こんな『違い』があったんだ!

「対応」と「応対」の違いとは? 意味や使い分けは?

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最近は「小鳥ブーム」。特におしゃべりをしてくれる「インコ」や「オウム」などが人気のようです。癒されます。


「おはよう!」「オハヨウ」。
「じゃ、お休み」「オヤスミ」……かわいいです!

「今日は疲れたなぁ……」「キョウハツカレタ」。

「だって、部長がさぁ……」「ブチョウガサ」……聞いてくれるのかぁ。 優しいなぁ。

「無礼講だって言ったから、やったんだよね」「ヤッタンダヨ」……そうなんだよぅ。

「……ってどう思う?!」「ドウオモウ」……いや、オレが聞いてるんだけど……「オハヨウ!」……「ブチョウガキイテルンダヨ!」


…………
ザ・オウム返し……

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小鳥は、かわいいです。意味のある答えを返してくれなくても、かわいいからいいのです!


さて「対応」と「応対」。何かに対して「答える(応える)」こちらの2つ。
そして、それらを行うのは私たち人間。そのまま返すわけにはいきません。


では何に対して、どのような返しをするのか?

ここが使い分けのポイントです。

「対応」と「応対」、意味や違い、その使い分け等、解説いたします。


「塩」だったり「神」だったりする「対応」。これ「応対」じゃダメなの?

皆さまの「対応・応対」が、今まで以上に周りを明るくできますよう、少しでもそのお手伝いとなりましたら幸いです!
目次

「対応・応対」の違いはココ!

「対」か「応」、どちらが先に来るかだけが違う「対応」と「応対」。

見た目だけでいくと「真逆」のような気もしますし、大した違いはないようにも思えます。そういう文字は、実にやっかい。字面から判断しにくいので、いざという時に「どっちがどっちだ?」と迷ってしまいやすいのですね。


とりあえず、まずは辞書的な意味から取り掛かっていきましょう。

  • 対応:(色々な意味を持つ言葉なのですが「応対」と対になりそうな意味は)周囲の状況などに応じて事をすること
  • 応対: 相手になって受け答えすること
「事をする」や「相手になって」の意味自体が、何ともわかりにくい……


ですが「対応 = 何かをするらしい」「応対 = 受け応えるようだ」ということは何となくわかります。

また、対するものが「相手」なのか「状況」なのか、といった違いもあるようですね。


辞書的な意味から読み取れるポイントは、

  • 対応: 状況に対して、何かをするらしい
  • 応対: 相手に対して、受け答えをするようだ
となります。

まずは、この違いを何となく頭の片隅に置いておいていただき、続いてそれぞれの意味や、使われ方、その場面等から、わかりにくい部分を取り除いていってみましょう!

「応対」とは? どんな時に使う?

ポイントとなるのは「受け答え」。

「『相手』の話をしっかりと聞き、その内容に合わせた返事(返答)」をすることが「応対」です。 

ですので『相手』とは、その「話している人」となります。


つまり対象となるのは「人」のみ。

「対応」と混同し、間違いやすいのですが「悪天候への応対策を立てる」や「トラブルに応対する」などと言った使われ方はしません。

「悪天候」は話しかけてはきません。

「トラブル」、例えば交通事故等の場合、事故を起こしてしまった人の話を聞いて「応対」することはありますが、それはあくまで、その「(交通事故を起こしてしまった)人」に対する「応対」であり「事故」そのものに対してのものではないのですね。トラブル自体から話を聞いたりそれに答えたり、というのは不可能です。


先程の「相手になって受け答えすること」というのは「話を聞いたり、頷く等の態度で示したりしながら、その内容に沿った返事をする」ということ。「応対」で注目されるのは、その「言葉遣い」や「態度」となります。

「応接間」や「応接室」などと使われる『応接』には「来客等を迎え、色々と相手をする」といった意味があります。やって来たお客さんを歓待している様子がうかがえます。

「応対」もその精神は一緒。「色々と」というのが「受け答え」に変わった感じですね。


ほぼ、電話でのやり取りや来客に対して使われる言葉です(とういか、それら限定。対象となるのが「人」なので)。

「電話応対」「来客応対」の仕事は「コールセンター」や「電話オペレーター」「受付業務」など、専門に「応対」するものもありますが、一般的な事務職等でも日常的に行われています。

取引先からの電話の取次ぎや来客の案内など、みな「応対」です。
電話応対には「マニュアル」とまではいきませんが、ある程度、決まった言い回しやルールがあります。

それに従い、誰に対しても変わらない丁寧さが要求されるのですね。

ですので「応対」では「相手が誰か、によって、その言葉遣いや態度などを変える」といったことは必要とされていません。必要とされないどころか、それをやってはいけないのですね。苦手な相手になると態度に出てしまう「応対」……。全然「歓待」してくれていません。

「あなたの応対って、見てるだけで気持ちがいいわね。人柄を感じちゃうわ」などと言われたら、それは最高の誉め言葉。

「言葉遣いも良くって、物腰も態度もお上品。あなたの人格そのものねぇ」と言われているようなものです。


「応対」とは『人』を対象とし「その相手(人)の言うことを聞き、それに対し、歓待の気持ちも込めた『態度や言葉遣い』で答えること」を表す言葉です。

「対応」とは? こんな時には「対応」しよう!

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さて、続いての「対応」。

ポイントは「状況に応じて」です。

「状況」を作るのは「人」とは限りません。地震や火事といった自然災害などにも「対応」では向き合います。

つまり「対応」とは、その状況を打破、善処する要求・必要があれば、それらに対し「何らかの対処、処置等、具体的な対策を立て行動する」こと。

「相手(人)」または「その場その場の状況」に応じた的確な行動をとることを指す言葉です。
「応対」のような決められたルールはありません。どのような状況にも柔軟に、臨機応変に対処する能力が求められているのですね。行動には変化を伴うこととなります。


クレームの電話などでしたら、まず初めに電話を受け、誠意を持ってその相手の話を聞き、その内容にあった受け答え、そして担当者に取り次ぐまでが「応対」。

その後、電話を引き継いだ担当者の電話相手との話し合い等では「対応」です。
担当者の方は、お客さんの苦情の解決に向け、何らかの手段で対処していくわけです。


話している相手は当然「人」ですが、話している内容は「その苦情を作った原因(例えば、買った冷蔵庫のモーター音が異常にうるさい、とか)」そのものについてです。


「私が『対応』させていただきます」は、一見問題のない敬語のようですが「冷蔵庫のモーター音の件は~」などと付け加える、もしくは 『ご案内・ご説明』などの言葉に言い換えた方が安全です。


「対応」は「トラブルへの対処」というイメージもある言葉。クレームに対してダイレクトに使ってしまうと「私のこと面倒臭いヤツだと思ってるでしょ!」のような余計なお怒りまでかいかねません。

すべきことはまさしく「対応」でいいのですが、使う状況によっては言い方・言い回しとして相応しくない場合もあります。ご注意ください。


このように、その状況に合わせ色々な行動をとったり対策を講じる「対応」。

「あなたが対応してくれるなら、安心だわ」などと言われたら、それは「あなたの問題解決能力を信頼してるわ」といった誉め言葉。


「対応」に求められているのは「柔軟で臨機応変、なおかつスピーディーに対処する」こと。

「対応」とは、『状況』または『相手(人)』を対象とし、「その状況の変化やそれぞれの相手に対して相応しい行動をとる」ことを指した言葉です。

「対応」と「応対」こんなに違う!! 正しい使い分けはコレ♪

対象となるのは何か。
その対象に応じたどのようなことをするのか。


「対応」と「応対」、2つの使い分けのポイントが、何となくでもつかめてきましたでしょうか。


ではここでダメ押し。


知識より経験です!

くり返しになってしまい恐縮ですが、2つのポイントのまとめ、そして色々な「応対」「対応」の現場を見ていってみることにしましょう!
(厳密には「応対・対応」とは言えないかもしれませんが、それぞれのニュアンスの違いは感じていただけるかと思います)

もう一度! 2つを使い分けるポイントは?

  • 応対: 対象を『人』とし「その相手の話を聞き、それに応じた受け答えをする」こと
      →「電話オペレーター」「コールセンター」「受付業務」など、「応対の専門」的な仕事の他、会社などで「電話を取り次ぐ」「来客を案内する」など普通の業務の最中にも多く「応対」はするもの。「言葉遣い」や「受け答えの態度」などが見られています!
  • 対応: 対象は『人』『人以外』どちらもあり。「状況の変化、それぞれの相手に対し相応しい行動で応じる」こと
      →「苦情処理(クレーム処理)」を専門に引き受けていた、などでは高い「対応力」が評価されていたこととなります。
    その他、様々な場面で「対応」は活躍します。「対処・対策・問題への取り組み」などと置き換えてみるとわかりやすいかもしれません。「要求があれば、それに応じて何とかします」といった「対応」には「臨機応変に対処できる柔軟さと行動力」が求められています。

「応対・対応」の現場

あれ? こんなところでかくれんぼ?

いいえ、お父さまは遊んでなどいません。かなり必死であなたを探しています。平たく言うと、今のあなたの状況は「迷子」です。

  • 応対: 盛大に泣きじゃくるあなたをヌイグルミであやしてくれたり、頭をなでてくれたお兄さん。少しは不安がなくなりましたか? その合間にもひっきりなしに鳴る電話にも出ています。相手は迷子さんの親御さんたちでしょうか。忙しそうです。

      → あなたのことを心配し、その不安を和らげようと、また、探しやすいよう、あなたの話に真剣に向き合ってくれています。名前や年齢、お父さんの恰好など聞かれたら、ちゃんと答えてくださいね。
  • 対応: あなたの名前・年齢・着ている洋服の特徴などをマイクに向かって話すお姉さん。あなたをあやしてくれたお兄さんから伝えられた「あなたのお父さん」像を頼りに、似た男性を探しに行くスタッフさんたち。

      → あなたからの情報をもとに、お父さんを探すべく「アナウンス」「探しに行く」など、具体的な行動をとってくれています。大丈夫。もうすぐ、お父さまが迎えに来てくれるはずです。

あ!……ポチャンッ!

……トイレに持って入るからです! 水没は故障パターンのナンバーワンです!

  • 応対: 電話をかけるとまずは繋がる「自動音声のアナウンス」。音声に従って番号を入力していきます。

      → これで必要な情報は整いました。これをもとに、オペレーターに繋ぐべきか、さらに入力を進めるだけで済む要件(暗証番号の変更や、宅配便の再送なら時間帯の指定など)なのか、が決まります。誰が掛けてもその「応対」が変わることはありません。
  • 対応: 自動音声の「オペレーターにお繋ぎします」の後、しばらく待ってようやく繋がるオペレーターさんとの会話。

      → 番号入力だけではどうにもならないスマホの水没。もはや「トラブル」とも言える状況です。オペレーターさんに何とかしてもらいましょう。「水没した時のアフターケア」について契約時の取り決めはどうなっていたかなどにより、その後の手続きも変わってきます。最悪買い替え。「あなたのスマホ」の「今の状態(状況)」「契約時につけた保証」などにもより、オペレーターさんの取るべき「対応」は変わってきます。

マズい……世界が回ってる……グルグル回ってる……

大丈夫。ここで意識を失っても、病院内です。

  • 応対: まずは問診票に必要事項を記入しましょう。それどころではない場合は看護師さんにお願いすれば、代わりに記入、もしかしたら順番を早めてくれるかもしれません。

      →「問診票」もこの「看護師さん」の場合も、どちらも「応対」に当たります。「問診票」は上記の「自動音声アナウンス」と同様「答え」てはくれませんが、完璧に「受け」てくれています。本来の「応対」とは異なりますが、どちら寄りかと言えば「応対」。またこちらの看護師さんは「順番を早める」など対応策を取ってくれたかのように見えますが、実際にそれを決めたのはおそらく診察をするお医者さん。「看護師さん」はあなたの状態を伝えた、つまり取次ぎ、「応対」です。
        
  • 対応: ですので、ここは担当の「お医者さん」。高熱に対する処置もしてくれますし、看護師さんからあなたの様子を聞き、そのことに対する対処もしてくれています。

「応対」「対応」、それぞれのモットーは?

  • 応対: 誠意ある丁寧な言葉遣い・態度で、あなたのお話を聞き、それに応じた相応しい受け答えをします! イヤな気持ちにはさせません!
  • 対応: 出された課題、提示された問題、事件の謎、何なら悪天候にも立ち向かいます。物事がスムーズに運ぶよう、また、要求があるところに「対応」あり! です!

終わりに……

いかがでしたでしょう。

「応対」「対応」、文字を逆転させただけなのに、それぞれにしっかりと「ここは負けない!」といった違いのある言葉だったのですね。

実際には「応対」にもある程度の「対応力」が求められます。相手は「人」。人はまったく同じではないからです。
「対応」も同じ。要求にはしっかり答えてくれても、あんまりな態度、では別の問題を発生させかねません。


お互いに役割分担はあっても、分担外にも気を配れば、無敵! 周りの笑顔も増えそうですね!

皆さまの「スッキリ」と「なるほど」のお手伝いに、少しでもなっていたら嬉しいです!

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