というか「共和党」VS「民主党」。
毎回、祭り? と思うくらい盛り上がりますよね。
次の大統領はどちらの党から出ることになるのか……
-
「はーい! 質問なんですけど、どうしてアメリカっていっつも共和党と民主党だけが戦ってるんですか~?」
「この2つの党って、なにが違うんですか~?」
「政策の違いって、そんなに大きく変わるものなんすか~?」
いっぺんにはムリなので、これから徐々に解説させていただきますね。
── ということで、
「『共和党』と『民主党』ってなにが違うの?
党の特徴とか歴史も知りたい!」
について。
2つの党の違いを比較しながら、もろもろご紹介です。
それではさっそくみていきましょう。
目次
「共和党」と「民主党」の一番の違いは?
よく言われているのが、
- 民主党: 大きな政府を目指す
- 共和党: 小さな政府を目指す
です。
この『小さい・大きい』というのは、ものすごくかみ砕いていうと“政府が出すお金”のこと。
“大きな政府を目指す”民主党は、
“経済・福祉・市場などに対し、政府は進んで政策を打ち出して、それらを行っていくべき”
という考え。
支援や助けが必要な人たちに対して、福祉や保護を行うのも政府の役目、としています。
そのためならお金は惜しみませんよ、です。
一方、“小さな政府”を目指す共和党は、
“経済・福祉・市場などへの政府の介入はできるだけ最小限にとどめるべき”
という考え方。
なんでもかんでも政府がやるのではなく、みんなでできることはみんなでやっていこう、ですね。
政府は口も出さない代わりに、お金もそれほど出しません。
ここだけ聞いてると、
“民主党 = 太っぱら / 共和党 = ケチ”
な感じに思えてきちゃいますよね。
なんですが、お金は勝手にわいてくるわけではないので……
『税金』に対する考え方の違い
-
■ 民主党
- 中間層や貧困層にある人たちにも、福祉や保護の手を差し伸べたい
→ お金が必要
→ 税金、上げるか……
→ でも、お金を持ってない人から税金をとるわけにはいかないし……
→ ってことで、お金をたくさん持っている人に多く税金を払ってもらうことにした(累進課税)
→ で、それを貧しい人たちの教育費や医療費として活用だ!
➡ 高所得者 → 増税
中間層 → 減税 - 多くを持っている人は、多くの努力をした人だ
→ そんな人たちから税金を巻き上げるなんてとんでもない
→ むしろ成功したお金持ち(企業なども)が仕事を提供することで雇用が増え、結果多くの国民は助かってるはず
→ 富裕層にこそ今後もがんばってほしいから、おかしな増税には反対。いや、富裕層は減税だ!
➡ 増税反対
■ 共和党
民主党はたくさん持っている人の“富”を持っていない人たちに再分配することで、
“みんなに平等な暮らし”
をしてほしい。
これに対し共和党は、
“努力をすれば成功できる”
と考えています。
努力して成功した結果が自分たちだけ増税対象……全然平等じゃない……
あんまりにもなので、増税には反対。
考え方が真逆です。
ここで、それぞれの党の特徴をちょっと確認していきますね。
共和党・民主党のおおまかな特徴を比較
-
■ 民主党
- 大きな政府を目指す
- 弱者を優遇した政策が多い
- 福祉・環境問題にも力を入れる
- 少数派の権利も主張
- そのため“黒人・ヒスパニック・アジア系・移民、または同性愛者や宗教的少数派、労働者”など、支持層の幅が広い
- 白人富裕層からの人気はそれほどない
- “西海岸・東海岸の州”に支持者が多い(低所得者や移民などが多く暮らす場所です)
- 革新派
- 小さな政府を目指す
- 大企業を優遇する政策が多い
- 経済効果を最優先・福祉や環境問題には最小限しか関わらない
- “富裕層・白人男性・保守的なキリスト教徒”などを中心とした支持層
- “中西部”に支持者が多い
- 保守派
【民主党出身の有名な大統領】
“F・ルーズベルト”
“ジョン・F・ケネディ”
“ビル・クリントン”
“バラク・オバマ” など
■ 共和党
【共和党出身の有名な大統領】
“エイブラハム・リンカン”
“ロナルド・レーガン”
“ブッシュ親子”
“リチャード・ニクソン” など
弱いもの、少数派、労働者の味方的な民主党。
彼らへの保護・支援は手厚くなりますが、そこが富裕層にとっては不平等に感じられるんですね。
大企業や富裕層を優遇する政策を主張する共和党も逆の意味で同じ。
弱者にとっては、鬼みたいに見えるのかも。
『経済と政府の関わり方』に対しての考え方の違い
民主党も共和党も、
“資本主義”
“自由主義”
であるところは一緒です。
ただ、考え方がちょっと違う。
- ※ 資本主義
- 働いたらその分の報酬がもらえるシステム
- 自由に経済活動が行える
- 市場の競争によって、モノの価格やサービスへの内容が変わっていく
→ がんばればお金持ちになれるが、失敗すればそれなりのリスクを負うことになる
→ 簡単にいうと『本人次第』的な経済体制のこと
(あくまで経済への国の考え方であり、それをどう実行していくかなどは政府によって変わってきます)
-
※ 自由主義
- 個人の自由や権利を尊重
- 国家の規制や干渉は最小限にとどめる
-
■ 民主党
- 社会的弱者を守るために、必要なら大企業などにいろいろな規制をかけることでコントロールも必要
- 自由放任主義
■ 共和党
自由放任主義というのは、
“自由に個人の利益を追求させることで、社会全体の経済がうるおう”
という考え方のことです。
規制をかける民主党のやり方は自由主義に反するのでは? と思うかもですが、上記のものは基本の考え、というか本来の考え方。
時代の流れとともに、その意味するところも少しずつ変化しています。
なので、民主党的なものも自由主義の定義から外れているわけではありません。
ただ、政府が企業や個人の経済活動にいちいち口を出してしまうと、自由競争が制限されてしまうという弱点がないわけでもないんですね。
結果、経済が発展しないことになったりもします。
経済に対する国の考え方は一緒でも、2つの党の間ではその方法(政策など)に大きく違いがありますよね。
実はこれには彼らの歴史がからんでくるんです。
なので少しだけ寄り道しちゃいますね。
2つの党の歴史を簡単にご紹介です。
(※ 重要そうなとこだけにしか触れてません)
共和党・民主党の歴史
といいつつ、まずは『アメリカ合衆国』ができるまで。サクサクっと飛ばし気味にみていきます。
アメリカ合衆国の誕生
■ 1492年
アジア諸国を目指していた“コロンブス(スペインの人)”がなぜか西インド諸島にたどり着く。
『東アジアの一部を発見したぞ!!』
その後、東アジアではなく新しい大陸だということがわかり“アメリカ大陸”と名づけられる。
■ アメリカ大陸、植民地化する
ヨーロッパ諸国をはじめいろいろな国からの移住者がアメリカ大陸にやってくる。
で、植民地化。
■ 13の植民地とイギリスの間で対立が起こる
税金とかのことをめぐって、対立。
■ 1775年 アメリカ独立戦争(独立革命)が始まる
■ 1776年 7月4日 アメリカ独立宣言を発表
■ 13植民地が勝利し、1783年には“パリ条約”が結ばれる
独立戦争では“大陸会議”を一応の統一政府として、13植民地がそれぞれ独立して戦う。
■ 1786年 合衆国憲法についての話し合いスタート
ここ、ポイント。
■ 1787年 3月4日 合衆国憲法発効
同時に独立戦争のときに大陸司令官だった“ジョージ=ワシントン”が初代大統領に就任。
(※ ちなみにワシントンは“連邦党 / れんぽうとう”)
こうしてアメリカ合衆国という国が誕生して大統領までできたわけなんですが、憲法をつくる際の“憲法制定会議“はそうとうモメたんです。
で、ここらへんから共和党と民主党(の片りん / 前身)が出てきます。
憲法制定会議にて
新しい国アメリカを今後どんな国にしていくかをめぐる意見の違いにより、13邦は2派にわかれます。
(※ 元13植民地の一つひとつを“邦”として13邦)
◎ 連邦派(れんぽうは)
“13邦の連合を強めよう!”
“憲法は1つ”
“みんなをまとめるのは『連邦政府』だよ!“
“商工業に力を入れ、それを財政にしよう!”
→ 中央集権派(中心人物は“ハミルトン”)
→ 憲法と頼りになる政府による指導で、統一した国家を目指す
→ 比較的お金持ちの商工業者が多く、資本主義的なアメリカを理想とする
→ 農民や労働者の政治への介入を嫌った
◎ 反連邦派(はんれんぽうは)
“連邦政府が権力を持ちすぎるのはイヤだ!”
“それぞれ独立した州であるべきだ!”
“連邦政府の権限はできるだけ小さいものにしたい(介入も)!”
→ それぞれ州の権限を主張したので“州権主義”とも(中心人物は“ジェファソン”)
→ 農民中心
➡ 結果的には連合国家を発足させることに落ち着き、連邦政府も誕生した
※ 憲法制定会議では合意したものの、その後も反連邦派は反発をくり返します。
民主党と共和党の誕生
お待たせしちゃってすみません。これまで書いてきたのも、ここからつながってきますので!!
■ “リプブリカン党”の誕生
反連邦派を率いていた“ジェファソン”を中心に『民主党』の前身である、
“リプブリカン党”
が結成されます。
■ 1800年 “ジェファソン” 大統領選挙に当選 第3代大統領となる
リプブリカン党(反連邦派)の政権は1820年代まで続きます。
■ リプブリカン党の分裂
ジェファソンが大統領になり、アメリカの権力を握ることに。
領土をどんどんと西南部に広げていきます。
そんな中、リプブリカン党内での意見の対立・分裂が起き、
- 連邦主義をある程度受け入れてもいいんじゃない派
= 国民共和党(ナショナル・リプブリカン党) - あくまで州権主義を貫(つらぬ)く派
= 民主共和党(デモクラティック・リプブリカン党)
2派に分かれていきます。
■ 1828年 “ジャクソン”が第7代大統領に当選
ジャクソンを支持したのは、民主共和党や西南部(拡張された領土)に住む農民たちでした。
■ 1832年 『民主党』の誕生
ジャクソン支持者により、民主共和党は『民主党』に名前を変えます。
ついに民主党誕生ですね!
州権主義的な政策を行っていきます。
もともと反連邦派だったんで。
■ 民主党の支持層の変化
結党当初は西南部の農民層が中心。
大統領になったときも、西南部の開拓農民の強い支持がありましたよね。
でもだんだんと増えてきたのが南部に住む人たちの支持です。
南部と北部の違いも簡単にチェックです。
これ、けっこう先まで関係してきます。
※ 南部と北部の違い
◎ 南部
- 綿花プランテーションを中心とした農業が中心
→ この維持のために黒人奴隷が労力として必要
※ このころのアメリカではアメリカにもともと住んでいた(移り住んできていた)黒人さんや、アフリカ系アメリカ人を合法的に“奴隷”として扱えるという制度がありました
- 州の自治権を主張 反連邦派
- 自由貿易希望
(※ 関税をかける等の規制なしに、自由に貿易)
-
◎ 北部
- 商工業が中心
→ 黒人奴隷制(の拡大)には反対 - 連邦派
- イギリスとの競争に勝つために保護貿易を主張
(※ 保護貿易: 関税を高くすることで自分たちの国の産業を保護すること)
そしてだんだんと増えてきて、いまや民主党の中心的な支持層となっているのが“南部”。
1840年代になると、ついに民主党は、
“黒人奴隷制拡大”
を主張するようになっていきます。
しかもジャクソン、大統領になっちゃってるんで……ちょっと有無を言わさず感の強いやり方だったんです。
■ “ホイッグ党”の誕生
ジャクソンの強引ともとれるやり方に反発した“国民共和党(の一部と、黒人奴隷制拡大反対の民主党員の一部)”が『ホイッグ党』を結成します。
■ 南部と北部への分裂
黒人奴隷制をめぐる対立はどんどんと大きくなり、
- 南部: 民主党
- 北部: ホイッグ党
またもや2つに分かれることに。
これが当時の2大政党です。
黒人奴隷制関連の対立
自分たちの仕事(綿花プランター)を維持していくために今まで通り“奴隷”を使いたい南部。
奴隷制拡大反対の北部。
で、まだまだ領土を広げていたアメリカ合衆国。
新しく“州”が加わってきますよね。
その州を、
“奴隷州(奴隷制を認めている州)”
“自由州(奴隷制を廃止している州)”
どちらにするかで、またモメます。
■ “ミズーリ”協定
最終的に、
“北緯36度30分より北には奴隷州を作らない協定
= ミズーリ協定“
というのが結ばれます。
■ “カンザス・ネブラスカ法”
領土拡大していく中、カリフォルニアが“自由州”として加わります。
これに対抗して南部(民主党サイド)が成立させたのが、カンザス・ネブラスカ法。
“奴隷州にするか自由州にするかは、住んでる住民が決めていいですよ”
という、
北緯36度30分より北には奴隷州を作らない協定(ミズーリ協定)、どこ行った?
という法律です。
しかも裁判により“ミズーリ協定は憲法違反である”という判決まで出てしまいます。
そりゃ、北部、怒りますよね。
実際かなり怒りました。
■ 『共和党』の誕生
ここで登場。
怒った北部が立ち上げた党が“共和党”です。
- 黒人奴隷制拡大に反対
- 連邦政府の関与を基本的には支持
- 保護貿易主義
北部の製造業者など、資産家層を中心に支持を集めます。
ここまでが、『民主党と共和党ができるまでの歴史』。
……なんですが、なにか違和感、ありませんか?
現在の『民主党・共和党』と、立場的なものが逆なんですね。
- ■ 現在
- 民主党: 革新派
- 共和党: 保守派
でも、誕生したときは、もともとあった“奴隷制”に反対した革新派は共和党のほう。
しかも、現在では黒人の人などからの支持も厚い民主党ですが、かつては黒人奴隷制賛成派だったんです。
その後、
“南北戦争”
“世界大恐慌”
があり、
“立ち位置逆転”
が起こります。
ここもけっこうなポイントになってくるので、超簡単に流れをご紹介しますね。
南北戦争
サクサクっと、スピード上げていきます。
■ 1860年 リンカン大統領に就任
共和党ができたときからの主要メンバーだったリンカンが、
“黒人制拡大反対!”
を掲げ選挙に出馬。見事当選を果たします。
■ 南部・反発
よっぽど気に入らなかったんでしょうね、南部諸州……
“アメリカ合衆国からの離脱(連邦離脱)”
の意思を固めます。
そしてまさかの、
“アメリカ連合国”
を名乗り始めちゃうんです。
■ リンカン、南部独立を認めず
■ 1861年南北戦争勃発(ぼっぱつ)
1863年1月1日には“奴隷解放宣言”を発表。
アメリカ史上、もっとも多くの犠牲者を出した南北戦争が終結(終わった)をむかえたのは1865年3月です。
勝敗は、
“北軍”
の勝ち。
共和党側が勝利をおさめ、奴隷解放が実現しました。
※ 奴隷制はなくなりましたが、黒人差別自体は依然続いていきます
(1964年に“公民権法”が成立するまで、約100年間)
■ 共和党1強時代
負けた南部側(民主党)は、このまま党自体がなくなってしまうのでは? と思われるほど弱体化しました。
これまでの支持層(西南部の農民や解放された黒人の人など)も共和党支持層に加わっていきます。
そして、貿易も、
“関税等の規制なしに自由に貿易 = 自由貿易”
から、
“関税を高くすることで自分たちの国の産業を保護 = 保護貿易”
に変化です。
■ 1929年 世界大恐慌の始まり
そんなこんなで始まった共和党政権。
そのうち『保護貿易』の矛盾点に気づいていくんですね。
“これって、『保護』じゃなくって、むしろ国の産業の発展を妨害しちゃってることにならない?”
関税を高くして自国産業を守るより、自由に貿易させた方が経済もうるおう、と考え始めるようになります。
で、自由貿易に転向。
結果、市場の競争がものすごく激しくなっていき、そこに不穏な雰囲気を感じた投資家たちがいっせいに株を売り始めます。
それを知った国民が、今度は銀行から現金を引き出そうと必死に。
これはたまらん、ということで、銀行が耐え切れず倒産(1つだけではなくいくつも)。
好景気に任せてモノを作りまくっていた企業も、
“モノはあるけど、欲しがる人がいない”
という状況におちいり、続々倒産していきます。
このすさまじい経済不況はアメリカだけにとどまらず、世界中に広がっています。
これが“世界大恐慌”です。
■ 共和党のとった恐慌への対策
“ほっといた”
これまで通り、市場原理に任せる『自由放任主義』を変えませんでした。
今の共和党も経済に関しては自由放任主義ですよね。
政府が企業や個人の経済活動に干渉せず、市場の働きに任せるやり方。
“自由に個人の利益を追求させることで、社会全体の経済がうるおう”
という考えです。
そしてもちろん、この政策はなんの解決にもなりませんでした……
■ F(フランクリン)=ルーズベルトの登場
ルーズベルトは『民主党』出身の人です。
恐慌をストップさせることに失敗した共和党に代わり、ルーズベルトが、
“ニューディール政策”
という新しい政策をひっさげて大統領選に登場。
みごと、当選します。
◎ ニューディール政策
- 農産物を過剰に作らないようにすること
- 政府がお金を出し公共事業をたくさん行うことで、雇用を生み出す
- 労働者の保護や社会保障も充実させる
- 銀行も厳しく管理 などなど
これ、やりすぎちゃうと、アメリカの目指す“資本主義”の枠から外れ、“社会主義”になっちゃうんですね。
社会主義というのは、
“国が計画的に経済をコントロールしていく = 資本主義を否定”
のような感じの社会のこと。
ルーズベルトは、資本主義としての範囲を超えない程度に政府によるコントロールを行い、徐々に景気を回復させていきました。
労働者や黒人の人たちの支持も確保。
この世界恐慌への対応により、
-
新しい政策(これまでの自由放任主義ではなくある程度コントロールが必要)
= 革新的な政党
= 民主党
のイメージができあがります。
この姿勢は、まさに今の民主党ですよね。
で、残された共和党がとったのが、
“主張が似たような(革新的な)政党が2つだと、どちらかは存在している理由がなくなってしまう……”
民主党がすでに国民に対して植えつけてしまった『民主党 = 革新的な政党』のイメージに対抗するため、
“生き残るためには、共和党は『保護派路線』で行くしかないか……”
そして現在の、
- 民主党 = 革新的
- 共和党 = 保護的
の立ち位置になったとさ、なんです。
でも、もともとは、
-
◎ 黒人奴隷制を維持していきたい
= 保守派
= 民主党(その前身も含めて)
※ 現在の支持層: 黒人・ヒスパニック・アジア系・移民等、多種多様
◎ 既存の制度(奴隷制)をなくしたい
= 革新派
= 共和党
※ 現在の支持層: 白人男性が中心
真逆。
ルーズベルトさん、すごいです。
その後の選挙戦でもこの路線は守られています。
リベラルな民主党。
保守的な共和党。
このような背景があるため、政策の違いが(互いに”相手とは違う方向性で”のようなパフォーマンス的部分も含め)180度違うんですね。
そうじゃないと、どちらか(今はリベラルなのが民主党という立ち位置で)は別になくてもいい政党になってしまうから。
また、アメリカは”2大政党”です。
2つしか政党がない、ということではなく、この2政党以外は予備選挙や政策アピールのためのメディア出演などがないんです。
よっぽど影響力を持った候補者出ない限り、当選するのはムリですよね。
ということで『2大政党制』。
歴史紹介がかなり長くなってしまいましたが、こうした点もふまえて、現在の『民主党・共和党の違い』にもう一度戻りますね。
『宗教』に対しての考え方の違い
-
■ 民主党
- 宗教と政治は切り離して考えるべき
→ キリスト教以外の宗教を信じるひとたちの権利も守るべき - キリスト教こそがアメリカの伝統だ
■ 共和党
共和党は保守的なキリスト教徒からの支持も厚いです。
逆に民主党は宗教的少数派や移民などからの支持率が高くなります。
『移民』に対しての考え方の違い
-
■ 民主党
- 違法移民も受け入れるべき
→ アメリカにいる人はみんな政府が守る! - 合法移民はOK
→ 違法移民は違法だし……ダメでしょ
■ 共和党
民主党の支持層に移民が多いので、選挙権をもつ移民が増えると選挙のときに助かる、っていうのもあるんだと思います。
前回(2016年)の選挙では、トランプ氏の移民に対しての過激なまでの発言も話題になりましたよね。
新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐため、一時的に移民の受け入れをストップさせる書類に署名する意向があるとかないとか、という話も聞きます。
(※ 再選に向けての戦略ともいわれてますが)
いずれにせよ、この意見も真っ二つです。
『犯罪が起こるのはどうして?』に対する考えの違い
-
■ 民主党
- 貧しさや無教養が原因
- 犯罪は道徳心のなさから生まれる
■ 共和党
民主党は、累進課税によって高所得者から多めにおさめてもらった税金を、低所得者の教育費・医療費・住宅などを無料支給する等の政策を打ち出しています。
これらに対し共和党は、直接的なモノを支給するより、将来の役に立つ職業の技術の訓練などを与えていく形での支援のほうがいい、と考えています。
『銃規制』についての考え方の違い
-
■ 民主党
- 規制の強化を!
→ 購入時の身元確認などの徹底を! - 現状を見よ!
→ 規制強化反対
■ 共和党
共和党は、自衛のために銃は必要、という主張。
銃による犯罪をなくすために銃もなくす(なくなりはしないと思いますが、規制を強くする)のか。
銃による被害に遭わないよう、自分の身は銃で守るのか。
日本人が思うより、アメリカの人にとってはリアルな問題なんです。
『環境保護』についての考え方の違い
-
■ 民主党
- 時代は環境保護!
- 温暖化は長い地球の歴史の中の通過点に過ぎない
■ 共和党
民主党は、“大きな政府”。
環境保護にも力を入れた政策が多いです。
一方共和党は“小さい政府”。
環境問題などにはあまり立ち入りません。
それよりも、アメリカにある豊富な燃料資源を有効に使う経済効果優先な傾向にあります。
(※ 燃料を扱う大手企業から多額の献金を受けている、と批判を受けたことも)
『失業手当』についての考え方の違い
-
■ 民主党
- 失業した人が希望の職業に就くまで、無期限に手当ては支給すべき
- 支援はするが、無期限で支給するような政策には大反対
■ 共和党
民主党は、いつまでもどこまでも手を差し伸べるような政策を。
対して共和党は、それでは本人のためにならない、という考え方。
普通に働いている人に対しても不公平になる、と主張します。
手当などを支給するより、職業技術の訓練を受けさせるなどでの支援を、というのは共和党の一貫した主張ですね。
『同性婚・中絶』についての考え方の違い
-
■ 民主党
- 選ぶのは個人の権利
- キリスト教の教えに反する
■ 共和党
民主党はどちらも賛成。
共和党はどちらも反対。
『死刑制度』についての考え方の違い
-
■ 民主党
- 人が人を殺すのはダメ!
- やられたらやり返す!
■ 共和党
民主党は反対。
そもそも死刑制度は犯罪の抑止力になっていない、と考えています。
共和党は賛成。
……キリスト教の教えは……?
共和党支持者の中でも、キリスト教徒の人たちは、死刑制度には反対しています。
終わりに……
── というわけで、いくつかの政策の違いや特徴、歴史を紹介させていただきました。
本当に面白いくらい言ってることが正反対なんですね。
-
民: 私、お寿司が好きなの
共: (なに?! 日本食だと!)いや、ハンバーガーだろ、ここは。アメリカの食文化サイコー!
こんなことまで争ってそう……なイメージ。
あくまでイメージです。
でも、どちらも自分たちの国をよくしていきたい、という思いは同じ。
今年の選挙、どうなるのか気になりますね♪
プラス、皆さまの“なにが違うの?”へのモヤモヤも、少しでもスッキリしていただけていればうれしいです!
ではでは。
最後までおつき合いいただきありがとうございました。
(※ 文章内では“黒人”“ヒスパニック”“移民””奴隷”など、敬称略的な表現を使っています。不快な思いをされた方、ごめんなさい)
関連記事はこちらになります。
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