(※ 本名は『はなこ』/ 化学メーカー・クラレさんのCMだから『クラレ』ちゃん)
あのなんともいえないキョトンというか、のほほんとした表情に癒された方も多いと思います。
でも……クラレちゃんは間違いなくアルパカなんですが(下の画像のも)……
-
「わー! やっぱアルパカってかわいいよね~! 私、アルパカのことなら、なんでも知ってるくらい、アルパカ好きなの~」
「うん、そうなんだね……でも、それ、リャマだよ……」
「……」
こんな感じの気まずい空気の運び屋、アルパカに激似のリャマってヤツがいるんですよ!
── ということで、
『リャマ? アルパカ? で、ラマっていうのもいるの? そんなに似てるの?』
について。
その違いやフワモコの毛の処理、なにを食べて暮らしているのか(エサ)、そして最大のモヤモヤポイント、
『そんなかわいい顔してるんだから、ツバなんて吐かないよね? 吐かないよね?!』
の真実に迫ります(大げさ)!
それではさっそくいってみましょう。
目次
まずは画像で違いをチェック!
モッコモコでふンわふわのアルパカ。
なんとなくトーテムポールっぽくて笑えます。
あ……千と千尋に出てくるシシガミ様にも似てるかも。
こっちもかわいい!
前髪ほんわりタイプの茶色いアルパカちゃん。
で、続いてこちら。
お! イメチェンバージョン?
……じゃなくて、これが『リャマ』です。
そして、こっちが『ラマ』。
……リャマとラマのほうが、アルパカとリャマより似てない?
ですね。
実は『リャマ』と『ラマ』は同じ動物。
呼び方が違うだけなんです。
アルパカに比べ、リャマ(ラマ)のほうがなんとなく強そうなイメージがありますよね。
だけど油断しちゃダメ。
上の4枚の写真はあえて『リャマ(ラマ) / アルパカ』の違いが目立つものを選んでます(それでも、そこそこわかりにくい)。
この2種は地元の人でも、見分けられないことも多いんだとか。
強敵なんです……
(※ 以下『リャマ』表記で書かせていただきますが、『リャマ = ラマ』とお考え下さい<(_ _)>)
『リャマ・アルパカ』の基本情報
-
【アルパカ】
- 偶蹄目(ぐうていもく / ウシ目)ラクダ科 ビクーニャ属(またはラマ属)
- 学名: Vicugna pacos / Lama glama
- 住んでいるところ: 南アメリカアンデス山脈の西側(主にペルー南部)
ほかボリビアやアルゼンチン北部の3500~5000キロメートルの標高の高い高原地帯で群れで暮らす(放牧) - 体長(一般的な個体): 約1.5~1.7メートル
- 体高: 約1メートル
- 体重: 50キロ前後
■ 南米に生息するラクダの仲間
※ X脚です
※ ヒヅメはハート形
※ 『偶蹄目』というのはヒヅメをもつ動物のうち、脚の指の数が2本、4本など偶数になっているもの。3本、5本のように奇数になっているものは『奇蹄目(きていもく)』と呼ばれます
-
【リャマ / ラマ】
- 偶蹄目 ラクダ科 ラマ属
- 学名: Lama glama
- 住んでいるところ: アンデス山脈の西側、標高2000~4000メートルの高原地帯の草原やヤブなどに群れて暮らす(放牧)
- 体長: 約1.2~2.5メートル(だいたい2メートル前後)
- 体高: 約1.2メートル
- 体重: 約70~150キロ(200キロを超える個体も!)
■ 南米に生息するラクダの仲間
※ アルパカより1回り大きなサイズ(というか、南アメリカに住むラクダの仲間の中で一番大きい)
日本では『リャマ』と呼ばれることのほうが多いようです。
でも、飼育している動物園などによっては『ラマ』と表示してあることも。
学名の『Lama』、これ、そのまま読むと『ラマ』ですよね。
だから『ラマ呼称』で呼ばれることになったのではないか、とも言われています。
個人的には、馬とロバのハーフの『ラバ』という動物がいるので、まぎらわしいから『リャマ』と呼ばれることが多いのかなぁ、と思ってるんですが……(個人的には、なので気にしないでください)。
『アルパカ』について少し詳しく
さて、X脚でハートのヒヅメをもつアルパカ。すでにこの時点でかわいいです。
アルパカのエサは?
エサは、
『草・干し草・コケ・樹皮』
など。
完全な草食性の動物です。
アルパカには上の歯がありません。
歯の代わりにあるのは『硬くなった皮ふ』。
下には立派な牙のような歯が生えています。
かわいいけど、面白い。
で、上の硬い皮ふと下の歯で草などを挟んで、ちぎって食べてるんですね。
アルパカってどんな動物?
主に被毛を利用するために飼われている動物です。
ラクダの仲間ですが、コブはありません。
背中はちょっと丸みをおびています。
全体的に丸っこいイメージがありますよね。
ただし、短い耳だけは先端がとがっています。
アルパカはみんな飼育された家畜種。
野生種のアルパカはいません。
飼育目的は皆さんご存知の、あのフワモコの毛ですね。
ウールの中でも最上級の品質とされています。
被毛を刈りとって衣類などに加工するため、大昔からアルパカの品種改良が行われてきました。
アルパカの毛はなんと直径わずか0.02~0.03ミリ。
しっとりしたなめらかさが感じられるので、じゅうたんやマフラーなんかにも利用されてますよ。
アルパカが暮らしているのは、アンデス山脈。
標高の高い山なので、寒さが厳しいんです。
1年中てっぺんに雪がかかってるような山もたくさんあります。
そんな過酷な自然環境にも耐えられるよう、アルパカの毛は柔らかいのに保温力もバッチリ。
脚の先まで柔らかい毛が密集して生えています。
アルパカにとっても『最上級の品質』をもつ被毛は、寒さから身を守る、大事なものなんですね。
アルパカの被毛
毛の種類は大きく分けて2つ(毛の質の違い)。
- ワカイヤ: ストレートの立った毛で、イメージ通りのフワフワ・モコモコの毛質
- スリ: 長い縮れ毛(ツイスト)で、サラサラ、ワカイヤよりも細い毛質
より細い毛質をもつスリですが、神経質なコが多く、繁殖が難しいため、その分被毛の希少価値は高くなっています。
天然の毛の色は25種類ほど。
白・黒・茶・灰色、くらいしか思いつきませんが、25種!(なぜか2度言った)
さらに、その25種が混じって組み合わさった色も含めると、もう数えられないほどの種類になるそうですよ。
人気カラーは『白』。
染められるから。
というか、それ以外の色はあまり人気がありません。
いろんな色があるのにもったいない……
毛はリャマよりも長く、刈りとらない限り一生伸び続けます。
2年間放置で地面にまで届く長さに。
毛の処理は大事……
通常刈りとりが行われるのは1年から2年に1回。
1年で2.5~4キロもの毛がとれます。
けっこうな量です。
また、日本の動物園や牧場などで飼育されているアルパカは、通常毎年梅雨がくる前に刈りとりが行われています。
アルパカの住むアンデス地方は寒い地域なので、暑さには弱いんですね。
だから暑い夏が来るまでにサッパリさせてあげる。
アルパカの『毛刈りビフォー・アフター』はかなり衝撃的です。
あの特徴的なフワフワ・モコモコの毛がなくなって、
Array(ヽ´ω`) ゲッソリ アルパカの毛刈り始まる 千葉 NHKニュース https://t.co/l5wPTKqwRZ pic.twitter.com/PZiGE2UM3A takoshiro
— 面白おもしろbot (@omo_46) March 30, 2020
……もはや別物ですね……
サッパリしすぎな感じになっちゃってます。
でも、暑さ対策・熱中症対策は絶対必要。
カラダにアートな模様を残しつつ毛を刈る『アート・パカ』なんていうのもある!
Arrayアルパカさんのもみあげのもふもふの所、たしか毛刈り後の脚とかがこんなんなるんだよな……と思って「アルパカ 毛刈り後」でググったら想像以上にめっちゃ遊ばれてるひっでえ写真がいっぱい出てきて爆笑してる #けものフレンズ pic.twitter.com/cc4aInBWIX
— 炭酸煎餅 (@Tansan_senbei) February 25, 2017
被毛以外のアルパカの役目は?
主な役目は被毛の利用ですが、
- 皮をなめして革製品をつくる
- 食物繊維たっぷりの『フン』を乾燥させ、肥料や燃料として利用
- 食用として利用されることも
現在でもアンデス地方ではこうした利用もされています。
アルパカの祖先は?
実はアルパカの由来ははっきりしてないんです。
- 『偶蹄目(ウシ目)ラクダ科 ビクーニャ属』なのでビクーニャ(野生種)の仲間で、ビクーニャを家畜化したもの
- 同じく『偶蹄目 ラクダ科 ラマ属』の野生動物『グアナコ』の仲間で、グアナコを家畜化したもの
- 今はもう絶滅してしまっているほかのラクダ科の野生動物が先祖では?
- 人間が作り出した動物
いろいろな説が存在しています。
ということで、
アルパカの祖先かもしれない『ビクーニャ』『グアナコ』ってどんな動物?
についても、かる~く、ご紹介しますね。
『ビクーニャ』ってだれ?
- 体長: 約1.5メートル
- 体高: 約85センチ
- 体重: 60キロほど
アルパカ同様、アンデス地方(アンデス高地)に暮らすラクダ科の野生種です。
首元の長い毛が特徴的ですよね。
そして彼らの毛! 世界の動物の中で一番細いんです!
1ミリの100分の1。
それって一体何ミリなのか、考えるの放棄したくなる細さです。
1回の毛刈り(刈りとり)でとれるのはわずか250~300g程度。
アルパカは1回で、2.5~4キロですよ。
どれだけ希少かよくおわかりいただけるかと思います。
(もちろん最上級の品質)
刈りとりも2年に1回だけ! と厳しく制限がかけられています。
300gですからね……
そうそう刈れないです。
で、このビクーニャが家畜化されたものがアルパカなのではないか、というのが一説。
※ ちなみに、ビクーニャは『ビクーナ』と表記されたり、呼ばれたりすることもあります。
『リャマ / ラマ』どちらの呼称もあるのとおんなじですね。
『グアナコ』は?
- 体長: 約1.5メートル
- 体高: 約1.6メートル
- 体重: 約60キロ
え? これビクーニャでしょ? ってくらい似てますよね。
でも、グアナコには首の下の毛がありません。
こちらもアンデス高地に住む野生種。
ラクダ科ラマ属に属します。
この野生のグアナコが家畜化されたのがアルパカ、の説。
そして、現在のグアナコ(画像のようなの)とは別種の、かつて存在していたグアナコが『リャマ』の祖先ではないか、とも考えられています。
アルパカの平均寿命は? 赤ちゃんは?
平均寿命はだいたい15~20年くらいです。
生まれてくる赤ちゃんの数は1回の出産につき1頭。
11か月ほどの妊娠期間を経て、7~9キロ程度の赤ちゃんを産みます。
その後半年から8か月間くらいはおっぱいをあげて育てます。
繁殖期というのはとくにないので、運とタイミングががよければ動物園や牧場に遊びに行ったときに赤ちゃんを見ることができるかも。
メスのほうが早熟で、1年くらいで大人の女になります(性成熟します)。
オスはもう少しゆっくりめ。
3年くらいかかけて男になっていきます。
ついでにですが、アルパカは一夫多妻制。
イケメンアルパカ(顔以外にも魅力あり)は5~10頭のメスとハーレム暮らしをしているそうですよ。
アルパカの性格は?
好奇心旺盛なんだけど、怖がりで警戒心が強い。
案外やっかいな性格をしています。
怖がりで警戒心が強いなら、おとなしくしてればいいと思うんですが、あちこち気になって首を突っ込んじゃうタイプです。
で、結果勝手に恐怖を感じてパニクる。
フワモコで丸っこいカラダつき(毛刈り直後は除く)。
ほんわかしたヒョウキンな顔つき。
CMにも出て人気急上昇のアルパカ。
でも実は人に懐きやすいとはいえない性格なんですね。
それでもアルパカが好き! 個人でも飼える?
飼えます!
ただ、めちゃめちゃ高いです。
1頭180万円~200万円……
(※ 毛質や血統などによってはもっと高い)
その他、飼育に欠かせないいろいろなグッズもプラス。
しかもアルパカは群れで暮らす生き物です。
最低でも2頭飼いが必要になってきます。
初期費用で、ざっと500万円以上はかかりますね……
さらには1頭につき、こちらも最低2畳分の広さの(草の生えた)スペースを確保です。
クリアすべきカベがドカンっとそびえていますが、『どうしても一緒に暮らしたい!!』という方は、アルパカを飼育している牧場等に問い合わせてみてください。
普通のペットショップでは取り扱ってません。
飼育するなら、
- 草食動物用のペレット
- 干し草(牧草)
これらを1日に約1キロ。
そのほかにも、
- ミネラル補給のための塩のキューブ
- 補充食としてトウモロコシや麦などの穀類
なども必要。
定期的なブラッシングも欠かせません。
家にアルパカがいるって……夢かよ、とも思いますが、けっこう大変です。
※ 現在、アルパカの販売を行っているのは『那須アルパカ牧場』のみ
『リャマ』について・アルパカとの比較
ではでは、続いて『リャマ』です。アルパカとアレコレ比べながら、彼らの特徴とアルパカとの違いをみていきましょう。
リャマのエサは?
リャマも完全草食性の動物です。
アルパカ同様、
『草・木の葉・植物の種・根・コケ類』
などを食べています。
アンデス地方って、もともとそれほど草木が豊富じゃないんですね。
なので、アルパカもリャマも好き嫌い言わず、食べられる植物がなんでも食べるそうですよ。
-
【エサ】
- アルパカ: 草やコケ類、樹皮など植物全般
- リャマ: 同じく完全な草食性
上あごに歯がないのはリャマも一緒です。
リャマってどんな動物?
主に山岳地帯で荷物を運ぶ家畜として飼育されています。
アンデス山脈は7000メートルを超える山が連なる、かなり標高の高い場所。
空気も薄いんですね。
♦ マチュピチュのリャマ
普通の人やほかの動物だったら『高山病』になるレベルです。
でもリャマは大丈夫。
リャマ特有の血液中の成分により、こうした環境にも耐えられるようになってるんですね。
そして相当な力持ち。
20~35キロ(キログラム)くらいの重さの荷物を1日に30キロ(メートル)ほど運んでくれます。
だいたい自分の体重の3割程度の重さですね。
(70キロの個体なら21キログラム・150キロなら45キログラム程度)
少し話はそれますが、歌って踊る系アイドルさんたちが、マスクをして練習する様子って見たことないですか?
あれって、わざと空気を薄くした状態で激しい動きをすることで、肺活量やらなんやら、カラダの機能を高めるためにしているそうです。
高山地帯で暮らすリャマは、日常的にこの状態。
しかも重い荷物を運んでいるので、自然と筋肉もつき、全体的にカラダもガッチリしてきます。
ここもアルパカと違うところ。
役目の違いでカラダつきにも差が出てくるんですね。
アンデスの幅が狭く険しい道にリャマの隊列が何百頭と連なって大量に荷物を運んでいく姿もカッコいいです!
リャマもラクダの仲間ですが、コブはありません。
背中もアルパカのように丸っこくない。
リャマの背中は平らです。
また、短く先端がとがった耳をもつアルパカに対し、リャマの耳は、長くて先端には丸みがあります。
少しカーブを描くような形をしているのでよく『バナナみたい』とたとえられています。
野生種はなし。
アルパカ同様、家畜化されたもののみとなっています。
-
【役目】
- アルパカ: 主に被毛が利用される
- リャマ: 主に荷物の運搬に使われる
- アルパカ: 全体的に丸っこく、柔らかい印象
- リャマ: 筋肉質でたくましい・アルパカより1回り大きい
- アルパカ: やや丸みをおびている
- リャマ: 平ら
- アルパカ: 短く先端がとがっている
- リャマ: 長く先端には丸みあり・カーブを描くような形(バナナっぽい)
【カラダつき】
【背中】
【耳】
さて、そんなリャマですが、かつてインカ文明が栄えていたころには儀式のいけにえとしてささげられていたこともありました。
(※ 15世紀から16世紀くらいが最盛期 / おおざっぱですみません)
この名残が、現在のアンデス地方での、
「家を建てるときに家や家族の安全を願い『リャマの胎児のミイラ』を家の下に埋める」
です。
胎児ミイラは街で売られてるんですね。
ミイラを埋めるのも日本人感覚だとビックリですが、普通に売ってるっていうのにもっと驚いちゃいました。
最近ではミイラの代わりに『リャマの形をした土偶』を埋めることも増えてきているようです。
リャマの被毛は?
荷物の運搬を中心に働くリャマの被毛はアルパカに比べ、少し~かなり硬め。
比較的上質で『羊毛』のような毛(綿毛)と、パサパサしている毛(粗毛)があり、バラつきがけっこう激しいです。
そのため、衣類用というよりは、
- 織物
- ロープ
などに加工して使われることが多いです。
毛の色は白・黒・茶・まだらなどさまざま。
カラダのほとんどの部分は密集した毛でおおわれています。
寒いですからね。
スカスカだと、風邪ひいちゃいます。
-
【被毛】
- アルパカ: モコモコ・フワフワで高級品・衣類などに加工して使われる
- リャマ: 上質・低品質、どちらの毛質もあるが、アルパカに比べると硬め・ロープや織物などに加工して使われる
リャマにも毛刈りは必要?
日本で飼育されているリャマには、とくに毛刈り、必須です~!!
アルパカのように伸び続けるということはないんですが、住んでるところ問題ですね。
しつこいけど、アンデス地方は寒いので……
アルパカと同じように、梅雨に入る前にリャマの毛刈りを実行する動物園などが多いですよ。
リャマのカラダには毛が密集しているので、この作業はかなり大変なんだそう。
大きいし。
1回の毛刈りで約1.5キロの毛がとれます。
アルパカの2.5~4キロに比べれば少ないですが、1.5キロもそうとうな量ですよね。
荷物の運搬以外のリャマの役割は?
- 皮をなめし革製品・暖かい衣類に利用
- 皮下脂肪を利用して『ろうそく』をつくる
- アルパカ同様、繊維質たっぷりのフンは乾燥させて燃料に
- 食用とすることも
アルパカとほとんど変わりません。
リャマの祖先は?
これ、さっき書いちゃいましたね……
もう一度書きますが、
『現在のグアナコとは別種の、かつて存在していたグアナコ』
がリャマの祖先と考えられています。
-
【祖先】
- アルパカ: 由来ははっきりしていない
✓野生のビクーニャを家畜化したもの説
✓野生のグアナコを家畜化したもの説
✓すでに絶滅している、ほかのラクダの仲間が祖先説
✓人が作り出した動物説 など - リャマ: 現在のグアナコとは別種の、かつて存在していたグアナコが祖先説(有力)
リャマの寿命と赤ちゃん事情
リャマもアルパカと同じくらい、平均15~20年ほど、長生きの個体なら25年を超えることもあるそうです。
1回の出産で1頭の赤ちゃんを産みます。
妊娠期間は360日。
ほとんど1年ですね。
お疲れ様です。
そして生まれたての赤ちゃんの体重は10キロ。
けっこう重いのね……
授乳期間はちょっと短めの4か月。
繁殖期は11月から5月です。
ってことは、赤ちゃんが生まれるのもこのくらいの時期ですね。
狙って行けば、動物園や飼育している公園なんかで赤ちゃんを見ることができるかも。
オスもメスも、だいたい生後2.3年で大人になります。
一夫多妻制なのはアルパカと一緒です。
-
【寿命】
- アルパカ: 15年から20年
- リャマ: 同じく15年から20年
- アルパカ: 1回につき1頭
- リャマ: 1回につき1頭
- アルパカ: とくになし
- リャマ: 11月から5月くらい
- アルパカ: 一夫多妻制
- リャマ: 一夫多妻制
【生まれてくる赤ちゃんの数】
【繁殖期】
【夫婦形態】
だいたい同じなんですね。
リャマの性格は?
警戒心がなく、なつっこい。
いい性格してます!
-
【性格】
- アルパカ: 怖がりで警戒心が強いのに、好奇心旺盛
- リャマ: 警戒心がなく、人なつっこい
人に慣れやすいのは断然『リャマ』!!
見た目がほんわりしてるアルパカ。
どちらかというと体育会系でガッチリしたリャマ。
……なつっこさに関しては、完全にイメージと逆。
リャマ・アルパカちゃんたちよ、君たちはホントにツバを吐くのかい?
結論から言っちゃうと、
『吐きます! こっちが吐きたくなってくるくらいの、くっさいヤツを!!』
吐くんですよ……
あんなかわいい顔してるくせに……
どうしてツバを吐くの?
アルパカもリャマも弱いからです。
襲ってきた相手から身を守ろうと思っても、彼らに武器はないんですね。
鋭い爪とか、牙とか、ツノなどのアイテム0。
だから、
『臭いツバをくらえ!! エイ! ぶばはぁぁぁぁ!』
です。
ツバが唯一の武器。
身の危険を感じたり、ものすごくイヤなことがあったりムカついたりすると、防御も兼ねてツバ攻撃してきます。
- 怖い
- 不安
- 怒ってるんだぞ!
- イヤだ~
- あっち行け!
= 身を守らなきゃ
= ツバ
♦ アルパカちゃん ケンカ中?つばペッッッッ! |alpaca (nasu alpaca farm#07) |kyuru kyuru
仲間同士のエサの取り合いなどにもツバ、大活躍。
たまにかけあってますよ。
ツバが攻撃に使えるくらい臭いのはなぜ?
ウシやラクダ、キリンやヤギなどは『反芻(はんすう)行動』をする動物。
リャマもアルパカも、
『偶蹄目(ウシ目)ラクダ科』
ですよね。
ウシやラクダ同様、反芻行動を行っています。
-
■ 反芻行動
- 植物など、食べたものを口でかみ砕いていったん胃(反芻胃)に入れる
→ 一部を消化
→ 残りを胃から口に吐き戻して、またかみ砕く
→ 再び胃へGO!
→ 一部を消化・残りをまた口に吐き戻しカミカミ
→ これを何度も繰り返す
➡ 完全に消化されるまでに、かなりの時間がかかる
ちょっと『おぇっ』ってなっちゃうような行動が反芻。
彼らがしょっちゅうお口をモグモグさせているのはこうした繰り返しをしているからなんですね。
で、あまり想像したくもないし、生々しく書くのもアレなんですが、行ったり来たりしている『食べたもの』が胃の中でどういう状態になっているかというと、
『かみ砕かれた食べ物が胃液と混じり発酵・ついでに一緒に飲み込む唾液(ツバ)とも合体した、世にもおぞましい状態』
これを先ほど挙げた『身を守らなきゃ』系の恐怖に襲われたときに胃から吐き戻し、口から発射。
口の中にあるただのツバではなく、吐きだしているのは胃の中のものなので、温度的にも熱いです。
そして、本気で臭い。
しかも、ネバっちぃ。
= 最悪……
♦ アルパカに唾かけられた。funny alpaca, funny animal
注意してね。
ツバ吐き注意! 前兆はある?
一応、ツバを吐く前には、
- 耳を後ろに倒す
- 唇をめくりあげ、歯ぐきを見せるような表情になる(笑ったウマみたいな顔?)
- クーっと唸ってアゴを持ち上げ、吐きだしスタンバイのポーズをとる
- なんとなくイラついているような顔つきになる(上級者向け見分け方)
などボディランゲージ的なものを見せることは多いです。
でもこれら、まったくなしの不意打ちでくることもあるんですよ……
あまりしつこくしないのが無難。
とくにアルパカは警戒心が強く、臆病なくせに好奇心が旺盛です。
調子にのって接しているうちにアルパカの、謎の『怖いスイッチ』が入ってしまうことも多々あります。
で、ひっかけられてる人も多い。
リャマも人なつっこい性格とはいえ、ガマンの限界がないってわけではないので、『イヤだ、怖い』と感じれば、普通にツバを吐きかけてきます。
毛を刈られるのをイヤがって、動物園の係の人にツバを吐きかけてくるとか。
(※ カッパを着てツバ対策をしてたりもする)
本場アンデス地方でも、背負わせた荷物が重すぎたりすると、
- 唸る
- 地面に寝っ転がって『もうこれ以上ムリ!』をアピール
- ツバをバシバシ吐いての抗議
たまにあるそうですよ。
終わりに……
耳の形やサイズの違いより、性格の違いを知っておかないと、なにかとエライ目にあうような気がしてきました。
-
「お、オマエ、なつっこいほうのリャマだな……よしよし(かわいいなぁ)」
「ぶぉほっ!(吐きだす音)」
「……(涙目)……」
……イヤだ。
はい。
最高にイヤです。
気をつけてくださいね。
ツバ吐きは大問題ですが、それでもやっぱりかわいいリャマ(ラマ)とアルパカ。
彼らに対する『どっちがどっち?』が、なんとなくでもおわかりいただけたでしょうか。
皆さまのスッキリのお役に少しでも立てていたらうれしいのですが……
ではでは。
最後までおつき合いいただきありがとうございました。
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