岐点、
-
■ 『凍ったお菓子』を
→ アイスクリーム類
→ 氷菓
の2つに分類。
次に、
-
■ 『アイスクリーム類』を
→ 種類別 アイスクリーム
→ 種類別 アイスミルク
→ 種類別 ラクトアイス
■ 『アイスクリーム類』ではない一般食品として
→ 氷菓
さらに分かれて4種類に。
面倒くさい……
うん。
面倒くさい……
『凍ったお菓子は全部アイスクリームでいいよ』といいつつ、めちゃめちゃ細かく分けられてます。
で、この分類の基となっているのが『食品衛生法』です。
食の衛生は大事。
めんどくさいけど。
- 乳及び乳製品の成分規格に関する省令
- 食品・添加物等の規格基準
この2つの法律によって定められているのが、
「アイスに含まれている『乳成分量』による分類」
大丈夫ですか?
疲れてたら、いったん休憩、入れちゃってください。
けっこう面倒くさいことになっちゃってますが、もう少し続けてしまいますね。
乳成分量による分類
-
【アイスクリーム類】
-
① 種類別 アイスクリーム
→ 乳固形分(乳製品の中の水分以外の部分のこと): 15.0%以上のもの
→ 乳脂肪分(乳固形分の中に含まれる脂肪分のこと): 8.0%以上のもの
-
② 種類別 アイスミルク
→ 乳固形分: 10.0%以上のもの
→ 乳脂肪分: 3.0%以上のもの
-
③ 種類別 ラクトアイス
→ 乳固形分: 3.0%以上のもの
【一般食品として】
-
④ 種類別 氷菓
→ 上記『アイスクリーム類』以外のもの
→ 乳固形分は3.0未満~ほとんどなし
『アイスクリーム > アイスミルク > ラクトアイス > 氷菓』
乳脂肪分の多い順です。
乳脂肪分が多いほど、
- ミルクっぽさ
- コクのあるまろやかさ
- きめ細かさ
をより感じられるようになっています。
そして謎の凍ったお菓子『氷菓』ですが、
『乳固形分・乳脂肪分をほとんど含まない凍ったお菓子』
果汁が主な原料として使われることの多いシャーベットや、氷を砕いてシロップをかけるかき氷などが、こちらに分類されることになります。
タイトルの3つのうち、シャーベットだけは『アイスクリーム類』にすら入れられてないんですね……
ちょっとかわいそう……
お店の『アイスコーナー』などで売られているアイスのパッケージには、
- 種類 アイスクリーム(またはアイスミルク・ラクトアイス・氷菓)
- 無脂肪固形分 ○○%
- 乳脂肪分 ○%
のように表示されています。
お気に入りのアイスは果たしてアイスクリームなのか?
ラクトアイスなのか?
もしかして氷菓?
チェックしてみてくださいね。
ところでですが、上記のパッケージには『乳固形分』が書かれていませんよね。
代わりに表示されているのが『無脂肪固形分』の%。
無脂肪固形分って乳固形分のことじゃないの?
じゃないのですよ。ややこしいことに……
表示されてる『無脂肪固形分』と『乳脂肪分』を足したものが『乳固形分』。
たとえば、
『乳脂肪分 5% / 無脂肪固形分 5%』
なら『乳固形分』は10%です。
『乳脂肪分』はそのまま、5%。
これを分類に当てはめてみると、
- 乳固形分: 10.0%以上のもの
- 乳脂肪分: 3.0%以上のもの
→ アイスミルク
そしてその上に書かれている『種類』にもちゃんとアイスミルクと書かれているはず。
ちょっとスッキリしますよ!
ではではジェラートはこの分類だとどこに入る?
分類上のジェラートの立ち位置は?
イタリアではみんなジェラート、はいったんおいておきます。
こんがらがるから。
日本で売られている一般的なジェラートで考えていきますね。
牛乳ベースのものが多いアイスクリームに比べ、ジェラートでは果物や果汁がたくさん使われているのも特徴のひとつ。
また、果物の代わりにコーヒーやハーブなどのフレーバーが使われることもあります。
野菜が原料になってるものもありますよね。
ということで、乳成分はアイスクリームより少なく、ジェラートでは、
『乳脂肪分 4~8%程度』
が一般的。
アイスクリームを名乗るには、
『乳固形分 15.0%以上 / 乳脂肪分 8.0%以上』
であることが条件なので、ジェラートの多くは『アイスミルク』に該当することになるんですね。
でも、なんといっても原料の自由度が高いのがジェラートなので、中には、
- 乳固形分 3.0%以上 ラクトアイス
- それ以下のもの 氷菓
に分類されるものもあるようです。
アイスクリームより、サッパリした味わいになっているのには乳成分量が関係していたんですね。
これが、食品衛生法による『凍ったお菓子』の分類方法。
ほかにもいくつか、彼らの特徴からくるいくつかの違いがありますので、今度はそちらをみていきますね。
(※ 以下、『アイスクリーム』とある場合には『アイスミルク・ラクトアイス』ではないものを指しているとお考え下さい。アイスクリーム類の3つすべてを対象にして書くと、ムダにややこしさが増してしまいますので……よろしくです)
空気含有量の違い
さてさて、数行前に『ジェラートはアイスクリームよりサッパリ』と思いっきり書いちゃってますが……風味的な濃厚さやアイス自体の濃密さなんかはすごくありますよね。
説明が下手すぎて申し訳ないんですが、要するに、アイスクリームと比べたときの全体的な『ネトっとした重み』です。
これに関係してくるのが、『空気の含有量』です。
アイスクリーム・ジェラート・シャーベット、どれも作るときには空気を含ませながらかき混ぜていきます。
このときどのくらいの空気が混じるかによって、口当たりに変化が生まれるんですね。
先に数字を書いてしまいますが、
- アイスクリーム: 60~100%
- ジェラート: 20~40%(35%未満のものが多い)
- シャーベット: 20~60%
これが一般的な空気含有量となっています。
たとえばアイスクリームの100%の場合。
100%の割合なので、『アイスクリーム:空気』は『1:1』です。
つまり1ℓのアイスクリームなら、半分の0.5ℓ分が空気。
ホワホワになるんですね。
悪く言えばスカスカ(にはなりません。わかりやすく言うなら、です)。
アイス成分が少ない。
半分は空気だから。
でも、だからこそホワホワでソフトな口当たりが実現する。
では20%のジェラートなら?
空気が少ない分、ジェラート成分(?)がギッチリつまっていることになりますよね。
イコール、濃密で重みのある味わいになる、です。
それよりは高い60%のシャーベットだったら?
アイスクリームとジェラートの中間くらいのサッパリさですね。
ただ、シャーベットは『氷菓』で乳脂肪分がほとんど入っていないので、濃密さや濃厚さも少なくなります。
この空気含有量により、
- 高いほどホワホワで軽い味に
- 低いほど重みのある口当たりに
といった違いが生まれるんですね。
また、含有量が低いほど『冷たい!』と感じます。
この差により、それぞれの『食べごろ』の温度も変わってきますよ!
食べごろ温度の違い
- アイスクリーム: -12℃くらい / 空気含有量 60~100%
- ジェラート: -8℃~-10℃くらい / 空気含有量 20~40%
- シャーベット: -11℃~-10℃くらい / 空気含有量 20~60%
見事に含有量の高い順に食べごろの温度が低くなってます。
含まれている空気の泡が多いほど冷たさを感じにくくなるんです。
また、含まれている乳固形分も冷たさの伝わりをブロック。
さらに、乳固形分は『乳製品の水分以外の部分』ですよね。
これが多ければ『水分が少ない』ということになるので、冷やしたときにできる『水分 → 氷の結晶』も少ない、ということになります。
だから……?
……だから、えっと……
上の3種が同じ-10℃の状態だったとします。
『アイスクリーム > ジェラート > シャーベット』
の順で柔らかさを実感できる。
氷の結晶が多いとザラついた質感になるからです。
乳脂肪分がほとんどないシャーベットなんかでは、ほかの2つに比べものすごいカチカチ・シャリシャリ具合が感じられるはずです。
販売方法・保存方法の違い
こちらはあくまで一般的には、になります。
が、たいていアイスクリームはお店の冷凍ケース内で売られていて、ジェラートは店頭で直接手渡しが多くないですか?
これも乳脂肪分や空気含有量、食べごろ温度などなどが関係してるんですよ。
工場などでつくられたアイスクリームは、
- -25℃以下の冷凍庫内で保管
- 温度を-18℃以下に保つことができる冷凍車に乗って出荷
一方ジェラートは、
- お店の中にある製造室で作られた後、-12~-18℃のショーケース内で冷やされ
- 注文を受けたら、その場で手渡し
という売られ方が多いです。
アイスクリームに比べジェラートは、
- 乳脂肪分が少ない
- 空気含有量も少ない
→ 冷たさが伝わりやすい
→ (アイスクリームと)同じ温度で保管していた場合、柔らかさが感じられない
なので、アイスクリームのように長時間冷たい場所に置いておくのはあまりよくないんですね。
作ったら、できるだけ早く食べてほしいのがジェラート。
また、作りたてを食べた方が素材の風味が美味しく味わえる、というのも理由のひとつ。
ジェラートの中にはアイスクリーム同様、急速冷凍してパックに詰めて売られているものもありますが、それでもなるべく早く食べた方がいい。
そのほうがぜったいおいしいです。
(※ 目安は半年以内 / パック入りで売られているジェラート)
ではアイスクリームやシャーベットの保存は?
アイスクリーム・シャーベットの場合
こちらもそりゃ、早めに食べたほうがいいです。
ただ、一応『消費者庁食品表示基準』なるものの規定では、アイスクリーム(や氷菓)には賞味期限を書かなくてもいいことになってるんですね。
-18℃以下で保存しておけば、細菌などが増えることがないからです。
家庭用の冷凍庫でも-18℃以下を保つことは可能。
ここさえ守っておけばアイスクリームの品質が落ちることはほとんどないそうなんです。
細菌も増えないし。
でも、家庭にある冷凍庫って、かなりひんぱんに開け閉めしますよね。
-18℃以下を保てる保証はないんですね。
お肉も出さないとならないし、冷凍チャーハンもたまには食べたいです。
業務用の『アイス保管のための冷凍庫』とはちょっと違う。
-18℃を保てないと、まず凍っていた氷の結晶が溶け始め、一つひとつの粒が大きくなります。
アイスクリームなのに食感がシャーベットに近くなってしまう。
ザラザラした感じになってきます。
なめらかな食感がウリなのに……
それだけでなく、細菌も増え始め……
これはシャーベットでも同じ。
賞味期限の表示はありませんが、せっかく買ってきたんだから、おいしいうちに早く食べちゃいましょう。
カロリーの違いも気になる!!
ここに関係してくるのもやっぱり『乳脂肪分』。
もう一度それぞれの特徴を確認です。
-
■ アイスクリーム
『ミルクたっぷり! コクのあるまろやかさときめ細かさが自慢!』
■ ジェラート
『果汁や果肉たっぷり! 素材の濃厚な風味を味わい尽くして!』
■ シャーベット
『サッパリさなら負けない! 果物中心のシャリシャリ食感も楽しいよ! 自分、氷菓ですから!』
こんな感じですね。
(ザックリすぎるけど)
当然、『ミルクたっぷり(乳脂肪もたっぷり)!』なアイスクリームが一番高カロリーで、
『180㎉ / 100g』
アイスクリームよりも乳脂肪分が少ないジェラートが、
『127㎉ / 100g』
そして『自分、氷菓ですから!』な乳脂肪分ほぼなしのシャーベットが、
『121㎉ / 100g』
となっています。
ただし、最もローカロリーなシャーベットの主な原料は果物ですよね。
果物に多く含まれているのが『果糖』。
糖類です。
で、糖類って『炭水化物』になるんですね。
しかもフルーツのみだと甘みが足りないので、さらにそこに砂糖などを加えることもあります。
アイスクリームよりも炭水化物量・糖分が高くなるのもが多いので、カロリーが低いからといって食べすぎちゃうと……太ります。
注意!
(※ 上記の数字は目安です。使われている原料によってもカロリーには差が出てきます。チョコやキャラメルなどを使っているものはカロリーもアップしちゃいますので、気をつけてくださいね)
ジェラート・アイスクリーム・シャーベットの作り方
これまでもチョコチョコ出てきてるんですが、簡単にまとめてみますね。ジェラートの作り方
-
① 果物と牛乳、卵白、砂糖などの原料を混ぜる
-
② 空気を含ませるようにしてかき混ぜながら冷却
➡ 果物の代わりにナッツ、キャラメル、野菜、チーズや、ハーブやコーヒーなどのフレーバーが使われることも
➡ 素材の味が風味やコクとなってしっかり感じられるものが多い
ご自宅で作っている方も!!
♦ 手作り簡単ブルーベリージェラートのレシピ
いろいろな果物を使ったジェラートが楽しめそうですね!
アイスクリームの作り方
-
① 原料を30℃~70℃に加熱し、溶かしながら混ぜる
-
② その後0℃まで冷ます
-
③ なめらかな質感にするため、そのまましばらく寝かせる
-
④ 高速でかき回し、空気を混ぜ込みながら急速で凍らせる
➡ 3つの中では一番手間がかかる / 工場などで大量につくられ、その後冷凍車で出荷されるパターンが多い
お家でアイスクリーム作り♪
♦ 自家製バニラアイスクリームの作り方|How to make Homemade Vanilla Ice cream
アイスクリームメーカーなんかも売ってますよね。
コンパクトタイプならなんと2000円台で買えたりしちゃうんです。
知らなかった……案外安いのね……
シャーベットの作り方
-
① フルーツジュースやフルーツピューレに砂糖等で甘みを加えたものを凍らせる
➡ シャーベットとはもともと『果物などから作ったシロップを水で薄めて、砕いた氷を入れて冷やした飲み物』のことを指した言葉
♦ 材料3つ簡単!爽やか♪キウイシャーベットレシピ☆Material three easy! Refreshing ♪ kiwi sherbet recipe ☆
お家でも簡単に作れますよ!
- 【ヨーグルトシャーベット(フローズンヨーグルト)】
- ヨーグルトにお好きな果物、はちみつなどの甘みと牛乳を加える
- 空気を抜きながらフリーザパックに平らになるように入れ、冷凍庫へIN!
- 2~3時間放置
- 固まったら、お好きな柔らかさになるまでモミモミしてください
(固まりすぎてる場合は、しばらく室内に置き、常温に戻せば脱カチカチできます)
→ または1~2時間おきに冷凍庫から出してモミモミ
→ このまま食べてもOK
→ もっとなめらかな食感にしたいならこの工程を繰り返す
※ ヨーグルトや牛乳の代わりに果物を使えば『フルーツシャーベット』になります
最後にアイスクリームたちの歴史を簡単にご紹介しますね。
興味のない方は、飛ばしちゃってください。
アイスクリームの歴史
-
■ 大昔のアイスクリーム
- アイスクリームというより『シャーベット』に近く、位の高い人しか楽しむことのできない高価なデザート
(『健康食品』扱いされていた時代も) - 冷蔵庫も冷凍庫もなかったので、
『雪や氷を使ってワインを冷やしたり、雪で冷やした果物や、雪に花の蜜やはちみつ、樹液などをかけてたもの』
これを『シャーベット』として飲む&食す - 16世紀の半ばに冷凍技術が発明される
- 雪や氷を使わなくてもシャーベットのようなものが作れる!!
- イタリアの大富豪の娘さんがフランス王と結婚
- そのときにお菓子やアイスクリーム(シャーベット)職人さんも一緒に連れていく
- イタリアのシャーベットを食べたフランス貴族たち、大感激
- シャーベットのフランス語読み『= ソルベ』と呼ばれる
- フランスからヨーロッパ各地に伝わっていく
- アメリカでさらに人気が出る
- でもまだ一部の人しか食べられないような高価なデザートだった
- 生クリームが余ってしまっていることに困った牛乳屋さんが、ソルベに生クリームを加えて『バニラアイスクリーム』を大量生産
- 大量に作ったのでお値段もお安く提供
- だれもが食べられる大衆デザートとして、爆発的にヒットする
■ 冷凍技術の誕生
■ ソルベ、ついにアメリカに渡る
■ アメリカの牛乳屋さんの活躍
そんなこんなを経て、それぞれの国でアイスクリームは独自の発展をみせていくわけですね。
呼び名も細かく分けると、国によって、かなり違います。
たとえばイギリスやオーストラリアで『シャーベット』と言えば、
『炭酸飲料のできる粉末』
のこと。
全然違う……
乳成分、1ミリも関係ないですね。
しかも炭酸……
ついでなので、次の見出しでは「日本でのアイスクリームヒストリー」をご紹介しますね。
日本・アイスクリームヒストリー
- 初めての出会いは江戸末期
- 幕府がアメリカに送った使節団がアメリカで初アイス体験を
- 明治2年(1896年)、日本で初のアイス誕生。その名も『アイスクリン』!
ここから現在の大手○○乳業さんたちの前身が続々工場生産に参入してきます。
- 大正9年(1921年): 初の工場生産を行ったのは現在の『森永乳業グループ』のひとつ
- その翌年(1922年): 続いて『明治乳業(の前身)』が工場生産開始
- さらにその翌年(1923年): 『雪印乳業』もスタート
なんというか、さすがです。
そして昭和30年代になると、冷凍庫つきの冷蔵をもつ家庭も増えてきて、多くの人が手軽にアイスクリームを楽しめるようになってくるんですね。
日本でもますます大衆デザート化が進みます。
で、いろいろな商品も開発されつつ、現在に至る、です。
アイスクリームの日?!
あるんですよ!
5月9日です!!
今回の東京オリンピックは新型コロナウィルス関連の影響で1年延びてしまいましたが、かつて1964年(昭和39年)にも東京でオリンピックは開かれています。
この年の5月9日ですね。
先ほども書きましたが、このくらいの時期・気候になるとアイスクリームなど冷たいお菓子が売れ始めるんです。
そこで、
『よし! さらなる消費拡大を目指し、イベントをやってオリンピックの関連施設なんかにアイスをプレゼントしてアピールだ!』
ということになり……
今でも5月9日は『アイスクリームの日』とされ、この日の前後に各地でイベントとアイスのプレゼントが行われているんです。
ただ、これは日本でのアイスクリームの日。
アメリカでは7月の第3日曜日になっているそうです。
しかもこの日決めたの、当時の大統領のレーガンさんですよ……
アイスクリーム愛のスケールが、やっぱりアメリカ、すごいですね。
ジェラートの日は?
これもある!!
8月27日です。
1953年の8月27日に『ローマの休日』が公開されています。
……? ローマの休日とジェラートってなんか関係あるの?
あるんですね~
主演のオードリー・ヘプバーンがローマのスペイン広場で、バッチリジェラート、食べてます。
それにちなんで公開日の8月27日を『ジェラートの日』に。
こちらも愛を感じます ♪
※ 『シャーベットの日』はどうしても見つけられませんでした。もし知ってる方がいましたら、ぜひぜひ教えてください<(_ _)>
ジェラート・アイスクリーム・シャーベットの違いをまとめる!
では最後に(歴史のご紹介のときにも最後って書いた気がする……)……最後の最後に、おさらいです。3つのアイスっぽいものの違いをまとめていってしまいましょう。
大きく分けると(広義では)ジェラート・アイスクリーム・シャーベットってなに?
どれも『凍ったお菓子』。
=『アイスクリーム』もしくは『ジェラート』として分類されます。
細かく分けると?
『アイスクリーム = ジェラート』は、
- アイスクリーム類
- 氷菓
の2種類に。
さらに細かく分けると、
-
■ アイスクリーム類
-
① アイスクリーム
→ 乳固形分: 15.0%以上のもの
→ 乳固形分のうち、乳脂肪分: 8.0%以上のもの
-
② アイスミルク
→ 乳固形分: 10.0%以上のもの
→ 乳脂肪分: 3.0%以上のもの
-
③ ラクトアイス
→ 乳固形分: 3.0%以上のもの
■ 一般食品として
-
④ 氷菓
→ 上記『アイスクリーム類』以外のもの
→ 乳固形分はほとんどなし
それぞれがあてはまるのは?
■ ジェラート
ジェラートでは、含まれる乳脂肪量『4~8%程度』のものが一般的なものとされているため、
『ラクトアイス』
に該当するものが多いです。
が、原料に様々なものが使われているのもジェラートの特徴のひとつなので、中には『アイスミルク』『氷菓』に分類されるものもあります。
■ アイスクリーム
乳成分量により、
- アイスクリーム
- アイスミルク
- ラクトアイス
にそれぞれ分類されます
■ シャーベット
果物が原料になることが多く、ほとんど乳成分が含まれていないため、
『氷菓』
に分類されています。
カロリーが低いのは?
- シャーベット: 121㎉ / 100g
- ジェラート: 127㎉ / 100g
- アイスクリーム: 180㎉ / 100g
乳脂肪分が多いものはカロリーも高め。
シャーベットが一番低カロリーですが、果汁やフルーツピューレに甘みを加えたものを凍らせてつくられるため、『糖質(= 炭水化物)』はアイスクリームより高くなることが多いです。
またジェラート・アイスクリームも、使われる原料、フレーバーなどによりカロリーは上下します。
上の数字はあくまで目安とお考え下さい。
質感や食感、口当たりなどの特徴は?
■ ジェラート
アイスクリームに比べ、主に果物や果汁をたくさん使って作られているため、素材本来の風味が濃く感じられます。
また、作る際に取り込む空気量も少ないので、全体的にずっしりとした重みのある口当たりになります。
乳脂肪分もアイスクリームよりも低く、その分ヘルシーです。
ヘルシーで素材を活かした濃密で深いコクを味わいたいならジェラートを!
■ アイスクリーム
濃厚なミルク感が特徴的なアイスクリーム。
また、空気を多く含むため、濃厚でありながらもふんわりとしたソフトな食感を楽しめます。
優しいミルクの味わいと、なめらかさ、『甘いもの食べた感』をガッツリ感じたいならアイスクリーム、イチオシです!
■ シャーベット
この中で唯一の『氷菓』分類のシャーベット。
アイスもジェラートもおいしいんだけど、暑い日にはサッパリしたデザートが食べたい! ならシャーベット一択!
シャリシャリ食感もあわせてお楽しみください!!
終わりに……
カロリーの違いは気にしないことにする……
どれもそんなには変わらないですもんね。
ホントは濃厚アイスが食べたい気分なんだけど、カロリーがほんのちょっと(60㎉ほど)高いからシャーベットにしとくか……というのはもったいない気しかしません。
どうせ食べるならおいしいと感じるものをおいしく食べちゃいましょう。
そして次の日からダイエットです。
意思を強く持って。
ファイト。
── ということで、
『呼び方が違うから、それなりの違いはあるんだろうなぁ(でも、ま、どれも好きだし、ま、いっか)』
と放置してきた『ジェラート・アイスクリーム・シャーベット』の違いについて。
少しだけでもスッキリしていただけましたでしょうか。
これから暑くなる季節。
おいしい『凍ったお菓子』で癒されてくださいね。
あ……でも、真冬に部屋をガンガンに暖かくして食べるアイスも捨てがたい……
ですね……真夏にギンギンに冷やした部屋で、フーフー言いながら食べる鍋とかもいい。
皆さまがおいしいものを食べてニコニコ笑顔になることを願いつつ……
ではでは。
最後までおつき合いいただき、ありがとうございました。
関連記事はこちらになります。
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