ツイスト、キック、スピン、と聞いて、まず思い浮かぶのはどんなことでしょう?
少し古いですがダンスの「ツイスト」? 「キック」ではキックオフやキックボクシング、「スピン」ではフィギュアスケートの回転技などを思い浮かべるかもしれません。
この3つの言葉を聞き、すぐに「サーブ!」と答えられた方は、きっとテニスに相当興味をお持ちなのではないでしょうか。
そう、このテニスのサーブの3種類「ツイストサーブ」「キックサーブ」「スピンサーブ」、ではどういった違いがあるのか、分かりやすく解説していきたいと思います。
目次
ツイストサーブとキックサーブとスピンサーブの違いを超簡単に
素直に訳せば、順に「ひねる,ねじる」、「蹴る」「回転する」ですね。普通のサーブでは使わないこの動作。
3つのサーブにはそれぞれ、その特徴が表れています。
サーブを打って着地した後のボールの行方が、「スピン」ではそのまままっすぐに、「ツイスト」と「キック」では打った人(サーバーといいます)の利き手側に曲がる、というのが最大の違いです。
飛んで行く方向もスピンではまっすぐに、ツイストとキックではサーバーの利き手とは逆方向になります。
つまり大きな違いとしては「飛ぶ方向」と「着地後のボールの曲がり方」のふたつが挙げられます。
ツイストサーブとは? 打つコツは?
ツイストサーブには一般的なサーブ(フラットサーブといいます)にはない、回転がつきます。ただ回転するだけではなく、そこにねじれの回転もプラスされます。
先ほどの和訳「ひねる、ねじる」の力を加えた打ち方ですね。
「ツイスト」の力を加えられたボールは相手のコートでバウンドした後、サーバーの利き手側に大きくはね跳びます(サーバーの利き手が右なら右方向へ)。
つまり相手側からすれば、バウンドした後のボールが予想外な方向(サーバーの利き手方向)に飛んで行く感じですね。
これを打ち返すのは、なかなかに難しいものです。
このサーブができればかなりのポイントアップに繋がりますが、習得の難易度も高め。
コツはまず、体を開かないことです。
あくまでそういったイメージを崩さないよう意識するだけでもいいので、体は横向きを保つようにしましょう。
ラケットを空に向かって飛んで行く勢いで振り上げ、落ちてくるボールが「もうこれ以上は待てない」と思うところまできてから、当てる瞬間にのみ力を入れ、振り切ります。
その際のトスはやや前方に。体を心もち傾けるようにして打ちます。そうすることでボールは強い「ツイスト」の力を得て飛んで行くことができるのです。
キックサーブとは? 打つコツは?
実はこの「キックサーブ」、上の「ツイストサーブ」の新しい呼び名、とも言われています。こちらは「ツイストサーブ」ほど体をねじらなくとも大きな弾みをつけることのできるサーブなのですが、ツイストサーブとまったく違った打ち方、というわけでもないのです。
テニスで使用する道具や選手の技術の向上によって、ツイストサーブほど体をねじることなくツイストサーブが打てるサーブ、ちょっとややこしいですが、つまりはキックサーブとは、「今のテニス界事情に合わせ、打ち方が変化してきたツイストサーブ」のこと、と言い換えることもできるのです。
ただ、テニス雑誌の一部にはツイストサーブをキックサーブよりも攻撃的なもの、としているところもあり、諸説分かれるところですが、大多数の意見では、ツイストサーブはキックサーブの古い呼び名、と捉えられています。
ツイストサーブ、もしくはキックサーブでコツをつかめばもう一方もおまけでついてくる!?
なんともオトクです。これはもう練習あるのみ!ですね。
スピンサーブとは? 打つコツは?
さて、初めに少し触れましたがスピンサーブのみ、飛ばす方向とバウンド後のボールの行方が違います。「スピン」=回転するサーブ、というところはツイスト、キックサーブ同様特徴の一つです。
曲線を描きながら相手側コートに向かい、バウンド後、弾んだボールは通常のサーブに比べ大きく高く弾みます。
意表をつくようなバウンド後の方向移動はありませんが、ボール自体が回転しているので打ち返しづらいサーブであることには変わりません。
ツイスト、キックの両サーブの基本形と言ってもいいサーブです。
手首は立てたまま、掌側に曲げた角度が効いているほど力強い回転がかかります。
試してみるとよくわかりますが、手の甲側に曲げながら打つと、そのまま打つ形になります。
また、手首を寝かせてしまいますと、スナップの反動のみが動力になってしまいます。
手首を立たせ、足から手首へと繋がるようなスウィングをイメージしましょう。
ボールの左下面を打ち、打った瞬間が最速になるよう、足での蹴り腹筋なども使い振り切ります。
これらは、ツイスト、キックのふたつのサーブを打つ時にも大切なことです。
常にイメージして意識するだけでも、上達に役立つはずです。
初めはうまくいかないかもしれませんが、うまくいかないのが普通です。あきらめずにがんばってくださいね!
3つのサーブの違いはコレ
ボールの回転
スピンサーブは縦方向の回転。↓高く跳ねるスピンサーブ~安定かつ攻撃的なサーブの動画です♪
ツイストサーブ、キックサーブは共に、縦方向の回転だけでなくそこにスクリュー回転も加わります。
ボールの飛び方
こちらの違いも「スピンサーブ」と「ツイスト/キックサーブ」に分かれます。スピンサーブではサーバーの打ったボールはまっすぐに飛んで行き、縦にストンと落ちてバウンド後もまっすぐに跳ねます。
一方ツイストサーブとキックサーブでは(右利きのサーバー側から見た場合)、左に曲がりながら飛んで行き、スピンサーブ同様、縦に落ちますが、その後バウンドしてから今度は右に曲がります。
とても落ち着きのない動きですよね。打ち返すのが難しそうです。
もうひとつの違い
この違いは、知っていてもテニス技術の向上にはあまり関係ないかと思いますが、ぜひ知っておきたい大変興味深いものです。それはそれぞれの名称が、何に対して名付けられたものなのか、といった違いです。
具体的に見てみましょう。
まずは「ツイストサーブ」です。
ひねり、ねじりを加えた「打ち方の形」に対してつけられたネーミングです。
1960年代にアメリカで大流行したツイストダンス。体をひねりながら踊る様子を彷彿させられるキレのいいサーブ名ですね。
次に「キックサーブ」は、バウンドした後のボールの弾む様子、「キックする状態」に対してつけられました。
キックというと、足で蹴ることを想像してしまいますが、ここではボールのはね跳ぶ様子を指しています。頭の中で「ジャンプ」と置き換えると、わかりやすいでしょうか。
最後に「スピンサーブ」ですが、これはそのまま、「ボールの回転」という特徴を呼び名で表しています。
3つのサーブの一番の基本部分を名称に与えられたサーブなのですね。
このことからも「ツイスト/キックサーブ」が「スピンサーブ」の一種であることがわかります。
スピンしないツイストサーブもキックサーブも存在しません。
つまりまずスピンがあり、ツイスト/キックはさらに高度な技を、そしてその技の「打ち方」「バウンド後の状態」が、それぞれこの3つの名称の差となったわけです。
終わりに
サーブ、と一言で言っても色々な違いがあることがわかりました。テニスをしている人たちにとって、この3つはぜひ使いこなしてみたいサーブですよね。
コツがつかめるまでは難しそうです。
でも、一生懸命練習する価値は絶対にあります!
サーブにひとつひとつ違いがあるように、プレーヤーおひとりおひとりにも個性があり、なかなか上達しない! と焦ることもあるかと思います。
ライバルに打ち勝った時もうれしいですが、なかなか越えられなかった自分自身の目標を捉まえて打ち勝てた時には、また別のうれしさを感じるのではないでしょうか。
楽しみながら、少しづつでも目標に近づいて行けるといいですね!!
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