こんな『違い』があったんだ!

「たまご」と「卵」と「玉子」の違いとは? 使い分けはこれ ♪

たまご
「その日の気分で!!」


……それでも大間違いではありませんが、大正解でもありません。

どれを使ってもよさそうなこの3つの『たまご』。

一日に1個、少なくとも一週間に4、5回はお世話になっているだけに、正確に使い分けてあげたいものです。

たまご

この表記を分ける上での違いは?
使い分けのポイントになるのは?

の疑問にお答えいたします。

今日の夕食のメニューなどを考えつつお読みいただければ幸いです!
目次

「たまご」と「卵」と「玉子」の違いとは?

「タマゴが先か、ニワトリが先か?」

金魚やカマキリだってタマゴから孵るのに、昔から「ニワトリ・タマゴ関係」が気になっていた様子の私たち。やはり、一番身近な「タマゴ」だからでしょうか。


「たまご」「卵」「玉子」を分けるのにも、実はニワトリは重要なポイントとなっています。

では、それぞれの「タマゴ」たちの大まかな特徴を見てみましょう。

3つの関係

◇【30秒で雑学】たまごの漢字【今日のトリビア】
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=qK9eQX1BCAg&w=560&h=315]
  • たまご = 卵
  • 卵 =・親から生まれる動物のメスの受精卵
        ・鳥類の卵で食用とされるもの
    → 魚のたまごが丸く連なっている様子を表した象形文字。
  • 玉子=特にニワトリの卵(大雑把な括りでも鳥類限定)
     → ニワトリのたまごが丸い形をしていることから「玉の子」、「玉子」に。 
ニワトリがたくさん登場してきます!!
上記のものをまとめますと、

  • 「たまご」: というのは「卵」のことを指し、
  • 「卵」: は、虫・魚など卵全般の総称で、生物学的な意味での「卵」、食用としての「卵」のどちらも含まれ、
  • 「玉子」: になると「卵」の中でも食用とされるもの、主ににニワトリの卵(鶏卵)のことを指す。鳥類以外の虫や魚には使われない。
といった関係になります。


「たまご」 = 「卵」 + 「玉子」 / (「卵」 > 「玉子」)
の図式ですね。

玉子ポイント

  • 「お皿の上で割ったら、目の玉のようだった」や「球状の形から玉の子、玉子へと変化」など諸説あります。
  • 「玉」には宝石のようにきれい、や、優れている、丸いものなどの意味があります。「玉子」という文字は、栄養価の高い鶏卵を、そのように大事に見ていたことの表れかもしれませんね。

卵ポイント

  • たまごの古名は「殻の子(かひのこ)」。この呼び名を表す漢字として「卵」が当てられます。単独では「卵」は「かひ」と読まれました。
    実は言葉としては「玉子」の方が古く、なんと室町時代から使われています。 けれどその「玉子」の成り立ちは「鳥のたまごの、殻に入って丸い形」から先ほどの「玉の子」になり、やがて「玉子」に、です。
  • 当時は「鳥のたまご」は「たまご」とは呼ばれず、鳥が生んだあの丸いの」「あぁ、かひのこ? あの玉の子みたいなやつね」「そうそう玉の子っぽいよね。……玉子って呼んじゃおっか」のような感じだったのでは? と思われますが、こうして言葉で説明しますと、「卵が先か、玉子が先か?」とこんがらがってしまいます!

「たまご」と「卵」と「玉子」の使い分けはコレ

3つのそれぞれの表し方、違いというより、守備範囲といいますか、括りの大きさの違い、と言ってもいいかと思います。


ではその範囲、3つを比較しながら見てみましょう。

そこまで! 玉子編

鳥類限定の、しかも食用限定。

そこまでなら! 卵編

  • 生き物のタマゴなら虫・魚・へび、なんでも「卵」表記でOK。
  • 食用でも「イクラ」などのタマゴは「卵」(鳥類ではなく魚類のタマゴだから)。

どこまでも! たまご編

「たまご」とは『卵』を指しますが、その「卵」は『玉子』『卵』に分かれます。

よって「たまご」はどの場面で使っても問題ありません。ただ、ひらがななので、論文や何か重要な文章などに「たまご」表記はちょっと可愛らしくなりすぎる感は否めません……

玉子ポイント

  • 「玉子」を使っていいのは、鳥類の卵だけ。
  • けれど、食用でなければ鳥類のものでも使わない(例えばツバメの巣の中にあるのは「卵」の方です)。
  • スーパーなどで売られているものは調理前でも「玉子」。これは孵化を目的としてではなく、絶対に食用として利用されるから。しかも鶏卵、ニワトリのタマゴです。
  • けれど鳥類なのに、孵化させる気なんてさらさらないのに 、あんかけ焼きそばの上に乗せようと思って買っているのに、「うずらの玉子」などとは表記されず、「うずらの卵」。自信を持って「玉子」表記ができそうなものは「ニワトリ」のみのようです。
  • また「玉子」の文字は、同じく漢字を使う中国などでは通用しない、日本ならではの表記となっています。

卵ポイント

  • 生物のタマゴ全般を指して「卵」です。
  • 食用でも、ニワトリ以外の鳥類の多く、また魚などは「卵」表記。
  • 鶏卵を調理したものでも、その料理の形状から「鶏の卵」が連想されるようなものには「卵」の文字を使うことが多いそうです。
  • ちなみに2007年のNHKでは、放送で「たまご」を漢字表記する場合には「卵」の文字で統一していました。
    ただし、若い世代がより「卵」と「玉子」を使い分けている、といったアンケート結果から、今後は「玉子」での表記を認めていく方針だ、ということでした。
  • 生まれた状態の殻つきのタマゴに主に使われますが、孵化し「育っていく」、というところから、医者の卵など「これから成長してきっと○○になる」などといったニュアンスで使われる場合などにも「卵」が当てはまります。

使い分けポイント

一番安全なのは「たまご」のひらがな表記
それは生き物のたまごですか?
 → はい! → 「卵」で問題なし

それは何のたまごですか? 
 → 鳥類です! → 「卵」で大丈夫 
 → お魚です! → 絶対に「卵」で!
それは食べ物ですか?
 → はい! → 「卵」か「玉子」か? 書く前に次のことに注目!

その食べ物はズバリ何ですか?
 → カレイです、メニュー名は「子持ちカレーの煮つけ」です! → なら「卵」ですね!
 → ニワトリが朝生んで、さっきオムレツにしちゃいました! → ビンゴです! 「ニワトリのタマゴ」「食用として使う」「見た目から元の殻付き卵を連想しにくい」、条件が揃ったので「玉子」で!

その人は何者ですか?
 → 3か月前に入った見習い板前です。でも腕がいいので期待してます! → まさに「板前の卵」ですね! 将来が楽しみです!

大きな○をイメージすると?

「たまご」という大きな円の中にほとんど大きさの変わらない「卵」の円が重なり、その中の一部に小さく「玉子」の円がある、といった感じになります。

「玉子」表記にだけ、何かと条件(鳥類か、食用か、殻付き卵を連想しづらいか)などがつく、と覚えておけば取りあえずは大丈夫です。


以上が使い方のポイントとなります。


あくまで「一番そのタマゴのことが伝わりやすい書き分け」的なものとお考えください。

絶対にこれじゃなきゃダメ、といった決まりはない言葉です。


最後にこの「玉子」ですが、若い方ほど使い分け、年配の方はほとんどを「卵」でまかなっているようです。

「玉子」か「卵」かで迷ったら「卵」、と書いて間違いになることはなさそうですね。

ただし「卵丼」や「卵炒め」など、なんとも字面が……となるものもあります。いっそ「たまご」とひらがなで書くか、この場合でしたら先ほどの条件をクリアしていますので、ぜひ「玉子」表記を!



終わりに…

それを「めんどくさい言葉」と取るか「そのこだわりこそ美しい‼」と思うかは、「ニワトリが先だ!」「いや、タマゴでしょう!」の意見同様分かれるところ。


個人的にはその面倒くささは嫌いではないのですが……


いかがでしたでしょう。
夕食メニューのタマゴはどちらのタイプでしたか?


少しでもお役に立てていたらうれしいです!

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