ハンドバッグとかになると、呼び方が “クロコダイル” に変わる。
……じゃないの?
牛のことは『カウ』『ブル』と呼ぶのに、牛肉になると『ビーフ』に変わる的発想ですね。
でも、じゃないのですよ……
『クロコダイル』も『アリゲーター』も『カイマン』も、みんなワニの仲間です。
カイマンはワニ革にとくに興味がない方たちにとっては、あんがいマイナーな名前かも。
でもよく聞く、
『クロコダイル』
『アリゲーター』
この2つがなかなか似てるんです。
こういう、
“その存在も似てることも知ってるけど、どこが違うかはよくわからない”
という問題は、早めに解決しておくのが一番。
── ということで、
『クロコダイルとアリゲーターって、ワニだよね? どっちもワニなのになにが違うの?
あ……カイマンのことも教えて!』
について。
英語での彼らの呼び方、革製品になった場合などなど含めまして、その違いをご紹介します。
皆さまの『ワニ・ワニ革』へのモヤモヤが、少しでも薄くなりましたら幸いです。
それではさっそくみていきましょう。
目次
ワニの種類はいくつ?
ワニは “は虫類ワニ目” の肉食動物。
これをさらに分けると、
- は虫類ワニ目『クロコダイル科』
- は虫類ワニ目『アリゲーター科』
- は虫類ワニ目『ガビアル科』
の3種類になります。
クロコダイルやアリゲーターいう種類のワニがいるわけではなく、それぞれの“科”に何種類かのワニが属している形です。
-
“カイマンが! カイマンがいません!!”
“あと! ガビアルってだれなんですか!?”
ガビアルっていうのはこんなワニ。
細長すぎる、くちばしみたいな口が特徴。
この口のおかげで、魚をガンガンキャッチして食べることができるんですね。
ヘンな形だけど、優秀なお口。
ガビアル科に属すワニは『インドガビアル』一種類だけ。
ついでに言うと、彼らは『革製品』としては使われていません。
なので、彼についてはここでいったん置いておきます。
で、カイマンですね。
カイマンは『アリゲーター科』のワニの仲間です。
『クロコダイル科』『アリゲーター科』のワニを、とりあえず並べていきますね。
クロコダイル科に属すワニたち
-
■ ワニ目クロコダイル科『コビトワニ属』
- ニシアフリカコビトワニ
- マレーガビアル
(※ この種類は『ガビアル科』に属していません) - アメリカワニ
- アフリカクチナガワニ
- オリノコワニ
- オーストラリアワニ
- フィリピンワニ
- モレレットワニ
- ナイルワニ
- ニューギニアワニ
- ヌマワニ
- イリエワニ
- シャムワニ
- キューバワニ
■ ワニ目クロコダイル科『マレーガビアル属』
■ ワニ目クロコダイル科『クロコダイル属』
(↑ ナイルワニ)
(↑ イリエワニ)
(↑ シャムワニ)
アリゲーター科に属すワニたち
-
■ ワニ目アリゲーター科『アリゲーター属』/『アリゲーター亜科』とも
- アメリカアリゲーター
(別名: ミシシッピーワニ / アリゲーター科の中では最大の大きさ、全長6メートルほど)
(↑ アメリカアリゲーター) - ヨウスコウアリゲーター
- メガネカイマン
- パラグアイカイマン
- クロカイマン
(大きい個体は4メートル以上にもなる、カイマン亜科の中で一番大きい種) - コビトカイマン
(一番小さくて成長しても1メートルくらい) - インドガビアル
■ ワニ目アリゲーター科『カイマン属』/ 以下をまとめて『カイマン亜科』とも
Array雪が降る程の寒さの中、先程ワニが3種類マスドラに入荷しました。画像順にメガネカイマン、ブラジルカイマン、コビトカイマンになります。
— 爬虫類ショップ マスターオブドラゴン (@MOD_yokohama) November 24, 2016
※飼養保管 番号
メガネカイマン横浜市健動指令第349号
ブラジルカイマン横浜市健動指令178号
コビトカイマン横浜市健動指令第348号。 pic.twitter.com/z8H4JRoHis
(↑ カイマンの子ども)
Array立派なメガネカイマン
— ぱーぷる・ぶどう (@purple_grape_39) January 18, 2019
18.12.09#仙台うみの杜水族館 #メガネカイマン pic.twitter.com/vEatGcnxku
(↑ 大人カイマン)
■ ワニ目アリゲーター科『クロカイマン属』
■ ワニ目アリゲーター科『コビトカイマン属』
■ ワニ目ガビアル属
こんな感じに分類されています。
ガビアルは口が特徴的すぎるから別として、クロコダイルとアリゲーターの違いって画像を見てもよくわからないですよね。
どっちもプレデターっぽいです。
でも大丈夫。
いくつか違う部分はあるので、チェックしていきましょう。
クロコダイルとアリゲーターの見分け方 / 違い
-
① キバ(歯)
-
② 頭の形
-
③ 鼻の長さ
-
④ 歩き方
-
⑤ ウロコにある孔(あな)の有無
キバをチェック!
【クロコダイル】
クロコダイルは口を閉じた状態でも上下のキバが見えます!
画像だと見づらいかもですが、とくに下アゴの真ん中から数えて4つ目のキバがとがっていて大きいんです。
だから口から飛び出しちゃう。
かまれたら痛そうです。
というか、かまれたらアウト。
【アリゲーター】
アリゲーターはどちらかというと下アゴより上アゴのほうが大きいため、下の歯はほんのちょっとのぞく程度。
隠れてます。
上の歯は少しはみ出して見えますね。
※ カイマンの中には下のキバが出ている個体もいます
頭の形をチェック!
【クロコダイル】
上から見たときに頭の形がとがった『V字型』に見えるのもクロコダイルの特徴。
画像は真上からのじゃないんですが、開いた口の形がモロに『V』ですよね。
【アリゲーター】
鼻先がクロコダイルと全然違います!
頭の形が丸っこく、『U字型』になっているのがアリゲーターの特徴です。
鼻の長さもちょっと違う!
【クロコダイル】
先ほどの画像からもわかりますように、クロコダイルの鼻はアリゲーターに比べ、
『細くて長い』
【アリゲーター】
逆にアリゲーターの鼻は、クロコダイルよりも、
『短くて丸っこい』
歩き方をチェック!
【クロコダイル】
地面にお腹をつけず、足でカラダを持ち上げるようにして歩きます。
【アリゲーター】
お腹は地面にベッタリつけたまま、ズルようにして歩く、というか這(は)って移動します。
ウロコに孔(あな)はある?
【クロコダイル】
あり
【アリゲーター】
ナシ
ピットと呼ばれる穿孔(せんこう / 孔のこと)がウロコにあるのはクロコダイルだけ。
このピットですが、『熱感知器官』とも『呼吸のための孔』とも言われています。
でもまだはっきりとその役目はわかっていないそう。
ただ、ピットをもつクロコダイルは温度変化にものすごく敏感なんですね。
逆にアリゲーターは温度変化に弱く、暑さや寒さによってやけどや凍傷(とうしょう)を起こすこともあります。
※ 凍傷: 部分的な凍傷はいわゆる『しもやけ』。全身の場合は、皮ふの細胞や組織が寒さによって死んでしまい、最悪命を落としてしまうことも
ということで熱感知器官説、優勢か……?
※ でも、生きてるワニで孔の有無を確かめようとしないでくださいね。 かまれます! または食われます!
狂暴なのはどっち?
『クロコダイル』!!!
しかも種類によっては100メートルを9秒で走るヤツとかもいるんですって~!!!
さらに言えば、今生きてる動物の中ではかむ力もNO.1です。
最強にして最凶……
でもアリゲーターもワニなので、それなりに狂暴です。
アリゲーター科の中では一番大きくなる(最大で6メートルほど)『アメリカアリゲーター』はわりとおとなしめ、と言われていますが、人をおそったことがないわけじゃないです。
※ 『クロコダイルとアリゲーターの見分け方 / 違い』になっていますが、カイマンもアリゲーター科なので、違いや特徴はほぼ同じものとお考え下さい
※ ただし、カイマンに限らず、個体差はあり
なんとなく2種の違いがおわかりいただけたでしょうか。
大した違いはないといえば……ないんですね。
普段生活していて、彼らと出会うこともないですし……
でも、これ、『ワニ革』となると、話は変わってきます。
知っておかないと、
-
「彼からワニ革のバッグ、プレゼントしてもらっちゃった~♡ 最高級品なんだって~。そんな高級品じゃなくてもよかったのに~」
「(あ……、○○製“← ワニの種類” のヤツなんだ……。そこまで高くないから……)そうなんだね~、よかったね~」
なことになったり、ならなかったりもします。
ちょっと切ないかも……イヤ……
ね。イヤです。
それでは続いて『ワニ革』としてのクロコダイル・アリゲーターの違い。
ワニ革製品を買う予定のある方も、だれかからもらえる予定のある方も、こちらの違いを一応押さえておくと安心ですよ ♪
『クロコダイル・アリゲーター』の違い / ワニ革編
クロコダイルにもアリゲーターにもいくつもの種類のワニがいましたが、全部が『ワニ革』として取引されているわけではありません。
クロコダイル科では?
- イリエワニ
- ニューギニアワニ
- ナイルワニ
- シャムワニ
アリゲーター科では?
- アメリカアリゲーター(ミシシッピーワニ)
アリゲーター科の『カイマン属』では?
- メガネカイマン
- パナマメガネカイマン
どの種類のワニの皮か、そのどの部分が革製品に加工されて使われるか、などによって、価格が変わってきます。
-
※『皮』と『革』の違い
- 皮: 天然もの / 動物の『皮』
- 革: なめしたもの / 製品として加工されたもの
(なめす: 動物の皮から毛や脂など余計なものをとりのぞいてやわらかくすること)
『お腹側』か『背中側』か
ワニは全身を硬いウロコでおおわれていますよね。
その丈夫さが『ワニ革』のウリ。
とくに背中側には板状になった骨がビッチリつまっているため、かなりゴツゴツしています。
反対にお腹側はやわらかくなめらか。
ここで好みが分かれるんですね。
- ワイルドなワニ革求む!
→ 背中側の皮を使った革製品を - エレガントなワニ革希望よ!
→ お腹側の皮を使った革製品を
で、どっちのタイプの人気が高いかというと、
“エレガントなワニ革希望よ!”
のお腹側なんです。
だから、お腹側の皮を使った製品のほうが金額も高くなる。
そして、この人気のお腹側にある『ウロコ』ですね。
お腹の中心から横腹にかけて、大きさが変わってきます。
- お腹の真ん中あたりのウロコ
→ 大きめで四角っぽい - 横腹にかけてのウロコ
→ 小さく、丸くなっていく
(※ 四角いウロコは“竹の節”に似ていることから『竹腑(たけふ)』、丸いウロコは“玉”っぽいから『玉腑(たまふ)』または『丸腑(まるふ)』呼ばれます)
……なんですが、このウロコ自体の大きさもワニの種類によって変わってくるんです。
それによる変化というかグラデーションがその革製品の表情に。
ワニ革の中でも『より高価』とされているのは、
“ウロコの数が多く、その配列がきれいなモノ”
ウロコ模様の違いがワニ革の価格を決める大きなポイントになってきます。
クロコダイル・それぞれの(革の)特徴
革製品として使われるクロコダイルの90%は養殖です。
クロコダイルはワシントン条約によって保護されている動物。
ちなみにワシントン条約の正式名称は、
『絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約』
絶滅しちゃうかもしれないから、野生種のクロコダイルからはワニ革をとれない。
(※ でもこれ、裏返すと、養殖されてるワニはほぼ全部革製品になる運命ってことなんですよね……
ここはひっぱりませんが)
また、生きている動物だけでなく『皮革製品』などへの日本への持ち込みが禁止されているものもあります。
とりあえず、まずはクロコダイル革。
取引されている4種のワニの特徴をみていきましょう。
イリエワニの(革の)特徴
ワニ革のなかでももっとも高級とされているのがイリエワニのワニ革(とくにお腹側)。
『スモールスケールクロコダイル(または“スモールクロコ”)』
と呼ばれています。
スケールが『スモール』なのは『ウロコ』。
ウロコの一つひとつが小さいので、模様がものすごくきめ細やかな感じになるんですね。
加工前の画像は個人的にちょっと……だったので加工後ですが。
まさに『ワニ革』! って感じ。
でも、ワニのワイルド感はそんなに強調されてませんよね。
模様の(ウロコの配置の)バランスの良さと、上品さが人気と高い需要を生んでいます。
(※ 需要 / じゅよう: 欲しがる人が多いこと)
ウロコは小さいイリエワニですが、カラダ自体は大きくて、ワニの中でも超ビッククラス。
全長は5~7メートルほどにもなります。
で、お腹が減ると人もおそう……
野生種はアジア大陸、ニューギニア島、オーストラリアなど広くに分布しています。
ニューギニアワニの特徴
『ラージスケールクロコダイル(ラージクロコ)』とも呼ばれます。
イリエワニと同じく、『ラージ』なのは『ウロコ』。
正方形に近く、やや大きめなのが特徴です。
(※ 四角い『竹腑』の部分)
これはこれでいいですよね。
男性がこのタイプ(ラージクロコ)のお財布とか持っててもカッコよさそうです。
エレガントさとワイルドさがちょうどいい具合に共存してる感じ。
牛革の『ラージクロコ型押し』の製品なんていうのも多いです。
さて、大きなウロコが特徴のニューギニアワニですが、カラダのサイズは2.7~3.5メートルくらい。
ワニとしては小さな部類に入ります。
また、ワニ革に使われるワニの中では珍しく、多くは野生種のものが使われているのも特徴のひとつ。
(※ ワシントン条約でも、野生の捕獲が認められてます)
ただ、生息数が減りすぎないよう、捕獲数はきっちり管理です。
なので革製品として取引される数もほかのワニ革に比べ、少なくなるんですね。
高級ではあるんですが、クロコダイルはきめ細かい模様(ウロコの数が多く、配列がきれいなモノ)に人気があるため、価格はワニ革の中も比較的安めになっています。
(※ でも高いです)
ニューギニアワニはパプアニューギニア、インドネシアなどに生息していますよ。
ナイルワニの特徴
ナイルワニの別名は『ナイルクロコダイル』。
そのままです。
ウロコの形状が長方形で細長いのが特徴。
(※ こちらも『竹腑』の形状 / 以下も竹腑の形状)
配列の幅も狭く、キレイに並んでいます。
ワニの種類によって、ちょっとずつ違ってきますよね。
微妙に。
これもいい。
というより、どれもいい。
革には厚みがあり、少し硬めです。
ナイルワニはお腹側だけでなく、背中側のウロコの数も多く、配列もきれいなためワニ革の中でも高級品とされています。
(※ イリエワニは『最高級品』)
全長は4~5.5メートルくらい。
アフリカ大陸やマダガスカル西部などに生息しています。
シャムワニの特徴
『シャムクロコダイル』とも呼ばれます。
ウロコの形状は長方形。
大きさ(ウロコ)は、
“イリエワニ(スモール) < シャムワニ < ミシシッピーワニ(ラージ)”
ちょうど中間くらいのサイズになります。
革は柔らかめ。
ワイルドになりすぎないのもいいですよね。
画像のウロコの部分に小さな孔が開いてるの、わかりますか?
これが先ほど出てきた『ピット(穿孔)』です。
これこそ『クロコダイル』製品の証。
(※ 色を染めたりする過程で見えなくなってしまうものもあります)
-
“ちっちゃい穴開いてる……不良品……?”
ではないので、安心してくださいね。
むしろ、喜んでくださいませ。
シャムワニは比較的ポピュラーなワニ革です。
が、ワシントン条約で『絶滅危惧(きぐ)種』に指定されているため、
- 『養殖であることの証明』ができないもの
- ワシントン条約上、登録のない養殖場
からの取引・輸入はできないことになっています。
彼らの生息地は、インドネシア、タイ、ベトナム、ミャンマーなどです。
アリゲーターの(革の)特徴
カイマン属を除けば『アメリカアリゲーター』1種ですね。
アメリカアリゲーターは、絶滅危惧まではいかず、『低リスク(低危険種)』ですが、保護対象の動物。
ニューギニアワニ同様、数を限定して野生種の捕獲がワシントン条約で認められていて、養殖・野生種どちらの取引も行われています。
アメリカアリゲーターの特徴
アメリカアリゲーターは『ミシシッピーワニ』とも呼ばれます。
これはイリエワニを『スモールクロコ』などと呼ぶのとはまた別次元の話。
『革』関係なく、単に別名がミシシッピーワニです。
実は世界で一番取引量が多いのがアメリカアリゲーターの革製品。
イリエワニ(スモールクロコ)製品の金額がオニのように高いので、
“クロコダイル = 高級ワニ革の代名詞”
のように思われがちですが、アメリカアリゲーター、高いです。
『クロコダイルの中でも高級とされる』
と書いたナイルワニ(ナイルクロコ / それより高価とされるのがイリエワニのスモールクロコ)より高いんですよ!
なぜかワクワクしてきました。買わ(え)ないのに。
アメリカアリゲーターのウロコは『長っぽそい』のが特徴。
穿孔もありません。
うん……なんかクロコダイルのとは違う気がしないでもない……
たしかにちょっと模様の一つひとつが長めですね。
どっちだかわからない! というときには『表示』を見ましょう。
クロコダイルを使っている製品には『クロコダイル』。
アリゲーターなら『アリゲーター』としっかり表示されていますよ。
稀にたまーに、アリゲーターを『クロコダイル』、カイマン製品を『ワイルドクロコダイル』などと表示してあることもあるのですが、それは反則。
でも、とくにお腹側を使った革には、どの種類でもそれほど違いがない、というのが実際のようです。
(※ ワニ革を専門に扱う方たちもかなり迷うことがあるそうです)
先ほども書きましたが、アメリカアリゲーターはワニの中でもおとなしいタイプと言われています。
でもワニなんで……
大きな個体は6メートル近くまで成長しますが、一般的なアメリカアリゲーターは全長2~3メートル。
名前の通りアメリカに生息しているワニです。
アリゲーター科カイマン属の特徴
- メガネカイマン
- パナマカイマン
ですね。
こちらはまとめてのご紹介です。
カイマンは別名『石ワニ』などとも呼ばれています。
背中だけでなく、お腹側(の真ん中あたり)にもゴツゴツした部分があるのが特徴。
クロコダイルやアリゲーターのお腹部分はやわらかいですよね。
でも、カイマンは全体的に硬めなんです。
背中側のデコボコを活かした製品が作られることも多いカイマンですが、ワニ革人気を支えているのは主に『お腹側love派』の方々。
なのでカイマンの革製品は一般的に比較的安価となっています。
クロコダイルに比べると、その差は数倍。
でも、ここは本当に好みの問題だと思いますよ。
おぉ! ブコツな感じがいい!
いいですね! カイマン!!
(※ こちらの画像はカイマンの『背中側』を使った製品ですが、クロコダイルやアリゲーターでの場合でも背中側は先ほどご紹介させていただいた画像のものとはかなり違った印象になります)
カイマンに限らず、クロコダイルやアリゲーターの背中側の皮を使用した革製品が好き! という方たちもたくさんいます。
アメリカアリゲーターと同じく、絶滅の危惧は『低レベル』とされていますが、カイマンも保護対象のワニです。
エクアドル、コスタリカ、ペルー、メキシコ、パナマ(パナマメガネカイマン)などに分布し、全長は2.5メートルほど(最大では3メートル近くになる個体も)。
ワニ革製品の中では比較的お安く手に入れることができますが、安いといってもやっぱりワニ革は高いんです。
ワニ革が高いワケ
まずは、
『ワシントン条約で保護されている』
ということですよね。
保護指定動物なので、勝手に捕獲することはできません。
自然とその量は限られてくることになります。
だから養殖中心(とくにクロコダイル)
養殖で育てたワニは、自然で暮らす野生種よりも3~4倍も早く成長すると言われています。
でも、そうだとしても革製品として加工できるようになるまでにはかなりの時間がかかるんです。
養殖……飼育が大変!
ワニ革の魅力はなんといっても『厚くて丈夫なこと』。
でも、あのキバ(歯)ですよ……
複数を一緒の水槽(すいそう)に入れて飼育してると、そこそこの確率でケンカしちゃうんですね。
で、皮が傷つく。
→『製品化したときの品質が悪くなる = 安くなる』
それを避けるために一人(匹)専用のスペースを確保。
→『場所が!! + 手間が!! = でも高品質を保てる = 高くなる』
です。
機械での加工はムリ
基本、ワニ革製品は養殖中から製品として加工するまで、すべて手作業で行われています。
ものすごい手間ですよね。
しかも、元の状態がよくても、加工する職人さんの腕が悪かったり、途中でキズがついてしまったりすると、かなり値段も落ちてしまいます。
また、製品によっては『○○の部分の皮』限定で作られるものもあるため、数を多く作れないんです。
でもワニ革製品を欲しいという人たちはたくさんいる。
『需要 > 供給』
必要とされてる数よりも提供できる数のほうが少ないので必然的に金額も上がります。
10個のリンゴに2人しかほしいという人がいなければ、ほとんどたたき売り状態ですが、100人がほしいといえばリンゴ1個の値段はどこまでも上がりますよね。
同じことが『ワニ革』の価格事情でも起きています。
しかも、だからと言ってワニ革製品の数自体を増やせるわけではないので……
(※ ワシントン条約や、飼育の手間などの問題があるため)
もう、絶対数が少ないんですね。
英語で『ワニ』ってなんていうの?
『クロコダイル・アリゲーター・カイマン』それぞれの『ワニ』としての違いと『ワニ革』になったときの違いはだいたいこのような感じになっています。
日本にはワニって(もともと住んでる)、いないんですよね。
だから『ワニはワニ』。
では、英語ではワニはなんと呼ばれているのか?
最後になりましたが、ご紹介です。
-
■ クロコダイル
“crocodile”
■ アリゲーター
“alligator”
■ カイマン
“caiman”
■ (一応)ガビアルも
“gavial”
なに科とかじゃなくて『ワニ』! ワニって英語はないの?
ないんです。
日本ではワニといえば『ワニ』ですが、
“ワニの学名的なモノが『クロコダイル』”
と思っている方も多いと思います、
だから、
-
“ワニ革といえば『クロコダイル』でしょ? = 高級”
“アリゲーター? クロコダイルじゃないよね = ワニ革に関係なくない? = 安価”
こんな図式もできあがりがち。
でも英語圏では、
- アフリカ産のワニ = “crocodile”
- 北米産のワニ = “alligator”
のように呼び分けることがほとんどのようですよ。
終わりに……
実は日本でもワニをペットにすることは可能。
(※ 飼うには飼育許可証が必要 / 実際に飼っている人もいます)
なんか、すごい……
でも、ワニってカッコいいですよね。
ていうか、見た目恐竜ですよね。
それかプレデター。
最強の番犬……番ワニになりそうです。
というわけで、『クロコダイル・アリゲーター・カイマンの違い』についてでしたが、少しだけでも参考になりましたでしょうか。
皆さんの『ワニ愛(ワニ革愛も含め)』がますます深まりますように ♪
ではでは。
最後までおつき合いいただきありがとうございました。
関連記事はこちらになります。
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