といえば、
「○○さん、これお願いできる?」
「わかった、やっとくね」
「△△って案件どう思う?」
「いいんじゃない? それでいってみようよ」
などなど、「わかった。いいよ、OK」の意味で使われることばなのですが、これがとにかく、
『ややこしい!』
のですよ……
『お願いや要求などを受け入れるときに使う言葉』という点ではどれも同じなのですが、
-
社長:「○○君、これ、お願いできるかね」
あなた:「はい! 了解っす!」
この受け答えはさすがにマズい気しかしません。
(「了解っす」じゃなくて「了解です」だとしても)
- だれからの依頼(や意見)なのか
- だれが受け入れるのか
これは大事。
とくにビジネスシーンでの使い分けは、なにかと死活問題にまで繋がってきます。
”できないコ” ”失礼なヤツ” ”ビジネスマナーがなってない人” …… etc.
言葉の使い方ひとつで、ここまで評価が下がってしまうのはもったいない……
でも、この4つをしっかり使い分けられないと、高確率でそう思われてしまう……
── ということで、
『ビジネスマナーをマスターしよう!
了解・了承・承知・承諾の違いは?』
について、意味や使い分けを含め紹介いたします。
デキるビジネスパーソンを目指し、それではさっそくみていきましょう。
※ 読み方は『了解(りょうかい)』『了承(りょうしょう)』『承知(しょうち)』『承諾(しょうだく)』です
目次
『了解・了承・承知・承諾』の違いは?
大まかな違いになりますが、まずは『だれが使うか問題』からみていきますね。- 了解: 目上の人(から目下の人へ)/ 同等の立場にある相手に対して
- 了承: 目上の人(から目下の人へ)
- 承知: 目下の人(から目上の人へ)
- 承諾: 会社間での契約や取引など、責任をもった実行が伴われる場合に多く使われることば
→ ただし『目下の立場にある人が目上に対して使う』のは避けるべき
使えるのって『承知』だけ……?(使い分け、楽勝!?)
ですね。
これだけ見るとそうなりますよね。
簡単大歓迎。
でも……そうはいきません。
-
社長:「○○君、これ、ちょっと頼めるかな」
あなた(部下):「了承しました」(= 自爆 ×)
はNGでも、
-
あなた:「こちらの件なんですが、ご了承いただけますか?」
社長:「わかった。じゃ、その線で進めてくれたまえ」
少し変えれば、問題なく使える言葉にもなるんですね。
『承知』一択ではないのですよ……
でも、その言葉の意味などを知ると、それほど面倒な使い分けではなくなるので大丈夫。
それぞれ、少し詳しく確認していきましょう。
『了解』の意味は? だれがどんなときに『了解する』の?
いったん了解の『了』と『解』をバラして考えてみます。それぞれの言葉の意味
-
■ 『了』
- わかること・悟ること / はっきりわかること
- 解き明かすこと・説明 / わかる・わからせる
■ 『解』
こんな意味を持つ言葉です。
では続いて『了解』。
-
■ 『了解』
- 悟ること
- 物事の意味・内容事情などを理解すること
- 理解して認めること
- 事情をくんで承知すること
ほかにも『了解』はトランシーバーなどの無線通信をするときに、
『その内容、しっかり受け取った(= 了解)!』
のように使われる言葉でもありますよね。
つまり、『了解』という言葉が一番強くアピールしているのは、
『あなたの事情や話の内容(要求や行為等)の意味を理解しましたよ』
です。
簡単に言うと、もっともストレートに『わかった』を伝える言葉。
『了解しました!= わかりました!』
で、この『わかった』を漢字で表すと、
”理解・判明・納得・把握・了解” など
になるんですね。
相手の事情や話を聞いて、『理解して納得してわかった(了解)』といった感じ。
そしてそれプラス、上記の通り、
- 理解して認めること
- 事情をくんで承知すること
の意味も持つため、
『あなたの事情や話の内容(要求や行為等)の意味を理解しましたよ(そのうえで認めますよ)』
意味合いとして強いのは『理解した』です。
が、ただ理解しただけでなく、『認めることも含め、理解した』のようなニュアンスに。
ちょっとわかりにくいので、冒頭に挙げた例に当てはめてみます。
-
「○○、お願いできる?」
「わかった、やっとくね」
→
あなた:「部長、こちらの書類にサインをいただけますか?」
部長(上司):「サインですね、了解しました。後ほど取りに来てください」
=『サインがほしい』という部下(あなた)の要求を理解する(プラス、その申し出を認める)
あなた:「了解しました(= 自爆 ×)」
-
「○○ってどう思う?」
「いいんじゃない? それでいってみようよ」
→
あなた:「こちら、前回お話させていただきました見積書になります」
取引相手:「(目を通す)了解しました。では、今後ともよろしくお願いします」
= あなたの持ってきた見積書を見て、内容を確認・理解する(プラス、その案を認める)
……あまりわかりやすくなってなかったかも……
目上の立場の相手に使うとNGなのはどうして?
なぜ部長に対しあなたの言った『了解しました』が自爆になってしまうのか。
これにはイマイチ根拠のはっきりしない理由があるんです。
さっきも書きましたとおり、『了解』は単に『わかる』を漢字で表現したものなので、敬語でもなんでもありません。
でも、そこに『しました』をつけることによって、ていねい語にはなりますよね。
-
※ ていねい語:
ていねい、または改まった言い方をすることで相手に敬意を表す言葉
です・ます・ございます など /『食う』ではなく『食べる』・『天気』を『お天気』なども
謙譲語ではないので、若干ていねいさには欠けます。
なので『了解しました』を嫌う上司などがいるのはなんとなくわかる。
-
※ 謙譲語(けんじょうご):
自分がへりくだることで相手に敬意を表す言葉
では、ここに『する』の謙譲語にあたる『いたす』をつけ、
『了解いたしました』
にしたら?
本当なら、これでいいはずですよね。
謙譲語『いたす』効果で、失礼な言い方にはなりません。
が!
『了解』は、
”目上の人や取引相手などに対して使うにはあまり適していない、敬意の感じられない言葉なのではないか”
と言われ、ビジネスパーソンのルールブック的な本にも続々掲載される、という謎の黒歴史を持ってるんですよ(20年くらい前 / その根拠は不明)……
そして、さらに困ったことに、そのルールブック的なものを指南書としてビジネスルールを覚えた年齢層の方たちがいるため、
(※ 今のあなたの上司くらいの方が多いと思う)
『了解 = 目上の私に使うとは失礼なヤツだ』
のように自然に脳内変換されてしまう可能性も大。
わざわざ地雷を踏みに行くこともないので、避けた方が無難です。
同僚や後輩に対し使ってください。
上司や取引相手に使うのはやめときましょう。
『了承』の意味は? だれがどんなときに『了承する』?
こちらも分解。それぞれの言葉の意味
-
■ 『了』(さっき出てきたのと同じ)
- わかること・悟ること / はっきりわかること
- うけたまわる
- 相手の意向を受け入れる
- 承知すること
- 事情を理解し、それでよしとすること
- 事情を理解し承知すること
■ 『承』
■ 『了承』
『了解』が、
『あなたの事情や話の内容(要求や行為等)の意味を理解しましたよ(そのうえで認めますよ)』
といったニュアンスなのに対し、『了承』では、
- 相手の事情や事柄・話の内容の意味を理解する
- そのうえでそれを認めたり許したりする
どちらの意味合いも強くなります。
-
『了解 = 理解』
『了承 = 理解したうえで異存なし、として認める(受け入れる / それでよしとする)』
です。
『了承しました = わかりました。異存はないので許可しますよ』
ザックリかみ砕いていうと、こんな感じに。
『了承する』のはだれ?
許可してくれるのはいいんですが、その認め方が問題。
異存なしとして、認めたり許したり、って、かなり上からなんですよね。
部下が上司の指示などに了承で応えると、
『そういうことなら、ま、従いましょうか』
みたいなものすごくエラそう感というか、何様感あふれる言い方になってしまう。
目上の立場の人が部下などからの提案や報告、希望などを認める際に使われるのが『了承しました』です。
逆に目下の立場の人が上司などに許可を求めるときは、先ほど出てきた『ご了承いただけますか?』のようにして使われます。
- 部長の了承済み:
上司である部長がするから『了承』 - ご了承いただけますか?:
許可がほしい相手に頼んでいるから『了承』
(※ 許可をもらいたいという理由により立場的に上) - わかりました。了承(いた)します:
許可を出している自分のほうが立場が上なので『了承』
んぅ~ん……
上の囲いの中の解説だけでは実戦でサクッと使い分けできないかもです。
ということで、これから日常会話の参考例で解説してきますね。
(ちょっとこじつけっぽくなっちゃってますが……<(_ _)>)
-
「○○、お願いできる?」
「わかった、やっとくね」
→
ウエイトレスさん(立場上・目下):
「ご注文いただいた煮込みハンバーグですが、お時間少々かかってしまいます。申し訳ありませんが、(なにとぞ)ご了承ください」
= 調理時間が多少かかることを理解した(わかった)うえで、それを認めてほしい
お客さん:「了承しました」
= ウエイトレスさんの話を聞き、内容を理解して、異存なし、と認める
※ 極端な例です。『お時間がかかってしまいますがよろしいでしょうか』『わかりました』とかが普通です
-
「○○ってどう思う?」
「いいんじゃない? それでいってみようよ」
→
お客さん:「アイスコーヒーなんですが、これ、食事の前に持ってきてもらうことってできますか?」
ウエイトレスさん:「お食事の前にコーヒーですね……
(……『了承いたしました』って『異存なし、認める』って感じになっちゃう言葉なんだよね……こういうときってなんて言えばいいの?)」
『了承はダメ……じゃ、なんて言えばいいの?』とお悩み中のウエイトレスさん(と、お悩み中のあなた)!
こんなときにはビジネスシーンでもっとも推奨(すいしょう)されている言葉、
『承知』
を使いましょう♪
『承知』の意味は? だれがどんなときに『承知する』?
こちらもバラしますね。
それぞれの言葉の意味は?
■ 『承』(これもさっき出てきたのと同じ)
- うけたまわる
- 相手の意向を受け入れる
■ 『承(うけたまわ)る』
- 謹(つつし)んで受ける
(※ 謹んで: 敬意を表してうやうやしく)
- (目上の人の)命を受けてその通りにする
- 謹んで聞く・拝聴する
- 『引き受ける』の謙譲語・謹んで受ける・お受けする
- 『聞く・伝える』の謙譲語・謹んで聞く・お聞きする
■ 『知』
- 知ること・知らせること
- よく知ること
- 悟ること
- 物事を見抜き、考える能力
- 心に感じ取る
■ 『承知』
- 旨をたまわって知ること・知っていること
- 聞き入れること
- 相手の依頼・希望・命令などを聞き入れること
- 詳しい内容や事情をよくわかっていること
『承知』は、
- 内容をよく理解している(した)ことを伝える
- そのうえで相手の依頼等を聞き入れる・引き受ける
2つのアピールポイントを持つ言葉です。
【内容をよく理解していることを伝える】
- 危険は承知のうえさ!
- そんなの百も承知だよ!
【そのうえで相手の依頼等を聞き入れる】
- 承知しました
- がってん承知の助!
『がってん承知の助』というのは、
“事情はわかった(がってん / 合点)! 納得したぜ! 任せとけ!”
のような意味。
(※ 江戸弁 / 『の助』は言いやすいようノリ的にくっつけただけなのでとくに意味はなし)
ちょっとヘンな例をあげてしまいましたが、『承知』のイメージがわきやすいかと思ったので……
『承知』自体は謙譲語ではありません。
ですが『承る』が謙譲語なので、非常にていねいな印象を相手に与える言葉になるんですね。
『内容をよく知ったうえでその依頼を聞き入れる』
ここに『承る』の意味を持つ文字が入ることで、
「あなたの依頼を『謹んで聞き』、それを『謹んでお引き受けします』」
のような感じになります。
ものすごく謙虚。
よりていねいさを持たせたいなら『~する』の謙譲語にあたる『~いたす』をつけ、
“承知しました → 承知いたしました”
尊敬されるのが好きな人なら、さらに喜んでくれるはずです。
二重敬語にもなりません。
敬語は『いたす』だけだから。
『承知(いた)しました = 指示、理解しました。そのようにさせていただきます』
といった感じですね。
『了解しました』を使うなら『承知しました』。
『了解いたしました』と『承知しました』だとしても『承知しましたチョイス』のほうが安全ですよ。
(※ 『承知いたしました』ならなおいい)
『承知する』のはだれ?
謙譲語である『承る』の文字が入った言葉なので、へりくだることで相手を立てるときに使われます。
こりずに先ほどのレストランでの会話の続きでみてみます。
「○○ってどう思う?」
「いいんじゃない? それでいってみようよ」
→
お客さん:「アイスコーヒーなんですが、これ、食事の前に持ってきてもらうことってできますか?」
ウエイトレスさん:「お食事の前にコーヒーですね。承知いたしました」
= アイスコーヒーを先に持ってきてほしい、という要望・依頼を聞き入れる / 相手の要望・依頼の内容をしっかり理解していることを伝える
「○○、お願いできる?」
「わかった、やっとくね」
→
お客さん:「ごちそうさまでした。お会計お願いします」
ウエイトレスさん:「承知いたしました。ありがとうございます」
= 食事が終わったので、会計を済ませてレストランを後にしたい、という相手の要望を聞き入れる
そして『承知』の持つ、もう一つの意味、『内容をよく理解していることを伝える』です。
お客さん:「あ、あの、アイスコーヒーなんですが……」
ウエイトレスさん:「承知しております。お食事の前に、ですよね(ニコっ)」
= お客さん(前に来た)が、食事の前にコーヒーを飲みたい派であることを十分に把握していることを伝える
お客さん:「(ニコっ)」
『承知しました』を『かしこまりました』に変えるのもおすすめです。
ちょっと寄り道・『かしこまりました』について
『かしこまった格好』
『校長先生を前にかしこまる教頭先生』
『そんなにガチガチにかしこまらないでよ……』
などなど。
かしこまるは『畏まる』と書きます。
畏怖(いふ)や畏敬(いけい)などに使われる文字ですね。
- 畏怖: おそれおののくこと
- 畏敬: 偉大なものなどに対しかしこまり敬(うやま)うこと
つまり……そういうことです。
『承知』は『理解して、そのようにさせていただきます』のような意味合いの言葉になりますが、『かしこまりました』は、もっと問答無用な感じで、
『目上の人の言葉をうけたまわる / 依頼や命令などを謹んでお受けする』
になります。
しつこいですが、先ほどのレストランだったら、
「アイスコーヒーなんですが、これ、食事の前に持ってきてもらうことってできますか?」
「ごちそうさまでした。お会計お願いします」
→ オール『かしこまりました』でOK
『承知しました』より、響きがやわらかくなるので、こちらを好む人(言われるほう・上司など)も多いです。
ただ、
「承知しております。お食事の前に、ですよね」
に関しては、このままのほうがいいですね。
『かしこまっております』って言わないから。
場面に合わせて『承知しました』『かしこまりました』も使い分けてみてください。
よりデキるヤツ度合いがアップします。
『承諾』の意味は? だれがどんなときに『承諾する』?
『承諾』も分解です。
それぞれの言葉の意味は?
■ 『承』(さっきのと同じ)
- うけたまわる
- 相手の意向を受け入れる
■ 『諾』
- うべなうこと・請け合うこと・承知したこと・こたえること
※ うべなう: いかにももっともだと思って承知する・同意する
■ 『承諾』
- 相手の申し入れや頼みを聞き入れること・引き受けること
意味は『了承』『承知』とほとんど変わりません。
細かい違いをあげるなら、
- 了承: 相手の依頼や申し入れを、異存はないとして認める
- 承知: へりくだった立場の人が、相手の依頼や申し入れを聞き入れる
そして『承諾』が、
- 承諾: 聞き入れ、さらに責任をもって引き受ける(上の『諾』の『こたえる』/ 引き受けることによって、その依頼にこたえる感じです)
になります。
『承諾』のアピールポイントは、理解しっぱなし、聞き入れっぱなしではなく、そのあと、
『ちゃんと責任を持って引き受けますよ』
です。
しかも『うべなう』の意味が、
- いかにももっともだと思って承知する・同意する
なので、かなり乗り気でその提案や意見・依頼などに同意していることになりますよね。
ということで、こちらもザックリなたとえになりますが、
『承諾 = いい案ですね。ぜひわが社にも協力させてください』
渋々ではなく、喜んでお引き受け。
『承諾』がもらえたら、そうとう安心ですね。
『承諾する』のはだれ?
“クライアントから承諾を得ることができた”
“ご承諾いただき、心より感謝申し上げます”
“申し訳ありません。上司の承諾を得ることができませんでした”
など、『責任を持って引き受ける』ことが求められる他社との契約時や取引の際に使われることが多い言葉になります。
また、会社同士の契約や取引以外でも、そこそこ重要なことをお願いされ(部下的立場の相手から)、それを引き受けるときなど、
“だってお父さんが入院したんだろ? 彼の有給申請、もちろん承諾したよ”
のような使い方もありです。
ただ、目上の人や取引相手などに、『あなたの意向を受け入れ、積極的に同意し、そのように実行いたします』の意味で『承諾します』というのはちょっとストップです。
『承諾』も『了解』同様、敬語でもなんでもないんですね。
『します』をつけてもていねい語どまり。
謙譲語の『いたします』つきで、かろうじて何とかなりそうなんですが……
やっぱり、ちょっと上から的な物言いになっちゃうんです。
ここは『承諾』の謙譲語である、
- 承りました
- かしこまりました
または、
- 承知いたしました
を使うのが無難。
お客さん:「すみません。やっぱり煮込みハンバーグじゃなくて、グラタンに変えてもらってもいいですか?」
ウエイトレスさん:「承諾いたしました」
= ハンバーグからグラタンに変えたいというあなたの意見に私も積極的に同意します。そのように実行させていただきますね
(※ なんかエラそうなんですよね。同意してくれなくてもいいし)
ウエイトレスさん:「承りました」
= あなたのご意見に従い(謹んで受ける)、ハンバーグをグラタンに変更させていただきます
ウエイトレスさん:「かしこまりました」
= あなたのご希望通りにいたします
あくまでニュアンスですが、だいぶ印象が変わるんです。
『承諾』するのは取引相手や目上の立場の人。
場面はかなり限定され、単なる口約束ではなく、責任を持った実行が求められるときなどに使われる、ある程度重みをもった言葉になります。
4つの言葉の違いを比較しながら確認!
最後におさらいです。
比較しながら4つの言葉の違いをまとめていきましょう。
『了解』と『了承』
もっともシンプルに『わかった!』を伝える言葉が『了解』。
『あなたの事情や話の内容の意味を理解しましたよ』
『そのうえで認めますよ』の意味も含む言葉ですが、強く押し出されているのは『理解しました』です。
一方『了承』は、了解とほとんど同じような意味ですが、
- 理解しました
- そのうえで認めます
どちらの意味合いも強くなります。
言い方はちょっと……なんですが、
■ 『了解』
事情や話の内容は理解してくれたかもしれないけど、その先は……?
■ 『了承』
しっかり内容も理解してもらえたし、OKも出た
イメージ的にはこんな違いがあります(イメージ的には、です)。
『了承』と『承知』
この2つも似てますね。
どちらも、
- 相手の事情や事柄・話の内容の意味を理解したうえで、認めたり許したりすること(了承)
- 内容をよく知ったうえでその依頼を聞き入れる(承知)
ほとんど同じ。
違いは、
■ 了承
異存はないとして認める
■ 承知
上記のことをへりくだっていうときに使う
使う人の立場が逆になります。
了承が上の立場の人。
承知を使うのは下の立場にある人です。
『承知』と『承諾』
『承諾』だけは使う場面もかなり違ってくるので、純粋な比較にはならないかもですが……
■ 『承知』が言いたいのは、
理解したうえで『聞き入れました』
■ 『承諾』は、
理解したうえで『積極的に引き受けました』
です。
『承諾』 のほうが『承知』より一歩進んだ感じ。
責任を持って引き受ける、という意味合いが強く出る言葉です。
ビジネスマナーとして最適なのは?
■ 上司などに『わかりました』を伝える際に最適なのは
- 承知しました / 承知いたしました
- かしこまりました
■ 『あなたの意向う受け入れ、積極的に同意し、そのように実行いたします(= 承諾)』の意味で使うなら
- 承りました
- かしこまりました
- 承知しました / いたしました
『○○をするのはだれ?』
をそれぞれの言葉に当てはめてみてくださいね。
立場上、自分は『了承』はしないけど、上司から『了承』を得たかったら、
“ご了承いただけませんか(いただけますか)?”
代わりに自分がするのは『承知』です。
紛らわしいのはとくにこの2つですね。
上司は上役になるので『了解』してもOK。
本当は下の立場である自分も『了解いたしました』ならOKなんだけど、人によっては『了解』という言葉自体が地雷になっている場合もあるから避ける。
『承諾いたしました』は下の立場の人間が使うと、なんともエラそうな感じになっちゃうので『承知しました』等の無難なものを選ぶ。
ちょっとややこしいけど、どうしようもなくややこしいってわけではないですよ!
終わりに……
友だち同士だったら『OK~!』で全部OKなのに……
ビジネスマナーって面倒くさいんですよね。
でも『了解・了承・承知・承諾』はビジネスシーンではかなりひんぱんに登場してくる言葉。
ぜひサクッとカッコよく使いこなしてみてくださいね。
皆さまが、
「ほんの少しだけど、スッキリしたような気がするかも」
と思ってくださっていたらうれしいです。
ではでは。
最後までおつき合いいただきありがとうございました。
(※ くだらない例文にもおつき合いいただき、感謝です)
関連記事はこちらになります。
-
■ 『承』(これもさっき出てきたのと同じ)
- うけたまわる
- 相手の意向を受け入れる
- 謹(つつし)んで受ける
(※ 謹んで: 敬意を表してうやうやしく) - (目上の人の)命を受けてその通りにする
- 謹んで聞く・拝聴する
- 『引き受ける』の謙譲語・謹んで受ける・お受けする
- 『聞く・伝える』の謙譲語・謹んで聞く・お聞きする
- 知ること・知らせること
- よく知ること
- 悟ること
- 物事を見抜き、考える能力
- 心に感じ取る
- 旨をたまわって知ること・知っていること
- 聞き入れること
- 相手の依頼・希望・命令などを聞き入れること
- 詳しい内容や事情をよくわかっていること
■ 『承(うけたまわ)る』
■ 『知』
■ 『承知』
-
【内容をよく理解していることを伝える】
- 危険は承知のうえさ!
- そんなの百も承知だよ!
- 承知しました
- がってん承知の助!
【そのうえで相手の依頼等を聞き入れる】
-
「○○ってどう思う?」
「いいんじゃない? それでいってみようよ」
→
お客さん:「アイスコーヒーなんですが、これ、食事の前に持ってきてもらうことってできますか?」
ウエイトレスさん:「お食事の前にコーヒーですね。承知いたしました」
= アイスコーヒーを先に持ってきてほしい、という要望・依頼を聞き入れる / 相手の要望・依頼の内容をしっかり理解していることを伝える
-
「○○、お願いできる?」
「わかった、やっとくね」
→
お客さん:「ごちそうさまでした。お会計お願いします」
ウエイトレスさん:「承知いたしました。ありがとうございます」
= 食事が終わったので、会計を済ませてレストランを後にしたい、という相手の要望を聞き入れる
-
お客さん:「あ、あの、アイスコーヒーなんですが……」
ウエイトレスさん:「承知しております。お食事の前に、ですよね(ニコっ)」
= お客さん(前に来た)が、食事の前にコーヒーを飲みたい派であることを十分に把握していることを伝える
お客さん:「(ニコっ)」
-
「アイスコーヒーなんですが、これ、食事の前に持ってきてもらうことってできますか?」
「ごちそうさまでした。お会計お願いします」
→ オール『かしこまりました』でOK
-
■ 『承』(さっきのと同じ)
- うけたまわる
- 相手の意向を受け入れる
- うべなうこと・請け合うこと・承知したこと・こたえること
※ うべなう: いかにももっともだと思って承知する・同意する - 相手の申し入れや頼みを聞き入れること・引き受けること
■ 『諾』
■ 『承諾』
-
お客さん:「すみません。やっぱり煮込みハンバーグじゃなくて、グラタンに変えてもらってもいいですか?」
ウエイトレスさん:「承諾いたしました」
= ハンバーグからグラタンに変えたいというあなたの意見に私も積極的に同意します。そのように実行させていただきますね
(※ なんかエラそうなんですよね。同意してくれなくてもいいし)
ウエイトレスさん:「承りました」
= あなたのご意見に従い(謹んで受ける)、ハンバーグをグラタンに変更させていただきます
ウエイトレスさん:「かしこまりました」
= あなたのご希望通りにいたします
-
■ 『了解』
事情や話の内容は理解してくれたかもしれないけど、その先は……?
■ 『了承』
しっかり内容も理解してもらえたし、OKも出た
-
■ 了承
異存はないとして認める
■ 承知
上記のことをへりくだっていうときに使う
-
■ 『承知』が言いたいのは、
理解したうえで『聞き入れました』
■ 『承諾』は、
理解したうえで『積極的に引き受けました』
-
■ 上司などに『わかりました』を伝える際に最適なのは
- 承知しました / 承知いたしました
- かしこまりました
- 承りました
- かしこまりました
- 承知しました / いたしました
■ 『あなたの意向う受け入れ、積極的に同意し、そのように実行いたします(= 承諾)』の意味で使うなら
関連記事はこちらになります。
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