こんな『違い』があったんだ!

【クッキー・ビスケット・サブレ・クラッカー】の違いとは? カロリーとか定義は?

クッキー


え!? なんでコンピュータ用語とパーティーグッズが混じってるの?

……!! すごい独創的な想像力をお持ちで!!
クッキー
初めに書いておけばよかったのですが、これは全部お菓子、ということで話を進めてもよろしいでしょうか?
あの、おいしいヤツたちのことです。


クッキーとビスケットの違いがものすごく曖昧なんだけど「ここが違う」っていう決まりみたいなのってある?

サブレって、クッキーじゃないの? あれ? ビスケットだっけ? いや違う、サブレはサブレか?

「違い」って、わざわざ? だってみんな違うものでしょ?

どうしてこの中に「クラッカー」が混じってるの? 甘くないし、他の3つと関係なくない?

何でもいい、おいしければいい。でも……カロリーだけは気になる……


了解しました!

でも本当は最後の方の前半部分が正解。おいしく食べるのが一番です! ですが「そこが気になって味どころじゃない……」の予防も兼ね「クッキー・ビスケット・サブレ・クラッカー」の違い、決まり(定義)、やっぱり気になるカロリーの比較等、解説いたします。


ホッと一息タイムがさらにリラックスできますよう、皆さまのモヤモヤ解消のお役に立てましたら幸いです!
目次

「クッキー・ビスケット・サブレ・クラッカー」はココが違う!

「ココが違う!」と書いておきながら恐縮なのですが、実はこの4つ、みんな「ビスケット」。広い意味では「焼き菓子全般」を指し、狭義では主に「堅めの焼き菓子」のことを指す言葉です。


と言われても「ふーん、納得! 解決!」とはなりません!

ではなぜそれぞれに呼称が違うのか?


それには「原材料の配合の割合(比率)」「外観」「イーストや酵素は使われているか」など細かい違いが基準となっているのです。

例えば「クッキー」の定義には「手作り風の外観を有していること」「原材料の糖分と脂肪分の合計が40%以上のもの」などがあり、「ビスケット」は「それ以外のもの」となっています。


この定義を決めたのは「全国ビスケット協会(公正取引規約)」。「JAS(日本農林規格)」の定めたものではないのですね。


さらに「サブレ」「クラッカー」の分類ついては、特に定められてることはありません。

ですが「サブレ」は「ビスケットやクッキーに比べバターやショートニングの比率が高く、バターの風味が濃く、サクッとした食感」のものを、「クラッカー」は他の3つとは異なり「イーストを使い発酵させて作る」「ほぼ無糖で脂肪分も少量、塩味の焼き菓子」などの違いが一般的な呼び分けの基準とされています。


「ふーん、納得! 解決!」にはまだまだ……

では次にそれぞれの特徴や違いを、比較を交えまして見ていくことにしましょう。

「クッキー」とは?「ビスケット」とはどこが違う?

全国ビスケット協会により、ビスケットの中でも「手作り風の外観を持ち、原材料の中の糖分と脂肪分の合計が40%以上含まれるもの」とされる「クッキー」。ですが「ビスケットの中でも」ということは、本来は「ビスケット」なのですね。


じゃあどうして、わざわざ呼び方を分けたの?

ですね。


「クッキー」は戦後、アメリカ文化と共に広まりました。イギリスから伝えられた「ビスケット」は当時すでに日本ではお馴染みのものだったのです(元々は「ビスカウト」としてオランダから。幕末には携帯食として食べられていました)。


じゃあやっぱり「クッキー」と「ビスケット」は違うものなの?

これには日本以外での「クッキー / ビスケット」の呼び方が関係してくるのです。


実は「サブレ」「クラッカー」も含めまして、それぞれに呼び分けているのは日本だけ。

    ※「クッキー」がやってきたアメリカでは焼き菓子全般、つまり日本で「クッキー」「ビスケット」と呼ばれるもののどちらも「クッキー」です。

    ※※ ですがイギリスでは反対にどちらも「ビスケット」なのです。
これが2つのルートから日本にやってきたら……ごっちゃになってしまいますね。


そして当時の日本でのイメージとしては「クッキーはビスケットより高級」。でも本来なら同じもの。


そこでその「ごっちゃ」を防ぐため、高級なイメージのあるクッキーには先ほど書きました「糖分と脂肪分の合計が40%以上で手作り風の外観のもの」を、安価のイメージのあるビスケットは「それ以外」を、という基準を定義としたのです(全国ビスケット協会が)。


これは絶対の決まりではないのですが、現在でもほとんどのお菓子メーカーが「全国ビスケット協会」に加盟しているため、お菓子業界の常識、といった意味での「定義」と見做されています。

ですのでスーパーやコンビニに並ぶ「クッキー」「ビスケット」に関しましても、この定義は当てはまることとなります。


「正式な定義ではないものの、これに準じているメーカーがほとんどのため、クッキー・ビスケットの定義は上記のものと考えるのが一般的」といった感じでしょうか。


つまり、日本での「クッキー」「ビスケット」を分ける基準は、全国ビスケット協会の定義する違い、「手作り風の見た目か」「糖分と脂肪分の合計は40%以上あるか」という部分になります。

「サブレ」とは?「クッキー」や「ビスケット」との違いはココ!

全国ビスケット協会では特に分類について定めていない「サブレ」。

「鳩サブレ」や「ひよこサブレ」などが有名でしょうか。おいしいです。


前述のとおり「クッキーやビスケット」よりもバターやショートニングが多く使われているため(2倍近く)、風味が豊かでサクッとした食感。ビスケット作りでは入れられる「ベーキングパウダー」が使われていないということも、その理由の一つとなっています。


さて「アメリカからのクッキー」「イギリスからのビスケット」に対しまして、フランスから伝わった「ビスキュイ」の一種が「サブレ」です。

呼び方が違うだけで、同じくクッキー・ビスケットの一種でもあります。


だんだんややこしくなってきたので、日本に「クッキー / ビスケット」を伝えた本場では、それぞれ何と呼ばれているかを一度まとめてしまいましょう。

    ◎クッキーを伝えた「アメリカ」
  • どちらも「クッキー」
     → アメリカで「ビスケット」と呼ばれるのは、イギリスでの「スコーン」のこと(ですので、KFCの蜂蜜をかけて食べる「これは絶対ビスケットじゃない」と思っていたものは「アメリカ風の呼び名」、つまり「イギリスでのスコーン(に近いもの)」のことだったのですね)。
  • ◎ビスケットを伝えた「イギリス」
  • どちらも「ビスケット」
     → イギリスでは「クッキー」呼称はほぼ使われません。
  •   
    ◎サブレを伝えた「フランス」
  • どちらも「ビスキュイ」
     →「サブレ」という呼称は、諸説ありますが「サブレの作られたノルマンディー地方の都市の名前から」「サブレ侯爵夫人がバターたっぷりのお菓子を作ったことから」「砂が崩れるような食感からフランス語で『砂に覆われた』という意味のあるサブレに」などとされています。
  • ◎ヨーロッパでは明確な区別なし
特に「クッキー・ビスケット」に関しては、日本に伝わった呼び名のみがその国で使われています。このキッチリしたい律義さが、日本人らしいとも言えますが、諸外国、潔いです。そして、ヘンなモヤモヤを生まないので羨ましい気もします……

「クラッカー」とは?「クッキー」「ビスケット」「サブレ」との違いは?

♦【レシピ】嫌いな野菜も大好きになる!?野菜のカナッペ
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=JrPjmFNXW44&w=560&h=315]
さてさて「ビスケット」の錯綜が止まりません。どこまで行くつもりなのでしょう。不安さえ感じてしまいますが皆さまは大丈夫でしょうか?


オードブルやカナッペなどにも使われ、もはやお菓子というよりパンの一種といってもよさそうな「クラッカー」。これも「ビスケット」の一種。「薄くて軽いビスケット」です。


要するに「ビスケット」とは「堅焼きの洋風干菓子」の総称なのですね。

「クラッカー」には先ほど書きました通り、上記の3つとは明らかに違う部分「甘くない(塩味)」「イーストを使い発酵」などがあります。イーストを使っているので、本当にお菓子とパンの中間のような食べ物ですね。


1792年にクラッカーの原型とも言えるものが誕生します(マサチューセッツ州のジョン・ピアスンさんにより)。「乾パン」です。軍隊の食糧などに使われていました。なるほど、お菓子ではないです。リラックスのためのスイーツ的なものではなくもっと切実なものからのスタート、保存食ですね。ちなみに「乾パン」さえも、やはりビスケットの一種です。ここまで来ると、もうビスケットにはどこまでも行ってほしくなります。

「クラッカー」と呼ばれるものに生まれ変わったのは1801年(マサチューセッツ州のパン職人、ジョシア・ベントさんにより)。

焼いている途中に鳴る爆竹のような音から命名、また、軽い口当たりで砕けやすいことから「クラック(砕ける))」で「クラッカー」にとも言われています。


後にあの「ナビスコ」さんにクラッカー事業は売却されます。ナビスコ! リッツですね!

アメリカでは「甘いビスケット= クッキー」に対し「塩味のビスケット = クラッカー」と分けて呼ばれています。


「クッキー = 日本でのクッキーとビスケットどちらのことも」「ビスケット = イギリスではスコーンと呼ばれているもののこと」「クラッカー =塩味の(アメリカでは)クッキー」な感じ。


先ほどは潔いと思いましたが、そうでもなさそうです(文化の違いもあるのでしょうが、日本での呼び分けの方がまだわかりやすい気がします)。


つまり「クラッカー」とは、他の3つと違い唯一「塩味」であること、また「イースト」を使い発酵させ作られる、など、同じ「ビスケット」とはいえ、かなりわかりやすく見分けることができるものとなります。


「クラッカー」、好きになりそうです。

「クッキー・ビスケット・サブレ・クラッカー」の違いとそれぞれの特徴はコレ

本来は「同じもの」、それなら「呼称の統一をお願いします!」と全力懇願したくなってくる4つの「堅焼きの洋風干菓子」(「クラッカー」は別称でもいいです)。


ではここで、カロリーなど気になる部分や由来の蘊蓄等、色々なおさらいも含めまして、まとめていってみましょう。

定義のまとめ

厳密には「定義」とは言えないのですが、日本では一般に「こういうもの」とされている違いです。

    ◎クッキー:「ビスケット」の中でも(この一文は以下すべてに付くものとお考え下さい)手作り風の外観を持ち、原材料の糖分と脂肪分の合計が40%以上含まれるもの  → 手作り風を出すため「絞り出し方式」で作られるものが多く、食感は「しっとりサクサク」で甘みも強いのが一般的。

     △語源と由来: オランダ語で「ケーキや焼き菓子」のことを「koek(クーク)」と言い、koekの小さいもののことを「koekje(クーキェ / クオキエ)」、それが英語圏に入り「cookie(クッキー)」に変化。ケーキを焼く時に試し焼きとしてできたものが始まり。
    ◎ビスケット:「クッキーの定義」以外のもの  →「型抜き」で作られたものが多く、軽めの食感で、通常甘みは弱め。

     △語源と由来: ラテン語の「二度焼いたパン(bis coctus)」。長期の保存ができるよう、乾かしたパンをもう一度焼いたのが始まり。
    ◎サブレ:(分類上特に定義はありませんが)ビスケットやクッキーよりもバターやショートニングの比率が(2倍程度)高い  →「絞り出し」「型抜き」どちらもあり。食感はサクッとしていて、バターの風味が豊か。ベーキングパウダーは使われていません。
     △語源と由来: いくつか説があります。
  • 「サブレ」の作られたフランスのノルマンディー地方の都市の名から
  • バターたっぷりのクッキー風お菓子を作ったのが「サブレ侯爵夫人」だったから
  • 食感のサクッとした感じをフランス語で表わし「サブレ(砂で覆われた)」の呼称に
    ◎クラッカー: 他の3つと違い、小麦粉にイーストを入れ発酵させて作る。ほぼ無糖、脂肪分も少量
     → 表面に穴があり、口当たりは軽くサクサクした食感で、淡泊な味(だからオードブルなどにも使われるのですね)。

     △語源と由来: 焼いている途中の爆竹が鳴るような音から命名。または「砕ける(クラック)」から。クラッカーの原型は軍隊の食糧などになっていた「乾パン」。

「カロリー」を比較してみる!

すべて100g当たり、一般的なものでの比較です。

ちなみにどれも1枚での重さは10g以下。

  • クッキー:(バター)525㎉ /(チョコチップ)520㎉ /(プレーン)518㎉
  • ビスケット: 522㎉
  • サブレ: 495㎉
  • クラッカー: 492㎉
サブレが一番高カロリーなイメージだったのですがちょっと意外です。クラッカー……甘くなくて脂肪分も少ない割には、他の3つとあまり変わらないのですね。

終わりに……

「サブレ」と「クラッカー」に関しては、これまでも見分けることができていましたが(鳩の形をしていたり、明らかにクッキーなどとは違う味なので)、定義や材料の比率などの違いを知った今でも、おそらくぱっと見で「クッキーか、ビスケットか」を見分けるのはやはり難しいかも……「手作り風」というのも何とも曖昧な基準ですし、食べただけで「うん、これは糖分と脂肪分で28%」などと判断するのもムリ……

ですが少なくとも、モヤモヤせずにリラックスタイムのお菓子を食べることができるようになったのでは……ないでしょうか。

おいしいものは「おいしい~」とだけ考えながらムシャムシャしたいですね!


今日のおやつは「クッキー」、明日は「ビスケット」、あさっては……
何だか楽しくなってきました! 皆さんのおやつの時間も今まで以上にホッとできる時間となっていればうれしいです!

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