こんな『違い』があったんだ!

『ミステリ』『サスペンス』『スリラー』『ホラー』の違いとは? 定義はあるの?

読書

「ミステリ」は推理小説、「サスペンス」は2時間ドラマ、「スリラー」はマイケルジャクソンの曲名、「ホラー」はゾンビ物?
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まとまりがないです……でも、何となく、言いたいことはわかります……

さてさて「ミステリ・サスペンス・スリラー・ホラー」です。

小説や映画などでおなじみのジャンルですが、その境目がどうにも曖昧。


本格ミステリだと思って読んでたのに、解説には「最高のサスペンス」って書いてあった……違いがさっぱり分からない。

「ミステリーサークル」って、推理とかに関係なくない?

「スリラー」って「ホラー」のことでしょ?


気になって小説の続きが読めなくなっては大変です!

そもそもこれらの言葉の定義はあるの? 等含めまして「ミステリ・サスペンス・スリラー・ホラー」の違いを解説いたします。


「ミステリ好き」って公言してたけど、どうやらオレの好きだったのは「サスペンス」のジャンルだったのかも……などなど、新しい発見があったりなかったり……するかもしれません。


皆さまの日頃の読書や映画鑑賞の際の豆知識として、少しでもお役に立てれば幸いです!
目次

「ミステリ・サスペンス・スリラー・ホラー」の違いはココ!

初めに書いてしまいますが、これらの言葉には明確な基準はありません。
ですが、制作サイドと評論サイド等、それぞれに解釈はあるものの「○○とは、このような作品を指す」といった一応の定義はあり、一般的には、以下のようになっています。

  • ミステリ:「謎解き」、またはその「謎」自体がテーマのもの
  • サスペンス:「謎解き」等のあるものも多いが、重点が置かれるのは、物語の中の危機感が読者・観客に不安感・懸念・緊張感を与えるもの
  • スリラー: ぞっとするようなスリルを味わわせることを目的とした作品
  • ホラー:「恐怖」がテーマのもの
「ミステリ」と「ホラー」以外は、そう言われても……なレベルで曖昧……

ですが「ミステリ・サスペンスグループ」と「スリラー・ホラーグループ」に分けられそうですね。


わかりにくい「サスペンス」と「スリラー」ですが、「サスペンス」と「スリル」の意味を比べてみると、少しだけ掴みやすくなるかもしれません。

  • サスペンス:「宙ぶらりん」の意味
    → 話の展開が読者や観客に与える不安感や緊張感
    → ハラハラドキドキ、といった心理的な恐怖感
  • スリル: ゾクゾクさせる・ワクワクさせるの意味
    → 差し迫る危険の中に感じる楽しさ。恐怖・不安・興奮などによってもたらされるゾクゾクするような緊張感
    → 自分の安全が脅かされているかのような恐怖感や不安感
うーん。微妙な違いですね。それほど掴みやすくなっていません……

「ハラハラドキドキ」と「ゾクゾクワクワク」……微妙すぎ、感覚的すぎのような気もしますが、大丈夫。順を追って見ていきましょう。


では、まずはわかりやすい2つ。

「謎解き」で楽しませたい「ミステリ」と「恐怖」を提供したい「ホラー」、それぞれの特徴と違いからです。

「ミステリー」とは?「ホラー」との比較!

「ミステリ」の醍醐味は謎解き。
作者さんや脚本家さんなどが仕掛けた様々なフェイクや伏線、トリックやミスリードの網をかいくぐり「犯人わかった!」となった時の気持ちよさは格別です。


が、読者や観客の皆さんは、何が何でも謎を解いてやろう、としているわけでもなく、むしろ最後まで騙され続けることもかなり望んでいるもの。「そう来たか~! やられた~!!」もまた、気持ちいいのです。


ん? じゃあ「ミステリ」って「推理小説」のこと?

と思われるかもしれませんが、やはり若干異なるのです


「ミステリ」とは「推理小説」の意味も持ちますが「神秘・不思議・謎(怪奇)」を指す言葉でもあります。


こうなってくると「ミステリ」の示す範囲は広がっていきますね。

犯罪捜査などでの刑事や探偵の推理ものから、日常の小さな謎を解くもの、さらには宇宙や自然の神秘も含め「ミステリ」です。

「推理」にはそれほどこだわりのないジャンル、SF小説や冒険小説、一部怪奇小説、もちろん本格推理物も含めたものの総称的に使われるのが、現在での「ミステリ」の傾向となっています。


「ミステリ」とは、謎があり、それを追い真相に迫る過程を楽しむもの。「推理」することだけに重きを置いているジャンルではないのですね。


探偵や刑事が推理を展開していくストーリーのものはもちろん、「神秘・不思議・謎(怪奇)」の要素が入っている作品であればその謎が解明されないままで終わるものでも「ミステリ」です。

既存の歴史上の事件などをモチーフにしたものもありますね。


もともと「推理小説」とは「探偵小説」と呼ばれていたジャンル。

戦後の当用漢字の改正により「偵」の文字が外されたため「推理」の文字を当てたものです(現在では常用漢字として「偵」は使える文字になっています)。

上記のように様々なジャンルを含めた総称的な呼び名だったのですが「推理」の言葉からの連想で「いわゆる謎解き物である」といった誤解が生まれ、それに対する新たな総称として「ミステリ」が当てられた、という経緯もある言葉なのです。


「推理小説」に比べても「ミステリ」の幅は広く設定されています。「ミステリ」の一分野が「推理小説」ですね


では「ホラー」とは?

こちらの狙いは怪奇な趣向で、読者や観客に恐怖を感じさせること。
本来は幽霊や怪物、呪いなど、経験や知識から逸した未知のものが登場するような恐怖映画(小説)を指していました。


後に未知でも何でもない、普通の人間が殺人鬼になる、またはゾンビ物のような残酷映画(小説)的なものも含まれるようになり、現在の傾向としては「恐怖」を主題とした作品全般を指し「ホラー」です。

「ホラー」では読者・観客側からの「作者の投げかけた謎に挑む」的部分はなく(挑んでもいいのですが)、ただひたすらに制作サイドの作り出した恐怖を味わう、といった形の楽しみ方がメイン


前述のように、もちろん謎解き要素のある「ホラー」もあります。

厳密なものではありませんが、その住み分け的ポイントは作り手側の狙い部分です。


推理を楽しんでほしいのか、恐怖を味わってほしいのか。

それにより前者では「ミステリ作品」となり、後者では「ホラー作品」となるのです。

このことからもわかりますように、違いがハッキリしているかのように見えた「ミステリ」「ホラー」でさえ、含む要素に重複する部分が多く出てくるのです。

殺人事件を扱った「ミステリ」では少なからず恐怖を感じる描写や映像を伴います。が、推理色が強ければ「ミステリ」。逆に推理どころではない圧倒的に勝る恐怖が前面に出ていれば、その作品は「ホラー」とされるわけです。

ただし、この場合の「ホラー」は「ミステリ」の一種。


不思議な現象であっても同じです。例えば冒頭にどなたかが言っていた「ミステリーサークル」。
この謎の解明がメインなのか、その現象の不可解さが恐怖を呼ぶのか、で「ミステリ」「ホラー」では、主眼とされる部分が変わってくるのですね。


制作サイドが「ホラー」と言えば「ホラー」、あくまで「ミステリ」で押し通すのもありです。

それを受けた評論家などが「いや、これはミステリじゃない、ホラーだろ」とするのも自由。


この曖昧さは(個人的には)作品を楽しむ上で何の障害もならないように思われますが、ジャンル分けの基準としては「謎解き」か「恐怖」か、が2つを分けるものとされています。

「サスペンス」とは?「スリラー」との違いはココ!

こちらの2つの狙いは、読者や観客に緊張感を与えること。
「サスペンス」ではその「緊張感」を主人公の心理描写を駆使したストーリー展開で読者・観客に与え続け、一方「スリラー」ではそれが、話の展開にハラハラする、といったスリルではなく、自分自身が体験しているかのような、ゾッとするようなものへと変わるのです。


「サスペンス」は「ミステリ」に近く「スリラー」は「ホラー」に似ているのですが、「サスペンス」では「謎の解明」より「心理的な緊張感」を、「スリラー」では、ホラーに登場するこれまでの経験や知識では考えられない未知の存在ではなく、「身近なもの」に与えられる恐怖、といった違いが出てきます。


例えば、ある日隣に住む住人が、殺人鬼になって襲ってきた場合(お話の中です)。


なぜ? を解明していくことがメインの物語であれば「ミステリ」、その理由より、差し迫った緊張感・不安感がストーリ展開の主眼となっていれば「サスペンス」、さらに緊張感が恐怖に近いものになっているのであれば「スリラー」、その理由が普通では考えられない(憑りつかれている、とか)ものであったなら「ホラー」といった感じですね。


「サスペンス」は推理物も多いのですが、謎解きより物語の展開にハラハラする緊張感・不安感重視

「スリラー」では身近なものや人に主人公等が脅かされる、緊張感の中でもゾッとするような「恐怖」に近いもの


どちらも非日常的な恐怖感や緊張感・不安感を楽しもう、というものです。

「サスペンス」は「ミステリ」よりハラハラドキドキ感を味わえ、「スリラー」では「ホラー」のような幽霊やモンスターといった未知のものへの恐怖ではなく、何であの人が?! 的な不気味さも味わえるゾクゾクするワクワク感も提供してくれるのです。

「ミステリ・サスペンス・スリラー・ホラー」違いのまとめ★

身近な謎、神秘的な謎等、あらゆる謎を解明する過程の楽しさが主眼の「ミステリ」が大きな括りとしてまずあり、それらの作品の中でも、何に重点を置き創られた作品か、により「サスペンス」「スリラー」「ホラー」などと呼ばれ方が変わっていくのですね。


ですが「ホラー」では少なからず「サスペンス」のようなハラハラ感もあり、また「ミステリ小説」と謳われていても「サスペンス」要素のないものはほぼあり得ません。また「ミステリ」「サスペンス」でも「スリラー」に近いもの、「ホラー」に近い作品なども数多くあります。被っている部分が多いのですね。

みな「ミステリ」のジャンルの一つです


では最後におさらいも兼ねまして、もう一度それぞれの一応の定義や特徴等振り返りつつ、4つの違いを比較していってみましょう。

それぞれどんな作品?

  • ミステリ:「神秘・不思議・謎(怪奇)」の要素を含んだもの全般  → 一般的には謎解きの醍醐味を楽しむもの。「推理小説」もこの一ジャンルです。
     ➡ 主眼は「謎」
  • サスペンス: ストーリー展開により、読者や観客に常に緊張感や不安感を与え続けるような作品  → 論理的な推理よりも主人公の置かれた危機的状況下での心理描写に重点が置かれています。
     ➡ 主眼は「緊張感」

  • スリラー: 自分自身の身が脅かされているかのような恐怖感に近い緊張感や不安感を抱かせるような作品  → 脅威となるのは身近なもの。ゾッとするような緊張感です。
     ➡ 主眼は「緊張感」。ただし「サスペンス」に比べ、より「スリルを味わわせること」が狙い
  • ホラー: 読者・観客を怖がらせることに心血を注いでいる作品  → 脅威となるのは幽霊や怪物、といったこれまでの経験や知識では太刀打ちできないものが多く、未知に対する恐怖が味わえます(ただし、身近なものが脅威となる場合もアリ)。
     ➡ 主眼は「恐怖」。一般的には恐怖小説(映画)や怪奇小説(映画)と呼ばれるようなジャンルの恐怖を扱います。

終わりに……

まとめてしまえば、それほど面倒な違いでもないような……気もしませんでしょうか。


ちょっとややこしいのは、創った側の狙いが必ずしも受け取る側と一致するとは限らない、という点でしょうか。

また、読む人、見る人、それぞれの作品の受け止め具合も違います。


「これはもうホラーレベル……」と思う人も「いや、まだまだサスペンスでいける!」という人もいるのです。

ですので、このジャンル分けは、密かに個人個人で楽しめばいいのになぁ、とも思うのですが、本や映画を売り出す時の謳い文句も大事な商品、ということで「史上最高のホラーを!」「未だかつてない謎に挑むミステリ!!」が生まれ、結果「これ、ホラーか?」「謎解き部分より、ストーリー展開で見せようとしてない?」などとの意見も稀に生まれてしまうわけです。


どのジャンルにしても、楽しめればいいのです!

本来なら全くありがたくない不安感や恐怖をわざわざ味わおう、とするのは、通常の生活にある程度満足している証拠です。余裕があってこそ、楽しめるものなのですね。


さて、いかがでしたでしょう。

「ミステリ・サスペンス・スリラー・ホラー」へのモヤモヤが多少なりとも薄れましたでしょうか。

今後の皆さまの楽しい読書ライフのお役に、少しでも立てていましたら嬉しです!

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