こんな『違い』があったんだ!

『おかゆ』と『おじや』と『リゾット』の違いとは? カロリーや消化が良いのは?

リゾット


お母さん……風邪ひいてる娘に「リゾット」って…


リゾット
オシャレだし、美味しそうだし、何となく似てるような気もするけど、ここは「おかゆ」が、ぜひオーソドックスに「おかゆ」がよかった……!


……まぁ、せっかくなので頂きましょう。

「おかゆ」「リゾット」、他「おじや」「雑炊」などといったものもありますね。


……似ていますね。違いがイマイチわからないくらい……

「リゾット」以外はみんな同じようなものでしょ?

いや、鍋のシメが「おじや」で、おかゆは病気の時の定番。で「リゾット」がオシャレの定番。

全部違うのはわかる。でも、どこが違って呼び分けられてるのかは知らん。

お腹痛いんだけど、消化にいいのってどれ?

「おかゆダイエット」ってあったよね? 本当に痩せる? だって「おかゆ」だってお米でしょ?


などなど、カロリーや消化の良さも含めまして「おかゆ・おじや・リゾット」の違いを解説いたします。


病気じゃないけど今日は「おかゆ」作ってみようかなぁ、など、白米以外の選択肢が増え、毎日のお食事がちょっとだけでも楽しくなるお手伝いとなれましたら幸いです。
目次

「おかゆ・おじや・リゾット」の違いはココ!

これら3つの米料理を分けているのは、その作り方。
  • おかゆ: 生米から炊く
  • おじや: 炊きあがったお米を使用
  • リゾット: 生米を炒めてから炊く
「おかゆ」は通常のお米を炊く場合と同じく、生米から作りますが、炊く際の水分量を多くし、柔らかく炊き上げたもの。

「おじや」はすでに炊きあがっているお米を他の具材と共に出し汁等で煮た(炊いた)もの。

そして「リゾット」ではお米は洗わず「おかゆ」同様生米のまま、オリーブオイルやバターなどで炒め白ワインや出汁と共に炊き上げる、お米の芯が少し残るような出来上がりも特徴的なイタリアの米料理の一つとなります。


大まかな違いとなりますが、まずはこちらを押さえておいていただき、では続いてそれぞれの特徴について、もう少し詳しく見ていってみることにしましょう。

「おかゆ」とは?

「風邪をひいたらおかゆ」。

理由は考えたことはなくても、このシチュエーションを体験したことのある方は多いかと思います。

前述のとおり通常お米を炊く時よりも水を多くして柔らかに炊きあげられた「おかゆ」。


お米と水の比率により「三分粥(米1に対し水20)」「五分粥(米1に対し水10)」「七分粥(米1に対し水7)「全粥(米1に対し水5)」のようにも呼び分けられています。

「三分粥」に関しては、もうほとんど水ですね。「重湯」とも呼ばれます。


このように、おかゆは全体に水分量が多く、またお米自体にもふんだんに水分が含まれているため、消化に良い、とされているのです。


また「白粥」と呼ばれる具の入っていないおかゆが基本とされるため、消化するものも炭水化物(お米)のみ

炭水化物は食物繊維や脂質、たんぱく質に比べても、消化が早いのですね。

味付けも大抵は薄めの塩味。胃に負担をかけない食べ物としてはピカイチです。


が、その柔らかさから噛まずに飲み込んでしまうと、逆効果をもたらすこともあります。


食べ物は咀嚼により、唾液と混ざり合うことで消化酵素の働きを得ます。その後胃に進むのが理想。

おかゆは柔らかくても一応はお米。

なかなかあの柔らかさをしっかり嚙む、というのも難しいのですが、おかゆの早食い……せっかく消化のいい食べ物の良さがもったいないことになってしまいます。

唾液の分泌を促すために「梅干し」を添える、などといった工夫でもおかゆの消化の逆効果を防ぐことはできます。


咀嚼&唾液プラスおかゆ、が無敵のタッグです。

また、おかゆの温かさも弱った身体に優しさを発揮。温かいものを食べれば当然身体も暖まり、基礎代謝まで上げてくれます。


さらには「おかゆを食べる = 水分補給にもなる」といったメリットまであるのですね。

体調の悪い時などには、本当に頼りになりそうです!


水でお米の量を増やしているわけなので、カロリーも低め。
お米一食分がおよそ252㎉であるのに比べ、おかゆはわずか178㎉前後です(100g当たりでは71㎉)


ただし「消化がいい」ということは「腹持ちは悪い」ということ。

胃に留まる時間が短いので「消化がいい」、なのです。


一時期「おかゆダイエット」なども流行りましたが、これはキツそうですね。


お腹減ります……また、栄養バランスも悪い、炭水化物だけ……

白米に合うものなら、大抵がおかゆのトッピングにも合います。

色々なバリエーションを楽しみつつ、夜だけ白米の代わりにおかゆ、などでしたら、ダイエットに関係なく普通に美味しそう……ちょっとやってみたくなってきました!


さてさて、では似たような「おじや」、さらに「おじや」に似た「雑炊」は?


作り方が違うだけ? どっちも柔らかいから消化もいい? カロリーも同じくらい?

について、見ていってみましょう!

「おじや」とは?「雑炊」とは違うもの?

「おかゆ」とは違い、炊いたお米から作る「おじや」。

実は「雑炊」も同じものを指しています。

ただ、地域やご家庭により「これが雑炊、こっちがおじや」という呼び分けもあり、別物、とされる場合も多いのですが、その基準が多岐にわたり過ぎるため、統一した区別の基準というものは存在していないのです


「おじや = 雑炊」とするなら、その特徴は「炊いたお米を他の具材と共に出し汁等で煮た(炊いた)もの」というところ。

冒頭にどなたかもおっしゃっていましたが「鍋のシメ」のイメージですね。最後に溶き卵を流し入れたりもします。
「おかゆ」に比べ栄養満点な感じです。しかも「シメ」。お腹いっぱいのイメージ強し、です。


そもそも「おじや」とは元々は「雑炊」の隠語。

雑炊が煮える時の「じや」という音から室町時代の宮中に仕える女房さんたちが使い始めた「女房詞(言葉)」の一種です。

他にも「髪」のことを「かもじ」、「団子」を「いしいし」、「豆腐」を「おかべ」などとも言っていたそうです。


そしてその「雑炊」も、かつては水を入れ全体量をかさ増ししただけのものだったため「増水」の文字で表わされ、現在のように野菜や魚介、肉類などの具材も加えられるようになったため「雑炊」の文字に変化したもの。

この辺が少しややこしくなっています。


いずれにしても「おじや(雑炊)」とは炊いたご飯を具材と共に出汁で炊いたもののことを指します。

つまり「おかゆ」と違う部分は「生米から作るのではなく、具材も入っている」というところ。


また、味付けもおかゆのように塩味のものばかりではなく、醤油や味噌で調味されたものが主流となります。

このことから消化、カロリーにも違いが出て来るのですね。


野菜、肉類等が入っている分、消化は悪くなりますが、お米自体が吸っている水分量はおかゆほどではないものの、結構な量です。

決して消化の悪い食べ物ではないのですね。

お米の含む水分により、少量でお腹も膨れます。そして具材の消化にかかる時間が増えるため、腹持ちも若干ですがいい。ついでに、栄養バランスもそこそこいいのです。


さて、気になるカロリーですが一人前236gとして一般的なもので328㎉前後。100g当たりで言えば139㎉前後になります。

「おかゆ(71㎉/100g)」よりだいぶ高カロリーな気もしますが、お米と水だけの「おかゆ」に対し「おじや(雑炊)」には具材が入っているので順当なカロリーにも思えます。


先ほども書きました通り、食物繊維やタンパク質、脂質は消化がゆっくりなため、何を具に使うかで消化の良さも変わってきます(カロリーも)。

体調の悪い時でないのであれば、味付けや具材を変えて楽しめる分「おじや(雑炊)」の方がなんかいいかも……

ですが、こちらも早食いには注意です! 白米よりはずっと噛みごたえがないので、美味しくてついつい食べすぎ、などにもご注意ください。普通に太ります!


うちの方での呼び分けと違う! なものもあるかもしれませんが、ここで「おじや」「雑炊」を分けている部分の一例を。

    ◎「雑炊」VS「おじや」
  • 作る際に炊かれたお米を一度洗い、ぬめりをとってからさっと煮る: 雑炊
  • お米のぬめりをとらず(洗わず)そのままグツグツ煮込む: おじや
  •  → 全体の水分量が多め。お米の粒の形も残るもの: 雑炊
     → 汁気がなくなるくらいに煮込むため、お米の粒の形もそれほど残らないもの: おじや

  • 味付けが塩味、または薄い色の煮汁のもの: 雑炊
  • 味付けに醤油や味噌使用: おじや
  • 鍋の後の残り汁にご飯を入れて作るもの: おじや
  • 出し汁に炊いたご飯と具材を入れて作るもの: 雑炊
などなどがあります。

そう言われれば、そんなような気もしてきますが、これらはあくまで地域やご家庭ごとの呼び分け。

「おじや」「雑炊」を分ける決定的な決まりは、今のところ存在はしていません

「リゾット」とは?

♦Risotto ハムとアスパラのトマトリゾット【ネスレ:想いやりレシピTV】
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=OO99BO-Mp9g&w=560&h=315]
さてさて「リゾット」です。急にオシャレな感じになりました。

こちらはイタリア料理ですね。

本来であれば、カルナローリ、アルボリア、ヴィアローネ・ナノなどと呼ばれる中粒のお米が適しているようですが、聞いたこともありませんし、舌も嚙みそうです……

日本では通常のお米でアレンジされたレシピで広まっています。上記のお米はなかなか手に入りません。


「リゾット」の特徴はアルデンテに炊いたお米。パスタを茹でる目安としてもよく聞く「中心に芯がわずかに残る程度の柔らかさ(硬さ)」のことです。


生のままのお米を(洗わず)オリーブオイルやバターで炒めてから、白ワインや出汁で炊いていくのですが、あまりかき混ぜず、蒸発した水分をその都度追加していくため、こちらのお米もたっぷりと出し汁等を吸い、柔らかくなっています。


つまり、消化もいいのです。

ですが「リゾット」の基本材料は「米・タマネギ・オリーブオイル・バター・白ワイン・塩・水・コンソメ・粉チーズ・ブラックペッパー」など。高カロリー食材もふんだんに使うのですね。また、脂肪分等含むものは消化はゆっくりめ。具材によっては柔らかいお米の消化の良さが相殺されてしまう場合もあります。

栄養は豊富ですね。

ここにトマトを加えれば「トマトリゾット」、牛乳や豆乳で炊いたものなど、アレンジは自在です。


また、ご家庭で作る場合でしたら「おじや(雑炊)」のように炊いたお米(残り物のご飯など)からでも作ることは可能。もう、こうなってくると「洋風」に味付けされた「おじや」です。見た目もオシャレな「おじや」。本来の「リゾット」の特徴でもある「お米の芯」も残っていません。でもいいのです。味が洋風ならそのレシピは「リゾット」として紹介されてOK。


そして洋風だけあって、そのカロリーも高くなる可能性は大です。


ちなみに「トマトベースの野菜のリゾット」のカロリーは一人前約388gとしておよそ416㎉。100gですと107㎉です。


あれ? 雑炊より100g当たりなら、低い?

低いのです。

リゾットの特徴はこちらにもあり、使う食材によってはダイエットの強い味方にも変化すること。

チーズ系は高く、トマトや豆乳ベースで具材も野菜中心であればそれほどカロリーも上がりません。その上栄養豊富。ただし、その分消化の良さは若干落ちます。


本格的に生米を炒めて作るもよし、残り物のごはんをリメイクするもよし、味付けや具材のアレンジも豊富、かつ、それほど難しくもなく、ある程度消化もいい(お米がスープを吸っていて柔らかいから)。ボーノ!


ぜひ「リゾット」も白米代わりの選択肢の一つとして試してみてくださいね!

「おかゆ・おじや・リゾット」の比較!!

うーん。一日ごとに3つを順に作っていきたい気分です。

どれもそれなりに消化が良く、カロリーも心配するほどではない、といった優秀食品のようです

ではここで、もう一度おさらいも兼ねまして「おかゆ・おじや・リゾット」の特徴や違いを比較していってみましょう。

作り方の特徴は?

  • おかゆ: 普通にお米を炊く要領で、ただし多めの水で炊く
  • おじや(雑炊): 炊いたお米を使い、具材と一緒に出し汁で煮る(炊く)
     →「炊き上がったお米を洗い、ぬめりをとってからさっと煮る、全体の水分量の多いものを『雑炊』」、「ぬめりはとらず、そのままお米の粒の形があまり残らないくらいまで煮たものを『おじや』」とする等、地域・ご家庭などにより呼び分けのルールが決められていることもありますが、統一された分類の基準はありません
  • リゾット: 生のお米を炒めてから炊く。お米の芯が少し残るような炊き上がりも特徴

消化がいいのは?

  • 「おかゆ」です!  → 基本のおかゆは具のない「白粥」。大量の水を吸って柔らかなっている上に消化の遅い食物繊維や脂質、たんぱく質等も入っていないため消化は早く、その分腹持ちはよくありません
  • 「おじや」「リゾット」
     → 具材によっては消化の悪いものもありますが、お米が水分を含み柔らかくなっていますので、普通にステーキを食べたりてんぷらを食べたり、などよりはずっと消化はいいのです。

カロリーの違いは?

    ◎ダントツで「おかゆ」が低いです!  →「消化の良さ」と一緒ですね。「おかゆ」は水とお米、味付けに塩少々が基本。一度に食べる量も、水を吸い膨らんだお米のため、少くなくなります。カロリーの上がりようがないのです

  • おかゆ: 178㎉ / 250g(一人前)・71㎉ / 100g
  • おじや(雑炊): 328㎉ / 236g(一人前)・139㎉ / 100g
  • リゾット(トマトベース・野菜中心のもの): 416㎉ / 388.5g(一人前)・107㎉ / 100g
    (トマトベース・野菜中心のもの): 416㎉ / 388.5g(一人前)・107㎉ / 100g

食べる時の注意点は?

温かい(というか、熱い)「おかゆ・おじや・リゾット」は、そうそう早食いのできるものではありません。

が、噛みごたえのない分、噛まずに飲み込んでしまいますと、十分に唾液と混じることができず、結果消化を悪くしてしまいます。
できるだけよく噛んで(難しいと思いますが)ゆっくり食べることで満腹中枢も刺激です!


また、消化にいい = 腹持ちが悪い、です。

ダイエットのつもりで白米をおかゆなどに変えていたはずだったのに、お腹が減りすぎて間食が止まらず逆に太ってしまった、などということのないよう、栄養バランスも考え、他のおかずなども工夫してみてくださいね(風邪の時は別。とりあえずおかゆ等お腹に入れたら、お薬を飲んで早めのお休みを!)。

終わりに……

リゾットだけはイメージ的にも違いがあるのはわかっていたのですが、「柔らかくてあったかい、胃に優しそうな食べ物」と一括りに考えていた「おかゆ・おじや」にも何かと違いがあったのですね。うーん。侮れません。


あのふにゃふにゃした食感のものをよく噛む、というのも至難の業のような気がしますが、梅干しを付け合わせて唾液分泌を促す、というのには納得です。なるほどですね、よく考えられています!


高カロリーなイメージもあるリゾットですが、具材によっては意外にヘルシーにもなるようです。
チーズたっぷり、などでなければ消化もそこそこいいのですね。

自分に合った美味しい組み合わせを発見できるといいですね!


さてさて、いかがでしたでしょう。

「おかゆ・おじや・リゾット」の違い、皆さまのモヤモヤが少しでも薄れていましたら嬉しいです!

関連記事はこちらになります。

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