あれだよね、安倍さんが使ってたヤツでしょ?
いや、そうですけど……言い方!!
星を表す記号としてもよく用いられている「五芒星」。
「六芒星」は「籠目(かごめ)模様」と言われた方がピンとくるかもしれません。こちらも正三角形と逆三角形を重ね合わせた星形をしています。
「安倍晴明(あべのせいめい)」さん愛用、ということからも何となくご想像いただけるかと思いますが、どちらも魔除けや幸運を呼ぶ等、神秘的なパワーが秘められているとされ、アクセサリーなどでもこれらをモチーフにしたものはよく見かけます。
パワーストーンで作られたブレスレットなど、普通にかわいらしいので、効果云々に関わらず身に着けたい気もするのですが、安倍晴明は陰陽師。
「陰陽師」とは「陰陽道」の担い手です。
そしてその「陰陽道」とは、古代中国で生まれた「陰陽五行説」に基づき、日本で独自の発展を遂げた、吉凶や地相、禍福などを読み解く方術(方法やわざなど)を指すもの。
安倍晴明は平安時代に活躍した、その陰陽師の一人、実在の人物なのです。
……思った以上にリアルな重々しさがあるものなのですね。
適当に身に着けていたら、なにかとんでもないことが起こりそう……
……いや、起こらないと思いますが、それぞれ歴史も秘めているとされる力も違うものなのは確か。
げっ! このブレスレットって、そんな意味になっちゃうの!?
な事態にならないよう、NGな組み合わせってある? なども含めまして「五芒星」「六芒星」それぞれの意味、違い等解説いたします。
実際に何かの効果があるのかないのかより、どんな気持ちで身に着けているのか、の方が大事だったりもします。
そういうことなら、ぜひこっちをそばに置いておきたい! などのお手伝いとなれましたら幸いです。
目次
「五芒星・六芒星」の違いはココ!
どちらも西洋・東洋を問わず、世界各国で使われているシンボル。「五芒星」は「精神的エネルギーを安定させる働き」、一方の「六芒星」には「精神エネルギーを強める働き」がある、と言われています。ですので「自分を守りたい」時には「五芒星」をモチーフにしたものを、「外に向け何かに働きかけたい」時には「六芒星」のものを、といったアクセサリー選びをしている方も多いようです。
さて、「五芒星」「六芒星」は西洋ではそれぞれ「ペンタグラム」「ヘキサグラム」と呼ばれています。
「魔除け・防御の象徴」として用いられることが多く、逆さにすればたちどころに悪魔の象徴とされ「独裁・欲望・病気・無知」などの意味を持つようにもなるのが「ペンタグラム(五芒星)」。
「ヘキサグラム(六芒星)」も「魔除け」のシンボル、目には見えない魔力の宿るものとして扱われ、力またはその増幅の象徴ともされています。
また、錬金術では真の知を授けるものとし、「賢者の石」の象徴です。単純に言葉からのイメージですが、ファンタジック!!ヘドウィック、カモン! です!
東洋では前述の「陰陽道」の印、また「陰陽五行の図」として用いられてきました。
そこで使われていた呪術的な図形が「五芒星」。「晴明桔梗印」または「晴明印」=「セーマン」とも呼ばれています。
京都御所の西に位置する晴明神社(晴明屋敷跡)の神紋(その神社固有の紋章のこと)や安倍晴明の家紋も「五芒星」です。
籠目の図形は主に魔除けとして用いられ、伊勢神宮やその関連神社などにも多数刻まれています。
また、陰陽道での「六芒星(籠目)」は「晴明紋」とも呼ばれ、陰と陽の調和を表す、「五芒星」とは違う力を持つものとして扱われていました。
のちに詳しく述べますが「五芒星」は「無限連鎖による完全性」を、「六芒星」は「相対するエネルギーの調和」を表すもの、とされます。
……「五芒星」「六芒星」の立ち位置は何となくわかった。だけどだって、ただの図形でしょ? なんでそんなパワーがあることになってるの?「無限連鎖による~」とか言われてもさっぱりなんだけど……
ごもっとも!
では続いて「五芒星」「六芒星」がその立ち位置を迎えるに至るまでを、少し詳しく見ていってみましょう。
「五芒星」について知る!
皆さまが「魔除け」などを、特に意識することなく書かれているいわゆる星、一筆で書けてしまうアレが、それです、「五芒星」ですね。実はこの「一筆書きで描ける」ということも、五芒星にパワーを与えている理由の一つ。
まずは「五芒星」の形、つまりおなじみの星マークを思い浮かべてみてください。一筆で書けましたでしょうか?
尖った部分の5つ、それを線で結ぶと正五角形になります。正五角形の中に五芒星(星マーク)が収まる形ですね。
そして今度はその星の真ん中に注目です。ここにも正五角形ができているのがわかりますでしょうか。
さらに星マークの中にできた正五角形のそれぞれの頂点を結ぶと、また星マークができ、その中にはまた正五角形が……と無限に続いていくのです。合わせ鏡のようですね。当然図形としての大きさは小さくなっていきますが、終わりはありません。
このことと前述の「一筆書き」、これも途切れることなく描けることから「五芒星」とは終わりのない完全性、連鎖する完全性を示す形である、とされているのです。
さて、ここでまた「陰陽道」です。
太陽が「陽」、月が「陰」、光が「陽」、闇が「陰」などのように自然界のあらゆるものを「陰」と「陽」に分けた古代中国の考え(陰陽思想)が「五行」の思想と結びついてできたのが「陰陽五行説」。
「五行」では「陰」と「陽」ではなく、自然界を構成しているものはすべて「木・火・土・金・水(もっかどごんすい)」の5つの属性(要素)に分けられ、また、これらが循環(「行」には「巡る」といった意味もあり)することにより、あらゆるものが作り出されていく、と考えられていたのです。
そしてこの5つの要素(5行)にはそれぞれ相性があり、良いとされるものを「相生(そうじょう)」、悪いとされるものは「相剋(そうこく)」と呼ばれました。
「陰陽五行説」では上記5つの属性を正五角形の5つの頂点(五芒星の5つの頂点でもあります)にあてはめ、一番上を「木」に、以下時計回りに「火・土・金・水」が対応するものとしています。
「相生」では五角形の頂点を時計回りになぞった場合の、その「左の属性のものが右の属性のものを生み出す(生かし合う)」関係、「相剋」では五芒星を時計回りに描く流れで「前の属性のものが後の属性のものに勝つ(抑制する)」関係を示します。
「相生」なら「木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み……水は木を生み、初めに戻って木は火を生み……」、「相剋」では「木は土に勝ち、土は水に勝ち、水は火に勝ち……金は木に勝ち、木は土に勝ち……」というように回り続ける、といった感じです。
そしてこの5つの属性(要素)は、季節や方角、時刻、臓器、干支等、様々なものにあてはめられ、その「相生」と「相剋」により森羅万象を読み解こうとするのが「陰陽五行説」、陰陽道の基本概念なのです。
このように「五芒星」の形を構成しているのは「五角形の相生」と「星形(五芒星)の相剋」。
つまり、5つの要素の循環により自然界は構成され、あらゆるものが作り出されている、とする「五行」の考えを並列的に図案化したものが「五芒星」となるわけです。
その形状が前述の通り、際限なく五角形とその中の星を生み出し、また終わりのない一筆書きで描けることからも「無限の、または連鎖する完全性」、つまり森羅万象、宇宙エネルギーが永遠に循環していくことを表わすもの、として捉えられているのですね。
そしてそのことにより、これに触れるものは浄化され、邪悪なものを寄せ付けず、また仮に入り込んだとしても連鎖の網に封じられ、さらには使う者の力も増幅してくれる、と信じられていたのです。
これが東洋での「五芒星」の持つ意味。
西洋では「木・火・土・金・水」の5つではなく「水・火・地・風」の4つに霊魂や精神を表す「スピリット」が加えられた5つが世界を構成している重要なもの、と考えられています。
これらを5つの頂点にあてはめシンボルとしているところは同じです。
これを用い、魔術や錬金術は行われてきました。そして先ほども書きました通り、逆さにすれば悪魔の象徴「デヴィル・スター」、黒魔術のシンボルとなるのです。
西洋・東洋問わず古くから神秘的な力が信じられ、宗教儀式などに使われてきた「五芒星」ですが、金星を頂点とし、木星・水星・火星・土星の5つの星を表した古代バビロニアのものがルーツとも言われています。
西洋での「金星」は占星術やおまじないなどとも関わりのあるものなのです。
そして、そんな「五芒星最古の記録」とされているのが、紀元前3000年頃のメソポタミアの書物です。恐ろしく昔ですね。安倍晴明が活躍していた平安時代のおよそ1000年前が大した昔でもないように思えてくるほど……
ですが同じ図形が似たような意味を持たされ世界各国でシンボルとされている、ということこそが一番の神秘のような気もします。
「六芒星」のことも!
さてさて「六芒星」です。前述の通り日本では「籠目」とも呼ばれます。「五芒星」は正五角形の辺をそれぞれ延ばしていくと出来上がる星形ですが、「六芒星」はそれが「正六角形」になったもの。
わかりやすく言えば、先ほども書きました通り「△」と「▽」を組み合わせた形です。
上向きの正三角形が「能動的原理」または「上昇運動」を、逆三角形になる下向きの正三角形の方が「受動的原理」または「下降運動」をそれぞれに表わしている、とされています。
……と、言われててもイマイチわかりませんが、言い換えれば前述の「陰陽思想」のように、向きの違う三角形はそれぞれ正反対のエネルギーを、つまり上向きの三角が「陰」または「プラス」「火」「創造」を表わすのであれば、下向きのものは「陽」「マイナス」「水」「破壊」を表わす、といった相対関係にあるわけです。
そしてその対極の2つが組み合わさることで成立する図形が「六芒星」。
よって「相対するエネルギーの融合・調和」を意味する、とされています。
そして「陰陽道」では、「五芒星」とはまた違った意味を持つ「六芒星」を「晴明紋」とし 、共に用いたのですね。
さて、西洋では「六芒星」は「ヘキサグラム」。魔除けのシンボルです。
また「ダビデの星」「ソロモンの紋章」「ユダヤの星」などとも呼ばれ、ユダヤ教に由来したものとしても知られています。
旧約聖書(ユダヤ教の聖典)にも登場しますし、イスラエルの国旗にも使われています。
17世紀以降、ユダヤ人やユダヤ教を表わすシンボルとなっていますが、そこの由来は不明。特に教義上の理由があって神聖視しているわけではないようです。
宗教戦争に端を発する三十年戦争の際にユダヤ人民兵部隊が旗印としてダビデの星を掲げたのが始まりと言われています。
ダビデとは古代イスラエルの王。持っていた盾に描かれていたのが「六芒星」であった、とする説、またはその息子である「ソロモン王」が魔術を使い悪霊を使役しつつエルサレム神殿を建立。その際に用いた大天使ミカエルから授かった指輪「=ソロモンの指輪」にしるされていたのが「六芒星」だった、などなど六芒星自体についてもいろいろな説があります。
また「シュメール人文明説」は本当に面白い。
地球で最も古い文明とされるシュメール文明ですが(メソポタミア文明の起源とも言われています)、その文明の解明が進むごとにありえない発見が数多く出てくるのです。
大体文明とは時間をかけて徐々に発展していくものですが、ことシュメール文明に関しては、文明の誕生とともに完結、くらいの勢いで発展が遂げられているのです。もの凄いレベルの技術が時を置かずそこにはすでにあったことが明らかになっていくのですね。
これは不思議すぎる、きっとシュメール人とは地球外の高度な知能を持った生物であったに違いない!
……そして発見されたいくつもの遺跡に浮き彫りにされている模様が「六芒星」なのです。
さらにそれにはまだ続きがあり、日本の神話との共通点、または古くから伝わる文書などからも、太古の昔には日本もシュメールと深く関りがあったのでは…… とする説です。
実際に日本では「籠目紋」として昔からその紋様は神社などで使われているのです。
もしかしたら……
真実はわかりませんが、ロマンはあふれ出ていますね。こういうの、個人的に大好きです。
「五芒星」と「六芒星」を比較!!
どちらも何かと謎が多そうです。「陰陽師」は本来であれば「官職(国の機関で働く職業、今でいえば公務員のようなもの)」なのですが、民間の自己流陰陽師的な人々が登場し始めたりもするようになり、また、最も活躍したであろう平安時代は、普通に悪霊や祟りなどが信じられていた時代でもありました。
西洋の「五芒星」も、魔術色が色濃くなっていき「六芒星」も含め、次第にかつての「魔除け」の意味合いよりも、かなりオカルト寄りなイメージを持たれるようになっていきます。
ですが、どちらの図形にもそれぞれの考えに基づいた意味があり、それにより用いられ方も違うものだったのですね。
ではここでもう一度2つの星形のおさらいも兼ねまして「五芒星」「六芒星」の違いや特徴等をまとめていってみましょう。
どんな形?
- 五芒星: 星のマーク → 正五角形の頂点を線で結ぶと出来上がります。
- 六芒星: 六つの頂点を持つ星形 → 正三角形と逆三角形を組み合わせた形をしています。
それぞれの意味は?
- 五芒星: 無限に連鎖し続ける完全性 → 一筆書きで描けること、星マークの真ん中に正五角形、その正五角形の頂点を結べば、またそこに星マーク……と永遠に連鎖し続け、途切れることなく続いていくため。
- 六芒星: 相対するエネルギーの調和・融合 →「△」と「▽」はそれぞれに相反するエネルギーを象徴しており、それらが組み合わされることにより完成す図形であることから。
どんなパワーがある(と言われてる)?
- 五芒星: 邪悪なものを寄せ付けない魔除け的なパワー / 精神的エネルギーを安定させる働き
→ 人や、人のエネルギーに対しての働きかけを目的とし、自分を守るなどの場合にも用いられることが多い。 - 六芒星: 力の増幅 / 精神的エネルギーを強める働き / 宇宙のパワーを取り込む力 / 魔除け
→ 宇宙や星への働きかけを目的とする場合など、外に向けての働きかけに用いられることが多い。
→ 錬金術では「真の知」を授けるものとされ「賢者の石」の象徴として。
「五芒星・六芒星」のパワーをアクセサリーに! どんな組み合わせで作ればいい?
特別な決まりはありません。例えば「五芒星」をモチーフにしたブレスレットを作る場合でしたら、5つの石を五芒星に見立て、他の(水晶などの)パワーストーンを等間隔で並べていけばOK。
玉の総数(石の)は五芒星では奇数に、六芒星では偶数になります。
「五芒星」を模したものは女性性を象徴している、と言われています。
先ほども書きました通り、持ち主はもちろん、周りの人の精神的エネルギーも安定の方向に強めてくれます。
ペンダント向き、とも言われる「六芒星」。
エネルギーの拡散や拡大の働きもありますが、やはり「調和・融合」の形です。心と体のバランスや秩序を整える効果も備えています。
一本じゃ寂しい……
と思われるかもしれませんが、基本一本がおススメ。
重ね着けがすべて悪いわけではないのですが、中には相性の悪いものもあるので注意です。
水晶やアメジストの単体ブレスレットを一本持っていると、組み合わせて使う場合でも安心です。
また、水晶もそうですが、黒曜石など硬質な石や岩ほど多くのエネルギーを封じやすく、逃がしにくい、とされています。
パワーストーンの種類は自由に選んで問題ありませんが、優しい色合いで優しいエネルギーを秘めている石ほど恋愛運UPに繋がるとか。
石それぞれに意味があります。
ご自分の目的に合わせた組み合わせをぜひ、楽しんでみてくださいね。
硬い石と柔らかい石を並べてしまうと、柔らかい方が欠けてしまうこともあります。
時計とぶつかって壊れてしまうこともありますので、別々の腕に着けるなど、そこも注意です。
また身に着けるアクセサリーは、毎日同じものでなくても構いません。
その日の気分や状況などに合わせて自由に選んでみてください。
ご自分で作ったお気に入りのアクセサリーを身に着けているだけでも気分がよくなり、運気も上がりそうですね。
終わりに……
パワーストーンで作るアクセサリーとしての「五芒星」「六芒星」のモチーフ。陰陽道などで使われる「五芒星」「六芒星」…………だいぶイメージが違います。
ですが、陰陽道や西洋の魔除けなどでも、なにもオカルト的に使われていたわけではないのですね。
ただの図形と言ってしまえばそれまでですが、その形状に意味を持たせシンボルとしてきた長い長い歴史を考えますと、その意味だけでももの凄いパワーが秘められていそうです。
ちなみに「五芒星・六芒星」を描き真ん中の多角形に心を込めて願い事を書く、身に着ける、そばに置いておく、だけでも効果はあるそうです。
もしかしたらですが「願いよ叶え!」という強い思いの方が「五芒星・六芒星」の力を引き出しているのかもしれません。
これを身に着けていたら絶対に何かいいことが起こる、などというものではないのでしょうが、身近にあることで気持ち的にはかなりの効果が得られそうですね。
さて、いかがでしたでしょう。
「五芒星」「六芒星」に限らず、神秘的なもの、パワーを与えてくれそうなものはこの世にはたくさんあります。
せっかくの効果が「何が違うの? モヤモヤ……」でそれどころでなくなってしまう……な事態だけでも解消されていましたらうれしいです!
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コメント
コメント一覧 (2件)
少しだけでもお役に立てていただけたようなら本当にうれしいです!
コロナ関連や『まだ5月なのに、暑過ぎじゃない?』などいろいろありますが、コメントいただきものすごく励みになりました。
感謝です<(_ _)>