その腰痛のなかでも、症状の似ている椎間板ヘルニアと坐骨神経痛・・・
違いは何かと聞かれて、すぐ答えられますか?
今回は、この坐骨神経痛とヘルニアの違いについてわかりやすく説明します。
目次
坐骨神経痛とヘルニアの違いを超簡単に説明
ヘルニアは背骨の間でクッションの役割をしている椎間板が何らかの理由で突出し、それが神経にさわって痛みを起こします。坐骨神経痛は、主にヘルニアなどが原因として起こる症状のひとつであり、病名ではありません。
臀部から足の甲にかけて強い痛みや疼痛が生じますが、ツボやマッサージなどを続けることで改善させることができます。
坐骨神経痛とは?
坐骨神経痛とは、臀部から足の甲までの坐骨神経の通っている部分に現れる痛みを総称して言います。症状は臀部から足にかけてのビリビリする痛み(放散痛)臀部、大腿後面、下腿外面と後面、足の甲にかけての痺れや疼き(疼痛)があります。
坐骨神経痛は病名ではなく症状名でヘルニアの症状の1つでもあります。
椎間板ヘルニアとは?
人間の背骨は全部で24個あり、1つ1つを椎骨といいます。椎間板ヘルニアとは、椎骨と椎骨の間のクッションの役割を果たす椎間板の一部が突出したり、膨らんだり、つぶれたりする状態のことです。
この椎間板の一部が背骨を通る神経を圧迫し、激しい痛みを伴います。
2つの症状の違いを詳しく説明
ヘルニア、痛みは激しいけど自然に治る?
椎間板ヘルニアの原因は中腰で重いものを持ち運びしたり、普段猫背でいることで背骨に負担をかける日常生活動作や椎間板や骨の老化です。椎間板は髄核と繊維束の二つでできており、繊維束が髄核を包む形になっています。
丁度、どら焼きの皮が繊維束、中のあんこが髄核だと思っていただくとわかりやすいと思います。
これらは20歳をピークに徐々に弾力を失っていき、ちょっとした衝撃に耐えきれず、髄核が飛び出してしまうことがあります。
加齢やカルシウム不足により骨がもろくなっても同じようなことが起こります。
椎間板ヘルニアの症状は椎間板から脊椎周辺の激しい痛みです。
主な症状は、腰痛、腰から足先にかけての痺れや痛み、感覚障害、そして坐骨神経痛です。
ヘルニアのタイプは、脱出型と、膨隆型(ぼうりゅうがた)の2つがあり、痛み方や症状の長さに違いがあります。
脱出型は、何らかの理由で繊維束に亀裂が入り、そこから髄核が飛び出した状態です。この症状は、激しい痛みを伴いますが、数か月で症状が軽くなるのが大きな特徴です。
膨隆型は、繊維束に亀裂が生じず、髄核と繊維束が一緒に飛び出た状態のことです。この膨隆型は、脱出型ほど激しい痛みはありませんが、完治までに時間がかかります。
ヘルニアの治療は緊急の手術が必要な場合もありますが、ヘルニア患者の多くが良性で発症から3か月で60%の人の痛みが自然に治まるとされています。
その理由として、安静にしていることで、背骨の構造が変わり、それなりに安定した形になるとか痛みに対しての防御反応から痛みを感じにくくなるなどいわれています。
突出したヘルニアは、体内にある貪食細胞に食べられてしまうので、いずれなくなると考えられていますが、はっきりとした理由はまだわかっていません。
坐骨神経痛、病院以外でも治る?
坐骨神経は脊椎の中でも骨盤に近い、腰椎4番5番と仙骨の前面から出て、梨状筋下部を通り、大腿の後面中央から膝の裏で2つに分かれながら、下肢(ふくらはぎ)から足の裏まで走る人体で最も大きい神経です。坐骨神経痛の主な原因は椎間板ヘルニアと言われていますが、原因は様々でほかに梨状筋症候群、脊柱管狭窄症、脊柱管分離症、脊椎すべり症、脊椎腫瘍、骨盤内腫瘍など、坐骨神経周辺の脊椎、骨盤、筋肉の疾患が引き金になって、坐骨神経痛に発展するケースもあります。
症状は、臀部から大腿後面、下腿外面、後面と足の甲にかけての広い部分にわたる放散痛(ビリビリした痛み)、または痺れや疼痛です。
治療法としては
- 整形外科で姿勢などの日常生活指導
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤の内服
- 筋弛緩剤
- 座薬による薬物療法
- ホットパック
- 温熱治療などの理学療法
- 硬膜外ブロック
- 神経根ブロック
坐骨神経痛は病院での治療以外
- 鍼灸
- 指圧マッサージ
- 整体
- カイロプラクティック
またしっかりした治療院は、日常の正しい姿勢についてのアドバイスをしてくれたり、病状に合わせたマッサージの仕方も教えてくれます。
病院に行ってもなかなか効果が現れないときは、こういったところを試すのもいいかもしれません。
終わりに…
ヘルニアと坐骨神経痛についてざっと説明してきましたが、いかがだったでしょうか。どちらも名前は聞くけど実際はどんなものなのかわからない病気の上位にはいるものなので、概要だけでも伝わったらうれしいです。
身の回りにもし、ヘルニアの症状で悩む人がいたら、症状の大半は安静にしていれば治ること、坐骨神経痛に悩む人には、マッサージや姿勢など、家庭でできるケアを続けていくのが大事だということを伝えてほしいです。
腰痛に悩む人は、周りを支える縁の下の力持ちタイプの人が多いです。
もし自宅で安静にするよう言われた人がいたら、普段の苦労をねぎらってあげてはいかがでしょうか。
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